生きることは悩むこと 2   作:天海つづみ

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イベント

 

 ギルドに帰る、スイングドアを入る時に

ハルキが呼び止められた

 

「あの…」

 

「ん?誰だ?って!うおっ!」

 村の若い娘が立っている、

 しかも結構可愛い

 

「ちょっと…あの…」

 もじもじしている

 

 ミハエルは気付かずに入ってしまった

が、エミナと私は見てしまった。

 

 ハルキはこっちに気が付くと

 『あっち行ってろ』とばかりに

しっしっと手を振る

 

 この二人仲良いしエミナが怒るんじゃ…

と思ったら

 

「はいはいごゆっくりぃ」

 ニヤケながら私の手を引いてギルドに

入るエミナ

 

「あの…今のって」

 告白なんじゃないの?!

 

「まぁ見てなって面白いからw」

 ニッコニコ笑う

 

「どうかしたんですか?ん?ハルキ?」

 いつの間にか居ない

 

「ミハエルは気にしないで、

いつもの事だから」

 

 壁に背を付け外の様子を窺う

「よし、ナズナ!行くよ!」

 

「え、何で!?」

 まさか邪魔しに行くんじゃ…

 

「イイからイイから♪」

 私の手を掴みギルドを出る

 

 

 

 

 夕暮れの中を歩く二人の後を追跡する

 

 結構美人だったな、何でハルキに…

 二人はハンター小屋の後ろ、

英雄の墓の前に来た、

 小屋の陰からはエミナと私が覗く

 

「声聞こえれば良いんだけど」

 小声で話す

 

「こうすんのよ」

 エミナは盾を後頭部に被る、

 なるほど良く聞こえる

 

 「鼻の下伸ばしちゃってまぁ」

 にひひひと下卑た笑い

 

「あ、あの、こういう事は…」

 

「覗いちゃダメっての?」

 

「な、なんか…」

 

「大丈夫、告白じゃないから」

 手をひらひらする

 

「え?」

 

「見てなって、面白いから♪」

 

 二人が近付く、

女の子は恥ずかしそうにしている

 

 

 

 きゃあああ!

 ドキドキしながら見る

 どうなる?ハルキなら断らない、

絶対にOKする!

 

 ワクワクしながら見るエミナ

 さぁ、来るぞ来るぞ来るぞ…

 

 

 

 

 

「…これ…ミハエルさんに渡して下さい」

 手紙を手渡されるハルキ

 

 

 

 

 

 

 ブホッ!

 

 心の中で吹き出すとエミナが

手を私の前に翳す、

 まだ笑うなって事?

 

 あくまでも紳士的に平静を装って、

ハルキは手紙を持ったまま女性を見送る

 

 私とエミナは笑いをこらえてプルプル

していると、恥ずかしそうに娘が通りすぎた

 

 

 

 

「だん!!」と足を踏み鳴らし

「ぬがあああっ!!!」頭を掻く

 

 

「ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

 地面を転げるエミナと

「あはははははは!」

 腹を抑えて笑う私

 

「お前ら!何覗いてんだよ!」

 ハルキが走ってくるが

 

「だって!だって!ひぃーっ!

き…期待…ひぃーっ!」

 酸欠になりそうなほど笑う

 

 私も笑いすぎて膝を着く、

 くっ、息が!

 

「毎回!…毎回きた…期待すんだもぉん!」

 ひゃひゃひゃと笑う

 

「あはははははは!」

 ダメだ止まらない!

 

「お前は毎回毎回ぃぃ!」

 毎回ってっ!?

一度や二度じゃあないって事ぉっ?!

 

 

 

 

 

 

 ようやく落ち着くと、

 あれ?…静かだ

 

 顔を上げると

 

「ナズナ初めてシラフで笑ったねぇ」

 

「普通にしてりゃ普通じゃねえか」

 二人ともニヤニヤ見てくる

 思わず顔を隠す

 

「はい!ギルドで今夜も話すよ?」

 エミナが手を引く

 

「酔い潰れたら俺が運ぶからな?」

 

「アンタが一番信用出来ないわ、

ねーっナズナ!」

 笑いながら連れて行かれる

 

 私…いつから笑ってなかったんだろう…

 

 何か頬っぺた痛い、

 あぁ、笑うとココが上がるのかぁ…

 

 

 

 

 

 …………………

 

 

「どこ行ってたんですか?」

 

「いつものイベントー」

 笑うエミナ

 い…いつもなんだコレ、

 私も吹き出す

 

「お前にだってよ」

 ハルキは手紙を渡す、

が、ミハエルは違和感を持つ、

 いつもなら愚痴を言いながら

不機嫌に渡して来るはず…

 ニヤニヤしている

「何かありました?」

 

