二度目の人生とフェーダの姫   作:プライムハーツ

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こんにちは。今のところいいペースで執筆で来ているのかなと思います。
本当はもう少しサクサク行くかなと思ってたのですが書き出すとキャラクターたちが勝手に喋りだすので振り回されちゃいます。
今回は一部アニメとは異なる部分がありますが大筋は変わりません。
あとヒロインがやっと出てきて自分も嬉しいです。
それでは


未来の少年と兄弟の絆

前回のあらすじ 久しぶりに帰ってきたら友人が空飛ぶバスと緑髪の美少年と喋る熊のぬいぐるみと一緒にいた。

 

「これ、どういう状況?」

帰宅早々飛び込んできた光景に思わず口をついてでた。

 

「あ、おかえり翼!」

「うん、ただいま。で、これはどういう状況?隣の彼とこのぬいぐるみはどちら様?」

改めて問う。

「君が赤峰翼君だね。僕はフェイ、フェイ・ルーン。今から200年後の未来から来たんだ!こっちはワンダバ。」

「クラーク・ワンダバットだ。ぬいぐるみではないぞ!」

と自己紹介されても混乱しているとバスの中からもうひとり青年が出てきた。

その人は俺も知っている人物だった。

「やあ、俺は剣城優一。こっちの世界でははじめましてだね。いつも京介がお世話になってるね。」

入院中のはずの剣城のお兄さん、優一さんだった。

どうしよう…全く理解が追いつかない。

「とりあえず、中に入って初めから説明してくれるか?何が何だかわけがわからん。」

 

 

で、現在は天馬の部屋でこれまでとこれからのことを説明されている。

彼ら(特にワンダバ)を見たときの秋ねえ、すごい顔してたな…そりゃそうだ。

「つまり200年後の偉い人たちがサッカーを消すために歴史を改変しようとしてきて、それを止めるためにフェイたちが時空を超えてきた。で、過去に行って円堂さんと一緒にサッカーをしてたら優一さんが助けに来てくれたと。」

と、天馬たちに説明されたことを咀嚼してみる。

うん、無茶苦茶だな!

けど、この世界ではこういうことがあってもおかしくないのかもしれない。

 

「なるほど、大体は理解したぞ。分かった、俺も一緒に戦うよ!」

「やったー!翼なら一緒に闘ってくれると思ったよ!」

この世界からサッカーが消えるなんて、それも未来のお偉いさんの勝手な都合でなんて許せるはずがない。

それに、未来人とのサッカーなんて楽しそうでワクワクするしな!!

「翼くん、これからよろしく。一緒にサッカーを守ろう!」

とフェイが手を差し出してくる。

「翼でいいよ。こっちこそ、力を貸してくれてありがとう。あと天馬を助けてくれてありがとう。」

俺たちの力だけでは時空を超えることなんて出来ない。フェイが助けに来てくれて本当に良かった。

「じゃあ、とりあえず明日学校に行ってサッカー部の皆が元に戻っているか確かめてみよう!」

 

 

翌日

 

結論から言うとほぼ全員元通りになっていたらしい。(俺はおかしくなっていたときのことを知らないためよくわからないが。)

そう、剣城一人を除いては。

どうやら優一さんが健康な状態でこの世界に存在していることで剣城の歴史だけが歪んだままになっているようだ。

そして優一さんは剣城にサッカーを返すために、自分の元いた世界に戻ることになっても歴史を元に戻すと決めたらしい。

「その前に一つやり残したことがあるんだ。少し時間をもらってもいいかな?アーティファクトも用意しないといけないしな。」

と優一さんが言ってきた。

「やり残したこと?」

 

そう言われて優一さんに連れられてきたのは商店街のゲームセンターだった。

「こんなところにどうしたんですか?」

「俺の勘が間違っていなければ京介はここにいるはずなんだが……いたぞ!少し待っていてくれ」

と優一さんは剣城に話しかけに行った。それにしても剣城ってゲーセンに居るの似合ってるな。

「優一さん、やり残したことってなんだろ。」

「あの兄弟がやり残したことなんてひとつに決まってるだろ。」

「え?」

天馬ってほんと鈍感だよなとよく思う。

「サッカーだよ。優一さんは最後に兄弟二人でサッカーがしたいんだよ。」

どちらの世界でも出来なかった兄弟のサッカー。それをするチャンスがこの世界にはあるんだ、やりたいに決まってるさ。

 

