エヴァの記憶だけ吹っ飛ばされた人がエヴァ世界に飛ばされた話 作:フィアネン
それでもよろしい方のみお読みください。
St.1:まず、ここは何処なんだ?
俺自身が、カテゴリの時点で読むのを憚れる「転生」ってものの犠牲になったとは。正直、チートも前世の知識もあったところで面白くないんだな、これが。正直書きやすいしそれが蔓延るのも納得がいくけどね。最近はオリジナルキャラ・設定をだいぶ都合よく設定できるRTA形式ってのもあるし、形態は変わってても内容は基本的に変わってないのがよくわかる。しかも、とりあえず殺す手段として交通事故がめちゃ書きやすいってのも実体験でよ~くわかりましたとさ。めでた死めでた死。
正直、生前は「この世界に神などいない!(STN並感)」というスタンスをとっていた。正直進級をする度、年齢を重ねる度につまらない世界だと思っていくようになった。いついなくなっても構わないと、20近くになってからずっと、そう思っていた。でも、自分からやろうと思ったところで絶対に勝てない「恐怖」がつきまとう。そんなとき、突発的に突っ込んできた車に轢き殺された時なんて何か考える間もなかった。
その後「ここ」で思ったことなんて、
「ああ、カエルがチャリなんかで轢かれる時ってこういうことなのかな。」
程度だった。それに、こういう状況ってさ、神も何も出てこない。一瞬画面が暗くなったと思った瞬間、俺は電車の中で座っていた。全員が全員こうなのかはわからないけど、そんな前例、普通に喋ったところで最近のテレビなんてネタにもしてくれない。ネットで喋ったところで「まーた頭のおかしい奴が出てきたよ」程度だ。結局、裏のとれない話なんて誰も気にしちゃいない訳だ。それも一般市民のだしね、俺もしょうもないと思う。
さて、ここは何の電車だ?って、こんな高い位置に電車なんて通ってたか?窓から見ると、このタイプは…え、モノレール?一時期流行ったモノレールってのも結局普及はしてなかったし、俺の記憶にあるそれってのは吊られてるタイプだ。ここら辺は明るくないからマジでよくわからない。
にしても、窓から見える風景、何か見覚えがあるんだよね。でも、それが全く記憶から出てこない。ガンダムとか9nineとかサブカルって言えばいいんかな?はほぼほぼ覚えてるんだけど、この風景だけが全く思い出せない。ずっとモヤモヤが頭ん中に残ってる。
顎に右手を当て、中指以下で顎を擦りながら考えていると、ふと違和感に気付く。あれ、そこそこ好きな短く生えた髭の感覚がない?窓に両手をつき、反射で顔を確認する。こいつは…ちょうど数年前の、中学の頃あたりの顔に戻っている?何でこんな中途半端な年に?
髪は少し記憶より伸ばしている感じだけど、間違いなく幼い俺の顔。それにいつも通り度が滅茶苦茶強いメガネにYシャツ、黒スラックス、それにこれは、学生鞄かなこれは。中はだいぶ軽いけど、最低限のものは揃ってる。ノート、筆記具、あと俺らしく紙が雑多に入っているクリアファイルに、これだけはだいぶ綺麗なままの紙封筒。うー、下向いてるとやっぱ首痛くなるな。首を軽く回していると、頭上にえーと、名前がすぐに思い出せねぇ。えーと…ああ、キャリーケースか。普段使わなかったからすぐ名前が出てこねぇんだこれが。状況とすると、ここの近くに泊まり込みの移動をしてるところか?んでも、保護者もいないとは…どういうことだろう。というか、周囲に人がほとんどいねぇ。この太陽の位置とか、外の明るさとしては始発あたりかな?俺今までこんな時間に電車使ったことあったっけ。コミケにすら行く事がなかったのにさ。
封筒から紙を取り出す。書いている内容は…はー相変わらず堅い文章ってのはなかなか読む気が失せる。内容としては、
「あなたは第三新東京市(?)のNERV(?)って機関に来い。仕事内容はそこで全部話す」
って感じだ。滅茶苦茶要約したから抜けがあるかもしれないけど、とりあえず公的機関がこんな内容の無い文書で多分ここに呼びつけるってどういう神経してんだ…。他に入ってたのは、路線図と乗り換え駅を示したメモに、迎えの人間らしい“葛城ミサト”という名の人の写真。わざわざ胸に強調するかの如く矢印を引っ張り、「ここに注目」とか勘弁してくれよ。んでも美人ってのはわかるけど。
それにしても、今が“2015年”ってのはどういうことだ?今は俺が生きてきた中で恐らく2番目にデカい実害を受けた災害、パンデミック真っ只中の2020年だ。その5年前つったら…ちょうど進学した直後あたりかな?もうそのときの記憶なんてマトモに覚えちゃいないけどさ。あ、今の駅アナウンス…
やっべぇ!!!!!!!
