二度目の人生とフェーダの姫   作:プライムハーツ

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お久しぶりです。本当にお久しぶりです。
執筆のモチベーションが沸かない+リアルの事情で年単位で更新が止まってしまい申し訳ありません。
ヴィクトリーロードがついに発売され世間と自分の中のイナズマ熱が再燃し筆をとった次第です。
プロットは残していたので展開自体は変わっていません。
そして恐竜時代編はオリジナル展開が多いです。温かく見守っていただけると幸いです。
では。


恐竜時代へGO

「それでは今回のターゲットを発表する!」

メイアと別れ、部室に全員集まり今回の行き先とターゲットが大介さんから発表されようとしていた。

ちなみに天馬は集合時間ギリギリにやってきた。よっぽど気持ちよく寝ていたのだろう。

やってくるなり「もう、なんで俺も起こしてくれなかったの!」とご立腹だった。自業自

得だし俺なりの優しさだったんだけどな。

 

「時空最強イレブン7の力、自由自在に空間を活かし空を制するフライングディフェンダー!そして8の力、太古の力を宿し、その牙は海をも割るダイナミックミッドフィールダー!」

 

ダイナミックミッドフィールダーにフライングディフェンダーか。

 

「ディフェンダーなら翼かもしれないよ。」

隣の天馬が小声で話しかけてくる。

 

「だったら良いけど、どうかな~」

「なんとかなるさ。」

ピンと来ないけどだったらいいなぁ。

「それで、例えるなら誰なんですか?」

「例えるならばそう・・・恐竜だ!!」

 

「「「恐竜~~~~!!??」」」

 

「とうとう人間ですらないのかよ!」

 

「まぁ、いまさらといえば今更だけどな。」

 

みんなまさかのターゲットに口々に驚いている。

 

「恐竜とミキシマックスするんですか!良いなぁ~~」

そんな中信助だけはテンションが上がっていた。

 

「プテラノドンですか?それともトリケラトプス?スピノサウルスも良いなぁ~」

「信助くん、恐竜好きなんだ・・・」

「男って好きだよな。」

「あんな信助、初めてかも・・・」

 

マネージャー陣は若干呆れた様子だった。

 

「信助ってちっちゃいから大きい恐竜みたいなのに憧れt「フンッ!」ふぎゅっっっ!?!?」

 

マネージャー陣にぼそっと呟いていると股間に重い衝撃が走り悶絶。

霞む目を開き見上げると拳を握り締めた信助がいた。

気にしてたのね、ごめんなさい。

 

俺がもがき苦しんでる間に信助による恐竜講座が行われたらしい。

 

「でも、恐竜のオーラならフェイがティラノサウルスのオーラを持ってますよ?」

「それでは不十分だ。敵の力はフェイの力を上回り始めておる。ティラノサウルスよりももっと強力なオーラが必要だ。」

 

天馬の問いかけに大介さんが答える。

確かにザナーク・ドメインとの戦いではフェイのティラノの力は通じなかった。

これからの戦いを考えると確かにもっと強力なオーラが必要になりそう。

 

「そんなのいるんですか?」

「分からん!だが、恐竜はまだまだ謎が多い。だからティラノサウルスよりもはるかに強い恐竜がいても不思議じゃない!」

まぁ確かに大介さんの言うとおりではある。

 

「恐竜か~。もしかしたら今度こそウチの番かも知れないやんね~」

「ええ~恐竜だぞ?」

「牙とか生えてくるかも。」

「ん~・・・それもいいやんね!」

 

黄名子もそろそろ自分がミキシマックスする番かもとワクワクしてるようである。

キナコサウルス。なんでもない。

口には出せないようなしょうもないことを考えてるとその黄名子がひょこっと顔をのぞかせてくる。

「翼も。どっちがミキシマックスするか勝負やんね!」

「お、おう。」

 

 

「それでは一緒に行くメンバーを発表する!天馬、フェイ、剣城、信助、神童、霧野、錦、雨宮、菜花、狩屋、速水・・・そして赤峰、以上だ!」

「ふぅ・・・」

最後まで呼ばれなくて内心めちゃくちゃ焦った。

ちなみに速水先輩は自分は三国志の時に行けなかったのに信助が恐竜に会いに行けるのに不満そうだった。

「では、出発する!」

「3、2、1、タイムジャーーーーンプ!」

 

