ミラージュボヤージュ 作:エリオット・ウィット
ワットソンは誰よりもバチバチとした展開を望んでいないが、電気と仲が良い。
例えば静電気。
『痛えっ!』
『ごめんなさーい』
ワットソンは軽率に触ってきたミラージュに軽く謝る。
「誰よりも痛かった、これは本当に恐ろしいと思うぜ」
「そんなに?」
「脳裏に第二ラウンドのリング外が浮かんだくらいにはな」
「まあ嬉しい」
「嬉しいだって?」
「そうよ」
ミラージュは変な奴と組んでしまったことに気づいた。
ここは沼沢の最終ラウンド目前。
ぬまさわではなくしょうたく、と読む。
うるさいフェンスの中に篭もるというのは良い気がしない。
「アンドラーデって奴はどう思う? いや、暇なだけだからやっぱりなしだ、暇はもうなくなる」
ミスアンドラーデ。コースティックがそう呼んでいた。
レジェンド名はローバ。
「あの人は悪い人じゃないと思うの、少し悪い人に触れてしまったから、鉄のように変化しちゃったんじゃないかしら、磁石にね」
「人工の悪夢に触れてたしな、間違いねえ」
「だから惹かれ合う、電気と電気みたいに鉄と鉄が。レジェンドとレジェンドも、もしかしたら」
「俺とノロけたいのか? 良いぜ、勝つ準備はばっちりだ」
「ミラージュは――レイスとくっつけば良いわ、どう考えてもモテそうにないメンツだから、誰よりもお似合いよ」
ワットソンは眼中にないとキッパリ。
「レディを殴ったりはしないが腹立つな、なんで俺なんかがレイスなんかとなんやかんやで組まなきゃいけないんだ? あの人はもうおばさんってことを知った方がいいぞ」
「私はお姉さんって?」
「そういうわけさブラボー、ミラージュボヤージュに連れて行ってやらなくもない、もちろんワールズエッジの方だが、まさか婚約の旅だと思っていたのか?」
「……考えてあげるわ」
少しだけワットソンの声色が高くなった気がした。
「考えてくれ、ソラスシティ以外なら大歓迎さ」
「どうして? ソラスに住んでるのにソラスが嫌い?」
『デートの最後はバーで一本、あわよくばベッドの祭りさ、それを叶えてくれるのは最高のバーになるんだが……ソラスシティで最高のバーはエリオット・ウィットが経営するパラダイスラウンジって相場が決まってるんだ』
「まあ! 少しだけ興味あるわ」
「勘弁してくれ、カウンターテーブルで寝るのはもう三回目になるからな」
寝て起きて腰がピヨっているミラージュを見かけれるのは朝だけらしい。
「そのつもりはないけど……」
「歳はいくつだ? 歳の数だけコップの縁にレモンを振ってやるよ」
『22よ』
「あー、その話はなかったことにしてくれ」
「どうして?」
『今日が十三日の金曜日なら喜んで抱いていた、これで分かってくれ』
ワットソンは不満げに頬を膨らませるとフェンスを二重に置いていた。
結局はやる気が創作の要なんだ、分かるだろ?本当は頭の中で終わらせてやってもよかったんだ、でも書いてる。
神出鬼没でいて欲しくないならリアクションしてみるんだな。
ランパートショッピングネットワーク!かっこいいな!俺がゲストとして招待されるかもしれない、されないって? 夢は本物が良いだろ?
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白羽の矢で止まりやがったのか、アミーゴ!
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私は大砲よ。シーラよりも優れているわ。
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これだけは言える……誰かが死ぬ――
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お! 飲み放題にしてくれるのかー?
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どうしよう、私も出たい。