今回のタイトルは原作と同じなのですが個人的にこのタイトルとエピソードがすごく好きなのでそのまま使わせていただきました。
フランス編はラグナロクを除くとアーサー編の次に好きな章です。
それではどうぞ。
オルレアン大橋上にて二つの戦いが始まっていた。
「さあ、オルレアン解放戦を背後に雷門対プロトコル・オメガ3.0の戦いの火蓋が切って落とされたぞ!」
いつものおっちゃんがいつものごとく召喚されいつものごとく実況をしてくれる。
「あいつら…」
「うん、様子が違うね。」
以前見た時とは見た目と雰囲気が別人だ。まるで
「ザナーク様とミキシマックスした我々の敵ではない。」
「何!?」
「全員がミキシマックスしているだと!?」
やはりあのザナークの力を分け与えられているらしい。
「関係ない。絶対に勝つんだ!いこう、みんな!」
「うん!」
天馬の合図で攻め上がっていくオフェンス陣。
「全員で王の城を守れい!」
「ええ!?」
しかしベンチのシャルル王子の指示にみんなの足が止まる。
「あの人、サッカーのこと分かってんの?」
シャルル王子の指示に困惑していると
「もらった。」
隙をつかれボールを奪われる。
「バハムス、スマート。予想通りのパスだ。」
奪われたボールがガンマに渡る。
「止めろ!」
「行かせるか!」
「ふん。予想通りの動きだな。」
ガンマを止めに神童先輩につくも動きが読まれているかのように抜かれてしまい、ガンマのゴール前侵入を許してしまう。
「止めるぞ!」
霧野先輩と浜野先輩が立ちふさがる。
「迅狼リュカオン!はあああああ!」
「うわあああああ」
しかし、ガンマの化身シュートに信助もろとも破られゴールを決められてしまった。
「俺たちの動きが読まれてる…」
「どうすれば…」
一方ジャンヌは自身の目の前で起こっている戦いに足がすくんでしまっていた。
「私、どうすれば…」
「ジャンヌ…」
遠目にジャンヌが震えているのを見えてしまった。
「霧野!今は試合に集中するんだ!」
「・・・ああ」
そうだ。早くこの試合に勝ってジャンヌを助けないと。
そのために俺ができることをしないと。
「ふう。少し遅れちゃったけど、ここならゆっくり試合が見れそうね。って、もう先制されてるじゃない。」
メイアは戦いが起きてる橋から少し離れた塔から試合を見ていた。少々遠いがセカンドステージチルドレンの視力であれば問題ない距離である。
「今回は元の雷門のメンバーのようだから翼の負担も減ると良いんだけど、彼らで大丈夫かしら?あの人が翼の言ってた霧野って人よね。」
メイアがは天馬や翼たち化身使いのメンバー以外のプレーを見たのは最初のプロトコル・オメガ2.0との試合だけだったので少々不安であった。
「それにしても、エルドラドのメンバーの様子が変ね。それに、ベンチのあの男・・・」
ベンチのザナークに目を向ける。
「なるほど。彼がSARUが言っていた脱獄犯ね。それで、連中を洗脳して力を分け与えたってところかしら。もしかして・・・」
大体の状況を把握したメイアだったが少し気になることがある様子。
「ま、とりあえず今は試合のほうを見ることにしましょ♪」
「まだまだ始まったばかりじゃないか!」
「キャプテンの言うとおりやんね。気合入れていくんよ~」
天馬が声を出し、黄名子もそれに続く。
「そうだ!お前たちが頑張ればジャンヌの力も目覚めるかもしれん!」
そうだ。ジャンヌさんの力が目覚めてオーラを受け取ることができればこの劣勢もひっくり返せるかも知れない。
ジャンヌさんはまだ震えて立てないでいる。
「ジャンヌ・・・」
「霧野先輩、俺たちも気合入れていきましょう!」
ジャンヌさんを心配そうに見ていた霧野先輩に声をかける。
「翼・・・ああ、これ以上点をやられっぱなしではいられないぞ!」
試合再開
「取り返す。」
剣城が点を取り返すべく上がっていくが
「右だ。」
「くっ!?」
やはり動きが読まれていてボールを奪われてしまう。
これまでの俺たちとの戦闘データにあのザナークから与えられた力が加わった結果か。
「クォース!」
「させるか!」
やられっぱなしではいられないと言った手前ちゃんと働かないとな。
「天馬!」
「ナイスカット、翼!よーしみんな攻めるぞ!」
