生きることは悩むこと 2   作:天海つづみ

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水中戦の表現と描写が思い付かない、
なのにタンジアにしてしまった。

やらかした


自立3

 

「あぁ、アレか」

 ギルドにロクロウが居た

 

「チックさんとジュウジさんは?」

 平気で質問できるナズナ

 

「あいつらなら町の酒場に行った、

 俺はあの雰囲気が苦手でな」

 しかめっ面

 

「特に変わった雰囲気がありましたか?」

 地元の漁師や住民だけでは

 

「何でもシュレイドから人気の踊り子が

 来たらしくてな」

 一人でビールのロクロウ

 

「あの…」

「あぁ、ラギアクルスだな」

 

 予備動作や攻撃の種類、範囲を聞いたが

 

「つまりロクロウさんが攻撃の要ですか?」

 ランスでは足が遅すぎますが…

 

「そうだ、見ての通りランスにグラビモス

 装備だからな、全部ガードが可能だ」

 重そうな盾を見せる

「片手剣のガードでは仰け反るだろう?

 ランスなら脇腹に張り付き続けられる」

 

「じゃあ二人は隙を突いて攻撃してんの?」

 

「チックも最初は距離が掴めなくてな、

 まぁ溜め斬りが頭に当たったのは

 討伐間際だ、次からは当たるだろう」

 

「スゲェ…あの頭に溜め斬りかよ…」

 動きが読めなく抜刀斬りさえ何度も外した

 

「二度、三度と戦えば見えて来るだろう」

 

「あれ?ロクロウさん達は討伐…」

 ナズナは首を傾げる

 いきなり成功?

 

「あぁ、別のモンスターを狩ってたら

 乱入して来たからついでにな」

 

 …………

 

「あれが経験値の差ですね…」

「初めてのモンスターにも対応が早いってか」

「さっすがG級だわ…」

 

「あ、あのさ、ソロでやっても良い?」

 遠慮がちにナズナは聞く

 

「もちろんですよ?」

 そう来ましたか

 

「ラギアをソロかよ?!」

 

「ち!違うよ!ココットでレウスのソロが

 途中だったし!」

 そんな恐ろしい事は無理!

 

「私もソロでレウスやる!」

 エミナも同意、

 内心はナズナに追い付かれるのがイヤ

 

「となると私もソロで上位へ行きますか」

 

「各自でレベルの底上げってヤツしないとね」

 ヒラヒラ手を振る

 

「じゃあ俺はどうすっかな…」

 

「ハルキは決まってるでしょう?」

「アジムさんとペアじゃん!」

「何で固定されてんだよ!?」

 

 

 ………ムカつく

 

 

 

 ……………

 

 次の日

 タンジア管轄 下位 孤島

 高台の飛竜の巣

 

「グオオオアアアーッ」

 よし!怒った!次は必ず…

 

 バックジャンプしながら飛ぶレウス

「ここっ!」

 閃光玉を投げるナズナ

 

 ズダァン!!墜落!

 

「やあああっ!」

 翼に斬りかかる!理解出来た!

 怒ると速いし強い!けどその時間を

 閃光で削れば危険は減る!!

 

 翼爪を破壊、したがレウスの目が復活

 

 よし!逃げる!

 欲張らない!

 一目散に隣へ走る!

 

 

 隣のエリアで回復と研ぎ

 

 怒った時間には出来るだけ戦わない

 ようにする、そうすればリスクが減る

 

 そうだよ、わざわざ危ない

 事しなければ良いんだ

 

 前にミハエルに言われた、

 パーティーなら不正解

 

 だったらソロなら正解のはず

 

 

 

 匂いが移動する

 その後を追いかける…

 

 いや…

 

 追い詰める?

 

 走らずに手前で歩き、スタミナを

 温存する、エリアの境界で

 隣を伺う

 

 

 そうか、ハンターって何なのか解ってきた

 

 息を殺して気配を消す

 

 確実に倒すために全力で戦う、

 そこの意味が少し違う

 

 少しずつ削って行くんだ

 

 自分の命を守りながら、

 少しずつモンスターの命を削って行く、

 それがハンターなんだ

 

 

 

 水辺の広いエリアへ降りるレウス、

 息を整えてから入り罠を仕掛ける

 

 罠も閃光もモンスターの命を削るために

 作ってるんだ

 

 全力で戦うってのは気合や根性じゃない、

 持ってる手段を全部使うって事だ

 

 罠の近くに立ち、誘導する

 

 痺れ罠を踏むレウス

「やあっ!」

 顔を思い切り斬る、

 手応えが重い!切れ味は悪くないのに!

