生きることは悩むこと 2   作:天海つづみ

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自立2

 

「やりましたね!」

 笑顔のミハエル

 

「…もしかしてさ、ガノトトスって

 ガンナーが楽じゃない?」

 

 ギルドへ帰って来たナズナ、ミハエルに

 クエスト成功の話をする

 

「そうなんですよ、

 近接武器は事故がありますし」

 

「やっぱり…何か違和感が凄かったんだよ」

 

 エミナに悪いことしちゃったなぁ…

 謝る…謝り方って…

 

 

 忘れた…

 

 どう切り出そう…

 

 何て言えば…

 

 タイミング逃してるし…

 

 

「剣士で一通り覚えたらガンナーも良いかも

 しれません、新しい発見がありますよ?」

 一人前になりましたね、ナズナさんは

 一人立ちしますかね

 

「でも…お金掛かるよね?」

 ジト目で

 

「はい、ガンナーは知識…素材、調合、

 金策はもちろん、回避、回復、地形の

 把握…ハンターの全てが必要になります」

 

「……やっぱ無理」

 なんか果てしない…

 萎れるナズナ

 

 結局ソコですか…

 苦笑いになるミハエル

 

 

「ただいまぁ」

 エミナも帰ってきた

 

「そっちはどうでした?」

 

「ミハエル居ないと泥がウザいんだけどさ、

 逆にそれしか強みが無いみたいw」

 

「簡単…でしたか?」

 こっちは対応が上がってますね、

 私も追い付かれそうです

 

「うん、慣れたw」

 

「あれはソロのガンナーだと苦戦しそう

 でしたが、近接だと楽そうですか?」

 

 ナズナは考える、これが武器の相性か

 

 それより謝らないと…

 

 そこへ

 

「ほら、しっかり歩け」

「あう…す、すびばせん」

 よろけるアジムがハルキに支えられながら

 帰って来た

 

「どうされました?!」

 エリナとキャシーが聞くと

 

「何かデカイ竜が出て来てよ、

 電気使いやがった、

 コイツは腰抜かすしよ」

 

「でっかいです!コワイですー!」

 腕にしがみついているアジム

 

 ギルドのハンター全員が心の中で突っ込む

 (お前書士隊だろ?

 …もっとマシな表現ないのか?)

 

 

「おう、ソロはどうだったよ?」

 二人がこっちに来るが…

 アジムがぴったりとくっついている

 

 

 

「…………」

 無言のナズナ

 腹立つ…何かムカつく…

 何?この胸の黒いモノ…

 

 (おや、これは…)

 (ナズナ、まさか嫉妬…w)

 

「どうやらラギアクルスに会ったようだな」

 奥から出て来たギルマス

 

「初めて聞く名前ですが?」

 

「うむ、全員聞けィ!このタンジアでは上位

 検定の条件にラギアクルスが入っておる!」

 ギルド中、特に下位が一斉に注目する、

 もちろんハルキとアジムに

 

「マジか?」

「ちょっと!話聞かせてよ!」

「どんなヤツだった!?」

 テーブルに走って来る下位

 自然と料理も集まる

 

 

 ………

 

「あのさ…エミナ…

 私って態度悪かったよね?」

 思いきって言ってみる

 

 怖い…

 

「んーん、私もそんな時期あったしw」

 

 宿舎の小舟

 謝るナズナ

 

 あれ?意外に簡単に謝れた

「本当にゴメン、なんだか自分でも

 解んないけど…あんな…」

 謝るって…なんか久しぶり…

 でも良かった、怒ってない

 

 謝るって簡単な事だったんだ

 

「私もそんな時期あったからさ、

 気にしないよw」

 手をヒラヒラする

 ナズナはジャンボ村に居た時の私だねぇ、

 生意気になって一人で何でも出来る気に

 なってるだけだわ

 まさか今ごろ反抗期とか?w

 

「ホントにご免なさい」

 頭を下げる

 

「解ったってば」

 素直に謝れるって凄い事だけど、

 多分解ってないよねぇw

 私なんてこんなに素直じゃ無かったよ

 

 まだまだエミナの方が姉らしい

 

 

 

