ミラージュボヤージュ 作:エリオット・ウィット
ミラージュは二画面のゲーム機を畳んでAPEXの自由で有益なエリアを踏み歩いていた。ゲームショップにも似た赤く硬いカーペットをただただ、ただただ、ただただ。
ひた進んで様々なレジェンドとすれ違う。
『よお、ブラザー』
『アミーゴが欲しいアミーボはなんだ? 俺は、いや、なかったことにしてくれ』
『あなたも数奇の虚空に飛んでごらんなさい』
『おじさん、このランパート様と飲みに、あ、行かないんだ』
『おっさ……ウィット! ブラッドハウンドに聞かれたら俺は向こうに行ったって言ってくれ!』
『同志、クリプトは、ほう? 我が名はブロスフゥンダル!』
最後にレヴナントとすれ違う。
「私の顔に、なにか付いているのか? それとも、憑いているのか?」
「皮膚もついてないくせに」
「その通りだ」
ミラージュはひとしきり歩くと途中で壁に酔いながらゲーム機を開いた。
「さすがにないだろ」
すれ違った回数を思い浮かべながらゲーム機を直視する。
「す、すれ違ってるだと!」
ミラージュは周りを見て急いでゲーム機を閉じた。
誰だ? 誰がこんな古いゲームをやってる?
しかし、もうレジェンドは通ってこない。
次の日、ミラージュはAPEXロビーのど真ん中に居座った。
ゲーム機を閉じて静かに待っているとレブナントがやってきた。
「それは……dsか?」
「そうだぞ」
「懐かしい、とても懐かしい記憶が薄れていく」
「そんなに思い出が?」
「人肌の温もりを人肌で感じていた時はあった……」
ミラージュはDSに三の数字を足した次世代機を開きながら真実を確かめる。
「ドラクエ……」
「しかも九番目だ」
「配信クエストを探す為に中古のソフトを片っ端開いて探しに探し……オホン、そんなプラクズが面白いのか?」
「遅い、挽回も遅いしお前のds事情はもっと遅い」
すれ違ったユーザーはレブナントだったのかもしれない。
「遅い? 私がか?」
「WiFiコネクションは確かに終わったが、有志がコネクションのサーバーを置いてくれてるんだ、それにアクセスすれば配信クエストと部屋の勇者が手に入る」
「そうだったのかミラージュ! 久々に始めてやろう」
「まて、昨日からやってるんじゃないのか?」
「やっていない、全てのソースコードは雇い主に招集されてしまった」
配信クエストがないドラクエはただのフライヤーだと言うレブナント。
「じゃあ誰なんだ」
「昨日の闊歩は……」
「そうだ、その時に酒場にキャラが来て、確かめるために今日はここで吟味してる」
しかしすれ違わない。
「女子会のテーマはすれ違い通信にしよう」
「そこはソースコードだろ」
「誰がドラクエをしているか分からないのだろう?」
レブナントは小さく背を向ける。
『だったら全員がドラクエを始めたらいい』
死にたいんじゃないのかよとミラージュは思った。
冒険の旅+冒険の旅+冒険の旅
ランパートショッピングネットワーク!かっこいいな!俺がゲストとして招待されるかもしれない、されないって? 夢は本物が良いだろ?
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白羽の矢で止まりやがったのか、アミーゴ!
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私は大砲よ。シーラよりも優れているわ。
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これだけは言える……誰かが死ぬ――
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お! 飲み放題にしてくれるのかー?
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どうしよう、私も出たい。