すぐさま天馬にパスし、ボールを受け取った天馬が上がっていく。
「行かせない!」
相手の女性MFのダーナが天馬のマークに付こうとしたところで
「待て。ドリブルで戻ってこい。」
「ええ!?」
ベンチのシャルル王子から指示が飛ぶ。
「いいからもどれ。」
「は、はい・・・」
戸惑いながらも渋々戻ってくる天馬。
「お前、なんのつもりだ!」
こっちのセリフである。
その後もこちらがボールを取り攻めようとするたびにシャルル王子から同じ指示が飛んだ。
「いい加減にしてください!こんなの無駄に体力を消耗してるだけじゃないですか!」
堪忍できず霧野先輩が言う。
「なんだ不満か。なら攻めろ。」
「くっ…天馬。」
「はい!」
霧野先輩からボールを受け取った天馬が攻め上がる。
「いい加減にしろ!!」
こちらの行動に相手もイラついていたらしくガンマがまっすぐ突っ込む。
「うわっとと!」
急に前に出てきたガンマに虚をつかれた天馬が蹈鞴をふむ。
「何!?」すると前のめりに突っ込んできたガンマは天馬の思わぬ緩急にバランスを崩し倒れた。
「抜けた…」
「偶然か?」
しかしその後も次々にパスが繋がりフェイと天馬がゴール前に侵入していく。
「もしかしてあいつら頭に血が昇ってこっちの動きを読めてないんじゃないか?」
それくらいしか考えられない。
「ちゅーか本当に狙ってたの?」
「まぁ、結果よければ全て良し!天馬、フェイ頼む!」
天馬とフェイがゴール目前まで切り込む。
「ここで前半終了!」
しかし良い所で前半終了のホイッスがなった。
「クソ、あとちょっとだったのに。」
「みんな大丈夫か?」
ハーフタイム、水鳥先輩たちが声をかけてくれる。
「大丈夫、まだまだやれます。」
「俺たちDFはあんまり走ってないからまだまだ余裕ですよ。」
DF陣はオフェンス陣に比べて前半の運動量は少なかったので体力に余裕はある。
「けど、このままじゃ後半持たないぞ。」
「うむ。こうなったら私が指揮を」
ワンダバが指揮を取ろうとする。
「いや、待ってワンダバ。前半最後、作戦がハマってあいつらの動きに乱れがあった。ジャンヌの力が目覚めて無い今、ここはシャルル王子にかけてみよう。」
しかしフェイが止める。正直不安だらけなんだが。
「案ずるな、次の策は考えてある。」
そしてシャルル王子が話す次の作戦はこれまたびっくりするものだった。
「前半はあまり動きはなかったわね。それにしても、あの王太子は何を考えてるんだか。」
前半を振り返るメイア。さすがの彼女にもシャルルの考えは理解できなかったようだ。まぁほぼ考えなしの考えを理解しろという方が無茶な話である。
「それに、ジャンヌ・ダルクもあの様子だし。」
ジャンヌの方を見やる。
ジャンヌは未だうずくまっており、そこに一人の兵士が声をかけまた去っていく。
「お前を信じて・・・良かったのか・・・」
「・・・本当に聞いたんです。神の声を、民を導きフランスを救えと。だから、私が先頭にたたなくちゃ。」
「本当に大丈夫なのかしら。ねぇ、翼。」
「ん?」
「どうしたの翼?」
不意に声を上げ、明後日の方向を向く翼に天馬が声をかける。
「いや、何でもない。どこかから圧を感じたけど多分気のせいだ。」
「何それ~」
どこかからとある少女から期待というかプレッシャーをかけられた気がする。おそらくどこからか見てるのだろう。情けない姿は見せられない。見せられないが
「それよりどうしよ~天馬~俺自信ねぇよ~」
シャルル王子から告げられた作戦を聞いてから不安に押しつぶされそうだ。
「あ、あはは。でも翼なら大丈夫さ。」
「まぁサッカープレイヤーとしてそれなりにはこなせるけどさ~。やっぱあいつら相手は不安なんだよ!」
前世も含めたキャリアの貯金があるけど。
「もうやるしかないよ。なんとかなるさ!」
こいつ、他人事だと思いよってからに。
「さあ、後半戦開始!おっと、なんと雷門はFWとDFを入れ替えてきたぞ!これはどういう作戦だ!?」
「本当にやるんですか霧野先輩。」
「指示なんだ、やるしかない。」
そう。シャルル王子の作戦は俺たちをFWに配置することだった。
やっべーFWってこんな緊張するもんだっけ?こいつら全員抜いてかないといけないの?
