雑草ちゃんと偽りの仮面(練習中)   作:手紙もっちり

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キウル君の、いや、キウルきゅんの可愛さに帝都がもたん時が来ているのだと。赤い大佐が言っていた気がする。


雑草ちゃんとキウル先生(後編)

―雑草ちゃんとキウル先生(後編)―

 

修羅場というものがあるのなら、今この時、この瞬間を言うのかもしれないのです。状況をまずは説明するのです。何とかもう一度ハクさんとアトゥイ様の二人を見つけたのです。それは、夕暮れ時の帝都の通りでのことでなのです。険しい表情でネコネちゃんはクオンさんを警戒し、困惑しているハクさんとクオンさん。それを興味深く見ているアトゥイ様に、落ち着きのない私こと雑草ちゃん。加えて、影武者である私とネコネちゃんの見分けがつかずに驚いているキウル様。かなり混沌とした場になっているのです。

整理すると、今この時に、こんな緊迫した場所に集結してしまっているのは、女の子が私を含めてアトゥイ様、クオンさん、ネコネちゃんの四人。男の子がキウル様、ハクさんの二人。話の内容はただ一つ、アトゥイ様の言い放った一言から始まってしまったのです。

『・アトゥイ「おにーさんとおねーさん。恋人なん?」』

という一言なのです。ハクさんとクオンさんが恋人なのかという爆弾発言をしたのですが。折も悪くネコネちゃんがそれを聞いてしまい、二人が否定する間もなく、火蓋は切って落とされたのです。

 

・ネコネ「この人は…、ハクさんは…。【私の恋人なのです!】」

・ハク「おい、ネコネ。自分は誰とも恋人じゃ…」

・クオン「ハクぅ!。ネコネと付き合ってるって本当なのかな!」

・キウル「ネコネさんが二人!?。それにその人と付き合っている!?」

・アトゥイ「なんやぇ、二人が恋人だったんやなぁ。」

 

お願いだから場をかき乱さないで欲しいのです。お願いをしてもこの場が収まることは無く。険しい剣幕のネコネちゃん曰く、ここで引き下がることは出来ないらしく。「ハクさんのことは諦めるわけにはいかないのです。もう大切な人がいなくなるのは嫌なのです。」とのこと。もしかしてなのですが、ネコネちゃん。逆行する前も、その後も、ハクさんのことを相当好きだったのですね。ですが、このままこのお祭り騒ぎが続けば、私がもう持たないのです。なにか、なにかこの場で叫ぶお似合いの言葉は無いのですか。もうヤケクソなのです。どうにでもなれなのです。キウル様に手を引かれた際に足を挫いて以来、腫れた所がひどくなってもう限界なのです。怒ったのですよ。一発ぶちまけてやるのです。

 

確かこう言えば良いはずと思いながら、場を収めるために。私は言ってやったのです。恋が腫れたの、誰が好きだのは別に自由なのです。けど、こんな往来のある場所で叫んでいい内容じゃないのです!。

 

・私「聞くが良いのです。私は、キウル様に初めてをあげたのです!」

・キウル「えっ…、ええぇっー!?」

・一同「!?」

 

そう、乙女の貴重な初めてをささげたのです。文句があるなら今すぐに言ってみるのです。この場を収めてくれないならセキララに全部ぶちまけてやるのです☆。どうですか、聞きたいのですか?。聞きたいなら聞かせてやるのです!

 

・私「今だってもう、足なんて震えて、痛くて痛くてしょうがないのです。」

 

けど、楽しい一日だったのです。その一日をこんな混乱した状態で終わらせたくないのです。ね?。キウル様。そうですよね、あんなにも楽しかったのです。言葉を出すたびに痛みから、声がお腹に響くのを抑えるために、そっと手を添えながら、なにかを堪えるような仕草で私は続けたのです。

 

・私「だからキウル様には…、いえ、【キウル先生】にはたくさん教えてもらったのです」

・ネコネ「なにを教えてもらったのですか。まさか…、嘘だと言って欲しいのです!」

・私「その通りなのです。初めてなのに、あんなにも激しくされたのです!」

・キウル「ぼ、僕。じゃないや、私がですかぁー!?」

 

………一転して静寂があたりを包んだのです。後は、気になったのですが。キウル様…、違いますね。【キウル先生】が自分のことを言う時はああいう言い方だったのですね。【僕ではなく私】という言い方が素の状態なのですね。それにしても、皆さん私の静かにして欲しいというお願いが届いてくれたのですね。嬉しいのです。でも、なんだか空気が一変しすぎなのです………??