乗り過ごした!!!!!!!!!
すげぇ恐怖にかられる。とりあえずこの駅で降りるけど、どうすんだこれ…(悪寒)。路線図…つーか時刻表はねぇのかよ!アレ現在時刻の把握すらできるからだいぶ有能なんだが!?鞄を漁れ漁れ…って、その前に対岸のホーム行かなきゃ!走れ走れ!マナー違反?知るか!割と死活問題だぞこれ!こんなしょうもねぇことで遅刻とか勘弁してくれ!
着いた瞬間に電車が来た。せーーーーーーふ。相変わらず顔は青いままだが、とりあえず座って路線確認。あと2駅か。とりあえず携帯どこ?ズボンのポケットに手を押し付け、携帯を探る。は?こいつケツポケットに入れてやがるのか。こんなことしてるから液晶割れんだぞ。あいや、これガラケーだったわ。2015年なのにだいぶ前時代的なもの使ってるんすね。
葛城さんの写真の裏に電話番号が記載されていたから、それをとりあえず打ち込む。この感覚、親父のガラケーで遊んだ時以来だ。打ち込み終わり、通話のボタンを押そうとした瞬間、また唐突に恐怖が沸いて出てきた。これでキレた声がしたらたまったもんじゃない。やっぱり、この被害妄想ってのはどの年齢になっても変わらないようだ。あー怖ぇ。こういう年齢で精神成長が止まってるっつー自虐するくらいだし、相変わらずだ。んでも、掛けなきゃそれはそれで報連相ができてない印になってしまう。ここは、勇気を出―あ、ちょっとまてスリープすんな!あ、押しちゃった…。
[プルルルルルル プルルルルルル…]
この待たされる間はマジで嫌いだ。あーマジで怖くなってきた。あ、もう次の駅だ。荷物もって立っとかないとまた乗り過ごすわこれ。荷物を下ろしながら。左手で携帯は耳元にホールドしたまま。
『はぁい、葛城ですぅ…。』
「あ、もしもし、影嶋エイジです。えーと、ねるふ?の件で―」
『うわやっば!今どこ!?』
「えーと、もうすぐ指定の駅に着きます。」
『おっけー!ちょーっち待ってててね!』
「はい、わか―切りやがった。」
はぁー、さすがに勘弁してくれ。こんな大人って実在するんすね。この感じ、今起きてこれから駅に着くんだろうか。あ、これ開くドア逆だわ。
駅を出ると、そこそこ広いターミナルが顔を見せる。やっぱこういうのはいつ見ても面白いし、2階程度の高さから見るとそれはもう絶景。何でかって?動きがあって見てて飽きないからだよ。それに、本当に東京…いや、それ以上の高層ビルに、何かの日光を使ったシステムだろうか。反射光が目に痛いほど主張してくる。それに、現代ではあまり見ない、真っ白な高層ビル。何なんだろうか。視界に入るどれもが新しいものでそれらに心動かされている中、下のターミナルから声をかけられる。
「エイジく~ん、ここここ~。」
車から降り、手を振っている葛城さんから声をかけられる。車の場所と色、形を覚える。近くにエレベータないかな。…おっ、あったあった。そこから降りて、道を素早く渡ると目的のお方に出会う。
「ごめんね~、待たせた?」
「いえ、さっき着いたばかりですね。それより、予定より遅れてしまいごめんなさい。実は、2駅ほど寝過ごしちゃって…。」
「あら、気にしないでいいのよ。ささ、乗った乗った。」
言われるがまま青い車の助手席に乗り、葛城さんは車を飛ばす。
「えーと、まずこの呼び出しって、何なんですか?」
「あら、そこの書類に書いてなかった?」
「あー、読み飛ばしてたからどうですかね。も一度確認します。」
鞄から紙封筒を取り出し、もう一度目を通す。んー、やっぱわかんねぇや。
「とりあえず何かの仕事ってことですよね?んで、NERVって機関の人間になる。あとは同封の臨時ID。やっぱ、これだけだと何やるかわかりませんよ?」
「あー、そっか。それじゃ、こいつを読んで!」
一冊の分厚い冊子を渡されるタイトルは“[極秘]ようこそ、NERV江”。極秘なのにこんな冊子が印刷されてんのかよ。いや、極秘だからかな?