前に立つ11人を見る。こいつらを止めれる気はしても抜ける気がしない。オフェンスのみんないっつもこんなことやってたの?
「こうなったらやるしかないやんね!ウチに任せるやんね!」
黄名子がよくやる非常口のマークみたいなポーズで励ましてくれる。
「頼りにしてるぞ、黄名子先輩。」
黄名子の肩を弱々しく握る
「もう何言ってるの!ウチら同い年でしょ!しゃきっとするやんね!」
「痛いなもう!」
どこぞの母ちゃんみたいにバシっと背中を叩いてくる黄名子。
黄名子に一瞬偉大な母を見た気がした。いや誰だよ。
母ちゃんか・・・
少し思考に沈みかけるが試合再開直前だ切り替えていこう。
そして試合再開。
相手ボールからのスタートだが俺たちが前にいるから早めに止めなきゃいけない。
「ほっ!」
「ナイス黄名子!行くぞ!」
黄名子がボールを奪うことに成功する。
「ウチにお任せやんね!これでも元FWなんよ。」
一番頼りになる(DFの中では)黄名子がボールを奪ってくれたので攻め込もうとする。
「待て待て待て~い。前半通りにするのだ。」
「え~・・・」
しかしシャルル王子から指示が飛び外にボールを出す。
それからも前半のようにクリアを繰り返す。
「小賢しいやつらめ!」
うわぁ…めっちゃ怒ってるよ。
ガンマを筆頭にプロトコル・オメガの面々がイライラしてるのが伝わってくる。
徐々にラインを押上げてきているのが見て取れる。
「霧野先輩!」
ボールを奪うが近くのサイドラインを固められていたため霧野先輩に回す。
「…チャンスだ。」
「うえええ先輩!?」
ところが霧野先輩はドリブルで上がっていく。
慌てて後に続く。
守りが手薄になっていた分、ゴール前に切り込んでいく霧野先輩。
「行かせるか。ディフェンスコマンド06!」
「うわああああ」
しかし相手のダーナに止められる。
急いでボールを取り返しに行くが
「クォース!」
「しまった!」
早めのパスに頭をこされカウンターが決まる。
急いで戻るが霧野先輩の方を見ると膝を痛めたのかまだ立ち上がれていない。
「まずい、俺たちが上がった分人数的にも不利。」
「戻らなきゃ…ぐっ…」
カウンターが決まり俺たちが逆にピンチを背負ってしまった。
「俺の、せいで…」
俺が勝手に突っ走ったせいでみんなをピンチに陥れてしまった。
翼や黄名子が必死にゴール前に戻ってる。なのに当の俺が立ち上がれないでいる。
思わず目をつぶりうつむきたくなる。
「霧野!」
「!」
そんな時神童の声にハッとする。
神童がなんとかパスカットしてくれた。
「行けると思ったから攻めたんだろ!俺はその判断を信じる!」
そこから神童や天馬たちが必死になってゴールを守ってくれている。
俺のミスをカバーしようと。
「とう!」
黄名子がなんとかクリアし一旦プレーが止まり神童が駆け寄ってくる。
「霧野、ミスを一人で抱え込むな。一人のミスはみんなでカバーする。それがチームだろう。」
「神童…」
「霧野先輩。」
「翼…」
「後ろに仲間がいるって、こんなに頼もしいもんなんですね」
「え?」
「普段俺たちはゴールを守るために絶対に相手を止めるのが役目で前の皆が点を取ってくれて助けられてるなって思ってましたけど、こうやってオフェンスの立場に立ってみると後ろに仲間がいてくれるのってこんなに勇気が出るんだって思って。俺たちがミスしてもみんなが何とかしてくれるんだって思うとさっきまでビビってたのが吹き飛んだ気がするんですよ。」
そう言われみんなを見る。みんなミスした俺を責めるなんてことは全く無く、むしろ元気づけてくれる。
「そうぜよ、霧野。おまんらが後ろに居るからワシらは安心して攻められるんぜよ。」
「錦…」
「言っただろ。頼りにしてるって。」
「神童…」
神童に言われ狩屋の言葉を思い出す。