 このリオレイアの片手剣は毒がある

 らしいが効いてるのか?

 

「ぜはあっ!!」

 一息で斬れるだけ斬る

 分かる!一回の呼吸で斬れる回数が

 以前より増えてる!

 

 罠が壊れる、とナズナは納刀、

 閃光玉を準備

「グオオオアアアーッ!!」

 咆哮、とバックジャンプ

「てい!」

 ズダァン!!

 

 いける!

 動きが読める!

 行動が読める!

 

 脚の間で斬るナズナ

 

 パーティーで今まで見てきた事も

 ムダじゃない!私の力になってる!

 

 

 …………

 

「ただいま」

「お帰りなさい、ナズナさん」

 キャシーに出迎えられる

 

 ついに討伐成功

「皆は?」

「まだ帰ってませんよ?」

 

 テーブルでビールを頼む

 

 なんだろ?

 あんまり嬉しくない…

 リオレウスに勝ったのに、

 強くなってるはずなのに…

 達成感がない?

 

「浮かない顔だな?」

 チックがいた

 

 今日の狩りの話をすると

「そうだな…ラギアを見たからじゃないか?」

 

「それが何で…」

 嬉しくない…

 

「更に大きな目標を先に見たからかもな、

 レウスが到達点じゃあなくなっるんだろう」

 

「何かワンパターンで勝っただけだし…」

 

「下位が勝ち方に拘るかぁ?

 そんなもんは10年早いぞ!」

 笑う山賊

 

「こだわる…?」

 それなのか?

 

「俺が師匠に最初に言われた事だがな?

 『絶対生きて帰れ』だったぞ?

 勝てばいいんだ」

 ニヤリとする

 

 まだ納得できないナズナ、

 その顔を見ると

 

「悩んでるなら体を動かせ!

 答えなんざそれからだ!」

 ナズナの背中を叩くと他のテーブルへ

 行ってしまった

 

「生きて…」

 なんで納得できない?

 自分をどうしたいのか解らない

 

 私はどこに向かってる?

 とにかく体を動かす?

 それで何かが変わるの?

 何が不満なんだろ?

 

「おう、どうだったよ?」

 ハルキとアジムも帰って来た

 

 ……ムカつく…

 

「あ、うん、勝った」

 

「おぉ!良かったな!

 お前一人前だぜ!!……?」

 ……あれ?

 ナズナは何で嬉しそうじゃねぇんだ?

 俺なんか跳び跳ねたぞ?

 

 

「………」

 なんだろこの違和感

 

 ナズナは浮かない顔

 

  

「何だ?嬉しくねぇの?」

 

 自分でも解らない、

 自分の気持ちが解らない

 

 

 何か距離を感じる

 一人前…それはハンターとして一人で

 生きていける

 

 

 

 

 …そうだ

 

 私はこのパーティーから出ても良いんだ…

 

 教えて貰うだけの立場じゃ

 なくなって来たんだ…

 

 アジムを見ると

「どうされました?」

 小首を傾げて

 

 

 

 教えて貰う立場はアジムに奪われた…

 

 レウスを倒したから不安なんだ、

 寂しいんだ

 

 素人だからこのパーティーにいたんだ

 そのポジションはアジムに…

 

 私は…どうなる?

 どうする?

