転生者である俺が特典で好き勝手やってみたwwwww   作:胡椒こしょこしょ

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最近、こちらの小説では控えてる分、淫夢語録をどこかで猛烈に書きたくなっている-1145141919810893


俺、運命と対峙したわwwww

「......」

 

フェイト・テスタロッサは感情を感じさせないような仏頂面で俺たちを見下ろしている。

そして静寂を切り裂くように彼女は口を開く。

 

「バルディッシュ、フォトンランサー....連撃」

 

<Photon lancer full auto fire.>

 

巨大な猫に杖を向けて槍状の魔法弾を猫に放つ。

 

「ニャアアアアア!!!!...ニャ.....。」

 

続けて魔法弾が直撃、炸裂して悲鳴を上げて気絶する猫。

 

「やめて!!」

 

<Flier fin>

 

なのははそんな猫の様子を見ていられず、飛翔して巨大猫とフェイトの間に立つ。

 

<Wide area Protection>

 

レイジング・ハートの言葉と共に防御魔法が展開されて降り注ぐ魔法弾から猫を守った。

 

「....同型の魔導師。.....ロストロギアの探索者か。」

 

少女がなのはを視界に収めて、ぼそりと呟く。

 

「あの杖は.....私のと同じ....。」

 

なのははフェイトのデバイスを見つめる。

 

フェイト・テスタロッサ。

なのはと同じくジュエルシードを集めている少女だ。

だが集めている動機がなのはとは違う。

違いすぎる。

言うなら彼女は今回の騒動の元凶側の人間だ。

彼女にジュエルシードを渡してはいけない。

 

「....バルディッシュ。」

 

<Scythe form Set up .>

 

「ロストロギア、ジュエルシード...申し訳ないけど、頂いていきます。」

 

するといきなりフェイトは杖を鎌のような武器形態に変形させてなのはへと迫る。

 

「.....ッ!!」

 

突然の行動に目を見開くも、なのははなんとか彼女の攻撃を避けた。

 

....が。

 

「...!まだっ、ぐぅううう!!!!」

 

<Protection>

 

フェイトの返す刀で繰り出された連撃を避けきることが出来ず、防御魔法を張る。

しかし傍から見てもなのはが押されており、状況はフェイトが優勢だと誰の目から見ても明らかであった。

 

「なんで...なんでっ!急にこんなっ!!」

 

フェイトに問うなのは。

しかしフェイトは表情を冷たく変えることはない。

 

「答えても、.....多分意味がない。」

 

フェイトは突き放すようにそう言い放つ。

彼女がジュエルシードを集める理由。

それは彼女自身の母親にある。

彼女の母親であるプレシア・テスタロッサ。

彼女は大好きな母親の為にジュエルシードを集めている。

しかし.....母親は彼女を娘として見てはいない。

彼女は娘のクローンに過ぎないのだから。

寧ろ....彼女は母親であるプレシア・テスタロッサからアリシアとは細部が違うことから嫌われ、忌避されている。

それを彼女は後に知ることになる。

 

俺は彼女が好きじゃない。

生みの親に愛されず、最後には生き別れる。

どこかのどうしようもない奴と境遇が少し似ている。

 

『お前に生まれた意味なんてないんだよ。』

 

父親である存在に言われた言葉。

そして.....。

 

『生まなきゃよかった。』

 

蒸発する前の母親が言っていた言葉。

それがありありと頭に蘇る。

 

彼女を見ていると昔を思い出して気持ちが悪くなる。

彼女と俺は違う。

彼女は強い。

母親に虐待同然の仕打ちを受けて、ジュエルシードを集めさせられても最後まで母親を愛していた。

だからこそ、この嫌悪感は自分勝手なエゴに過ぎない。

 

....今の俺は北形正和だ。

昔の俺ではない。

ちゃんと親も居て、ニコポのおかげでもあるけど友達も居て、.....昔の俺とは違って孤独じゃない。

だから....今考えていることは思考の無駄でしかないんだ。

考えるな。

 

俺が下らないことに気を取られていると、鍔迫り合いをしていたなのはとフェイトが両者とも距離を開いた。

フェイトは木の上に。

なのはは猫の近くの低空を漂う。

 

<Device form.>

 

バルディッシュのビーム状の刃が消失して、鎌のような形態から杖状の形態に変形する。

 

<Shooting mode.>

 

バルディッシュに呼応するかのようにレイジングハートの先端が音叉のような形状に変形する。

 

<Divine buster Stand by.>

 

<Photon lancer Get set.>

 

睨み合い、対峙する二人。

緊迫した空気が流れて息が詰まりそうだ。

 

すると猫が目を覚まし、起き上がる。

これは....!?