『神童先輩は化身が使えて、ミキシマックスもできて。随分差が付いちゃったなとか思ってるんでしょ。』
そうだ。俺は焦っていた。これまで一緒にやってきた神童に差を付けられたと思って。勝手に自分が何もできないと思い込んで。神童に嫉妬していたんだ。
スローインで試合が再開する。
「神童!やっと分かったよ。俺の役目は前に出ることじゃない!みんなが安心して攻められるように後ろで支えることだ!」
「お前らしい答えだな。」
「ああ!」
背中から力が湧き出てきて相手との競り合いに勝てた。
「今のは…」
何か吹っ切れたような霧野先輩の背中から黒い影が湧き出た。
「霧野先輩!」
「翼、ありがとう。お前のおかげで俺がやるべきことが分かったよ。今なら出来る気がする。シャルル王子、みんなを元のポジションに戻してください!」
「む?よかろう。」
「ジャンヌ!!」
霧野先輩がジャンヌさんを呼ぶ。
「俺はやっと分かった!俺がやるべきこと、俺にしか出来ないことが!だから君にだってあるさ!君にしか出来ないことが!」
「蘭丸・・・でも私がいたってどうにもなりません・・・神の声だって本当かどうか・・・」
ジャンヌさんはまだ自信がなさそう。
「自分を信じるんだ!俺は信じる!君の言葉を!だから君も自分と神の声を信じて勝利に向かって突き進むんだ!」
霧野先輩の信じるという言葉にハッとした表情のジャンヌさん。
彼女は自分のことをみんなが信じてくれず自信を持てないでいた。けど霧野先輩の言葉に背中を押されたのかもしれない。
「翼、黄名子!ここから一点もやらないぞ!」
「もちろんやんね!」
「はい!霧野先輩も思いっきりぶちかましてやりましょう!そしたらできるはずです。」
あの影…俺がメイアに送られたアドバイスをそのまま送る。
何か視線を感じた気がするが気のせいということにしておこう。
「全く翼ったら。私のアドバイスそのまま使うんだから!」
メイアは少しご立腹だった。
「さぁ試合再開!ボールはエイナムからレイザへ!」
スローインでレイザにボールが渡り霧野がすぐさまマークにつく。
「うおおおおお!戦旗士ブリュンヒルデ!!!」
「霧野先輩が化身を!」
霧野がついに化身を出すことに成功した。旗を持ったピンクの髪の女性の姿をした綺麗な化身だ。
「くっ、オフェンスコマンド04!」
「ぐっ・・・でりゃ!」
レイザの必殺技を正面から受け止め弾き飛ばす。
「これが化身の力!」
ジャンヌはその光景を見ていた。
「ジャンヌ、君は信じていないのか!自分の力を!自分が聞いた言葉を!」
「私、不安になっていた。自分のことですら信じられなくなっていた。」
神の声を聞き、民を導かなければならないのに自信が無いまま進んできた。
「そんな君にどうして仲間がついて来てくれる!」
後ろを見れば私について来てくれたみんなが戦っている。
こんな私のことを信じて。
だから
「信じなきゃ。私が私自身を。」
蘭丸を見ていて、蘭丸に言われてやっと分かった気がする。
「私の役目。それは剣を持って戦うことじゃない。神の言葉を伝え、仲間を鼓舞すること!」
足元に落ちていた私たちフランス軍の軍旗を手にして振るう。もう迷わない。
「聞け!!同志たちよ!!」
私の叫びにみんながこちらを見ている。
「勝利を信じ、その命を燃やし尽くすのだ!そうすれば神は必ずその勇気に答えてくださる!」
あの日聞いた神の声。
「私はこの旗に、我らの勝利を約束しよう!」
「「「おおおおおおおお」」」
「ジャンヌ。」
ジャンヌさんはさきほどまでとは見違えるように強く、凛々しかった。
「あれこそジャンヌ・ダルクって感じだな。」
「うおおおおお!これならいける!!」
ワンダバがピンクになりジャンヌさんのいる方向に走り、ミキシマックスガンをジャンヌと黄名子に向ける。
