落第騎士の英雄譚〜紅の前奏曲〜   作:くろから

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さーて、誰でしょう?


始まり、

綾辻海斗「ん?なんだ?子供の泣き声か?」

公園の片隅にから聞こえた鳴き声にしたがって歩けば、そこには紫色の髪の赤子がいた

海斗「捨て子か、ひどいことをするものだ」 

〜綾辻家〜

綾瀬「だぁ〜♩」

海斗「おうおう、どうどう」

海斗「さて・・・・勢で連れてきてしまったが、どうしたものか」

海斗の手には先ほどの不思議な赤子が抱かれていた

海斗「まず名前を決めねばな、ん?これは・・・・」

赤子の肩甲骨のあたりに刺青が見えた

海斗「これは・・・・刀と、天に登る龍か?」

海斗「刀で覇道をゆく、か」

海斗「ならば、お前の名は『綾辻 刀覇』だ」

〜〜〜〜数年後、刀覇が小学校入学直前の出来事

刀覇「親父!綾瀬は?」

海斗「見つからん!全く、いったいどこの誰が・・・・・」

刀覇「そっか・・・・じゃあ、俺は少し友達と遊んでくるから」

海斗「そうか、暗くなる前に帰ってこい、・・・・・危険なことはするなよ」

刀覇「・・・・・」

刀覇は何も言わずに長い髪を翻して走り出した

〜〜〜〜〜〜

刀覇「くそっ、どこだ・・・・・」

ふりしきる雨の中、町中で刀覇はそう愚痴た

綾瀬「やめて!」

ヤクザ1「騒ぐなガキが!」

刀覇「!」

裏路地から綾瀬と中年の男の声が聞こえた

綾瀬が中年の男に殴られる

綾瀬「ガハッ」

刀覇「取り敢えず親父に連絡を・・・・って携帯がない」

ヤクザ2「どうしますか、このメスガキ」

刀覇は取り敢えず様子を見ることにした

ヤクザ1「変態どもの慰み者にして、凌辱されてる動画をあの道場に送りつける」

刀覇の顔から表情が消え失せ、心に何かドス黒いものが流れ込んでくる

ヤクザ2「なるほど、アノジジイの絶望する顔が目に浮かびますね」

刀覇「オイ」

ヤクザ「「アァン!?」」

刀覇「なぜそんなことをする?」

ヤクザ1「聞いてたのか、当然だろ?頭をしょっ引いた代償は支払ってもらはないとなぁ」

刀覇「テメェ!!」

綾瀬「刀覇!やめて!このおじさんたち抜刀者よ!」

ヤクザ1「見られた以上生かしてはおかないなあ」

そう笑いながら言うと刀型の霊装を顕現する

ヤクザ1「ハアッ!」

綾瀬「いやあああああああ!!!!!!!」

綾瀬は刀覇が切り捨てられるのを想像して目を瞑る

が、しかし

キィィィィィン

綾瀬「え・・・・?」

恐る恐る目を開けてみるとそこには刀型の霊装を顕現し、ヤクザの霊装を受け止める刀覇の姿があった

ヤクザ1「その歳で霊装を顕現できるだと・・・・?!それに・・・・なんだその魔力量は!?」

ヤクザ2「生意気なっ!」

もう一人のヤクザも霊装を顕現し、刀覇に襲い掛かる

しかし、それを刀覇はあろうことか、もう一つ斧槍型の霊装を顕現し、受け止めた

ヤクザ2「ありえねぇ、霊装を二つ持ってるですって?!」

刀覇「さア!たぎってきたぜ!」

刀と斧槍の異形の二刀流だったが刀覇は槍を地面に突き刺し、こう言った

刀覇「お前らのような外道にはこいつだけで充分だ」

ヤクザ「なにおっ!!」

しかしヤクザが反応する前に刀覇が刀を天に向かって張り上げながら近づき、大上段からの一撃を見舞う

その一撃はとっさの防御を切り崩し、ヤクザの体制を崩す

ヤクザ2「グッ!」

その後間髪入れずに全く同じ軌跡の斬撃が見舞われた

体制を崩した状態では受けることができず、そのまま脳天から切り裂かれる

ヤクザ1「うおおおおおおお!!」

残心している間にもう一人が襲い掛かるが、待っていたとばかりに刀覇は振り向き拳打を放つ

肘打ち

掌底

そして、背撃

一息の間に放たれた三連撃によって肋骨を粉砕され、吹き飛ぶ

ふらふらと立ち上がると、刀覇は突きの体勢を取っていた

刀覇「修羅道・大忍び刺し」

そして刀覇は一瞬の間に間合いを詰め、突きを放ちヤクザを踏み台に飛び上がる。

そして背後に舞い降り、ヤクザがの喉を刺し穿つ刀を引き抜くと血が吹き出す

2人分の血でコンクリートは真っ赤に染まり、返り血を浴びた刀覇の姿はまるで血塗られた戦場に立つ悪魔のようだった

 


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