 

「なのは!前を見ろ!!」

 

「...ッ!?分かった!」

 

この後に何が起きるのか分かっていた。

起き上がる猫に注意が逸れたなのははフェイトの攻撃を受けて気絶してしまう。

別に気絶したところでなのははその後問題なく起きる。

俺が何を言う必要もない。

だけどなぜか声が出てしまった。

 

なのはは俺の声に驚いたのかこちらに視線を一瞬やるものの、フェイトに視線を移す。

その瞬間、フェイトの杖からフォトンランサーが放たれる。

 

「っッ!!」

 

なのはも少し遅れてディバインバスターを放った。

 

拮抗する金と桃色の二つの光。

しかし発射するのが少し遅れたからだろうか?

なのはのディバインバスターがどんどん押されて行き....

 

「はっ....」

 

その声を最後になのはにフォトンランサーが直撃する。

体全体で感じる風と衝撃。

なのはは空中を力なく吹き飛んでいく。

 

『なのはぁ!!!』

 

ユーノは林から駆けていき、結界で落下するなのはを受け止めた。

 

『大丈夫!?なのは!』

 

「う..ん...だいじょう...ぶ......。」

 

なのはは傍らに駆け寄るユーノにかすれ声ながらも力なく笑みを見せた。

俺の記憶、原作とは違う。

彼女は本来、気絶しているはずだ。

原作とは違い、魔法の拮抗の末の直撃である為、威力が減衰したのだろうか?

しかしなんにせよ原作とは展開が変わったのだ。

俺の感情任せの行動によって。

 

なのはは気絶していないにしても、動けないほどのダメージを負っているらしい。

 

フェイトはゆっくりと地面に降りると、猫を見やる。

そして猫にバルディッシュを向けた。

 

杖からバリバリと電流が走るかのような音が鳴り響く。

 

<Sealing form Set up.>

 

バルディッシュの先端が槍のような形状に変形する。

 

この後、フェイトが猫に魔法を行使してジュエルシードを手に入れる。

俺はなにもすることはない....。

そう思っていた。

 

「やめ...て.......」

 

倒れているなのはがフェイトを見て呟く。

彼女はあんなになるまで猫を守っていた。

精一杯頑張って。

そんな彼女の姿を見たのに、展開を知っているからとそんな理由で俺は看過しようとしたのか?

 

目の前の少女の頑張りを、知っているのに展開を知っているから見過ごす。

....それって前の世界に縛られていることと何が違う。

今を、北形正和として生きるんだろ。

このままじゃ......昔と変わらない、何も出来ないままじゃないか。

本当に、それで....良いのか?

 

「うっ、うぅぅぅぅ....うあああああああ!!!!!!」

 

駆け出してフェイトと猫の間に躍り出る。

 

「!な...なにやって...るの!!」

 

『無茶だ!!早く逃げて!!おかしくなっちゃったの!!??』

 

なのはとユーノが信じられないものを見るような目で俺に逃げるように言う。

本当に頭でもおかしくなってしまったのだろうか。

でも、逃げたくない。

なのはが気絶していればともかく、彼女の目の前で彼女の守ろうとしたものを見捨てて逃げたくなかった。

ああ、そうか....。

俺は、いつの間にかなのは達を転生先のアニメキャラでなく、自分と同じ生きた人間であると捉えていたんだ。

当然と言えば当然だ。

みんな一日一日を一生懸命生きている。

確かにアニメで起きたことも細部の会話は違うにしろ、起きてはいる。

....でも、そんなのは彼らの過ごす日々の一部に過ぎなくて。

日ごとに一緒に過ごして行けば嫌でも分かる。

彼らもちゃんと意思がある自分と変わらない人間であると......。

 

「や、やらせない.....。」

 

「....どいてください。」

 