「あ、剣城くんがどっか行っちゃったよ。」とフェイが声を挙げた。

どうやら話し合いは上手くいかなかったらしい。

「追いかけよう!」と走り出す天馬の手を引き止める。

「どうしたの翼?早く剣城を追いかけなきゃ、」

「あの兄弟のことに、他人の俺たちが口を出すことじゃないよ。」

「でも…」

「それにあの剣城が完全にサッカーを諦められるはずがないだろ!」

と確信をもって天馬に笑いかける。

「翼…うん、そうだよね!なんたって剣城はサッカーがあんなにも大好きなんだもん!!」

と天馬も納得したようだ。

「それじゃあ優一さん、俺たちは先に木枯し荘に帰ってます。」

「分かった。ありがとう、天馬くん、翼くん、フェイくん。あとワンダバも」

「私をおまけみたいに言うんじゃなーーい!!!」

 

 

優一さんと別れて木枯らし荘に帰ってしばらくしたら秋ねえに呼び出された。

「ごめーん天馬、翼。ちょっと買い忘れたものがあるからここに書いてあるもの買ってきてちょうだい。」

「え~めんどくs」

「もし断ったら二人は晩ごはん抜きですからね!」

「「行って来まーーーーす」」

木枯らし荘では誰にも秋ねえには逆らえないのである。

 

「それにしても優一さんたち、大丈夫かな?」

夕暮れどき、買い出しの帰り道、河川敷を歩きながらそう天馬が言う。

「ま、なんとかなるさ!兄弟の絆ってのは偉大なもんなんだぜ!」

「そんなものなのかな~…って、あれは…見てよ翼!!」

と急に天馬に腕を引かれ指差す先を見るとそこには

「流石だな、京介!」

「兄さんこそ!」

と、二人して本当に楽しそうに一緒にサッカーをする剣城兄弟の姿があった。

「あはは!二人共本当に楽しそう!!」

「な、言ったとおりだろ」

「うん!」

この瞬間が二人にとって最高の思い出になりますように。そう願った。

 

翌日

 

「皆おまたせ、これが俺たちふたりが幼いころ一緒に使っていたサッカーボールだ。これならアーティファクトになるはずだ。

一夜明けて、優一さんは晴れやかな表情でTMキャラバンに現れた。

「うむ、これなら問題ないだろう!」

とワンダバが力強く答える。

なんだかんだで俺にとってはこれが初めてのタイムスリップだ。内心すごくワクワクしている。

「それじゃあ後は他の皆を待つだけd」

「ぬぬ!まずいぞ、時空の振幅が小さくなっている!急がなければ歴史が定着してしまうぞ!今すぐに出発だ!!」

「って、えええええええええ!?人数足りてないけど!?」

「大丈夫だって!早く乗り込もう、翼!」

ちょっと天馬さん、あなた慣れてるかもしれないけどこっちは心の準備とかあるんですけど!?

「人数のことは僕に任せて!」

いや、フェイくん、任せてって言われても!?

「3、2、1、タイムジャンプ!!!」

「ちょっとまってえええええ」

ドタバタの中、俺にとって初めてのタイムスリップが行われたのだった。

 

 

 

所変わって、どころか時代も変わって200年後

 

「はぁ~」

「どうしたんだいメイア、ため息なんてついて」

「今日も退屈だし、周りの古い人間たちはつまらないなと思って」

一人の女の子はそう愚痴をこぼした。

「何か面白いことでも起きないかしら。」

 




いかがでしたでしょうか。
前回より会話文を多めにしてみました。どっちのほうが読みやすいかな・
個人的に剣城兄弟のエピソードは切なくも暖かくて好きなのですが、このエピソードは一歩引いた視点から見てみるのも良いなと思い今回は天馬ともども側から見守る展開にしてみました。
で、次回はプロトコル・オメガ戦の前に一度未来でのメイア視点をはさみます。
オリジナル描写なので不安ですが頑張ります。
感想、ご指摘あればコメントにてお願いします。

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