「ありがとうございます。」
内容に目を通す。とりあえず、こういうのは目次を見て読み飛ばすところを決めるのが鉄板かな。さて、内容は…なんか、物騒な言葉が多すぎる、武装したビルだとか、対使徒迎撃要塞都市だとか、使徒とか、ジオフロントとかいう地下都市の存在だとか、さすがにファンタジーが過ぎない?夢見てんのかな。
「失礼ながら、ここに書いている内容って本当ですか?」
「そ・れ・は、着いてからのお楽しみよ。」
本当らしい。車が止まり、ゲートが開く。そこに車を止めると、コンベア?のようなもので地下に送られる。てか、ずっと下向いてたせいで気持ち悪くなってきた…。冊子を抱え、座席の背もたれに全体重を預け、目を閉じる。
「あらエイジくん、大丈夫?」
「あー、ええ。昔から下向いてるとよく、あるんですよね。」
「もうそろそろ見えてくるわよ。」
ジオフロントのことかな。暫く気分を落ち着けるために深く呼吸をしていると、唐突に瞼に光が入ってくる。目を開けると、そこには日光が差し込まれた綺麗な地下空洞が見えてくる。
「美しい光景ですね。」
「そうね。ここがジオフロント、人類最後の砦よ。」
車を降り、まるで近未来の基地のような通路を延々と移動する。いや、基地ってのは正しいか。あれ、このA-3って文字、さっきも見たような…もしかして、迷ってる?いや、この施設の人間に限ってんなことが…
「あれ~、たしかこっちだったと思うんだけどな~。」
「え。」
「あ、そ、そんな、迷ってるとか~、そんなことは無いわよ~。」
「思いっっっきり動揺してますね…。」
「あ、あはは…可愛くないやつ!」
「聞こえてますよ。」
大丈夫なんですかねこの機関。エレベータに乗ると、指定した階より下で先に止まる。
扉が開くと、金髪白衣の美人が出てきた。この機関顔だけで人選してない?
「予定時刻、15分オーバーね、葛城一尉。」
「うっ、リツコ…ごめんね。」
一尉というと、ここも軍隊のような階級があるのか。あ、たしかに冊子に書いてあったな。
リツコと呼ばれた人はこちらを向く。
「例の男の子?」
「そ、チルドレンのバックアップ。」
「そう。赤木リツコよ、よろしくね。」
「はい。知っているとは思いますが、影嶋エイジです。よろしくお願いします。」
またコンベアで、今度は上へ移動する。途中に訳のわからないものが目に写る。
というか、さっきから話を流し聞きしてたけど起動確率が
「んだ?あの壁突き破ってるデカい腕…」
「ここを上がればわかるわ。」
「それはどういう…」
赤木さんはこれ以上喋ることはなかった。
今度はボートで赤い水の上を移動する。なんか、さっきも見たような、バカでかい腕が見える。どうなってんだこれ…。
暗い部屋のドアが閉じられた数秒後に明かりがつき、バカでかい紫色の、顔…?が見える。ガンダムと違って、この感じ口がついているようだ。
「わぁ…なんですか?これ。」
「人が造りし究極の汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン初号機。」
「初号機?