冷たい目つきのままフェイトは俺に杖を向ける。

感情のない目が俺を見つめている。

怖い。

ジュエルシードの影と相対した時とは違う、脊椎に氷でも挿し込まれたかのような感覚。

これが蛇に睨まれた蛙というものだろうか。

 

でも、ここで折れるわけにはいかない。

もう後に引けない。

今の俺には魔法も使えない。

だからこそニコポに賭けるしか.....。

 

俺はひくつく頬を必死に上げて笑う。

そしてフェイトの目を見て口を開いた。

 

「ど、どいてほしいなら退かせてみろよ!お、お、俺はっ!すげぇ魔力も持っている!ひ、一筋縄で行くと思うなゃ.....」

 

唇が恐怖でうまく回らずに噛んでしまう。

膝も生まれたての子鹿のように震えて立っているのがやっと。

目からは涙が浮かんできた。

正直漏らしてないのが奇跡なくらいだ。

 

余りにも情けない姿。

こんなのが最強系転生者なんて笑い種だ。

目の前の少女の目には粋がってるのが余計に滑稽に見えるだろう。

 

「.....そう。」

 

そう言うとフェイトはデバイスを下ろす。

おっ!もしかして退いてくれるのか!?

やっぱニコポってすごい。

 

<bind>

 

ニコポの有能さに思いを馳せた瞬間、バルディッシュの水晶に文字が浮かぶ。

そして俺の体を黄色いリング状の物が拘束する。

 

そして縛られた俺を一瞥するとフェイトは猫に視線を戻す。

俺の横を通り過ぎていこうとする。

 

「ちょっ、待てっ!!」

 

制止するもフェイトは無視して猫へと歩み寄ってくる。

そして杖を猫に突きつけた。

 

「捕獲。」

 

その声と共に杖先に球状の魔力を地面に打ち込む。

地面を抉りながらも魔法は猫目掛けて飛んでいく。

そして猫に当たると電流が走る。

 

「ニャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

猫はつんざくような悲鳴を上げる。

電流によって猫は毛を逆立てて、苦し気な呻き声を上げている。

そして猫からジュエルシードが排出された。

 

<Order.>

 

「ロストロギア、ジュエルシードシリアルⅩⅣ、封印。」

 

<Yes,Sir.>

 

バルディッシュの返答を聞くと、魔力を上空に撃ち上げる。

すると今まで広がっていた青空に穴を開けるかの如く、雲が円状に消え去り、そこから数多ものフォトンランサーらしきものが猫目掛けて降り注ぐ。

 

<Sealing.>

 

そして上空に魔法陣が展開し、金色の光柱が倒れている猫を包み込んだ。

そして光が晴れるとそこには横たわる小さな子猫。

巨大な状態じゃ分からなかったがあの猫は子猫だったようだ。

そしてその猫の真上で宙に浮くジュエルシード。

それにデバイスでジュエルシードに触れる。

 

<Captured.>

 

そしてバルディッシュの中にジュエルシードが吸収されていく。

そしてまるで排気ガスを排出するように上記のような物をデバイスが噴出する。

 

「ごめんね。」

 

フェイトは横たわる猫を眺めるとそう呟いた。

そしてなのはに視線を移す。

 

「....ッ。」

 

なのはは起き上がれないながらも視線を鋭くする。

しかしフェイトはなのはを眺めると目を細めるだけだ。

そよ風が俺たちの間を吹きぬいていく。

 

フェイトはそのままなのはに背を向けて歩み出し、空に飛び上がった。

そして彼女の姿が見えなくなった辺りでバインドが消える。

 

なのはは大丈夫だろうか?

なのはに歩み寄る。

 

「おい、なのは...大丈夫....ッ!?」

 

彼女に歩み寄り、顔を近づけたらビンタされた。

....え?どういうこと?

頬を押さえつつ、彼女の顔を見たらなのはは涙目になっている。

 

「自分がっ!何をしたのか分かってるのっ!?あの子がその気になれば本当に危なかったんだよ!?

....私、見ていて本当に...心配で....ッ!!」

 

そう言って彼女が胸に顔を埋める。

心配を懸けてしまった。

前に出るだけ出て、何も出来なかった。

展開も大きくは変わっていない。

結局フェイトにジュエルシードを取られてしまった。

横たわる猫を見てもなのはの守りたいものすら守れたとは言えない。

これじゃ転生者なんて言えない。

転生者なら自分がしたいように世界を変えてみせろよ。

それが出来ないなんて俺は一体何なんだ?