 

「サカマキ、任せたぞ。」

「ああ。パーフェクト・カスケイドは既に雷門を追ってタイムジャンプを行った。まぁ任せておけ、トウドウ。」

「期待しているぞ。それともう一つ、分かっているな。」

トウドウ議長は一つ間を置き

 

「赤峰翼を排除せよ。」

 

 

 

白亜紀

 

「着いたぞ、ここが大恐竜時代だ!!」

ワームホールを抜けた先は見渡す限り大自然の世界だった。

「見て、あそこ!」

 

天馬が指さした先には

「本物の恐竜だ!」

「でっけ~~~!」

キリンよりもゾウよりもでかい本物の恐竜がいた。

「アラモサウルスだ!あっちにはプテラノドンもいる!」

解説サンキュー信助。

 

「よし。では早速強い恐竜を探しに行くぞ!」

 

キャラバンを隠し早速ワンダバが外に出ようとする。

「ちょっとちょっと、この格好で出歩くのか?」

「む。それもそうか。ならば、ワンダバスイッチ、オン!!」

狩屋に言われ思い出したかのようにいつもの仮装ボタンを押すワンダバ。

俺たちの服が光って変わったのは

 

「ってこれ~?」

漫画に出てくるような原始人のような服のような何かだった。

「彼らに溶け込む格好でなくてはならんからな。」

「溶け込むもなにも、この時代に人間はいないぞ。」

 

神童先輩が至極まっとうなツッコミを入れる。それはそう。

 

それにしてもこの格好。俺たち男子はいい。ただ女子のほうがその・・・

「ん?あ、翼がやらしい目で見てるやんね!」

「何ぃ!」

黄名子がこっちを指差して言い、マネージャー陣もこちらを向く。

 

「い、いや、見てないですって!?な、天馬!」

「う、うん!見てない見てない!」

「本当かしら天馬・・・」

 

葵に疑いの目を向けられタジタジの天馬。

そう、この格好。ちょっとばっかし肌の露出が激しいのである。そりゃあちょっとは気にはなりますよね。・・・はっ、まずい!これ以上はまたあの時みたいに怒られる!

少し前にある女の子に叱られたことを思い返し我を取り戻す。

「ふっふ~ん。ウチの大人の魅力にやられたやんね~?」

 

そんな俺に黄名子がドヤ顔で言ってくる。

大人?魅力?はて?

 

「誰のことを言ってるんだ?よく分からないことを言ってるちんちくりんの口はこれかな?」

「いひゃいひゃんね!!」

ほっぺたをむにょーんと伸ばしてやる。

かわいいのはかわいいが、色気の欠片もあったもんじゃない。

「むぅ~。今に見てるやんね・・・」

生憎、もっと大人っぽくて魅力的な・・・ゲフンゲフン

 

「!ふふっ♪」

「どうかした?」

「いや、どこかで良い事を言われた気がして♪」

「?」

 

 

そんなこんなでどでかい原っぱを歩いている俺たちだがもう見渡す限りの緑。

空気もこれまでの時代よりも更に綺麗。

そしてそこかしこに恐竜である。これがジュラシックパークか。

今までのタイムジャンプ以上に現実離れした状況にみんな圧倒されている。

信助は一人大興奮といった感じだが。とりあえずそのへんにいる恐竜の解説をしてくれるので助かる。

 

「それにしても、ティラノサウルスより強い恐竜なんてどこを探せばいいのやら。」

 

「分からん。だが、探していれば手がかりは掴めるかもしれん。だからってあ痛ぁぁぁぁ!」

 

俺の呟きに後ろを向きに歩きながら答えてきたワンダバが石に躓いて転んだ。どころかぬいぐるみだからボールみたいに転がっていって何かにぶつかって止まった。

 

「全く何やってんだ・・・って・・・」

「もうワンダバ、ちゃんと前向いて歩かないk・・・あ・・・」

 

