ミラージュボヤージュ 作:エリオット・ウィット
『ダウンした!』
ミラージュのそんな声から始まる戦場。
リパルサーの頂点から撃っていたAPEX状態は崩壊しつつある。
一人が誰かのノックでダウンした今、ジップラインを差し込まれていた。
『おっさん……』
クリプトは背中のドローンを抜き投げ、ダイスデバイスを横に広げて操る。
『EMPプロトコルを』
『それはしないで、クリプト』
『実行――』
『しないで!』
青白い光のドームが拡大しながら進行する。
ドンッ。
一発の銃弾がそれを掻き消した。
『お、おい! 正気か!』
ワットソンのセンチネルは事実を煙に巻く。
『あなたに頼る方が、正気じゃない』
武器を置いたワットソンは転がったミラージュをバチバチ叩き起した。
「た、助かった、のか……?」
失敗したとはいえ、EMPの前に蜘蛛の子を散らすことはできたようだった。
「ちょ、チョベリグ?」
沈黙の空間に親指を立ててみたミラージュ。
「ドゥリアン」
「クリプトのEMPも良かった! 良かったぞ! な!」
蝶ネクタイを閉めるようにシールドセルを回しながら、精一杯のフェニックスキットを演じる。
「そうか……」
クリプトはデバイスをサイコロに戻してポケットに転がす。
何か言ってきそうなわけでもない。
「ど、どうしちまったんだ、変だぞ?」
「……」
「無視するな、答えてくれ? クリプちゃーん?」
「それはやめろ」
いつの間にか元通りのドローンソードが背中から手元へ。
ミラージュの顎先に突きつけられる。
「向かうところ敵無しって感じだな? 後ろに敵を作ったんだ、前に居るわけがねえ」
『作ったんじゃない! 作られた、
ドローンを横に振って手放す。白い刃が背中の鞘に逃げる。
珍しく言葉を荒らげるクリプト。
それでも八つ当たりをしないのは賢者の知性。
「お前らに何があったんだ」
「話す意味がない、誰も信じやしないからな」
クリプトは後ずさりながらワットソンを横切る。
それでもワットソンの視線だけは横切れない。
『凝り固まった
そう言ってリパルサーの頂点を降りるクリプト。
「さっさとしろ、今だけはリング外に居たくない」
「ワットソンちゃーん、聞いてたか?」
ミラージュは彼女の背中を叩いて前進を促す。
「まあ、そうね……」
「アイツに従うのは嫌なのは分かる、俺も嫌だからな!」
「でもついていけるなら嫌じゃないでしょ?」
「それはない、ただ、なんて言うか、そう、偶然。俺もそう思ってたんだが、あいつの方が一口……一足早かった、だから従ったとは言わせない」
「うーん」
「とにかく進め、それがアドバイスってもんだ」
ミラージュに、従うことにした。
「決めたわ!」
「その調子だ!」
「私もそう思ってたの! ミラージュより早く!」
「よし……えっ?」
『行きましょ、早くして』
ワットソンはミラージュを従わせたことにした。
どの武器が現在強いかアンケート結果。
ディボ171
ボルト155
プラウラー49
スプリットが変わる、その前にアンケートも変える。
ランパートショッピングネットワーク!かっこいいな!俺がゲストとして招待されるかもしれない、されないって? 夢は本物が良いだろ?
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白羽の矢で止まりやがったのか、アミーゴ!
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私は大砲よ。シーラよりも優れているわ。
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これだけは言える……誰かが死ぬ――
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お! 飲み放題にしてくれるのかー?
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どうしよう、私も出たい。