ミラージュボヤージュ 作:エリオット・ウィット
『世間を席巻! 観衆を監修! 喜べお前ら、課金しろお前達! 俺様のアルティメイターゴールデンは精神衛生ドクターに最適さ、右手で持てばブンッ、ポークチョップで敵をチョップって訳なんだ、こいつに魅入られて死んでも責任は取らないけどな』
ニッとAPEXロビーではにかむミラージュ。
『な、なにそれ?』
レイスは説明を聞いても意味を理解できなかった。
金色のフィギュアを抱えて走るなんてどうかしている。
『分からないのか? ゴールデンフィギュア、またの名をミラージュ・ア・トロワ、コイツと俺とデコイの三人で相手にする内容だ』
「金メッキは目立つわ」
「こいつは純粋な純金だ、舐めるんじゃない」
「もっとダメだと思うけど」
金は柔らかい物質なのである。
「や、や、やっぱり純金は嘘だ、ははっ」
「虚空に捨ててきてあげるわ」
「やめてくれ! これは俺だ、それを捨てるなんて冗談か!」
「だって目立つから」
朝日の返しがスナイプスコープのように自己主張してしまわないよう、お祈りする必要が出てくる。
「言っとくが俺はこれで戦場を歩いてやるからな! デスボックスの上に置いて記念撮影したら、毎日ツイートしてやるんだ」
「なんてツイートするの?」
『俺が来た頃にはキンキンに冷えてやがった!ってな、イカすだろ?』
「ああ、そう、しょうもないわね」
自分のフィギュアという今までにない贈り物で上がり調子のミラージュはあがり症気味。
上がった後は下がるだけ。
下がった後は上がるだけ。
「戦術的ディスアドバンテージでも考えたらどう?」
レイスはついていけないとその場を去る。
「強いやつは良いよな、全く、限界を誤魔化すには危険色で威嚇しちまうのが一番なんだが、する必要がないやつは分かりもしない」
不意に右手のフィギュアが零れ落ちる。
「うおっ!」
拾おうと全身を躍動させて右手を振るう。
その瞬間、フィギュアは青い光に吸われる。
光の方向にはローバが居た。
『大切な物が落ちてたから、拾っちゃったわあ』
ミラージュが掘られた金色アイテムをローバは眺める。
「返してくれー」
「い、や、よ」
「俺だけのアイテムなんだ」
「壊したりするわけじゃない、ちょっと見てるだけ」
レジェンダリーコレクションは六種類になりつつある。
「……嫌いじゃないわ、ねえ、部屋で飾ってもいい?」
「へ? 飾る?」
「金色はセンスのお目が高い、趣味が合うのかも?」
ミラージュはあんまり良い反応をされるとは思っていなかった。
「か、飾ってやってくれ、そいつもその方が幸せさ」
「あら、良いんだ?」
「その代わり俺みたいに扱えよ、そいつは俺でもあり俺の友達でもあるんだからな」
「昼休憩一時間、三食ご飯付きでどう?」
「よし、俺も連れて行ってくれ、実は三人のセットなんだ」
デコイがローバの前で青い光を宿す。
『……これだけで良いわ』
フィギュアを持っていない奴が居たら、そいつは俺みたいにプレゼントしちまったんだろうな。もったいねえが幸せ者の結末にはお似合いだ。
ランパートショッピングネットワーク!かっこいいな!俺がゲストとして招待されるかもしれない、されないって? 夢は本物が良いだろ?
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白羽の矢で止まりやがったのか、アミーゴ!
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私は大砲よ。シーラよりも優れているわ。
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これだけは言える……誰かが死ぬ――
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お! 飲み放題にしてくれるのかー?
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どうしよう、私も出たい。