幕末編は2サイドに分かれての行動なので描写が大変そうだしそこに翼やメイアも入ってきてで本当に大丈夫かと。
幕末の世
「着いたぞ!ここが幕末、坂本龍馬と沖田総司のいる時代だ!」
俺たちは1867年、幕末の京都に到着した。
山の上にキャラバンが着陸し外に出る。
ちなみに服装は戦国時代の時と同じ着物である。
「ここが幕末の京都、新選組の街か!燃えてきたぜ!」
「うおおお!龍馬の時代にやってきたぜよ!」
「「ああん!?」」
到着早々いがみ合う錦先輩と水鳥先輩である。まぁ喧嘩するほどなんとやらってやつでしょ。
「時間も限られているなかこの広い京の町を探して歩くのは大変だ。二手に別れよう。」
「勿論ワシは坂本龍馬じゃ!」
「ならあたしは沖田だ!沖田なら新選組の屯所にいるはずだ!」
ワンダバの提案に龍馬派と沖田派の二人が早速名乗りを上げる。
「よし、なら坂本龍馬組は私、天馬、信助、神童、錦、影山、葵、茜で探そう。」
「それじゃあ沖田総司の方は僕、翼、太陽、霧野さん、黄名子、狩屋、剣城、水鳥さんでいいかな。」
ワンダバとフェイの指名で二組に分かれる。今回は天馬とは別行動か。
「天馬、そっちは頼んだぞ。」
「うん、任せて!翼の方も任せたよ。」
「おう!」
まぁ、水鳥先輩とフェイに任せれば大丈夫だろ、たぶん。
天馬の方も天馬と神童先輩がいれば大丈夫のはず。
「落ち合うときはフェイと私の端末で連絡を取る。それでは、健闘を祈る。」
「それじゃ、僕らも行こうか。」
「まずは新選組の屯所だ!」
天馬たちとは別方向に別れ新選組の屯所を目指して歩き始める。
「フェーイ!一緒に行こうやんね!」
「もう黄名子、急に抱きつくのはやめてよ。」
相変わらず仲いいなぁ(一方的に)
「黄名子ちゃんとフェイ君って仲いいよね。」
「そういえば太陽はこの前からだからあまり知らないんだったな。まぁ仲いいというか、黄名子が一方的に絡んでるというか。」
「あはは。でもフェイ君も嫌がってるわけでは無さそうだし良いんじゃないかな。微笑ましくって。」
まぁ確かに口ではやめてと言いつつも無理やり振り払わないところを見るとフェイも受け入れてるんじゃね、知らんけど。
「それにしても新選組の屯所ってどこに向かえばいいんだ?」
本題そっちのけで喋ってる俺たちを制しながら剣城が切り出す。
確かに向かう場所は決まっててもその目的地が分からないんじゃどうしようもない。
「とりあえず人に聞いてみればいいやんね!すいませ~ん!」
「あ、ちょっと黄名子!?」
道行く人の方に駆けていく黄名子。
もう!あの子には警戒心ってもんがないのか。
「新選組の屯所ってどっちに行けばありますか?」
「し、新選組!?やめとけやめとけ!疑われたら切られちまうぞ!」
新選組の名前を出したとたん逃げるように男たちは去っていった。
「どうやら新選組は恐れられてるみたいだな。」
その後もしばらく市中を探索するもなかなか手がかりは見つからない。
「う~んどうしたもんか・・・ん?あれは・・・ねぇ水鳥先輩。」
周囲を見回してみると他の人とは違う格好をした人たちがいたので水鳥先輩を呼ぶ。
「どうした?ってありゃぁ新選組の羽織じゃねぇか!ってことはあいつら新選組か!」
「本当に!?すいませ~ん!」
「ちょっと待て~い、って・・・」
手遅れであった。
「あなたたち新選組やんね?ウチら沖田総司さんに会いたいやんね!」
「何?沖田さんに?怪しいやつらめ!」
ど直球な黄名子を案の定怪しんだ新選組の二人。
「うえええ!?本物の刀!?」
「や、やばいってどうする翼くん!?」
「お、押すなよ狩屋」
新選組が取り出したマジモンの刀にびびって俺を前に押し出そうとする狩屋。
俺だってこええよ!
