―雑草ちゃんと偽りの仮面―
―EXストーリー、02【ネコネちゃんの休日】―
それはとあるお休みの出来事、珍しい組み合わせで、自分達にしては珍しい書物を探し出して、多少の期待を胸に、二人は読みふけっていたのだった。しかし、それも途中までであり、書物の内容の気取った感覚に少し気持ちが引いてしまっていたのだった。
『『晴れ渡る空に、曇りの無い目を向けたなら。空に思い描くのは思い人との逢瀬、胸に秘めた溢れんばかりの気持ちも合わせたなら、そこにあるのは純粋な恋心なのかもしれない。だからこそ愛しの君を瞳から外すことが出来ない。』』
・ネコネ「………なんなのです。この歯の浮くような書物は一体。」
・ルルティエ「ネコネ様が見たがっていた。恋を題材とした物語です。」
・ネコネ(うう、恋人同士の本を探していたら、とても気取った書物が出てきたのです)
・ルルティエ「私も少し気持ちが引いてしまいましたが、続きを読みましょうか」
絵の無い書物であることに多少助けられ、ネコネはなんだかんだと言いつつも、書物から目が離せないでいる。その感覚は、興味がわいている時の怖いもの見たさに似ているのかもしれない。普段見ないものを見ると、やはり新鮮さを感じるのだ。場面を一つ、また一つと進めて読んで行くにつれて。物語は佳境に入って行く中で、接吻を交わす一面へと移って行く。これには二人とも興味を示し、先程までの空気は一変して変わり。唇に熱を感じながら読み進めて行く。
『『恋人同士が逢瀬をし、真実を告げる。しかし、運命は二人を見放さずに祝福した。「もう幼い頃のような二人ではいられないのです。ですが、私は貴女との恋に生きたい。どうかこの思いを受け止めて欲しい。大切な人が一人、また一人と増えて行くことが家族だというのなら。貴女と共に生きて行きたいのです。」男が告白をすると、女はゆっくりと頷き、愛を誓う。そうして、二人はお互いを確かめ合うように抱きしめ合い。接吻を交わすのであった。』』
まあ要するに、この書物は恋愛の入門書代わりに読まれているのだ。ネコネは自然と思い人であるハクの事をいつの間にか思い浮かべ。唇にそっと手を触れていた。内容は洗練されていない、書き方も荒いと言っても良い書物の、名も無き無名の恋愛話のはずなのに。二人は夢想にふけることをやめられずにいた。もしも私が言ってもらえたなら。そう思わずにはいられない。夢うつつのようになりながらも。確かな熱を感じるのだ。
・ルルティエ「私も。いつかは…」
・ネコネ「私と、ハクさんが?。接吻をするのですか…」
お互いに小さく呟くように言った為に、相手の言うことは聞こえてはいないが、ネコネがハクを思う女の子であることに変わりはないのであった。
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ある日の事でございます。一人の女の子が思い人と一緒に二人きりでいたのでございます。女の子の名前はネコネ、思い人の名前はハク。ついでにいうならば、朝日が昇って間もない、朝の出来事と付け加えさせていただきます。
ネコネはハクと一緒に白楼閣の詰め所に二人きりで一緒にいた。先日の、無名の恋愛入門書を思い出しながら。手と手が触れ合えそうで、届きそうで、届かない距離を感じながら。切ない気持ちを感じていた。
………ハクさんと、手と手が触れ合えそうで。届かないのです。いきなり手を繋いだら、ただ驚かせてしまうだけで、手を繋いだとしてもすぐに離れてしまうのです。でも、それでも。一緒に、もっと近くにいたいのです。
そうして、思いに惹かれるように、体を寄せて行き。さらにハクの近くへと迫って行く。胸の鼓動はうるさいくらいに聞こえて、この人と一緒にいたいと心が主張をしてくる。恋はこんなにも嬉しくて、切なくて、苦しいけど、心地の良い物で。抑えきれないものなのです。
・ネコネ「は…、ハク…。さん。手を繋いでも良いですか?」
・ハク「ああ、いいぞ。今日もネコネは甘えん坊だな」
ああ、自分は甘えん坊に見えるのですか?。ハクさんに、この思いが届いても、今の私では足りないのです。だけど、それでも一緒にいたいのです。そしていつかは。一緒に………。
熱を持った唇は、ハクさんを思って切なく揺れていた。気付いてほしい。けど、繋いだ手からはこう感じてしまう。今はこのままでいたい、このままずっと、繋がっていたい。けれど、確かな事はひとつ。時間を越えて、時代を越えて。私はハクさんに恋をしているのです。それだけは、確かなのです。
時間はゆっくりと過ぎて行く。二人の、束の間の時間を祝福する様に。
読んでくれてありがとうです!。