ミラージュボヤージュ 作:エリオット・ウィット
『俺が好きなのはジャパニーズソーバーメン、ざるでもそばでもなく、俺の近くで食われる運命、もしくはさだめ、だ』
『親から食事中の礼儀を学ばなかったのか?』
APEXロビーのコンビニチェーンで買った惑星アースのジャパニーズ文化を嗜むミラージュ。
そんな姿をレブナントは皮肉に摘んだ。
「学んでいたぜ! 今は学ばせてる側かもしれないが」
「ならば黙って食え、言葉の数だけ飯は腐る」
「お前は食わないだろ、良いじゃないか」
ツルツル流れるそば。つゆについつい付けすぎている。
「死んだモノには敬意を払え」
「敬意? いつもムゴイくらい目ん玉引き抜くやつに言われるとはな」
「動かないモノは、等しく同等だ」
「そりゃお前にとって無価値も良いところだからな」
ミラージュのざるそばを食べる手が止まる。
「な、なんじゃこりゃ!」
「どうした、お前にも亡霊が見えたか、はあはあ」
「そんなんじゃねえ!」
割り箸をテーブルに叩き捨てると最悪だと言葉を漏らす。
「見ろ、これを!」
レブナントは演技とは思えない驚きの原因を見る。
空いたざるそばケースの中に這って進みそうな虫の死骸。
「はっはっは、言っただろうミラージュ? 動かないモノは等しい……それは周りの価値を下げるからに等しい」
「そ、それは分かったが! 本当は2匹居て食っちまったんじゃねえのかって、なあ!」
「食ったか食ってないかで言うと食っていない、どちらかというと何もいない方が食っている」
乾いた笑い。
「おー、最高だな! 食わずに済んだことを祝してお前をボコボコにしてスクラップにしてやりてえ!」
「気が動転するのは分かる、と言ってやらなくもない」
「ああ、不愉快だ」
ミラージュはソーダ飲料を流し込んで気持ちをシュワシュワリセット。
『仕返しが希望か?』
細い人差し指がキシュンと尖る。
レヴナントの質問。
「まさか突入するって?」
「まずは保健所に連絡しろ、今度はその店のサポートセンターだ」
「そっから銃撃戦だな、分かってる。さすが殺人マシーンだ、保険屋も知ってたか」
「大企業にとって保健所は悪夢に似ている、きっと多額の礼が降りるだろう……」
「なんだ、なんなんだ? お前変だな」
レヴナントは生かすも殺すも自由に生きている。
「殺されることよりも辛い目は、そこに、ある」
しかし、そのどちらもが。どれもが。
「謝罪会見のオンパレードってか? そりゃな」
「下がった頭の上を貫く瞬間を体験したことはあるか? 心地良いぞ、やみつきになるぞ……」
同じ結末を辿る。
「あー、そういうことが目的だったのか」
「ミラージュ、お前も例外ではない」
「俺は自衛手段ならあるぜ」
レヴナントは人差し指で赤いマフラーを撫でる。
『その異物に対する謝りは金で解決しないと知る。二度と食えないと悟る、怒る、そして知る。お前は、私を求めていると』
そして辿る、同じ結末を。
実際にあった話でノーフィクションだ。
ランパートショッピングネットワーク!かっこいいな!俺がゲストとして招待されるかもしれない、されないって? 夢は本物が良いだろ?
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白羽の矢で止まりやがったのか、アミーゴ!
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私は大砲よ。シーラよりも優れているわ。
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これだけは言える……誰かが死ぬ――
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お! 飲み放題にしてくれるのかー?
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どうしよう、私も出たい。