数年ぶりのモチベが帰ってきている感じです。
今回は原作になかった名前と展開が出てきます。
翌朝
俺たちはトーブに連れられてロックスターという恐竜がいる谷に向かっていた。
「お~い、おめえら。こっからはちょっと気をつけろよ。」
「ん?どうしたんだ?」
前を行っていたトーブが不意に立ち止まってこちらに振り返り言う。
別に危ない地形も見当たらないが。
「ここらへんはすげー暴れん坊なやつが通ることあんだ。見つかったらあぶねぇからな。いきなり襲いかかってくるかも知んねぇぞ。」
「そ、それは確かに気を付けないとな・・・ハハハ・・・」
常に危険と隣り合わせなんですけど。さすがは恐竜時代。
それにしてもトーブはずっとこの時代で生きてきたんだよな。
恐竜に囲まれて人間は自分だけなのに。
そりゃあ逞しくもなるか。
周囲に気を払いながら慎重に進むと開けた谷に出た。
「着いたぞ。ここが獣の谷だ!この洞窟にロックスターは住んでんだ!」
「や、やっと着いた~」
「もうヘトヘトです~」
「お~い!ロックスター!おめえに会いたいってやつ連れてきたぞ!」
トーブが洞窟の中に向かって声をかける。
洞窟はかなり大きく奥まで続いていそうで外からでは何も見えない。
この時代で一番強い恐竜。一体どんな恐竜なんだろうか。
「・・・?何も聞こえてこないね?」
トーブが呼びかけても一向に反応がない。
「おっかしいな。いねえのか?」
トーブも反応が無く怪訝そうにしている。。
と、その時どこからか地響きのような音が聞こえてきた。
「うわあっ!?な、何?地震!?」
「いや、これは足音だ!」
「ち、近づいてきてるぞ!?」
信助や神童先輩たちも驚いて声を上げてる。
でかい足音は徐々に近づいてきてる。
音を頼りに洞窟の外側に回り込むと
「うわあっ!」
「で、でっけぇ!!!」
そこにはめちゃくちゃ目つきの悪い、ティラノサウルスより更にでかい青と白の恐竜がいた。
「お、ロックスター!そこにいたのか~。」
「「「こ、これがロックスター!?」」」
「ロックスター、おめえに会いてぇっていう奴ら連れてきたぞ。」
トーブがロックスターに俺たちのことを紹介してくれてる。
他の恐竜たちのようにロックスターにも友達のように接してる。
ロックスターはトーブに言われ俺たちの方を見る。
「グルルル・・・」
「な、なんかこっち見てるよ・・」
「お、落ち着け天馬。トーブの友達なんだ、多分大丈夫・・・のはず。」
「つ、翼の方こそ震えてるけど・・・」
無理もないって!ロックスターめっちゃでかいし目つき悪いし!
「ん?どうした、ロックスター?」
しかし何やらロックスターの様子がおかしい。何か俺たちを警戒してるような
「グァアアアア!!」
「「「うわあああああ」」」
そう思った矢先、いきなりロックウスターがこちらに突っ込んできた。まるで怒りをぶつけるかのように。
みんな一斉にその場からバラバラに逃げ出す。
「ちょ、うわわわわ何でこっちに来るんですか~!?」
運悪く速水先輩がロックオンされたらしい。
速水先輩も持ち前の足の速さで逃げ回ってるがロックスターは巨大な体にもかかわらず足も速く、人間と恐竜の歩幅の違いもありみるみる差が縮まっていく。
南無三。
「じゃなくて助けてください~!?」
「どうしたんだロックスター!こいつらは悪い奴じゃねえぞ!」
「トーブ!どうなってるんだ?」
「分かんねえ。けどロックスターは友達を襲うような奴じゃねえぞ。」
どうやら何かおかしいようだ。
この展開、これまでのタイムジャンプでもあったぞ。
てことは・・・
「とにかく今はロックスターを止めましょう!みんな!」
天馬がサッカーボールを構えて合図する。なるほど、そういうことか。
天馬の合図で剣城、太陽、神童先輩が一斉に散らばる。
天馬の出したパスを素早く繋いでロックスターを翻弄してる。
「おわぁ!何だありゃ!?」
「あれはサッカーだよ。俺たちが大好きなもので、取り返したいものさ。」
隣にいるトーブは当然といえば当然だがサッカーを初めて目にするようで驚いていた。
「さっかー?よく分かんねえけどおめーら凄ぇな!」
初めて目にするサッカーにトーブは目を輝かせていた。
「これでどうだ!」
「グルッ・・・」
太陽がオーバーヘッドでロックスターの頭にシュートを打ち込んだ。
まともにシュートを顔に受けたロックスターはひるんだ様子を見せる。
これで大人しくなってくれるといいんだが・・・
「・・・・・・グオオオオオオオ!!!」
「そんな!?効いてない!?」
「うわわわわわ!?」
「これじゃ逆効果やんね!?」
「落ち着けロックスター!・・・ってうわわ!」
一瞬ぐらついたように見えたが対して効いていないらしくむしろ一層暴れ出してしまった。
