あと今回から行間を開けてみました。
自分のと他の作者様方のものを見比べるともう文字がギュッとなってて読みにくいかなと。
よろしければ今までと今回、どちらが読みやすいか感想いただけると嬉しいです。
では。
「クソッ!奴らの力がここまでとはな。」
「分かっていたことではあるが手ごわいな。」
やられっぱなしで前半を終えて思わず吐き捨ててしまった俺の言葉に神童先輩が続く。
「はい。それでも勝たなきゃいけないんです。円堂監督やサッカーを取り戻すために。そのためにもなんとかミキシマックスを成功させないと。」
天馬の言うとおりこの試合、負けられない。そのためにも沖田さんと龍馬さんの力が必要になってくる。
錦先輩と龍馬さんは気もあってはいそうであとは錦先輩次第ってとこか。
問題は剣城と沖田さんなんだが
「ゴホッゴホッ!!はぁ・・・はぁ・・・」
「ここまでだな。沖田、交代だ。」
「そんな、俺はまだやれ・・・ぐっ・・・ごほっ!?」
向こうの様子を見るに前半から飛ばしすぎた沖田さんは最早体力の限界のようで交代になりそうだ。それは別に良い。だが
「やれやれ。新撰組の隊長ともあろう者が情けないものだ。」
「あのやろう・・・」
自分たち幕府のために命懸けで戦ってる沖田さんに対してのお偉いさんたちの態度を見てるとブチギレそうになる。
「翼、落ち着いて。」
「そうだ、今は試合に集中だ。」
「・・・ああ。」
天馬たちに諫められとりあえず落ち着く。
沖田さんは葵たちが肩を貸してこちらのベンチで看病することになった。
その沖田さんの前に剣が立つ。
「沖田さん・・・あなたの力を貸してください。あなたの力があれば俺たちの大切な、大きなものを救えるんです。」
剣城が懸命に沖田さんを説得しようと頭を下げる。
そんな剣城に沖田さんは板挟みのような表情を浮かべてる。
「俺は新選組、幕府を守らなきゃいけないんだ!だから君たちには・・・」
「やれやれ、かなり苦戦してるみたいだよ、君のお気に入りと雷門は。本当に大丈夫なの?」
前半を終えてSARUは雷門がザナーク・ドメインに翻弄されてるのを見て些か不安を覚えたようだった。
「そうみたいね。」
一方のメイアはいたって平然といった様子。慌てるような素振りは全くない。
そんなメイアの反応が解せないSARU
「そうみたいって・・・分かってる?もしこのまま負けたら」
「心配ないわ。彼らなら最後には必ず勝つわ。見てなさい。」
「見てろって、その自信は一体どこから・・・分かったよ。」
SARUから見れば根拠の欠片もないのに自信満々のメイアに小言の一つでも挟もうとするも彼女の揺るぎない目を見て言葉を飲み込んだ。
(こんなもので終わるはずないでしょう。さぁ見せてちょうだい、翼。)
後半戦。二点差。前半戦は翼たちディフェンスのみんなに負担をかけちゃった。
後半はなんとしても俺たちが点を取らないと。
「さぁ、どこからでもかかってこい。後半も軽く遊んでやるぜ。」
「サッカーを舐めおって!ワシが本当のサッカーちゅうもんを教えてやるぜよ!!」
「ふん、そういうと思ったぜ。」
まずい。ザナークに乗せられて錦先輩が熱くなってる。
「錦先輩、落ち着いてください。まずは一本取り返して行きましょう。」
錦先輩はカッとなりやすいからザナークとは相性が悪いかも知れない。
なんとかフォローしないと。
剣城は・・・
さっきとの沖田さんとのやりとり。それに多分優一さんと・・・大丈夫かな。
ダメだ、今は試合に集中するんだ。
そして後半戦開始