「そう。他には凍結中の零号機もあるわ。」
「…まさか、これに乗れなんて言うことはないですよね?さっき起動確率が1.0×10^-9%って言ってましたよね?」
「残念ながら、そのまさかよ。」
「たしかに、こんなものに乗る機会なんてそうそうないですけど…。」
「どうするの?」
「急かすんですね。…わかりました。乗らせていただきます。」
「あ~ら、男の子らしく、目を輝かせてるわねぇ。」
「そりゃあ、ガンダムとかを見ていれば一度は思うことですよ。憧れでしょう?こういうスカウトだって。だから、やらせてもらいます。」
「わかったわ。それじゃあついてきて。」
その後、赤木博士によって、エヴァンゲリオンのいろはを叩き込まれた。にしても、こういうアニメがあったら面白かったのにな、とずっと思ってる。考えるだけで動かせるってのはファフナー感があるし。でも内部電源は5分しか保たないってのと、武装がナイフとライフルだけってのは少々頼りない気がする。
「も少し、何か長い近接武器は無いんですか?例えば…剣とか。」
「それはまだ無いわ。でも、あなたのテスト次第では製造することも検討するわ。」
「あと、このA.T.フィールドって、通常兵器は受け付けないって言ってましたよね?」
「ええ、そうね。」
「この中和作業と攻撃って同時にできるんですか?」
「中和距離に入ればできるわ。」
「つまり、近づけばいいんですね?」
「端的に言えば、そうね。」
「難しい戦い方ですね。」
「まずはシンクロできなければ始まらないわ。それじゃ、次はこっちに付いてきなさい。」
次は更衣室に導かれ、ぶかぶかのスーツを渡される。とりあえず言われた通り全部脱いで、このスーツを着た。うっ、この生えかけというか、まだ短い感じが年齢が下がってるということを痛感させられる。顔が赤くなる気がする。あーやだやだ。
着たスーツを鏡で見てみる。白の装甲のようなものが上半身を覆い、胸の部分には赤い円のようなものが入っている。腕や体の側面は黒だが、メインはグレーカラーになっている。胸には英語で[TEST]と。ほんとにバックアップらしいが、同時に初号機のテスターもさせられてるってのがよくわかるわ。
お次はエントリープラグって円筒形のものに搭乗する。座席は座るというより、跨がるような感じ。レバーはトリガーと、指を伸ばすようにして押すタイプのスイッチ。少しガチャガチャ動かすと、案外自由度は高いようだ。この施設は、エヴァとのシンクロ率を計測する施設で、ここで行っていることはこれに慣れるための実験らしい。
[エントリープラグ、注水。]
ひぃ~、呼吸できることを知っていてもやっぱ密閉空間に水が迫ってくるとか恐怖もんだぜこれ。3拍かけて息を吐き、ゆっくりL.C.L.を吸い込む。…わりと普通に呼吸できるんだなこれ。液体呼吸ってのはSFネタでしか知らないからよくわからない。
[落ち着いて、意識を集中させてみて。]
頷いて、思考をやめる。少し心拍が高くなってるが、それも意識から追いやる。
どれくらい経ったのだろうか。唐突に赤木博士から通信が来る。
[お疲れさま、上がっていいわよ。]
「あの、どれくらいでしたか?その、シンクロ率ってのは。」
[28.90%よ。初めてにしては破格な数値ね。]
「へえ、有効数字って4桁なんですね。」
[あら、そんなところに興味をもつなんて、中学生なのに珍しいわね。]
まあ、一応高校の数学と物理はあらかたやったしね。それやっときゃ知識はめっちゃ広がる。
「そうですか?じゃ、上がります。」
プラグが上がり、ハッチが開く。
ふ~、LCLってなかなか浸かりたいものじゃないな。なんか臭ぇし。スーツを脱ぎ、シャワーを浴びて、服を着る。は~、さっぱりした。
この後は、赤木博士んとこでめ~~っちゃ入念に精密検査を受けた。そこでの話は、エヴァに本当に乗れるのは5日後くらいだとか、体に違和感は無かったか、とか。本当になにもなかったから、真面目に適当に答えた。そのあと、俺の居住場所に関しての話になったのだが―
「ええ!?この施設に住むの!?」
「そうだ。この先の居住区、IDと番号は渡しているから、問題は無いだろう。」
「それでいいの!?」
「そんなもんじゃないですか?それに、一人ってのは楽ですよ?」
「あなたねぇ…わかったわ。」
「リツコ?エイジ君、うちに住まわせることにするから。…え?だいじょーぶ、この子に手を出すことなんてしないわヨ。」
『当たり前でしょ!!!!!だいたいあなt―』
「ちっ、冗談のわからないヤツ。」
「ええ…。」
「今日はパーーーッと!やらないとね!!」
「歓迎会でもしてくれるんですか?」
「そうよ。折角の同居人だしね。」
コンビニに着く。だからってコンビニ弁ですかい。まあ忙しそうだし、わからなくはないけど。昼とか作るのダルい時なんてだいたいがインスタントだとか冷凍食品だしね。
コンビニ弁を漁る俺ら。あ、この焼肉弁当美味そう。あと焼きプリンとサイダー。うん、完璧だな!
