―雑草ちゃんとごめんなさい(中編)―
ああ、朝日がこんなにも綺麗だとは思わなかったのです。キウル先生の普段見られない怒った姿に、ネコネちゃんのお説教のダブルパンチに、私のガラスのハートがノックアウト寸前までひび割れてしまったのです。厳しい特別授業を丸ごと一日も受けたことで、時々なら厳しくされるのも良いかなと新しい趣味に目覚めそうになりましたが。無事に帰還した雑草ちゃんなのです☆。
決してキウル先生の目線に少しもぞもぞした感覚を覚えたり、そわそわした感じや、落ち着かない感覚を覚えていたり。今度、一緒に帝都をまた巡って行きたいなと思っていたりはしないのです。ただ、帝都に一緒に繰り出しませんかと言われたら速めに返事をしたり、着る物を整えたりするだけなのです。断じて何かしら、特別に思っているということは無いのですよ。それに今日のキウル先生はハクさんとお仕事があるらしいのです。帝都の中で姫殿下の生誕祭の、お祝いに飾り付けをしなくちゃいけないらしく、そこそこに時間の掛かることらしいのです。
・キウル「貴女さえよければ、お手伝いのつもりで一緒に来ませんか。」
・私「お手伝い…。私でもお役に立てるなら、喜んでなのです。」
…もしかすると、お手伝いとかしたら喜んでもらえたり、ご褒美を期待したり、また一緒に帝都を歩いてくれるかもしれないのです。報酬は先払いでも、後払いでも、両方とも受け付けているのです。一緒にいられると、なんだか楽しい気持ちになれますし、嬉しい気持ちになるのです。
・キウル「それでは、支度が済んだら言ってくださいね。」
・私「はい、なのです。」
この私が思っている気持ち、それはきっと、大切な物。キウル先生は私にとって大切なお友達だということなのです。胸のざわつきや切ない感じは遊び足りないから感じるものに違いないのです。ハクさんにも相談してみたのですが、ちびっ子はそのままでいてくれといわれてしまったのです。よくわからないのですが、そのままの私であり続けるつもりなのです。素直な気持ちが一番良いのです。
忘れていたのです。支度しないとなのです。着ている物に歪みは無いのです。見える範囲でも崩れてしまっている所も無しなのです。でも、結わえた髪は誰かに見て欲しいのです。ネコネちゃんにお願いしたいのですが、今は手が空いているのか、空いていなかったらどうしようなのです。
・ネコネ「結わえた髪を見て欲しいのですか?。見せてみるのです。」
きっと、こんなにも緊張しているのは。キウル先生がそれだけ大切なお友達だからということなのです。今日はキウル先生と、ハクさんと、私の三人でお仕事に取り掛かるのです。キウル先生も、ハクさんも一緒なら、きっとお仕事でも楽しい時間になるのです。
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お仕事でも楽しい時間になると思っていた私がいたのです。言うまでも無く、私の身長はちっちゃいのです。小さいのです。足場になる台に乗っても微妙に届かないのです。完全にただの荷物持ちと化しているのです。早々に私の分の足場の台は片づけられ、今は、キウル先生とハクさんの二人に頑張れと応援しているだけの状態になってしまったのです。
・ハク「そういえば、姫殿下って言うのはどんな姿なんだ?」
・キウル「大輪の花のごとく、美しい方だそうですよ」
・私「それは知らなかったのです。初耳なのです。」
私はどちらかと言うと、可愛らしいという表現を耳にしたのです。そもそもこのお仕事も、お手伝いも、元をたどれば姫殿下の生誕祭のためにあるお仕事なのです。まあ、見た事も無いお姫様なのですが、お祝いをするのは楽しいことなのです。だからこそ、きちんとやってみせるのです。…キウル先生と、ハクさんの二人が…。身長が届かないのは仕方がない事なのです。
まあ、それに、なんだかこの会話をしていると姫殿下とこの帝都の中で出会うなんてイベントが起きそうな気がするのですが、実際はそんな事が起こる訳が無いのです。だから安心して………
・串焼き屋「おう、お嬢ちゃん。お代だよ、お代。」
・アンジュ「そのお代と言うのは何なのじゃ?」
…起きる訳が無いのですが、通りの近くで物凄く、見覚えのあるイベントが繰り広げられているのです。しかもキウル先生とハクさんが興味を持って近寄って行ってしまったのです。そしてもしかしなくてもイベントそっくりの状況に、そっくりの子が良いるということは。つまり、あれが姫殿下、アンジュ様なのですね。
・ハク「ここの串焼きはうまいからな。」
美味いからな、ではないのです。結局この後、お昼ご飯代わりにハクさん、キウル先生、アンジュ様、私の4人で串焼きを食べて、お代を持っていないアンジュ様に代わって、支払いは私達が持つことになったのです。ところで、姫殿下だと気付いているのは私だけなのですか?。
読んでくれてありがとうです!。