「行くぞ!「違う違う!あっち!」あっ打っちゃった!」
しかし直前で黄名子が霧野先輩を指差し釣られて打つ。
「ウチ、分かったやんね!ミキシマックスするのは霧野先輩やんね!」
「うおおお!ミキシマックスコンプリーーート!!」
ミキシマックスが成功したそこには髪が伸びジャンヌさんの髪色とメガネを身につけた霧野先輩が立っていた。
「調子に乗るな!」
ガンマが突っ込んで行く。
「ふっ!」
だが霧野先輩はあっという間にボールを奪ってしまう。
「行くんだ、剣城!」
そして前線の剣城にボールが渡る。
「剣聖ランスロット!アームド!!おらああああ!」
「うわああ」
剣城の化身アームドのシュートが決まり同点に追いつく。
「流れは俺たちにある!攻めまくるんだ!」
「「「おう!!」」」
「小賢しい奴らめ!迅狼リュカオン!」
「翼!止めるんだ!」
「は、はい!」
霧野先輩の指示でガンマを止めにかかる。なんかこれまでより厳しくなってない?
「うむ。これぞまさしく二の力、仲間の勇気を奮い立たせ、鉄壁の守りに変えるカリスマディフェンダー。霧野蘭丸にふさわしい力だ。」
「破壊神デスロス!!おりゃああああああ!」
「何!?」
俺も化身を出し、正面からガンマを吹っ飛ばす。
「霧野先輩!」
「神童!」
霧野先輩からのパスは相手DFを吹き飛ばしながら神童先輩に渡った。
「ミキシトランス、信長!!」
ボールを受け取った神童先輩がミキシマックスで信長の力を呼び起こす。
「刹那ブースト!!」
完全に勢いにのった雷門の攻撃を止められるはずもなくシュートが決まった。
「ゴール!雷門逆転!そしてここで試合終了!雷門の勝利だー!」
「やったーーーー!」
俺たちは勝利を喜び、一方プロトコル・オメガの面々は呆然といった様子だった。
「チッ、役立たずが。」
「ザナッ・・・」
ガンマが何か言おうとしたが言い切る前にどこかに強制送還された。
「続け!皆の者!」
フィールドが解除されたことでフランス軍が橋を渡れるようになったことで援軍が到着する。
「進め!フランスのために!神は我らを救いたもうた!神に感謝するのだ!この勝利を!」
「最初はどうなるかと思ったけど、なんとかなったわね。それにしてもジャンヌ・ダルク・・・あんなに気弱そうだったのが力に目覚めた途端あれほどの力を発揮するとはね。これからも楽しみね。」
試合を見届けたメイアは目の前で起こったこととジャンヌの力に感心していた。ミキシマックスしたのが霧野で少し安堵していることに彼女が自覚しているかは定かではない。
「けど、これからエルドラドはどう出るかしらね。あの連中送り込んでくるか、それとも彼に好きにさせるか。…どちらにしてももう少し様子見が必要そうね。」
「此度の活躍見事であった。」
「お褒めに預かり光栄です。」
オルレアン解放戦は歴史通りフランスの勝利に終わり、俺たちはシノン城に来ていた。
「シャルル王子もありがとうございました。」
代表して天馬がお礼の言葉を述べる。
「うむ。余の采配あってこそだからな。えっへん。」
無茶苦茶ではあったけど、あながち間違いではないから困る。
「時に、また旅立つと聞いたが。」
シャルル王子が一拍間をおいて切り出す。
「はい。俺たちはこの時代の人間じゃありませんから。」
「そなたたちとの出会い、一生忘れぬぞ。次に会うときは余が率いるチームとサッカー対決だ。度肝を抜く作戦を用意しておくからな。」
たしかに、この人の考えることならありえそうだ。
「そのときはジャンヌも一緒にサッカーしような。」
霧野先輩がジャンヌさんに言う。
「蘭丸。うん!」
「俺たちだって負けません!」
「言ったな。覚悟しておくが良い。」
違う時代の人達とサッカー対決か。信長やこれから出会う人たちみんなでサッカーしてみたいな。なんてことありえないか?