俺とフェイが揃って声を掛けようとして気づいた。ワンダバがぶつかったものに。

それはもう大きくて、ガッチリとした、太い、凶暴そうな、

 

 

恐竜の足でした。

 

「「「出たァァァァァ!!!???」」」

「グオォォォォォ!!」

 

いきなり後ろから思いっきりぶつかられた恐竜さんはそれはもう大変お怒りであった。

 

「「「逃げろォォォォォォ!!!!」」」

「グオォォォォォ!!」

 

全速力で全員で逃げ出すが起こった恐竜は生きて返すつもりも無いのか猛然と追いかけてくる。

やばいやばいやばいやばい、これはマジでやばい!

 

「あ、たっ」「きゃっ!?」

 

しかしすぐ後ろから二つの声が聞こえ振り向くと信助と葵が転んでしまっていた。

 

「信助!」「葵!」

 

気づいたときには体が勝手に動いていた。

それは天馬も同じようで転けた二人を一緒に助けようとかばっていた。

けど俺たち二人の小さな体が恐竜を止められるはずがないなんて分かりきってる。

けど体が動かない。あ、これ死んだわ。

走馬灯が見え始め、二度目の死を直感したその時

 

ドンッ!!

 

俺たちの上を恐竜のような何かと赤い髪の人型の何かが通った気がした直後大きな衝突音が聞こえ、数秒後に訪れるはずだったものは訪れなかった。

 

 

「ガオーーー!ガオーーーー!」

 

人間のような声の持ち主が何やら吠えている。それに対して俺たちを追いかけていた恐竜も唸る

「ガオーーーー!」

 

しかし唸り声にもひるまずまるで会話するかのように叫び続ける何か。

その声に次第に恐竜の唸り声がなりを潜め始める。

そしてズンっ!という音が聞こえたかと思うと俺たちを追いかけてきた恐竜は元居た方向に帰っていた。

 

「た、助かった・・・のか?」

「多分・・・」

 

俺と天馬は何が起こったのか分からず放心していた。

すると目の前の小さな恐竜か何かが地面に飛び降りた。

 

「ガオーーー!」

 

それの姿は二本の足で立ち、手があり、俺たちと同じくらいの身長と姿をした緑の髪を生やした

 

「「「人間!!??」」」

 

人間の男の子だった。

 

「きょ、恐竜時代なのに人間がいる!?」

「そんな馬鹿な。」

 

全員が人間の男の子の出現に驚愕していた。

呆然とする俺たちを見た男の子は俺たちの匂いを嗅ぐような仕草をする。

 

「うわっ、何だ!?」

 

「うっほうっほうっほ!危なかったな、オメーら。オメーら、オラと似てっぞ!」

 

「「「しゃ、喋れるの!?」

 

「オラ、トーブってんだ!おめぇらは?」

 

「て、天馬・・・」「つ、翼・・・」

 

「とんまにたばさか、よろしくな!」

 

「天馬だけど・・・」「翼だけど・・・」

 

やばい、頭がついていかない。

 

 

「おい、遅ぇぞ!」

 

あのあとトーブが自分の住処に案内してくれるということで着いて行ってるのだが、荒れた道をホイホイ進んでいくトーブにみんな着いていくのがやっとである。

 

「す、すごい体力だね・・・」

「並大抵の運動神経じゃないぞ。」

「それにしてもなんでこの時代に人間が?」

「分からん。とりあえずアルノ博士に連絡して調査してもらおう。」

 

ワンダバがアルノ博士と連絡をとってくれるらしい。

トーブの正体も気にはなるがもう一つ。

 

「なぁフェイ、トーブを最初に見たときってさ、あんな感じだったか?」

「翼も気づいてたんだね。一瞬だったからハッキリとは見ていないけど、少し違っていたと思う。」

「だよな・・・」

 

見間違いか?

