予告通り、ここからはシリアス全開でいきます。ぶっちゃけ、もう頭の中ではこの作品の投稿前から考えていたシナリオでして、こうして書くのが楽しみです。
そして、名も無き名前へさん、熊抹茶さん、お気に入り登録ありがとうございます。何度も言っていますが、お気に入り登録や☆評価は、執筆の励みになります。良い意見も、厳しい指摘も、私にとって経験値になりますので、とてもありがたいです。
では、本編を開始します。
翌日
[羽沢家 リビング]
「心配ね……」
「そうだな…。何だかんだ結構無理してたようにも見えたしな」
「お姉ちゃん……」
朝から我が家に重苦しい空気が流れる。…実は昨日、お姉ちゃんが苦しそうにしながら帰ってきた。うちに帰ってきてからはまだそんな症状は出てなかったため、安心していた矢先だった。
勿論、私達はとても心配したが、いつもみたいな誤魔化しだったりや軽く流したり等がなかった。……結構な重症なのかもしれない。一応、お姉ちゃんは今日病院に行くって言ってたけど、心配だ。現に、いつもは早起きなのにも関わらず、今日はまだ起きてこない。
そんな心配がリビングを支配していると、廊下の方の扉が開く音がした。
『!!』
「…おはよ~」ファァ…
……寝起きがどんな風なのかがわからないため、見てくれでは体調がわからない。でも、昨日よりは大分良くなってるように感じる。
「お姉ちゃん、大丈夫なの?」
「うん…寝たら良くなったよ~」ノビー
「病院は……」
「うん、行くよ。午後にでも行こうかなって」
「…そうか、なら良かった」ホッ…
茶化しながら「行かない」って言わなかったことに、お父さんが安堵の息を漏らす。流石に危ないってお姉ちゃん自体も思ってるのかな?
「朝ごはん食べる前に顔洗ってくる~」
[夏の部屋]
「ふぅ……食べた食べた」
今日の朝ごはんは私の体調に合わせてくれたのか、結構軽めだった。私としてはなんか物足りない感じがしたので、結局沢山食べてしまった。本末転倒だわ、うん。
「…あの人、絶対苦笑いか嫌そうな顔するよね~」アハハ
…今だからそんなことが自分で言えるけど、当時の私はヤバかった。私…というか、本人がそう言うんだから、間違いない。……今考えると、メッチャ迷惑かけたなぁ。
「…元気なのかな?まぁ、私みたいな病人に心配されるような人でもないかな」
…うーん、こういう自虐ネタは言いなれてないからなぁ…自分で言いながらちょっとクるねぇ。これしてる人、メンタル凄いね(;・ω・)
「…早いうちに準備済まそうかな……何もなかったら良いんだけど」ヨット
大丈夫だろうって言い聞かせても、心のどこかでは不安が残る。…治りきってないから、そりゃそうなんだけど。
「……さて、何しようかな…?」
まだ結構余裕あるんだよね、実は。結構早めに準備しちゃったからね。つっても今ある時間で出来る事なんてあんまないしなぁ……
「……音楽でも聴いてよっと」
[花咲川病院 診察室]
「……やっと来たのね」ハァ…
「だって私が来るとヤな顔するでしょ?」
「貴女の思っていることじゃないんだけどね……まぁ、貴女は厄介だからね」
ほれみぃ!やっぱこんな顔するじゃん!厄介って断言までしてるしぃ!