「では体から離れた位置に?」

「あぁ、上手く言えねぇけどな、

 フルフルと違って本体だけ見てれば

 良いってもんじゃねぇな」

 

 明日はラギアクルスを見に行くことにした

 (討伐は狙わない)

 

「で?ハルキ、アジムさんとはどうなのよ?」

 にひひと笑いながら聞くエミナ

 

 ピクッと反応するナズナ

 

 (耳が大きくなったようです)

 内心笑うミハエル

 

「あ?アイツは女として見てネェぞ?」

 

「普通に胸あるみたいじゃん?」

 ニヤニヤするエミナ

 しかもメガネ取ったら多分…

 

「アイツはよ、学校時代から貴族も平民も

 無く接してくれてな、王都以外の出身

 だった俺にも普通に話掛けてくれてよ」

 

「尊敬してるんですね?」

 

「尊敬って大袈裟なもんじゃねぇよ?

 教授と同じでちょっとアレだけどなw」

 

「あ、分かるーw」

 

「…………」

 黙るナズナ

 

 この黒いモヤモヤしたものは何だ?

 

 

 …………

 

「でっかぁ!!」

「吠えるぞ!」

 咆哮するラギアクルス!

 体を横に向けて一瞬溜める

 

「ガード!!」

 

 ハルキの声に反応して

「ガシィッ!!」

「んぎゃっ!!」

 何とかガードしたナズナ、

 仰け反る

 

 ガノトトスの体当たりの直前と似てる!

 だけど抜ける隙間が無い!

 攻撃できる隙が少ない!

 

「無理に攻めないで下さい!」

 頭が良く動いて狙いがズレますね…

 それに体勢が低い、

 味方に当たる確率が高い…

 

 尻尾側に攻撃するエミナ

「コイツ振り回しやらないみたい!!」

 

 しかし

 

 噛みつき!後ろ足の方へ!

「ウソっ!!」

 首長っ!!

「バカ避けろ!」

 ハルキが突き飛ばす!

 

「あ、ありがと!ハルキ!」

「欲張んな!」

 

 (ちょっと調子に乗ったか)

 エミナは連続攻撃を止めて単発になる

 

 

 …………

 

 隣の滝と小川のあるエリア

 

「まだ慣れません、私のサポートは

 期待しないで下さい」

 装填する、外した数が少なからずある

 

「なんかニョロニョロ…グネグネっての?

 狙いが定まらないよね」

 表現できないエミナ

 

「骨格はロアルドロスだけどよ、

 デカイしやりずれぇ…

 放電しなかったな?」

 割と平然としているハルキ

 

「なんかさ、こっちのモンスターって

 クックとは違い過ぎるよね」

 避けられない、ガードばっかり

 飛竜と違い過ぎる

 

 

 

 ……………

 

 背中が光るラギア

「これだ!足元見ろ!!」

 ハルキの声に三人とも?となるが

 

 なんだこれ?私の足元が光ってる?

 

 じっと見てしまうナズナ

 

「バチィッ!!」

「うぎぃっ!!」

 なにこれ!全身痛い!痺れる!

 

「まさか!」

 ミハエルが駆け寄る

 

 フルフルと違う、これが聞いた攻撃か?!

 体から離れた場所に狙って電撃?!

 

 そんな魔法は古龍では?!

 

「ビックリしたぁ…」

 起き上がるナズナ

「大丈夫ですか?!」

 

「何か思ってたより平気」

 ダメージは少ないな…

 

「注意しましょう」

 なるほど、噂に聞く古龍には及びませんか

 

 滑りながら突っ込むラギア!

「速っ!!」

 反射的に回避するエミナ

「上手いぞ!!」

 突進終わりに尻尾へ縦斬り

 

 ラギアは振り返ると首と尻尾を丸めて

 …動かない

 

「…これ何してんの?」

 一応ガードしたまま聞くエミナ

「これは見てネェ!注意しろ!」

 

「不用意に近付かないで下さい!」

 

 なんだろ?力溜めてる?

 ハルキの溜め斬りの雰囲気に似てる

 

「グオオオアアアーッ!!」

 咆哮!と

「ドン!ドン!ドン!!!」

 ラギアの周囲にドーム状の電撃!!