「龍馬さん!」
「大政奉還、必ず勝ち取ってみせる!」
大政奉還をかけた試合。龍馬さんが意気込んでドリブルで上がっていく。
「甘いんだよ!」
「ういぃっ!」
けど相手にボールを奪われてしまった。
「ゴブリス、メイズ、エンギル!」
「まずい、みんな戻って!」
三人のパス回しで攻め込んでくるザナーク・ドメイン。
中盤でなんとかカットしなきゃいけないのにみんなスピードについていけない。
「どうしたどうした。サッカーを教えてくれるんじゃなかったのか?」
「何を!!」
「シュートは」
「打たせないやんね!」
ザナークに翼と黄名子がマークについてくれる。
「ふん、ラセツ!これで止めだ!」
「しまった!」
ザナークにマークが集まったせいでまたフリーになってしまってる。
「信助!」
もう信助に任せるしかない。
けど
「ダメだ、体に力が入りすぎてる!」
3点差になると厳しくなるのを信助も分かってるせいで体が強ばってる。
あれじゃ思うように力が出せそうにない。
もうダメかと思ったときボールに飛びつく影が見えた。
「剣城!?」
「剣城!?」
頭上を越されもうだめかと思ったとき剣城がゴール前まで戻ってきてカットしてくれた。
「ここまで戻ってたのか・・・」
くそっ、情けない。
ゴールを守れないばかりかストライカーの剣城にここまでさせてしまうなんて。
「気にするな。」
そう言い残して上がっていく剣城。
そんな剣城をシンジャミが止めにかかるが抜き去る剣城。
「サッカーは守ってみせる!」
「ちっ・・・ふん、そう言うと思ったぜ。ヤシャ、オーグ!」
「ぐあっ!」
今度はふたりがかりでそれもラフ気味のプレーで止められてしまう。
「剣城!」
「剣城くん!くっ・・・」
剣城のフォローに天馬と太陽が入ろうとするが他のメンバーが邪魔する。
誰も助けに行けず剣城が痛めつけられ続ける。
それでも何度も立ち上がろうとする剣城。
そんな剣城を沖田はベンチから見つめていた。
(力の全てを賭けてぶつかっていく。それが君の大切なものを救いたいという思いなのか。)
沖田はハーフタイムに剣城に言われたことを思い返していた。
(彼は言っていた。自分たちも俺と同じだと。)
前半戦に剣城に言われた言葉。
ふと将軍たちに目をやる。
徳川慶喜と役人は剣城が痛めつけられるのを見て下衆な笑みを浮かべていた。
(く・・・彼を見てなぜ笑ってられるんだ。俺が守ろうとしているものはこんなものなのか・・・)
目の前の少年たちと自分が守ろうとしているものの落差に疑念が膨らむ。
「ぐあっ!!」
目を伏せると一際重い一撃を浴びた剣城の声に顔を上げる。
「まずい、このままじゃ剣城が持たねえぞ!」
「・・・沖田さん、力を、あなたの力を貸してください。稲妻のように切り込む。電光石火のスピードを。大切なものを、守るために!!」
(!?・・・本当に大切なもの・・・それは)
「俺の力を使え!それで君の大切なものが救えるなら!」
思い立った時には既に沖田の足は踏み出されていた。
「今だ!剣城と沖田をミキシマックスだ!」
「よ~し!ミキシ、マーックス!!!」
「はああああああ!!」
ミキシマックスガンから放たれた光が剣城と沖田を結ぶ。
そして光が弾けた後には少し肌黒くなり沖田の髪型を思わせる剣城が立っていた。
「ありがとうございます。沖田さん。この力、サッカーのために使わせてもらいます!」
剣城はあっという間に3人を抜き去りキーパーとの1vs1を作り出した。
「ふっ!菊一文字!!