 

・アトゥイ「恋人同士のすごいことやえぇ」

・ネコネ「恋人同士の…すごいこと…なのですか!?」

 

どうしたのですか、ネコネちゃん?。急に優しく抱きしめられたら驚くのです。なんでそんなに、良いのですよと繰り返し言ってくるのですか。ハクさん達もなんだか様子がおかしいのです。キウル先生にいたってはお腹が痛そうなのです。

 

しばらくネコネちゃんと抱き合っていると。そっと手を離されて、抱擁は終わり、彼女はキウル先生に向き合うと。優しく、姉妹のことをお願いするようにそっとお願いをし始めたのです。ついでに言うと、ハクさんもそれに続いてお願いをしていたのです。

 

・ネコネ「キウル。あの子のことを泣かせてはダメなのですよ。」

・ハク「ちびっ子のこと、まあ、なんだ。大切にするんだぞ。」

 

今でも十分に大切にされているのですが。どうしたのでしょうか。私は帝都で初めて歩き回って楽しかったことを言っただけなのです。それに、あんなに激しく体を引き寄せられては足が痛くなるのは当然のことだったのです。まあ、その分は優しくしてもらえたのですが。けど、そんなこんなでようやく今までの私との会話などに合点がいったのか、キウル先生は取り返しのつかないことをしたような表情になったのです。

 

・キウル「もしかして、今までのことって本当だったんですかぁー!?」

 

そうなのです。本当だったのです。だからあれだけ言ったのになのです。

/ / / / / / / / / / / / / / / / / / / / 

ハクさん達が拠点である白楼閣に帰って、私も帰るところに帰ってから、少しの時間が経った頃のことなのです。ネコネちゃんに勉強を教えてもらいにやって来ていた時にキウル先生がやって来て、ついでにアトゥイ様が詰め所にしている部屋の隣に引っ越してきたのです。

ちなみに、キウル先生の最初の一言は。「ようやく誤解が解けたので、兄上、オシュトル様に手伝うように言われてやってきました。キウルです。よろしくお願いします」と。誤解の部分を強調していたのです。あと、私じゃなくてそっちがネコネちゃんなのです。また間違えたのです。

 

・キウル「また私はやってしまいましたか、今日は貴女に用があったんです。」

 

私に、雑草ちゃんに用ですか。なんなのでしょうか、デートのお誘いならネコネちゃんにすると良いのです。そのように返すと、いいえ違いますよと慌てて早口に言いながら返してきたのです。大分器用なのですね。そうしてそのまま、幾つか先日のことを話していると、意を決したように聞いてきたのです。

 

・キウル「足はもう大丈夫ですか。確かに、大分激しく付き合わせてしまいました。」

 

それは、何処か凛々しさと男の子らしさを感じさせる爽やかさなのです。私など眼中にないと思っていたのですが、どうやら違うようなのです。誠実な人なのです。それと、ネコネちゃんのことが好きだと感じたのは気のせいだったのでしょうか。たぶんあっていると思うのですが。そんな感じで考え事をしながら話し込んで行く内にペースを取られ、こちらが喋るよりも早く、キウル先生は本題をようやく話せるとばかりに切り出し、こう言ったのです。これからよろしくお願いしますと。

 

・キウル「貴女の先生になります。キウルです。あらためてよろしくお願いします。」

・私「はい、よろしくなのです!」

 

キウル先生なら、色々と安心なのです………?。私とキウル先生が仲良くしていると、面白くなさそうにネコネちゃんが見ているのです。これはヤキモチなのでしょうか。ではなにが焼かせているのでしょう。聞こうとすると、私よりも彼女は早く動き「この子の面倒を見るのは私のはずだったのです。兄様は嘘つきなのです」といって。私のことを抱きしめて来たのです。気に入ってくれていたのですね。嬉しいのです☆。

 

そうして、この時間は過ぎて行く。ゆっくりと平和な時間が過ぎて行くように。一つのことを忘れるように。それは、【ハクがネコネに恋人だと言われたこと】を有耶無耶にしながらも、ハクはしっかりと覚えていた。【恋人なのです】と言われたことを。

 




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