「患者に向かってそれはないと思いまーす!」( `Д´)/
「事実だから仕方ないでしょ…?いいから始めるわよ…」エエト…
そう言いながらカルテを取り出す私の担当医(の様な立ち位置の人)である
ま、理由はその内話すとして……
「で?調子はどうなの?…まさか、兆候が出てるのかしら?」
「…………」…コクリ
この前のは、恐らく兆候だろう。そう考えたので、私は躊躇しながらも頷く。すると、東さんが溜め息を漏らしつつ、頭を抱える。
「……ヤバいわね、再発も時間の問題かしら…?」
「…今から……」
ふと当時のことを思い出す。…またああなるのかと想像すると、思わず言葉が漏れる。
「……程度にもよるけれど…貴女の意見を尊重したいのもあるのよね…」
「…私としては、まだ良いかなって……でも…」
「…皆に迷惑かけるのが、怖い?」
……そう。今回の件については、人一倍警戒している。何せ、
言ってしまえば、何を起こすか解りかねない。記憶がないなら、自身の行動を把握していないとも言える。だからこそ、自分で行動が制御できない恐れもある。
「……そうね…今回は、保留にしましょうか。次何かあったら来なさい」
「……はい」
「うーん、とりあえず精神安定剤でも処方しておくわね」
……何か、怖いなぁ。何も無いのが一番なんだけど…
夏が去った後
[花咲川病院 休憩室]
「……本格的に、危ない感じね」
「…どうかね」
休憩室で、夏さんのカルテを見ていると、院長が私の元を訪ねてきた。
「…院長。……直に、何かあると思ったほうが良いかと」
「……すまないね、東君。君にしか対処できないとは言え…こんなことまで任せてしまって……」
「いえ、期待されている、という意味では名誉なので」
「…そう言ってくれると、私も罪悪感が薄れるものだね」
そう、夏さんは生半可な医者には任せられないのだ。何せ、医学界の重鎮らが、匙を投げるレベルなのだ。勿論、この人も例外ではない。
…正直、私も匙を投げたいのだが。夏さんには特に嫌だとかの感情はない。寧ろ私としては、好意的に思っているくらいだ。
……しかし、持ってる病気の方が、今までの医学内でもないようなものなのだ。これといった治療法もなく、言ってしまうと、
「…研究のほうは、進んでるんですか?」
「…いや、研究はしているけれど、どれも行き詰っていると聞いたよ」
「今は、それが頼みの綱ですからね。頑張ってもらいたいんですけどね…」
「ここまで特徴がわからないものも、今までにあまり見なかったからね。そういう意味でも苦戦しているのだろうね」
「……ふぅ」
思わず、ため息が漏れる。紫葉さんから聞いてたよりも酷かったため、思った以上に疲れたのだろうか。それとも、その後に兆候が現れたのだろうか……考えるだけで、気が滅入りそうだ。
「…今日はもうあがりなさい。疲れているだろうからね。彼女の事が気になるかもしれないが、今はしっかり休むべきだ」
「……助かります」
……院長からもこう言われたのだし、今日くらいはしっかり休みましょうか。そうと決まれば、帰る支度をしないと…。
[羽沢家 夏の部屋]
「……暇だなぁ」
病院から帰ってきてから、ベッドの上に横になり、ずっとこの調子だ。さっきのこともあって、何もやりたくない。でも、暇である。
「つぐ達に何かあったら嫌だし…少し行動するのを控えようかな……」
大事な用事以外は断ろうかな……?等とぼんやり考えていると、不意にスマホの着信音がけたたましく鳴り出した。…もう少し音量下げようかな?にしても、誰だろう…
「はい、もしもし?」
「すまない、突然なんだが…」
師匠から?珍しい、どうしたんだろう…
「明日なんだが、一緒にRoseliaの練習に来てくれないか?今回は夏の意見もあった方が良いと思ってな」
「そういうことですか、良いですよ」
「助かる。時間なんだが……」
こうして、師匠との約束をし、電話を切った。……あ。
「結局、こうなるんだね……」アハハ…
……気をつけよう、うん。そう思い、今日は昼寝をすることにした。
ということで、第19話が終わりました。
本編が再開しましたが、いきなり危険な予感がしますね。何も起こらないと良いのですが……。さて、予めお知らせですが、バンドリの小説は、本編完結したら次の作品が投稿される(ある程度ですが)事を、先にお知らせします。本編完結は、その話の後書きにてお知らせする予定です。ですが、本編が完結しても、たまに投稿されるかも知れませんので、そこは間違えないようお願いします。
次回『オモテとウラ』