「何!?」
あまりのスピードに完全に立ち遅れたシュテンは飛びつくことも出来ずゴールを許した。
「ゴール!2vs1!雷門詰め寄ったぞ!」
シュートを決めた剣城を見て沖田は完全に心を決めた。
(本当に大切なもの。それは堕落した幕府の平和という仮初のものではない。これからの、日本の行くすえを強く明るいものにすることだ。なら、そのためにこの残された命を燃やそう。)
「これが新撰組隊長、沖田総司の力か。だが、所詮悪あがき。俺の敵じゃないぜ!ゴブリス!」
ザナーク・ドメインボールで試合再開。
「いつまでもやられっぱなしだと思うなよ!霧野先輩!」
「おう!」
「何だと!?」
霧野先輩と連携してボールを奪うことに成功。
「いけ、天馬!」
「剣城と沖田さんの思い、無駄にはしない!太陽!」
剣城のゴールから流れが完全にこちらに向き始めた。
「フェイくん!」
「調子に乗るんじゃないよ!ラセツ!」
しかし流石にそう簡単にはいかずパスカットされラセツにボールが渡る。
「オーガブレード!」
「信助!」
「任せて!雷門のゴールはボクが守る!護星神タイタニアス、アームド!!」
先ほど決められた必殺シュートにもう一度ぶつかっていく信助。
しかし今度はガッチリとキャッチしてみせた。
「俺たちのシュートが止められただと!?ぐっ!・・・まただ。」
ザナークを筆頭に相手が動揺してるのが伝わってくる。
攻め込むなら今しかない。
「それ!」
信助がロングスローで前線につなごうとする。
しかしそのボールをザナークが空中でトラップした。
「認めねえぞ!俺たちが押されるなど!」
「ミキシトランス、ティラノ!」
ザナークにすぐさまミキシトランスしたフェイが突っ込む。
「邪魔だぁ!!」
「うああああ!」
しかしティラノでも歯が立たず吹っ飛ばされるフェイ。
「翼、止めるぞ!」
「はい。」
霧野先輩と俺で止める。
「戦旗士」「破壊神」
「どけぇぇぇ!!」
「「うわああああ!」」
二人で化身を呼び出そうとするもその暇もなくザナークに弾き飛ばされてしまう。
これまでとは違う、本気でぶつかってきてる、あれがザナークの本気かよ。
「力と力の勝負、嫌いじゃないぜよ!」
「貴様ごときに止められるものか!」
残った錦先輩も歯が立たず残すは信助だけ。
「俺様の力を思い知れぇ!・・・がっ!?っずあああああ!」
しかしフリーで渾身のシュートを打とうとしたとき、ザナークが苦しみ、力ないシュートが放たれ信助が余裕を持って止めた。
ピンチを乗り切ったが
「ぐ、ぐああああああ!!」
ザナークが苦しそうに叫びを上げる。
「これは、あの時と同じ!?」
三国志時代、孔明の園での試合中に起こったあの暴走がまた起きている。
「あああああああああああああああ!!!!」
尚も暴走を続けるザナーク。ザナーク・ドメインも含めた全員が呆然と見つめるしかない。
「ま、待て。あれは・・・」
そんなザナークの身に更に変化が起こった。
「化身!?」
ザナークの体からゾディアクが現れた。
だがそのゾディアクは様子がおかしい。
体を鎖のようなもので拘束され身動きが出来ないように。
「うおああああああ!」
「ザナーク!まっちょれ、今助けてやるぜよ!」
「何だって!?」
「ちょ、錦先輩!?」
苦しみ続けるザナークに錦先輩が駆け寄る。
「戦国武神ムサシ!どりゃああ!」
ムサシの刀で体を縛っていた鎖が断ち切られたゾディアクが姿を消し、それと同時にザナークの力の噴出が収まった。
暴走が収まったザナーク息も絶え絶えといった様子。
「ハァ・・・ハァ・・・なぜ俺を助けた?」
忌々しげとも理解できないともとれる口調で錦先輩に言うザナーク。