トーブも止めに入るもやはり声は届かない。
「トーブ大丈夫か?」
「おう!・・よーしこうなったら・・・う~・・がおおおお!!」
尻尾の攻撃をなんとか躱したトーブに声を掛けるが問題はなさそう。
と思っていたらトーブは何やら叫びだした。
するとトーブの体がオレンジの光に包まれた。
そしてその光が晴れるとそこには髪が赤くなり髪飾りのようなもので少し髪型が変わったトーブがいた。
それはまるで
「「「ミキシトランス!?」」」
剣城や霧野先輩たちがするミキシトランスそのものだった。
「うううがおおおおお!」
姿が変わったトーブが今度は力を込める。
するとトーブの背中から何かが飛び出してきた。
「「「今度は化身!?」」」
「化身も使えるのか!?」
飛び出してきたのは槍を持った人型のジャガーのような化身だった。
「がおおおおお!」
「グガッ!!」
ミキシトランスのように姿を変え化身を呼び出したトーブは化身を使ってロックスターに思いっきりタックルをお見舞いした。
太陽のシュート以上の衝撃を受けたロックスターの動きが今度こそ止まる。
「やったか!?」
「グルルルルル・・・・」
「もうこれ以上は勘弁してくださいよ~・・・」
みんな固唾を呑んでロックスターを見つめる。
これで無理だったら本当にどうしよ。
「グルルル」
「戻った!目が覚めたんだなロックスター!」
「「「やったーー!」」」
ロックスターの血走っていた目が落ち着きを取り戻しトーブの言葉に反応を示した。
どうやら元に戻ったようだ。
「ロックスター、何があったんだ?」
トーブが洗脳が解除され落ち着きを取り戻したロックスターに一行が来る前に何があったのかを問いただす。
トーブの問いにロックスターは絞り出すような低い唸り声で答える。その声色は随分消耗した様子だ。
「・・・ふん・・・ふん・・・え?これか?・・・なるほどな~」
「ロックスターはなんて言ってるの?」
ロックスターが何を言っているかはもちろん天馬たちには分からないが何が起こったか把握したような素振りを見せるトーブに天馬が尋ねる。
「オラたちが来る少し前に変な奴らが来て、そのサッカーに使う玉みたいなのをぶつけられたらしいぞ。そしたら何か頭がボーッとしてきて気がついたらさっきみたいになってたらしい。」
「サッカーボール!?それって・・・」
「ああ。間違いなくエルドラドの連中が使ってたあれのことだろうな。」
トーブが語った内容に天馬と翼含め全員が同じものを思い浮かべロックスターを洗脳した犯人に行き着いた。
「エルドラドがもう僕らの行き先を嗅ぎつけて先回りしてたんだろうね。」
「しかもこのミッション遂行の速さ、やはりパーフェクト・カスケイドが動いてると見て間違いないだろう。」
フェイとワンダバの口からパーフェクト・カスケイドの名が出たことで最強チームとの衝突は避けれないと察した雷門の面々に緊張が走る。
そんな緊張の中ズンっと大きな音を立ててロックスターがその巨体を力なく投げ出した。
「ロックスター!?大丈夫か?」
すかさずトーブが駆け寄り声を掛けるがロックスターからは弱々しい答えが返ってくるだけだった。
「なんて言ってるんだ?」
すかさず翼がトーブに通訳を求める。
「・・・自分はもう長いことは生きられないって言ってる。」
「「「そんな・・・!?」」」
しかし帰ってきた答えは非情な、けれども皆薄々感づいていた答えだった。
長きに渡って獣の谷に君臨してきたロックスターは時にはボスに成り上がろうとするものや別の地域に住む荒くれ者をその力で跳ね返し恐竜の王としての地位を保ってきた。
しかしその度重なる戦いと加齢によってその肉体は限界が近づいてきており、そこに今回の洗脳と雷門との戦いが重なり極端に体に負荷がかかったことで急速に寿命が縮まってしまったのだ。
「ピュィィィ」
皆が呆然とロックスターを見ている中岩陰から甲高い鳴き声が聞こえた。
その声に釣られ翼たちが振り向いた先には小さな恐竜の子供がいた。全体的に青い体色をした二足歩行の恐竜だった。
「恐竜の子供?」
「そいつはビッグってんだ。ロックスターの子供だ。」
「ロックスターの子供!?」
「ああ。ロックスターはビッグを立派な男に育てようとしてたんだ。」
そう語るトーブにロックスターが何やら伝えている。
「・・・分かった、約束だったもんな。ビッグはオラが一人前に育てっぞ!」
「ええ!?トーブが?」」
思わず驚きの声を上げる翼。
「ああ。ロックスターみてえにビッグや友達を守れるくらい強くなるためにオラ、トーチャンと一杯特訓してたんだぞ!」
そう言われ昨日の夜のことを思い出す翼。それと同時にずっと気になっていたことも。
「なあトーブ、さっきのあのさ・・・」
そう切り出そうとした時、どこからか大きな足音が聞こえてきた。