 

自身の思索を押し殺しながら、なのはに一言。

 

「ごめん....。」

 

それだけしか言えなかった。

そよ風はただ俺の頬を掠めていく。

 

 

 

夕暮れ時になのはが動けるようになったので、みんなと合流する。

すると砂ぼこり塗れの状態を俺となのはが怪しまれたので、傾斜で二人とも転んで砂まみれになってしまったと嘘を吐いた。

 

そして月村家から高町家に変える。

隣ではなのはが浮かない顔をしている。

さっきの戦闘で思う所があったのだろう。

 

家の扉に手を掛ける。

中に入ると、心なし部屋から笑い声などが聞こえて少し騒がしい。

 

「お客さんでも居るのかな?」

 

恭也さんがそう呟きながら居間に入っていく。

するとテーブルに桃子さんと士郎さん、そして......。

 

「母さん!父さん!なんでここにいるのっ!?」

 

自分の父親と母親が桃子さんや士郎さんの向かいの席に座って談笑していた。

 

「お、ただいま。いやー何をそんなに驚いてんだよ息子よ!メールしただろ?母さんが。」

 

父は妙に高いテンションで俺に詰め寄り、抱き上げる。

みんなが見ている前で子供扱いされているようで恥ずかしくて少し嫌だった。

 

「ちょっ、やめろよ。それにそんなメール誰からも来てないんだけど!!」

 

そういうと父の動きがピタリと止まる。

そして母に首を向ける。

 

「えっ....メールしてって言ったよね?」

 

すると母は静かに携帯を開いて、メール欄をチェックすると舌を出す。

 

「いやー....忘れてた!」

 

おい、息子にメールすること忘れるなよ。

すると父は溜息を吐く。

 

「はぁ...しょうがないなぁ母さんは。取り敢えずただいま。一人にしてごめんな。」

 

そう言って俺の頭を撫でる。

そして父と母は桃子さんと士郎さんに向き直る。

 

「それにしても本当にごめんなさいねぇ。うちの子を預かっててももらっちゃって。

ちゃんとまた埋め合わせはするから!」

 

母が桃子さんに言うと、桃子さんは笑う。

 

「別に構わないわ。正和君とてもいい子だったし。

それに昔からの友達なのにそんなこと気にしなくてもいいのよっ!!」

 

「今度一杯どうですか?お礼に奢りますから....」

 

「お、良いですね。」

 

桃子さんと母はまるで女学生に戻ったかのようなテンションで話していて、父と士郎さんは飲みの算段をしていた。

するとなのはは呟く。

 

「そっかぁ....もう、正和君とは暮らせないんだ。」

 

さっきまで浮かない顔をしていただけあって、さらに顔を伏せてしみじみと呟くなのは。

何言ってるんだろう?

 

「えっ?....いや、家はす向かいだしいつでも会いに来ればいいじゃん。」

 

そう言うと、なのはは溜息を吐いた。

 

「...そういうことを言いたいんじゃないの。」

 

ジト目で俺を見つめる。

えっ、俺なんか間違ったこと言った?

 

『あはは....。』

 

ユーノはただ愛想笑いを浮かべている。

なに笑ってんだコイツ。

 

「じゃあ家に帰るか。正和。」

 

父に言われて頷く。

そして恭也さんやなのは、桃子さんや士郎さんに向き直り、頭を下げる。

今までこの家で暮らしていて、色んな事に気づけた。

この家は自分にとって第二の故郷と言っても差し支えがないだろう。

 

「今まで....本当に、お世話になりました。有難うございました!!美由希さんにもお伝えしていただけたら嬉しいです。」

 

桃子さんと士郎さんは笑う。

 

「またいつでも遊びに来なさい。」

 

「美由希にも伝えとくから。歓迎するわ。

今度来た時は新作用意して待っているわ。」

 

へ~、俺高町家の居候やめても甘味地獄からは逃れられないんですね。

でもこれも一つの自分にとっての思い出にである。

なければないで寂しくなるものだ。

 

「家に帰っても道場に来い。

稽古をつけてやる。」

 

恭也さんは笑ってそう言う。

あそこまで鍛錬をし続けたんだ。

だからこそ家に戻っても道場に行く気満々ではある。

恭也さんにボコボコにされっぱなしも癪だからな!