「そんなもん決まってるぜよ!おまんとサッカーで決着をつけるためぜよ!」
「お前・・・」
錦先輩の答えはなんとも錦先輩らしいというか単純なものだった。
「あいつ、そのために敵を助けたのか・・・なんてやつだ!」
けど、龍馬さんはとんでもないものを見たように驚き、錦先輩に感心してた。
この時代、命をかけた戦いをしてる龍馬さんには敵を助けるという行動は信じられないものなのかも知れない。
「今だ!龍馬が認めた錦の心の広さがあれば必ず成功するはずだ!」
「よぉ~し!ミキシ、マックス!!」
そのチャンスを逃さず大介さんの合図でワンダバがミキシマックスを敢行した。
「「ぬおおおおおお!!」」
ミキシマックスが無事成功し、龍馬さんの髪のようにワカメっぽい藍色の髪の錦先輩が誕生した。
「それがお前の新たな力か。面白い、受けて立つぜ!ミキシトランス、曹操!」
錦先輩のミキシマックスを受けてザナークがこれまでとは明らかに違う、ただ全力の勝負を楽しむ笑顔でミキシトランスした。
「おおお!クロシオライドォ!!」
そんなザナークに錦先輩が新しい必殺技、でかい水のドラゴンを呼び出した技で真っ向から破ってみせた。
「よっしゃ~~!行っけ~錦先輩!」
ザナークを抜いた錦先輩がドリブルで上がっていく。
それを見たザナーク・ドメインの面々が襲いかかる。
しかし、今度は龍馬さんのようなトリッキーな動きで次々に躱していく。
「神童!」
「ミキシトランス、信長!」
今度は錦先輩からのパスを受けた神童先輩がミキシトランス。
「刹那ブースト!」
「ゴーール!雷門追いついたぁぁぁ!」
神童先輩のシュートが決まりついに同点に追いついた。
「ちっ、同点か・・・だが、このままじゃ終わらねえ。この試合必ず勝つ!エルドラドのジジイどものためじゃねえ。俺のプライドが許さねぇんだ!」
「「「おう!」」」
ザナーク・ドメインが今までにないくらい真剣に、こちらを見下した素振りもなく真っ直ぐに見返してくる。
「こっちだって負けないぞ!絶対に勝つ!」
こちらも天馬に続く。
こっからが本当の勝負だ。
「行くぞぉ!」
「やらせない!ワンダートラップ!」
ドリブルで上がってくるザナークに天馬が必殺技を仕掛ける。
「あっ!」
しかしジャンプで交わされる。
「シュラ!」
「ラセツ!」
ザナークからシュラにシュラからラセツへとボールが繋がる。
「オーガブレード!!」
「もちもちぃ~きな粉餅~~」
「ナイス黄名子!」
「フェイ!」
シュートを止めた黄名子がすぐさまフェイにパス。
「ミキシトランス、ティラノ!古代の牙!!」
そのままフェイが必殺シュート。
今度はキーパーのシュテンが必殺技を繰り出した。
「サンドカッター。」
前半にも起きた対決。
シュートと砂鉄のカッターが拮抗する。
「そんなっ、また止められた!?」
今度もシュテンの勝ち。
そこからも一進一退の展開が続く。
試合終盤でみんな苦しいはず。
なのに全員がボールを必死になって追いかけてる。
歴史改変だとか任務だとかそんなこと全て抜きにした純粋なサッカー。
絶対に負けたくないっていう意地と意地のぶつかり合い。
これまでのエルドラドとの戦いでは無かった久しぶりのこの感覚。
ああ、やっぱりサッカーは楽しいな。俺は今、サッカーをしてるんだ。夢中になってボールを追いかけてると力が湧いてくる。
「ザナーク!」
ゴブリスからザナークへのセンタリングが上がる。
「これで決めるぜ!ディザスターブレイク!!」
膠着状態からついにザナークのシュートが放たれた。
今まで散々苦しめられた。けど、今度こそ!