 

 

「ただいまぁ!」

 エミナも帰って来た

 

「おう、どうだったよ?」

 

「成功に決まってんじゃん!」

 ムスッと答えると

「ナズナ!どうだった?」

 こっちには笑顔で

 

「うん…勝った…」

 うつ向く

 

「どうしたのぉ?」

「何か様子がおかしいんだ」

 

 

 …解った、この胸の黒いモノ

 

 

 アジムに嫉妬してるんだ私

 

 

 私の居場所を…奪ったから…

 

 

 それに

 

 

 私自身がその居場所から出ちゃったんだ…

 

 

 居心地のイイ、ポカポカした

 日向から出ちゃったんだ…

 

 

 一人前になるって…

 強くなるって…

 

 

 また一人になっていくんだ

 

 

 

 

「何で泣いてんの?」

「解んねぇ」

 

 いつの間にか涙が出ていた

 

 

「おや、私が一番遅かったですね」

 ボロボロのミハエル

 

「お前どうした?!何か…」

「えぇ?!苦戦したの?!」

 立ち上がるエミナ

 

「久しぶりに上位のフルフルへ行きましたよ、

 太刀も久しぶりでしたからね」

 電気に弱いはずのギザミ装備に

 太刀のミハエル

「三人とも、どうでした?」

 

「私は勝ったけど…」

 ナズナを見る

「ナズナも勝ったみてぇだけどよ…」

 ハルキも見る

 

 うつ向くナズナ

 

「どうしました?ナズナさん?」

 

 

 

 私の居場所…

 

 

「明日はラギアクルスにいきますよ?」

「ハルキに借り返さないとね」

「おし、今度はネコタク

 使わねぇように頑張るか」

「ハルキ先輩!報告お願いしますね!」

「なんでだよ!めんどくせぇ!」

 

 

 この居心地のイイ場所が…

 いつものやり取りが遠く…

 

「ナズナ!レウスに勝ったんでしょ?

 また頼むわよ?」

 

「ふぇ?」

 

「ブレスの指示は良かったですよ?」

「二回連続とは思わなかったな!!」

 

 距離が…離れてない?

 

「何でボーッとしてるんです?」

「何か様子が変なんだぜ?」

 

 

「あー!一人で抱えてんでしょ!」

 鋭いエミナ、ニヤリと笑うと

「アジムさんに嫉妬してるの見え見えだよ?」

 

「えっ?!!」

 ビックリして顔を上げる!

 バレてた?!

 

「私も気付いてましたよ?」

 爽やかに笑う

 

 顔を両手で覆う

 恥ずかしいっ!

 見透かされてた!

 

「そうなのかよ、言ったろ?

 思った事は言えって」

 腕組みして見据えるハルキ

 

 言えるわけ無いじゃん!!

 

「俺に惚れたならハッキリ言ってくれれば」

「違うよ!!!その嫉妬じゃない!!」

 立ち上がり激昂するナズナ

 ギルドが水を打ったように静まり返る

 

 

 エミナもミハエルもどうすれば良いのか

 解らないが…

 

「あのなぁナズナ、お前の場所は

 無くなんねぇよ?俺らはお前を仲間に

 してぇから組んでんだ」

 

 

 

 

 胸が苦しい

 コイツはいつも私の心に踏み込んで来る

 

「お前は仲間だろ?」

 

 ずっと言って欲しかった言葉

 

「一人前になろうが解散しようが仲間だぜ?」

 

「そういうことかぁ!」

 笑うエミナ

 ハルキを取られた嫉妬じゃないのかw

 このパーティー内の居場所かw

 ハルキ鋭い!

 

 そういう事ですか

「なるほど、不安になってたんですね?」

 ミハエルは姿勢を正すと

「ナズナさん、貴女はこのパーティーの

 教え子ではありません、一人前のメンバー

 です、そして解散しても私達の仲間です」

 

 胸のトゲみたいなモノが取れる

 

「悩んだら言いなさいって!

 お姉さんが聞いてあげるから!」

 手をヒラヒラする

 

 嬉しさと照れと恥ずかしさで

 立ったまま顔を覆う

 

「よし、俺の胸に飛び込んで…」

 

 エミナに抱き付き泣くナズナ

 

「………」

 両腕を広げたまま固まるハルキ

 

「先輩って…」

 (なんだか雰囲気ぶち壊しでは…)

 

「ハルキ…」

 (君は鋭くて頭は決して悪くないのに…

 自意識過剰ですよ…)

 

「………」

 (あれ?こっちの嫉妬は無ぇの?

 全然?これっぽっちも?)

 

 

 




寒い日には布団から出たくない
部屋から出たくない
家から出たくない
いつまでも甘ったれていたい

ぬるま湯は居心地が良いだろう、
だけど昨日の自分より衰える

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