「そんだけでいいの?」
「あー、慣れない環境だと、俺は胃が縮むようでしてね…。」
「あらー、それは仕方ないわね。」
コンビニを出て、マンションに向かう。荷物は既に届いているようで、扉の前に幾つかの段ボールが置いてある。全部NERVのロゴ入りとは。
「実は、私もこの街に引っ越してきたばかりなのよ。さ、入って。」
「それでは、お邪魔します。」
「エイジ君、ここはあなたの家になるのよ。そういうときは、どう言うかはわかるわよね。」
「あー、はい。…ただいま。」
「おかえりなさい、エイジ君。さー入った入った、部屋はちょーっち散らかってるけどね。」
「は、はあ。」
…おい。これが「ちょっち」かい。俺の方がまだ整頓されてっぞこれ。冷蔵庫も水ビール氷って、葛城さんアル中ですか?こうういうのでどうしても引いちゃうから俺は生きてる間数回しか酒飲めなかったんよなぁ。とりあえず、間取りの確認を…え、ペンギン?
「この…ペンギン、は?プレートの
「ああ、この子は温泉ペンギンのペンペンよ。」
「あ、ああ…なんだ、普通に読むんですねこれ…。」
2乗で×2と同じ読み方をするのって他にあったかぁ?俺知らねぇんだけど。
「ま、そんな話はともかく、まずは食べましょ?」
「少し待ってください。」
キャリーケースを空いている部屋の中に入れ、開いて歯を磨く道具を一式出す。石鹸は住居だから好きに使わせてもらおう。まあ、鉄則ですよね、手洗いうがいは。このリアルご時世なら尚更よ。あ、今2015年だっけか。
「はい、お待たせしました。食べましょ。」
「「いただきます。」」
葛城さんは話題を振ってくる。どうやら、俺と打ち解けたい…のだろう。多分。
「ねえ、今日の実験どうだったー?」
「まあ、案外どうにかなるんじゃないかな、って思ってます。今のとことは。」
「そう、それはよかった。あ、そうだ。あなた、学校にはちゃんと行ってもらうわよ。」
「はい?俺は今14ですよね?それは当然なんじゃないですか?」
「あら、実験ばっかりを求めてるのかと思ってた。案外大人なのね。」
「んな事はないですよ。礼儀ただしさと精神が大人かは別問題じゃないです?」
「あらー、そんな難しいこと柄にもなく言っちゃって~。やっぱエイちゃんは大人よ。」
「エイちゃんー?やめてくださいよ葛城さん。」
「ふふふー、ミサトでいいわよ、エイちゃん。」
「あー、多分暫くは葛城さんでしょうねこれ。そんなすぐ馴れ馴れしくなんて接せませんよ。」
「あら、お堅いこと。」
「あ、そうだ明日の実験、いつごろから始まります?」
「明日?今日とやることは変わらないから、だいたい1400くらいからね。」
「というと、14時ですか。なら、明日は学校休む…というか、明後日くらいからの登校に調整してくれませんか?」
「あら、どうして?荷物整理とか?」
「それもですけど、まずは掃除からしたいですね。やってこなかったなりに、俺も努力しますから。」
「うっ…ありがと!」
「因みに、明日の朝食って…」
「あ、それは…」
目が泳ぎまくってる。あーあ、しゃーねぇなこりゃ。
「わかりました、これから買いに行きましょ。」
「ありがとう~。」
荷物を軽く整理して、風呂入って、ベッドに横になる。なんか想像以上に濃い、疲れた一日だった。NERVとかいう公的機関、エヴァ、パイロット。マジで夢物語のようだ。こんなことを自分ができるとは思ってもいなかった。やっぱ、これは「男のロマン」だよねぇ。
目を瞑りながら少し笑っていると、葛城さんが声をかけにきた。
「あら、起こしちゃった?」
「いえ、どうも寝れなくて。興奮してるようです。」
「そうなの。…ありがとう、エイジ君。君も数少ないパイロット適正の子の一人だから、この仕事を受けてくれたのは本当に嬉しい。ありがとうね。」
「いいえ、まだ感謝してもらうようなことは何もやっちゃないですよ。俺はこれからです。」
「それでも、言いたかったの。ありがとう、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
その日は、夢も見ない深い眠りだった。
好き勝手やらせてもらいます。
補完計画発動も、使徒騒ぎの後のごたごたもない本当の大団円endを読みたいですか?
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はい
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いいえ