「うおおおお!アスタリスク、ロック!!」
全力でシュートにぶつかっていく。
自分の必殺技が今までよりもずっと力が出てるのを感じる。
前半は破られた岩の壁が今度はシュートの威力を完全に殺した。
「何だと!?」
「よっしゃぁぁ!ついに止めたぞ!!」
自分でもびっくりだけどようやく良いとこ見せられたかな。
チームメイトだけじゃなくどこからか見てるだろうあの子にもガッツポーズ。
「ふふっ翼ったら♪ね、言ったでしょ?」
「はいはい。君の言うとおりだったよ。」
「太陽!」
太陽にボールを出し、天馬たちが上がっていく。
残り時間もうない。
「追加点はやらないよ!」
天馬、剣城、神童先輩の得点源となりそうな3人は完全にマークされてる。
フェイもボールを持つのは厳しそう。
「錦さん!」
太陽から唯一前線でフリーになっている錦先輩にボールが渡る。
キーパーが完全に警戒しておらず逆をついた。
「させん!」
「あそこから戻ったのか!?」
さっきまでこちらのゴール前にいたはずのザナークがゴール前まで戻っていた。
「魔界王ゾディアク!!アームド!!!」
最後の勝負とばかりにザナークが化身アームドする。
「戦国武神ムサシ!・・・アーームドォ!!」
錦先輩の化身がまさに甲冑のように錦先輩を包み込んでいく。
「錦先輩も化身アームドを!」
「ぬおおおおおおぁぁ!!」
「ぬううぅぅ!」
化身アームドした錦先輩のシュートをザナークが正面から蹴り返そうとする。
お互いの全力がぶつかり合い、そして
「う、があああああ!?」
シュートがザナークを破りそしてゴールに突き刺さった。
「ゴーーール!!雷門逆転!そして試合終了!!」
試合が終わりみんなが勝利の喜びを噛み締めるのも束の間
「約束通り、円堂監督を返してもらうぞ。」
「ふん。こいつのことか。」
そういってザナークがクロノストーンを見せてくる。
「ほらよ。俺は別にこれに興味はねえ。」
ぞんざいに円堂監督のクロノストーンを放り投げてくる。
ちょ、丁寧に扱えよ。天馬がキャッチしようと手を伸ばしたとき
「これはまだ返すわけにはいかない。」
「「「!?」」」
いきなりフードを目深に被った男が現れクロノストーンを回収した。
「お、おい・」
奪い返そうと動こうとした次の瞬間には男は姿を消していた。
それと同時にザナークもバイクに乗りどこかへ去っていった。
残された俺たちは呆然とする他なかったのだった。
「おう、もう行くんだな。」
「はい、俺たちはこの時代の人間じゃありませんから。」
ついに別れの時間がやってきた。
あれから徳川慶喜は大政奉還を認めるとだけ言い残して消えた。
何やら嫌な笑顔だったが大政奉還が認められたんだし良しとしよう。
「お前らとの出会い、絶対忘れないぜよ。」
変化といえば龍馬さんの口調が変わった。いや戻ったというべきか。
江戸に出てきて小っ恥ずかしくて方言を隠していたが錦先輩を見てまた使うことにしたらしい。
「お、それからもう一つ。毎日サッカーすることにした!」
「あ、そのポーズ!」
そういって龍馬さんがとったポーズは俺たちがよく知るあのポーズだった。
「おめえらに見せてもらった写真を見て痩せようと思ってな。」
なるほど、あれはダイエットしたあとの写真だったってことか。
「錦、天馬。おめえらなら絶対にサッカーを取り戻せる。まぁなんかあってもどうにかなるぜよ!」
「はい。坂本さん、お世話になったぜよ。」
「おう!またいつかリョウマコンビでサッカーするぜよ!」
「・・・行くんだね。」
「・・・はい。」
「君に出会って、俺は本当に守るべきものが何か分かった。ありがとう。」
「いえ、俺のほうこそ。」
剣城と沖田の方は静かな別れだった。
「君は本当に大切なものを見失うなよ。」
「はい。あなたからいただいたこの力、大切なもののために使わせていただきます。」
「お前らのためにもおれっちたちが強い日本を作ってみせるぜよ!」
「はい!未来から応援してます!」
「もしこいつがふざけたことをしたら俺が責任を持って叩き斬るさ。」