「待てい!!」
「「きょ、局長!?」」
そんな大ピンチに目をつむってお祈りしようかと思った時、男の声が響いた。
「女子供に刀を向けるなど武士の名折れだ!屯所に戻って頭を冷やせ。」
「「は、はい!」」
現れた白い羽織を羽織ったいかつい顔をした男の一声で新選組の二人は去っていた。
二人が去ったのを確認しこちらに向き直る男。
「うちの者が怖がらせて悪かったな。儂は近藤勇、新選組局長だ。」
「「「近藤勇!?」」」
なんと目の前に現れたのは新選組のボスの近藤勇だった。
「あ、あの!あたし新選組のファンなんです!握手してもらってもいいですか?」
「その、ふぁんとやらが何かは分からんがいいぞ。」
本物の近藤勇を前にしてテンション爆上がりの水鳥先輩であった。
「それで屯所だったな。それならあそこの十字路を東に向かうといい。では、儂はまだ見回りがあるのでこれで。」
「ありがとうございます。」
俺たちに屯所の場所を伝えた近藤勇はまた歩いて去っていった。
「す、すげえ迫力だったな。」
「うん。怖かった。」
あの風格はやばいよ。
「それじゃあ行き先も分かったし、向かおう。」
近藤が教えてくれた情報を元にフェイの後に屯所に向かった
「お前が近藤勇だな。」
「何者だ?」
「名も無き小市民、いや新撰組局長、近藤勇。」
「何?」
龍馬を探す天馬たちは町から少し離れた田園を歩いていた。
「それにしても龍馬はどこにいるんだろう?」
「ん~、こっちじゃ!」
「知ってるんですか?」
「分からん!儂の勘じゃ!」
さっきからこんな感じで錦先輩の直感で進んできてるけど一向に手がかりはつかめない。
翼たち沖田さんグループは新選組の屯所を探すって言ってたけど俺たちはどこを探せばいいんだろう。
「どわああああああ!!どいてくれ~~!」
「待て!逃がさんぞ!」
途方にくれてると前方の坂の上から声が聞こえてきて目を向けると
「に、人間!?」
3人くらいに追いかけられながらすごい勢いで男の人が転がり落ちてきていた。
「う、うわあああ!?」
「ワシが受け止めちゃるぜよ」
慌てて道の脇に逃げようとしたけど錦先輩は転がってくる人を受け止めようとしてる。
「「だあああああ!?」」
けどやっぱりすごい勢いは止まらずボウリングみたいにみんな吹っ飛ばされちゃった。
「い、痛ててて。これでは話に聞くメリケンの遊びのぼうりんぐではないか。」
土煙が晴れると錦先輩を下敷きにした太って・・・豊満な体の男の人がいた。
「お、重い・・・いいから早くどくぜよ・・・」
「あ、すまんすまん。」
「才谷屋!大丈夫か!」
「おう、中岡。」
すぐに後ろからこの人の知り合いらしい男の人がやってきた。
才谷屋っていうのがこの人の名前なのかな?
「悪かったな!怪我はないか?・・・ん?」
「もう逃がさんぞ!」
才谷屋さんは俺たちを気遣ってくれたけどすぐに追っ手の人たちが追いついてきた。
「ほ、本物の刀だ。」
「あの人たちって新選組だよね・・・」
才谷屋さんを取り囲んだ4人組は躊躇なく刀を抜いてる。
とんでもないとこに巻き込まれたんじゃない?これ。
「へっ、そんな刀じゃおれっちのこの腹の弾力には勝てねえぜ。」
「問答無用!」
才谷屋さんに新撰組の4人が一斉に斬りかかる。
「ホッ!」
「うおっ!?」
「そらよ!」
「どあああ!?」
けど才谷屋さんは凄いトリッキーな動きでお腹の力で2人を返り討ちにした。
「お、お腹が武器・・・」
「すごい。」
俺たちは呆れるというか呆気にとられてしまった。
「おのれ!」
「待て!」
残った新撰組の2人が諦めず食いかかろうとしたとき横から聞いたことのある声が聞こえてきた。そっちを見ると
「お、おまんらは!?」
「ザナーク・ドメイン!?」
この間の三国志時代で戦ったザナーク・ドメインのメンバー5人がいた。
やっぱりこの時代にも追いかけてきてたんだ。
「刀で決着をつけるなんて古いことはやめないか。」
「お、お前ら話が分かるじゃねえか。」
5人が新撰組と才谷屋さんの間に割って入ってくる。
「何?・・・うわああ!」
林の中からスフィアデバイスが飛んできて新撰組を吹き飛ばして気絶させてしまった。
「これで邪魔者は居なくなった。さぁ、サッカーバトルだ!」
「ここが新選組の屯所か。やっと見つけたな。」
ザナーク・ドメインと天馬たちがサッカーバトルをしているころ翼たちはようやく新撰組屯所前に来ていた。
「どうします?」
「下手に入るのは危険じゃないかな。」
「けどここで待ってるだけってのも・・・」
屯所まで来たはいいがさっきの件があるからどうするべきか決まらず動くに動けない。
「近藤さんも良い人だったしきっと大丈夫やんね!」
「そうだな!当たって砕けろだ!」
「やばかったら全速力で逃げましょう!」
という訳で屯所に入ろうと踏みだす。
「待って、誰か来る。隠れて。」
しかしそのすんでの所でフェイが誰かが来る気配を察知して皆を草陰に誘導する。
草陰から様子を見ていると
(あれはザナーク!?)