そして別れの時
「行ってしまうのですね。」
「ああ。君からもらった力、未来でも必ず役立ててみせるよ。だから、君もこれからもみんなを導いてフランスの英雄になるんだ。」
霧野とジャンヌは最後の別れの挨拶をしていた。
「私の力は蘭丸に貰ったようなものですから。蘭丸は自分のことを信じることの大切さを教えてくれた。蘭丸がいたから私は自分の力を活かすことが出来た。だから、蘭丸は私にとってに英雄です。」
「そんな、言いすぎだよ。」
「私にとってはそうなの。だから、あなたにこれを。」
そういってジャンヌは首にかけていたペンダントを差し出す。
このペンダントは彼女がずっと身に付け、神に祈っていたものだ。
「そんな!それは受け取れないよ。君にとって大切なものなんだろ?」
「でも…」
霧野に遠慮され、どうしたものかと迷うジャンヌに霧野が切り出す。
「そうだ、あれをくれないか。」
「あれ?ああ。」
そういってジャンヌはポケットからキャンディを取り出した。初めて会った時のように。
「これには君の優しさが、心が詰まってる。」
「蘭丸。」
「これからの戦い、君がくれた力を使うたびに君のことを思い出すよ。君がそばにいれば、どんな敵が相手でも戦い続けられる。」
「蘭丸…うん!私も、これから迷うことがあるかもしれない。その度にあなたとの、あなたたちとの出会いを思い出す。それが私を奮い立たせてくれる。前を向いて進み続ける!」
「ああ!・・・それじゃあ、またね。今度会ったときは一緒にサッカーをしよう。」
「はい。絶対にまた会いましょう。」
二人は互いの額を重ね合い、再会を誓った。
「お前たち、本当によくやった。これでまた一歩、時空最強イレブンに近づいたぞ!」
「天馬、翼。」
帰りのタイムジャンプ、大介さんの言葉を聞いていると霧野が二人に声をかける。
「今回、お前たちには本当に助けられた。ありがとう。」
「俺はキャプテンとしてなんとかしようとしただけです。」
「俺だって、悩んでる先輩の力になりたかっただけですよ。」
「そう言ってもらえると助かるよ。」
「あ、元の時代に戻ったら狩屋にもお礼、言ってやってくださいよ。あいつ、ああ見えてめちゃくちゃ心配してましたから。」
「全く、あいつは素直じゃないな。けど、そうだな。あいつのおかげなところも大きいな。」
素直じゃない後輩に面と向かって礼を言ったらどんな反応をするだろうか。想像しクスクスと笑う霧野。
そして握っていた包み紙を剥がし、キャンディを口に含んだ。
それはとても優しい味だった。
ということでフランス編が終了し、次は三国志編なのですが三国志編は少し難しそうで今から不安ですがなんとか頑張りたいと思います。
ミキシ蘭丸、あまりにも見た目がいい。
ちょこちょこ翼とメイアそれぞれが抱えてるものとかも出していけたらいいなとかも思ってます。
感想、ご指摘あればお待ちしています。