「へっ、お前におれっちが斬れるかな?」
なんとも不思議な光景だ。坂本龍馬と沖田総司がこうして肩を並べてるなんて。
「それじゃ、俺たちはもう行きます。ありがとうございました。」
天馬が代表して頭を下げる。
「あ、君。」
ゾロゾロとキャラバンに乗り込む中、沖田さんに呼び止められ耳打ちされる。
「あの時一緒にいた女の子のこと、仲間には内緒なんだろ?」
「・・・はい。」
「他にも君は何かと隠し事が多そうだ。そうそう言い出せないこともあるだろうが、もう少し打ち明けてみてもいいんじゃないか?そうしてこそ本当に共に戦う仲間だ。」
孔明さんといい痛いところをついてくる。
一度意識すると止まらなくなる。
「・・・もしそのときがくれば、そうします。」
今はこれしか答えられなかった。
「どういうつもりだ!俺たちの戦いの結果に介入しやがって!!」
どこかのヤブのなか、ザナークの怒号が響く。
その対象は先ほど現れたフードの男。
「君は何も分かっていない。これの価値も、そして君自身の力のことも。」
「俺自身の力だと?」
男の言葉に怪訝な顔のザナーク。
「そう、それは僕たちフェーダの一員たりうる才能さ。」
「!?」
背後の木から聞こえてきた声にザナークが振り返ると一人の少年、SARUが木から飛び降りてきた。
「フェーダだと?」
「人間を超えた新たな人類、セカンドステージチルドレンの集い。それが私たちフェーダ。そしてザナーク、あなたも私たちと同じ存在。」
また別の木の影からメイアが姿を現した。
「ぞろぞろと・・・」
「どうだい、僕たちと共に来ないかい?僕たちセカンドステージチルドレンが世界を導くんだ。」
「・・・興味ねえな。」
SARUが差し出した手をザナークは取らない。
「そう。私たちと一緒にくれば彼ら、雷門とまた戦うことが出来るかも知れないわよ?」
「何?」
「僕たちは間もなくエルドラドに、古い人類に世界をかけたサッカーによる最終戦争、ラグナロクを仕掛ける。」
「・・・それがどうした。」
「もし彼らがエルドラドを倒せば、エルドラドも彼らを放っておかないだろうね。」
SARUとメイアの言葉に逡巡するザナーク。
「ふん。面白ぇ、口車に乗ってやる。だが、俺は俺のやりたいようにやらせてもらう。」
「そうこなくっちゃ。」
自分の手をとったザナークにニヤリと笑うSARUだった。
「さて、それじゃあそろそろアジトに戻るとしようか。こうして新入りも入ったしね。」
ザナークを連れ元の時代に戻ろうと切り出すSARU。
「エルドラドの方は?」
「ああ、ガルのみんなの情報によればあの連中が動き出したらしいよ。」
「パーフェクト・カスケイドね。それじゃあ・・・」
「うん。もうすぐにエルドラド本部への攻撃を決行するよ。別に負けることはないけど、あのチームは少し面倒だからね。だからメイア、君の休暇ももうおしまいだよ。さぁ帰ろう。」
そういってSARUは手を差し出す。
メイアもその手を取ろうとし、したところで手を引く。
「どうしたんだい?」
「ごめんなさい。一足先に帰ってて。戻る前に寄りたいところがあるの。必ずすぐに戻るから。」
「・・・分かったよ。ただし、猶予は2日だけだよ。」
「ええ、分かってる。」
「それじゃ、先に戻ってるよ。」
そう言い残しメイア以外の3人は幕末の時代から姿を消したのだった。
いかがでしたでしょうか。
ザナーク・ドメインって結局どういう立ち位置のチームなのか原作でも語られなかったし、チームとしては地味(ザナークを除く)な印象なのですがこの幕末での最後の攻防はかなり好きです。エルドラドのチームじゃないからこその試合という感じがして。
次回から恐竜編なのですがここ数回は執筆が思うように進まず投稿間隔が空くことが多くなってしまっているので一度落ち着いて書き溜めしてある程度一気に投稿してみようと思います。
更新を楽しみにしていただいてる方々にはご迷惑をおかけいたしますがご了承ください。
構想もモチベーションもあるので消えることは無いのでご安心ください。
それではまた。