けどフェイも同じことを言ってるし

 

 

違和感が気になっていると先を行くトーブが立ち止まっていた。

 

「って・・・行き止まりじゃん!」

 

目の前は崖になっていて向こう側には渡れそうになかった。

どこかに繋がってるところはないかとあたりを見渡してみるがそれっぽいものは見当たらない。

 

「どうするの?」

「友達の力を借りるんだ。待ってろ。」

 

そう言い指笛を鳴らすトーブ。

するとどこからか地響きのような足音が聞こえてくる。

その音がどんどん近づいてきて

 

「うおわあぁぁ!?」

「アラモサウルスだ!」

 

何メートルあるか分からないデカくて首も長い恐竜が現れた。

信助曰くアラモサウルス。聞いたことはある。

 

「よろしくな。」

 

トーブがアラモサウルスの頭を撫でて頼むとアラモサウルスが反対側の崖に頭を向け俺たちの方に尻尾を乗せる。

 

「おいおいまさか・・・」

「恐竜を橋にするの~~!?」

 

「よっし、行くぞ。」

 

戸惑う俺たちをおいて堂々とアラモサウルスの上を歩いていくトーブ。

立ち止まっててもしょうがないので恐る恐る後に続く。

 

「すごい!僕らアラモサウルスの上を歩いてる!」

 

俺たちが背中に乗ってもアラモサウルスは身動き一つせず俺たちを渡らせてくれている。

恐竜の上を歩くことになるとは思わなかったな。

そのまま何事もなく対岸まで渡ることができた。

 

「ありがとな。また今度遊ぼ。」

トーブがお礼とばかりにでかい果物を上げるとアラモサウルスは帰っていった。

 

「恐竜と友達なんだ!」

「おう!みんなオラの友達だぞ。」

 

それからもトーブは恐竜と話すかのように、恐竜の力を借りて道を進んでいった。

時には川に木で橋をかけたり、時には岩を壊して道を作ったりと何でもアリ。

そして高い岩山の頂上にたどり着いた。

 

 

「ここがオラのウチだ。」

 

「や、やっと着いた・・・ここがトーブの家か。」

「なぁトーブ、トーブはここに一人で住んでるのか?」

 

よく見れば大きな葉っぱが何枚もありどことなく生活感が漂ってる。

けどここに一人で住んでるのか疑問に思い聞く。

 

「いや?トーチャンもいるぞ?」

「ええ!?お父さんもいるの!?」

 

トーブだけじゃなく他にも人間がいるのか!?

いや、そりゃ子供がいるなら親はいるけども

 

「あ、トーチャンだ。おーいトーチャーン!」

「え?」

 

トーブが空の方を向いて呼ぶので上を向くと

「クェエェェェェ」

 

大きな翼の恐竜が降りてきた。

 

「お父さんって恐竜!?」

 

 

「ト、トーブ、お父さんて恐竜なの?」

「そうだぞ、オラはトーチャンの卵から産まれたんだぞ。な、トーチャン。」

 

トーブに言われるとトーチャンはそうだとばかりに鳴く。

 

「ほれ、これが卵だ。」

 

トーブが指差すのは楕円形の人一人入りそうな何かだがこれはまるで

 

「何かのカプセル?」

 

動物の卵というよりは機械のような何かに見える。

 

「フェイ、どう思う?」

「多分、僕らの時代のものだと思う。」

「それじゃ、トーブは・・・」

「分からない。とりあえずアルノ博士からの報告を待とう。」

 

 

夕暮れ時、雷門イレブンはトーブと共に夕食を食べていた。

主に木の実と何かの肉が並んでいた。

 

「ところでおめぇらはどっから来たんだ?あっちの山か?」

「俺たちは未来から来たんだ。強い恐竜を探しに。」

「そう、ティラノサウルスよりももっと強い恐竜を。トーブは知らない?」

 

神童と天馬がトーブに今回の旅の目的を伝える。

 

「ティラノ?」

「天馬、ティラノサウルスっていうのは僕たちの時代の人たちがつけた名前だよ。だからトーブは知らないと思うよ。」

 

天馬の言葉に信助がすかさず待ったをかける。

 

「知ってっぞ。ティラノ。」

「ええ!?」

 

しかしトーブは本来名前もついていないはずのティラノサウルスという名称を知っていた。

 