絶対に修得して仕返ししてやんよっ!

 

「本当に...遊びに来ても、いいよねっ?」

 

なのはは聞いてくる。

なに当たり前のこと聞いてるんだろう。

 

「当たり前じゃん。ていうか絶対来いよ。

ユーノも連れて。」

 

そう言ってユーノの頭を撫でる。

するとなのはもさっきとは打って変わって笑みを浮かべた。

 

「うんっ!絶対に行くよ!!約束!!!」

 

そう言ってなのはと指切りをした後に、俺は家族に連れられて高町家から離れて北形家に戻っていったのだ。

 

 

 

夜、寝る前。

ベッドで寝る用意をしているとドアが開く。

振り返ると父さんだった。

 

「なに?」

 

聞くと父は照れ笑いを浮かべる。

 

「いやなに、お土産っていうか渡したいものがあってさ。」

 

そう言って勝手にベッドで俺の隣に座る。

 

「お土産?」

 

「おう、まぁ正和の好みじゃないかもしれないけど。」

 

そう言って指輪のような物を渡される。

なにか複雑な意匠が施されたリング。

どことなく古臭い感じがする。

 

「えっ、これなに?」

 

俺が聞くと父は鼻を指で擦る。

 

「いやー父さんが現地で買った指輪だ。なんでも遺跡で出土した古代の貴族が着けていた指輪らしいぞ。」

 

へー、そんなんあるのか。

まぁ父は海外に出向く仕事をしているし、今回はそういう所に行ったのだろう。

 

「それでこれ何円だったの?」

 

俺が問うと父は胸を張る。

 

「ふふん!聞いて驚け!ざっと日本円で5万円だ!!」

 

「いやそれ絶対嘘だろ。」

 

遺跡で出土した貴族の指輪がそんな値段で買えるわけ無いだろ。

多分金にもならないガラクタを押し付けてぼったくったのだろう。

本当にこの人は海外で商売できてんのかよ。

心配になってくるわ。

 

「お、お前も母さんと同じでそう思うのか....。で、でもデザインかっこいいだろ?だったら買う価値は俺の中ではあるよ。お前に似合いそうだと思ってな!」

 

ぼったくりの商品を似合いそうと言われても複雑な気分になる。

すると俺のそんな表情を見て、父は笑った。

 

「まぁ....いらないなら無理に受け取らなくていいよ。

....はぁ、部屋に飾るかなぁ。」

 

父は肩を落として部屋を出ようとする。

そんな父の袖を掴んで止める。

 

「別に....いらないとは言ってないだろ。」

 

俺の言葉を聞くと父は満面の笑みを浮かべて俺の手の中に指輪を握らせた。

 

「じゃあ、おやすみ。」

 

「おやすみ、父さん。」

 

父は部屋を出る。

部屋に残されたのは俺唯一人。

手の中には父のプレゼントである指輪が金属光沢が鈍い燦きを見せていた。

父はいつもは食べ物をお土産に持って帰ってくるが、今回のように身に着けるものを買ってくるのは珍しい。

父親からお土産で装飾品をもらうのは今回で初めてだ。

色んな意味で。

 

食べ物は形には残らないが、これは形に残る。

父親から形に残るものを貰うなんて前じゃ考えられなかった。

確かにぼったくりの商品で意匠は複雑だが、どこか古臭い。

でも紛れもない父のプレゼントだ。

大事にしよう。

 

そう決めて指輪を引き出しの中に大事に仕舞い込むと、ベッドの中で目を閉じるのだった.....。

 

『...д..hel...vis.o....』

 

なんだ、囁き声みたいなのが聞こえたような....。

耳を澄ませる。

聞こえるのは外の風の音や車の通行音のみ。

.....気のせいか。

 

そう決めこんで今度こそ目を閉じて眠りにつくのだった。

 

 

 




主人公はフェイトちゃんのこと好きじゃなくても、僕は大好きです。

フェイトちゃんは主人公と似たような境遇であると主人公が思っていることから、これからかなり重要なポジションになると思います。

コイツ毎回主人公の過去を小出しにしてんなぁ....やっぱ好きなんすねぇ。
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