雑草ちゃんと偽りの仮面(練習中)   作:手紙もっちり

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次の話に向けて、バイキルト、熱血、魂、を重ねがけだドン。次の話の中で、たぶん雑草ちゃんの初めてについて言及出来たら楽しいかなと思います。


雑草ちゃんとキウル先生(中編)

―雑草ちゃんとキウル先生(中編)―

 

帝都に繰り出した私達だったのですが、簡潔に言うと、ハクさんとアトゥイ様を見つけることは出来たのです。ただ、ハクさんの事を今はまだ知らないキウル様はその存在に驚いてしまったのです。そこで、焦ってしまったキウル様が矢を放ち、ついでに私は手を引かれた際に、足が痛くなってしまい、走る速さが落ちてしまって、キウル様に迷惑をかけてしまう形で、足止めを食わせてしまった所です。滅多な事では足を挫いたりもしない私のなのですが、動きが鈍っているその隙を突かれる形でハクさんとアトゥイ様の二人に逃げられてしまいました。大失敗なのです。後は一つだけキウル様にお願いがあるのですが、みだりに矢を放たないで欲しいのです。射られる側としては冗談では済まないかも知れないのです。帝都の中で簡単にそんなことをしてはいけないのです。わかってくれますか、キウル様。

 

・キウル「はい、すみません。ネコネさん。」

・私「それでよろしいのです。後は、私はネコネじゃないのです。」

・キウル「その事はもうわかってます。今日はそういう設定なんですよね。」

・キウル(…ネコネさんの手を握ってしまった。出来れば、もう一度握りたいな。)

 

もう何回目かわからないやり取りになるのですが、いい加減にネコネちゃんじゃないと認めて欲しいのです。最初の内は笑顔で済ませていたのですが、そろそろ寂しさを感じ始めているのです。雑草ちゃんとしての私を見てくれる人はいないことに、それは当然のことなのですが。それでも、贅沢かもしれないのですが、一人くらいは、【ネコネちゃんと瓜二つになるという。私が考えた偽りの仮面】を、【形の無い仮面をつけている私】を。仮面を抜きにしてみてくれる人が欲しくなってしまうのです。寂しいのです。

でも、見てくれる人もいるにはいるのです。例えば、ハクさんなら何故か私とネコネちゃんを見て間違うことも無いですし、ネコネちゃんならそもそも本人なのですから間違うことも無いのです。それに、会う頻度も多いのです。ただ、その代わりに、愛情表現なのでしょうか、最近は勉強を見てあげるのですと姉としての感情が芽生えてきているみたいなのです。そして、もしかしなくても、私は妹と言う立ち位置なのです。

 

まあ、そんな感じの毎日を過ごしているのです。歩きながら思い返してみると、見てくれる人自体はいるのです。まあ、ネコネちゃんと間違えられることも、影武者としては光栄な事なのですから。気を取り直して行くのです☆。そうしてさらに力を入れて歩き出そうと………………。

 

…?、歩き出そうとして、私は足に違和感を覚えたのです。どうやら探そうとして行く内に足の痛みからして腫れてしまったみたいなのです。どうしたものでしょうか、探す範囲はデートスポットと言うだけあって人は多く、今の私は痛みから真っ直ぐに歩けないのです。人の助けがあれば歩けそうなのですが。手でも繋いでくれないでしょうか。ちょっとお願いするのです。上目遣いに、そっと寄り添うように、撓垂れ掛かる様になってしまうのは許してほしいのです☆。

 

・私「キウル様、少々お願いがあるのですが。よろしいですか。」

・キウル「な、なんでしょうか」

・キウル(ぼ、僕に、撓垂れ掛かるようにしてくるなんて!)

 

肩を貸していただけませんか、私の手を握って、一緒に歩いて欲しいのです。このままでは私に切ない痛みが走って、一人で歩けそうにないのです。どうかこの私のお願いを聞いて欲しいのです。

 

・キウル「よ、喜んで手を繋がせていただきます!」

・キウル(…僕はもう、思い残すことは無いかも知れない…)

 

いやぁ、良かったのです。この雑草ちゃん。実はもう動くことも一人では難しかったのです。こうして、アトゥイ様の行きそうな所として、二人でデートスポットを歩いていると、自然と帝都の名所を巡る形になるのですが。こういうのもたまには良いのかもしれないのです。初めてのお出かけと思えば、今もこうして手を繋いで、寄り添うように付き添ってくださるキウル様に感謝なのです。

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キウル様は優しい人なのです。だからこそ、なんだか、とても悪いことをしてしまった気持ちなのです。何故なら、ここまでの少ない時間の間にわかったことは、優しさや、温かなその気持ちは、ネコネちゃんに向けられたものだということなのです。流石に色々と疎い私でも気付くのです。

そして、アトゥイ様の要件以外で深刻な、別の問題に気付いたのです。私がネコネちゃんでないということは、まだ信じてもらえていないのです。色々とアピールをしたのですが、まず信じてもらえないのです。いえ、実際には誤解が深まったというべきなのかもしれないのです。しょうがないので、雑草ちゃんとしての私は少しの間だけでも、ネコネちゃんと本気で間違われることを光栄に思いながら、過ごさせていただくのです。

 

さて、そろそろどこかで休むのが吉と出るはず、どこが良いものかと周囲を見回しながら、ふと目に入ったものがあったのです。飴屋さんなのです。たしかハクさんとアトゥイ様の二人で飴屋さんにもよるはずなのですが、もう来てしまった後かも知れないのです。となると、他の所を見渡して探せるような広い場所に座るのが良いのですが。そろそろ私の足が痛みで厳しいのです。飴屋さんの近くで立ち止まって、少し休ませてもらえないでしょうか、きっと、二人は来るはずなのです。もしもまだ、来ていなかったら。待ち伏せにもなって一石二鳥なのです。ですが、声を出すのもつらい私は、キウル様に何とかして目配せをして伝えたいことがあると気付いてもらおうとするのですが。中々上手く行かなかったのです。

そのうちに、視線に気づかれたのでしょう。私の気持ちをくもうとしてくださって視線の先を見ると、飴屋さんがあることに気付いたキウル様は少し考えたようにすると、そのすぐ後に飴屋さんに用があるからとそちらに向かっていったのです。

 

・私「もしかして、気付いてくれたのですか?」

・キウル「はい、もちろんです。さっきのお詫びに、好きな飴を買ってあげますね」

・私「はい?、お詫び…ですか。」

・キウル「あそこの飴屋さんを見てましたよね。僕が買ってあげます。」

 

えっと、違うのです。飴が欲しかったんじゃないのです。私にはアトゥイ様を探すというお仕事があるのです。こんなところで飴を舐めていたいわけじゃないのです。

 

・キウル「いいんです。それでは、行ってきましょうか。」

・キウル(休憩も兼ねて、少しだけなら時間を使っても良いですよね)

・私「あうぅ。…なら、お願いするのです。」

 

その後、買ってくれた飴は。初めて舐めてみた味で。とても美味しかったということを、報告しておくのです。キウル様とは言え、この帝都で、こうして誰かと一緒に、こう言った場所でというのが、私にとっては記念すべき初めてのことだったのです。

 




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