 

「回避です!」

「何コレェ!」

 逃げるナズナ

 

 

 固まるエミナ

 (やばいやばいやばい!近い!

 ガードの方向解んない!!)

 視界は真っ白!!

 

「エミナっ!!」

 ハルキが飛び込む!!

 

 

 

 

 ………

 

「………あ?」

 骨組みに天幕の天井

 見慣れた光景

 

「気が付いた!」

 エミナが跳ねる

「ハルキ!」

「大丈夫ですか?」

 

「あ、あぁ」

 手を握ってみる、握力は問題無い

 上体を起こす、感覚はある

 

 三人とも顔を覗き込む

 

「エミナ、無事か?」

「うん、ありがと、おかげでなんともない!」

 

「体はどうです?ネコタクに放り出されても

 気絶してましたが」

 

「何とも…ないな…だけどよ…」

 目配せする

 

「えぇ、慣れるまで消耗が大きすぎますよね」

 威力はともかく、古龍並みの変則形

 アイテムと集中力が削られる

 

「あ、あのさ…変な事言って良い?」

 全員がナズナに向く

「ガンナー四人だったら…どう…かな?」

 

「それには大変な時間が掛かりますよ?」

「私ガンナーやったこと無いし」

「方法の一つだぜ?でも今は

 慣れる事を優先しようぜ?」

 

「ゴメン、変だった?」

 

「いえ、狩りの方法に正解はありません」

 それに恐らく…

 …一番簡単な方法かも知れません

 なんだか急にハンターらしくなりましたね、

 少しガンナーをやった経験は決して

 無駄ではありません

 

 

「みんなまだやれるか?」

「私やる!ハルキに借り作ったしね!」

 エミナは元気良く立ち上がる

 

 

 

 ……………

 

「背中光ってます!」

「回避だ!」

 難なく避ける

 

「コイツ全身に電気無いよ!!」

 尻尾を斬り続けるエミナ

 

 噛みつき、突進、体当り、

 ナズナは頭の中で攻撃の種類を数える

 

 ミハエルに向き首を持ち上げる、

 途端に走り込むナズナ!

「「「!」」」

 三人とも驚く、と

 

「ブレス!」

 ナズナは叫びながら前足を斬る

 (おぉ!飛び込んだぜ?)

 (言うじゃん!)

 (驚きですね!)

 

 青白い球体がミハエルへ飛んでいく、

 難なく避ける

 

 しかし直後!

 今度は首を振りながら…ブレス?

 着弾と同時に

「ドン!ドン!ドン!!!」

 電気のドームが複数!!?

 

「これはっ!!?」

 横に跳ぶミハエル

 しかし間に合わず青白いドームに包まれ…

 

「前にも出すのかよ!!」

「ミハエル!」

 ナズナは泣き声になる

 

「だ、大丈夫です!」

 転がり出た、煙が出ている

 

「一回隣行こう!!」

 エミナの声で走り出す

 

 ……………

 

「上位装備で助かりましたよ…」

「何種類ブレス持ってんだよ…」

「罠と閃光は持いっぱい持ってこないと」

 

「あれじゃガンナーも危ないね…」

 ナメてた、初めて見るモンスターを

 心のどこかでナメた

 

 少なからず動揺する

 今までミハエルがダメージを

 受けた事が殆ど無いし

 

 

「今日のところはココまでですね…」

 

「賛成だ、準備が必要だぜ」

 

「電気に強い装備も必要だね」

 エミナも同意、

 思ったより時間が掛かりそうだ

 

 

 初めての苦戦、

 そう、ナズナはパーティーを組んでから

 あまり苦戦した記憶が無い

 

 ペッコとかと全然違う、正直ナメてた

 ずっと連勝してると危機意識が無くなって、

 勝って当然という意識になる

 

「チックさん達に…聞いてみよう」

 三人とも頷く

 

 

 

 

 

 

 




「すいません」
日本人は使いすぎて会話の始まりに
なっているが、謝罪の言葉だ

そのせいか本気で謝るって
難しくなってる気がする
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