「でも、ティラノってそんなに強くねぇぞ?」

「そんなはずないよ!ティラノサウルスだよ?」

 

トーブのティラノサウルスに対する評価に驚く天馬たち。

現代には諸説あれど最強の恐竜として広く知られているティラノサウルスの思わぬ低評価は驚くべきものだった。

 

「本当だぞ。トーチャンやオラのほうがよっぽどつえーんだぞ!」

「トーチャン・・・ってトーブの方が強いの!?」

 

それどころかトーブは自身やトーチャンの方が強いと言ってみせた。

ティラノより自分やトーチャンの方が強いという言葉に思わず翼が食いつく。というか全員が食いつく。

 

「おう!トーチャンはすげえ強ぇんだぞ!オラだって中々勝てねぇんだ!それに比べたらティラノはそうでもねぇぞ・・・」

「そうでもないって・・・・」

 

ティラノが実は弱いのか、トーブたちがすごいのか。どちらだとしても唖然とする一同。

 

「あ、でも強ぇやつなら知ってっぞ。ロックスターってんだ!」

「ロックスター?」

 

固まる一同をよそにトーブが思い出したかのように言う。

聞きなれない名前にみんな顔を見合わせる。

 

「ロックスターは獣の谷の洞窟に住んでるこのあたりの連中のボスなんだ!他の奴らよりずっとでけぇんだぞ!」

「それだ!ボスならミキシマックスの相手にふさわしい!」

 

大介がようやくミキシマックスの相手に相応しそうな恐竜の情報が出たことで勢いよく飛び出す。

トーブは喋る石に興味津々だった。

 

「トーブ、そのロックスターのところに案内してくれないかな?」

「いいぞ・・・なんだか眠くなってzzz・・・zzz」

「寝るの早っ!!」

 

一同の期待をよそにあっという間にトーブは眠りについてしまった。

居場所を知るトーブが寝てしまったためロックスターに会いにいくのは明日にしようということになった。

ちなみに寝床はトーチャンがこの巣で寝ろと勧めてきたのでお言葉?に甘えることになった。

 

 

みんなが寝静まった頃

 

(・・・○、○!)

「はっ!・・・夢か・・・にしてもまた似たような夢か・・・」

 

昨日に続いてまたあの頃の夢。

こんなに連続して見るなんて・・・

 

「ん?何の音だ?」

 

少し離れたところから何やら物音が聞こえる。

もしかして恐竜か?ちょっと見に行くか。

 

 

「行くぞトーチャン!」

「クエェェェェ!」

 

「あれはトーチャンと・・・トーブか?」

 

空を飛んでるトーチャンをトーブが捕まえようとしてるのか?

ちょっと遠くてよく見えないな。けどあんま近づいてもアレだしな。

にしても

 

「トーブのあの姿・・・やっぱり昼間のあれは見間違いじゃなかったのか・・・」

 

トーブの姿は始めて見たときにおぼろげに見えた赤い髪をした姿だった。

にしてもあの見た目・・・ってあっ!

トーブが一際高くジャンプしてトーチャンに掴みかかろうとしたがヒラリと躱される。

かなりの高度から掴むはずだったものを掴めなかったトーブ盛大に地面に落っこちた。

 

「痛てて・・・くっそ~今日は負けか~。やっぱトーチャンはつえーな!」

「クエェェェェ!」

「分かってっぞ!オラ、もっともっと強くなってトーチャンよりも強くなって、ビッグや友達をみんな守れるような強ぇえ男になるんだ!」

 

ビッグ?恐竜の名前か?