「初めてナズナがシラフで笑ったんだぁ」

 エミナが顔を見てくる、

思わず顔を臥せる

 

 

 

 ……………

 

 

 

 

「何かいやな事でもあったのかよ?」

 うっ…そうだけどさ

 

「笑えなかった…ですか」

 黄金芋酒とかいう高いヤツを飲むミハエル

 

「どうして笑えなかったんだ?」

 こっちはジョッキでビール

 

「その辺は聞いても良いんでしょうか?」

 

 …言いたくない

 笑われる

 軽蔑される

 仲間…にはまだなってない

けど仲間ハズレにされる

 

「ちょっと、止めなさいよ」

 ミルクを飲み、口の周りを白くした

エミナが止める

「大体想像出来るじゃん、察してあげなさいよ!」

 

 14歳なのに私より大人かも

 …想像できてる?

 

「察してって…お前は解るのかよ?」

 こっちは子供だな

 

 エミナがこっちを見て

「ナズナ、言っても良い?」

 

 え、バレてんの?

 

 バレる訳無い、そんなハズない…

 

「あ…今は…やめて…」

 もしも当たってたら恥ずかしいし…

 

 どうしよ…話を変えたい

 

「あ、あの…私から聞いても良いいかな?」

 三人の視線が集まる

「ミハエルは何で先生なの?

何か対等の仲間に見えるんだけど」

 

「あぁそれですか、先生に関しては

単にハンター歴です」

 

「え?ミハエルだけ長いの?」

 

「はい、13で正式にハンターとなり

今は5年目ですから」

 

 

 

 ………は?…てことは?

 

 

 

「ミハエルって…今何歳?」

 

「18ですが?」

 首をかしげる美『少年』

 

 年下っ?!!!

 こんな大人っぽくて知的で強くて

パーフェクツな完璧超人がっ?!!!

 

 

 

 

「大丈夫ぅ?」

 

「ちょっとだけ待って、

落ち着くから…年上だと思ってて…」

 やばい!やばい!やばい!

 ドキドキする胸を抑える、

 落ち着け私、深呼吸だ深呼吸

 

「良く言われますよ?」

 ニコッと笑う、欠点無しかよ!

 何かまたトキメいちゃったよ!

 背中に花まで見えてきたよ!

 

「で、俺が今3ヶ月位だけどな?」

 ミハエルに親指を向けると

「子供の頃にコイツと一緒に

基礎の訓練してたんだ」

 

 幼なじみか…だからこの態度

 

「その後学校行かされて、

俺は最近ハンター始めたからな」

 笑うハルキ

 

「学校…?」

 学校って確か頭の良い子供だけが

行ける特別な場所じゃ…

 

「以外だよねぇ、ミハエルがガチのハンター

で、ハルキが学者の卵だったらしいから」

 ケラケラ笑うエミナ

 

「何か逆な感じだわ」

 イメージが違いすぎる

 

「だよねー」

 

「どういう意味だ?」

 顔をしかめる

 

「だってアンタバカっぽいもん」

 やれやれと首を振る

 

「あ、あのさ、何でエミナはハルキに…その…」

 

「遠慮が無いってこと?」

 

「そう」

 何か馴れ馴れしいとも違う何かが…

 もしかしたらハルキが好きとか?

 

「初対面の第一声に

『お前胸無ぇな』って言われたらどう?」

 

「うわぁ…」

 言ったのかコイツ

 

「ホントの事だろ?」

 悪気が無いのか?

 やっぱりバカなのか?

 

「そんな事言うヤツに気ぃ使わないよ」

 うん、同意します

 

「エミナとナズナに対して

態度が違いすぎますよ?」

 

「エミナは女として見てネェ、

ナズナは女だ」

 腕組みして真剣に言うハルキ

 

「その違いはなんです?」

 

「胸!」ふんぞり返る

 

「「最っ低」」ハモった…

 

 

「あ、それと上位なのに下位って?」

 

「あぁ…それですか」

 器を置いて姿勢を正すと

「実は叔父から上位になったら自分の元

で働けと言われまして、断り続けているんです」

 

「叔父さん?」

 

 その時

 

「誰か外でもめてるぜ?」

 帰ったばかりのハンター

 

「む、何事かの?」

 ギルドマスターが出ていく

 

「あれぇ?なんでギルドマスター

が出ていくの?」

 気になる、ケンカ?

ドンドルマみたいに?

 エミナはワクワクする

 

「確か村長も兼任していますよ」

 

「別に村長が居るわけじゃねぇんだな」

 

「ナズナ!行くよ!」

 

「またぁ?!」

 私の手を掴み走り出す、

 また覗くのかこの娘、

 痴話喧嘩とか好きそうだわ

 

 

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