~夏逢視点~
私は玄関でサングラスとウエストポーチ。それにホルスターが見えないようなコートと替えのM686を新たに作り、全て装着していく。
全てを付け終えたあと、ようやく外に出た。
外は少し北風が吹いており夏から秋に季節が変わろうとしていた。
今は午後の一時くらいなのか辺りを見渡すと、飲食店にいる客の人数が多い。
そう言えば、生き返ってから何も口にしていないな。
折角だし、私も外食するか。
私は近くにあるラーメン屋でお昼を取ることにした。
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……ふぅ。沢山食べたな。金にはある程度余裕があるし、ラーメン三杯にご飯も食べてしまった。店員には凄いものを見るような目で見られたが無視する。
お店の時計を見ると、今は午後の2時くらいだった。
あの老人には今日一日散歩してこいと言われたのだし、この後はゆっくり散歩でもするか。
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私は、お店を巡りながら適当にぶらついていた。
お店では私に合いそうな服や、タオル等の日用品を見ていた。
見るだけで買わなかったのは、後で物質創造で作れるからだ。
なにより、欲しい日用品を全て買おうとしても今の手持ちでは買いきれない。
しかし、どうしたものか。あの老人の言い方では、歩いていれば魔女にでも会えるのかと思ったが、その様子は一切ない。
私はその間にやらねばならないことをすることにした。今の私にはやらなくてはならないことが多すぎる。この街の事を知ることや、魔女に対する戦闘方法等を編み出すこと等、様々だ。
私はウエストポーチの中でスマホを想像する。
そして、作ったスマホを使い、フリーWi-Fiで調べごとを済ませてしまうことにした。
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結果から言って、この街の事は大体分かった。三滝原という名前の街で、この街自体はとても広く、工場等も街の隅にあるらしい。昔から開発されてきたのだが、その速度が遅いらしく廃ビルも多数あるようだ。その為か、一部の人間に言えない様な内容で使われる事も少なくない事に想像がつく。
次は戦闘関連についてだが、中々面白かった。
……ん? 面白いとはどういうことかだと?
実は適当に画像検索していたら、アニメやマンガの物が出てきてな。
その中ではベクトル変換やら、蓬莱の薬、はたまた霊的装甲とか出てきたのだ。
正直、既知感を感じる事が多かったから、多分前世ではこういうマンガやアニメ等をよく見ていたのだろう。
ただ真面目に考えると、やはり銃やRPG、戦車やミサイル等を調べても私に扱えるのは、精々今手に持っているリボルバーかハンドガンくらいだろうな。
乗り物系の兵器等、とてもじゃないが使いこなせるとは思えない。
結論から言うに、ハンドガンやナイフで戦闘、自爆覚悟ならC4爆薬等の爆発物を大量に作り出すぐらいしか思いつかなかった。肩が外れるのを覚悟でM500二丁持ちなんてのもあるがな。
まぁ、ここまで言うのも何だが自爆なんぞ以ての外だし、やはりハンドガンで応戦するということで結論付けた。
調べごとを終えてからは、端的に言うならば手持ちぶさたになってしまった。
だが、別に警戒していないわけではない。
いや、むしろ常に警戒している。
なぜなら、魔女の情報が一切ないからだ。
姿は、力は、手下はいるのか、人間の拉致のやり方は、その他全てが何もわかっていない。
そのせいか、今この時も魔女が人間の姿で近くに潜んでいるのではないかと、常に警戒せざるを得ないのだ。
視線を泳がせていると、ふと目についたものがあった。
ふらふらと千鳥足で歩いている女性だ。その女性を見ていて、違和感を感じた。
それは、
普通、千鳥足で歩く人がいれば心配やら軽蔑やら、内容には変わりはあるものの思うことはあるはずだ。
だが、誰も彼女を見ていない。否、気付いていないと言うべきか。
中々に、可笑しい光景があった。
これが何にせよ魔女の干渉ではありそうだし、あとをつけてみるとしよう。撒き餌なのか、それとも拉致なのか。見ておく必要がある。
私は彼女のあとをつけることにした。
♢♢♢♢♢
後を付けていくと次第に裏路地のような人目のつかないところを歩き始めた。
裏路地から裏路地へ、周りの建物は廃墟が増えていき、人通りが少なくなっていく。
前を歩く女性は周りが見えていないかのように、女性が一人で入らないであろう場所を奥へ奥へと進んでいく。
「うーむ、催眠のようなものか。初めて見たが、ここまで本人の意志が消えるものなのか」
やはり、これは普通の人間の仕業とは思えない。魔女が関わっているのだろうと確信した。
……この武装で大丈夫なのだろうか。こんな人間技とは思えない事をしてくる存在にM686二丁で足りるとは、到底思えなかった。
……やはり先程考えたとおり、C4爆薬を作らねばいかんのだろうか。
これ今更だが、ただの人間でしかない私が爆発物を大量に持ち出さねばならない化物が出てきたらどうするべきなのだろう。
いや、それでも行くしかない。あの老人が魔女の情報を教えてくれる保証がない以上、自分の力で情報を集めねば。
そう決意を固めていると、彼女は取り壊し予定の廃ビルへと入っていた。
私は覚悟を決めて、彼女の後をついていくのだった。