それにしてもトーブ。みんなを、友達を守る・・・か。

周りの恐竜たちと自分が違うのは分かってても、トーブにとって恐竜は友達なんだな。

 

「・・・そろそろ戻るか。」

 

 

「あれ?天馬とフェイがいない?」

 

寝床に戻ると天馬とフェイの姿がなかった。

耳をすませると微かに話し声とボールを蹴る音が聞こえてきた。

 

「まったく・・・二人ともつくづくサッカー馬鹿だな。」

 

いつの時代でも、あの二人はずっとサッカーだ。

まるで兄弟みたいにそっくりだ。

 

「そういえばフェイのこと、よく考えるとあんま知らないな。・・・ま、いっか。仲間なのには変わりないし。今日はさっさと寝るか。」

 

明日またハードな道になるだろうし、早寝して体力回復させないとな。

今度こそぐっすり眠れますように。

 

目をつぶり虫の鳴き声と弾むボールの音を遠くに聞きながら意識を手放していった。

 

寝床に黄名子の姿がないことには気づかずに。

 

 

200年後の未来 フェーダアジト

 

「ただいま、SARU、ギリス。」

「やあ、おかえりメイア。」

 

アジトに戻り、大広間にやってきたメイアをSARUとギリスが迎える。

来る途中に何人かフェーダの各チームの面々に遭遇し二人の居場所を聞きメイアはこの広間にやってきた。

 

「どこに寄り道してたんだい?」

「内緒よ。それより、ザナークはどうしたの?」

 

一足先にSARUと共にここに戻ったザナークの姿が見えないことに気づき問うメイア。

 

「彼なら「俺は俺の好きにやらせてもらう」って言ってどこかに言っちゃったよ。」

 

肩を竦めながらヘラヘラと言うSARU。

小言の一つも言いたくなるがザナークの性格を考えれば無理もないと思い我慢する。

 

「彼にはザンのキャプテンを務めてもらうことになったよ。」

「大丈夫なの?ガロたちが納得するとは思えないけれど。」

 

ギリスの言葉に思わず聞き返してしまう。

フェーダの中でも荒くれ者たちの集まりのザンの面々が新入りのザナークがキャプテンを務めることを素直に認めるとは思えない。特にガロやロデオあたり。

 

「僕もそう思うんだけどSARUが決めたことだから。それに僕たちギルやガルの雰囲気に彼が合うとも思えないしね。」

「・・・一理あるわね。」

 

ギルとガルの輪の中にザナークが入っているのを想像しようとしてみるも全く思い浮かばず思わず苦笑いのメイアである。

 

「それで、エルドラドへの攻撃の方はどうするの?」

「作戦決行は3日後、その作戦についての話し合いをこれからするために君を待っていたところさ。」

 

彼らフェーダにとって重要なエルドラドへの宣戦布告のプランとあってフェーダ1の頭脳を持つメイアは欠かせないため彼女の帰還を待っていたらしい。

 

「なるほど。待たせちゃってごめんなさい。」

 

「別に構わないよ。その分しっかりしてくれればね。」

 

「はいはい、分かったわよ。それじゃ、早いところ済ませちゃいましょう。」

 

自分の都合で待たせてしまったことに少々バツが悪いメイアはこれ以上つつかれないよう話を切り上げ二人を先導するように広間を後にし、会議室に向かうのだった。

 

 

翌日

 

「おせーぞ、おめーら。」

 

一行はロックスターに会うべくトーブに連れられ獣の谷の洞窟へ向かっていた。

昨日と同様慣れない岩場の道に苦戦する一同をよそにトーブはホイホイ進んでいく。

 

「あとどれくらいで着くの?」

「ん~半分くらいかな。」

「そんな~~」

「情けねぇぞ、なやみ!」

「速水です!!」

 

まだ半分と聞かされ速水以外の面々もかなり気落ちしている。

 

「ほら、弱音吐いててもしょうがないんだから。気合入れて、早く行きましょうよ。」

「お、やるな~翼!」

 

そんな中翼がトーブに続いて岩盤を登っていく。

皆と同様疲労はあるはずだがついていっている。

 

「あ、待ってよ!俺たちも負けてられません、行きましょう!」

「「「お、おう~」」」

 

天馬が残りの面々を引っ張ろうと発破をかけ歩き始める。

そんな天馬に釣られ獣の谷の洞窟に向かって進み始める一行だった。

 

 

同時刻 獣の谷の洞窟

 

「目的地に到着しました。」

『よし、始めろ。』

「了解。ミッションを開始する。」

 




いかがでしたでしょうか?

ティラノ、すまん。
トーブについては次回。


ヴィクロでメイアが最強キャラの一角らしくてにっこり
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