角から姿を現したのはザナークだった。
(この時代に来てたんだ)
(あの格好、近藤さんのやつじゃないか?)
(一体何を?)
近藤さんの格好をしたザナークは屯所の中に入っていった。
「ふっ!」
新選組屯所内ではひとりの青年が剣の稽古をしていた。
厚く纏めた藁を容易く両断する素晴らしい剣筋だった。
「ゴホッゴホッ!!」
しかしその青年は急に咳き込み苦しげに胸を押さえうずくまった。
「大丈夫ですか沖田さん。」
「す、すまない。もう大丈夫だ。」
この青年こそ雷門が狙う男の一人、沖田総司だった。
「無理はなさらない方が・・・」
「いや、俺には時間がない。それに坂本龍馬が何やら怪しい動きをしていると聞く。幕府を揺るがしかねないほどの。」
「坂本龍馬。あのような一介の浪人にそんなことが・・・」
「あの男ならやる。あいつはそういう男だ。」
一度あいまみえた沖田には確信めいたものがあった。
「んがんがんがんが」「もぐもぐもぐもぐ」
とある食事処では天馬たちと才谷屋と中岡が昼食をとっていた。
「す、すごい食べっぷり・・・」
「見てるだけでお腹いっぱいになりそう。」
体型を裏切らない食いっぷりに圧倒される天馬たち。
天馬たちはザナーク・ドメインとのサッカーバトルに何とか勝利を収めた。
その後腹が減ったのといいものを見せてもらったお礼ということで才谷屋のおごりでここに来ていた。
さっきのサッカーバトル、何とか勝つことはできた。けど相手はキーパーもいなかったし全然ベストメンバーじゃなかった。もし本職のキーパーがいたら勝てたか分からない。
ザナークがこの時代に来てるのは間違いないだろうし。
翼たちの方は大丈夫かな?
「にしてもこんな鞠ひとつであそこまで熱くなれるとはな!サッカー、だっけか?あれはどこの国の遊びだ?どこで習ったんだ?」
「あ、あはは」
まさか未来で習いましたとは言えないよなぁ。
「それにしてもなんで新選組に追われてたんですか?」
気になってたことを才谷屋さんに聞く。
なんだか因縁がありそうだったけど。
「あいつらとは意見があわんのだ。」
「そんな。意見が合わないだけで命を狙われるなんて・・・」
「はっ!命が惜しくて世直しができるか!おれっちの天命を果たせたなら命なんぞ幾らでもくれてやるぜ!」
俺たちの時代なら意見が合わなくても精々けんかになるくらいだ。なのにここでは命懸けなんだ。これが幕末。
「才谷屋さんの天命って何なんですか?」
「日本をもっと開けた国にすることだ!外国に比べれば日本なんてちっぽけなもんだ。鎖国をやめてもっと開けた国にする、そうすれば日本は強い国になる!」
才谷屋さんは手を広げながら言う。
あれ?これどこかで聞いたような・・・
「動くな!!」
「うわっ!って新撰組!?」
なんとか思い出そうとしてるといきなり扉が開かれて新選組が入ってきた。
「ここにいるのは分かってる!姿を現せ、坂本龍馬!」
「「「え!?」」」
新選組の口から出たのは俺たちが探している人の名前だった。
けどここには俺たちと才谷屋さんと中岡さんしか
「おれっちならここにいるぜ。」
「え?」
俺の後ろから声がした。さっきまで話していた声。
俺の後ろから才谷屋さんが前に出てきた。
「おれっちが坂本龍馬だ。」
頭が真っ白になる。
この人が、この丸い人が、今まで一緒にいた人が
「「「坂本龍馬!!!???」」」
みんな同時に叫ぶ。
探していた人はすぐそばにいた。
いかがだったでしょうか。
今回は幕末編の触りの部分になるのでさくっとした展開にさせていただきました。
最初のザナーク・ドメインとのサッカーバトルは話の本筋に影響があまりないのと今後の展開を考えると冗長的になりそうなのでガッツリカットさせていただきました。
楽しみにしていた方がいれば申し訳ありません。
次回からはいろいろ物語を動かしていきたいですね。