「「何だ!?」」
足音の方を見ると遠くから大きな角を持った黒ずんだ体の恐竜が走ってきていた。
「トリケラトプスだ!」
それは現代でもティラノサウルスらと並んで最も有名な恐竜のトリケラトプスだった。
しかし翼たちの知るトリケラトプスとは体や角の大きさが一回りほど大きかった。
「デスホーン!」
「デスホーン?」
「ああ、前からロックスターに変わってボスになろうとしてた暴れん坊だ。ロックスターが弱ってるとこを狙ってきたんだ!」
「そんな卑怯な・・・ってうわぁ!?」
そうこうしてるうちにデスホーンが一行の間を突っ切っていった。
皆散り散りに逃げるも武器になるサッカーボールから離れてしまい手が出せない。
そんな中デスホーンが岩陰のビッグに目をつけた。
「あいつビッグを狙うつもりだ!」
「やめろデスホーン!・・・ってロックスター?」
トーブが止めに入ろうとしたとき倒れていたロックスターが起き上がった。
「戦うつもりなのか、あの体で・・・」
「子供を守るつもりやんね。」
「黄名子?」
無理だと叫ぼうとした翼の隣で黄名子が言った。
「子供を守るのが親の役目やんね。」
不思議な重みを宿した黄名子の言葉に翼は思わず口をつぐみロックスターを見守るしかできなかった。
「グオオオオオ」
起き上がり明確な戦う意志を見せたロックスターに猛然とデスホーンが襲いかかる。その突進は交わせばビッグに直撃する軌道だった。
一切減速することなく角を突き出し襲いかかるデスホーンを
「グオアアアア!!!」
ロックスターは真っ向から体当たりで勢いよく弾き返した。
「ガアアアアア!!」
弾き返されひるんだデスホーンにすかさずロックスターが思い切り威嚇する。ここから去れと言うように。
そのロックスターの力と気迫に気圧されたデスホーンは恨めしそうに来た道を帰っていったのだった。
「すっげえ!ロックスター強ええ!」
狩屋が格闘技のチャンピオンを目にしたように声を上げる。
狩屋の言うとおり、まさに恐竜の王と呼ぶに相応しい力だった。
「グ・・・・」
デスホーンを退けた代償は大きく力尽きるようにロックスターは倒れた。限界を迎えたのだ。
「ピュィィィ」
そんな親に子が駆け寄る。顔に擦り寄り涙を浮かべるビッグ。自分の親が限界だということに気づいてるのだろう。
そんなビッグに優しく語りかけるようにロックスターが鳴く。
「・・・何て言ってるんだ?」
トーブに聞く。
「寂しくさせてごめんなって、もっと一緒にいてやれなくてごめんなって、強くなれよって言ってる。」
トーブから帰ってきた言葉に思わず胸を締め付けられる。
まだまだ一緒にいたいのにいきなり大切な人の前から消えてしまう。そんな奴を俺は知っていた。居なくなられる側を目の当たりにして、その泣き声が胸を締め付ける。
そしてビッグの鳴き声が響く中、ロックスターは息を引き取った。
「そんな・・・」
誰かが漏らした。
「仕方がねえ。これもバンブツのオキテだ。」
「トーブ?」
「みんないつかは死んで行くんだ。それがバンブツのオキテだ。」
友達だったロックスターの死をすんなり受け入れてるトーブ、いや、悲しいのに必死に受け入れようとしてるんだ。その証拠にまっすぐ見据えてる目から涙がこぼれ落ちていた。
「ロックスターーー!!頑張ったな!立派だったぞーー!!!」
ロックスターの埋葬を終えたころにはもう夕暮れ時になっていた。
ロックスターの墓前でトーブが堰を切ったように涙を流して叫んでいた。
隣では同じくビッグが寂しそうに、そして悲しそうに鳴いていた。
「ビッグ・・・」
「いきなり一人ぼっちになっちゃったんだ。無理もないよ。」
「翼、君も知ってるの?一人ぼっちの寂しさを。」
普段明るいフェイの様子が変だ。俺に聞き返す言葉もどこか弱弱しいというか・・・いやこういう状況なんだから誰でもそうなるといえばそうだがフェイはほかのみんなとは少し違う気がする。
「・・・そうかもしれない。」
「・・そうなんだ。君も・・・」
「フェイ?」
フェイが聞き取れるか聞き取れないかくらいの声量で漏らす。
そういえばフェイ自身のことってほとんど知らないな。この際だし話を聞こうとした時、トーブがこちらに駆け寄ってきた。
「天馬、翼!オラにサッカー教えてくれ!」
「「ええ!?」」
「ロックスターをこんな目にあわしたやつ、オラほっとけねぇぞ!!」
「でも・・・いきなり始めるって言っても・・・・」
トーブのいきなりの申し出に戸惑った天馬がこちらに助けを求めてくる。俺に言われても困るんだが。けど
「いいんじゃないか?トーブのあの身体能力なら。それに一緒に戦ってくれる仲間は大いに越したことはないんだし。ね?大介さん。」
「うむ。トーブのあの身体能力ならサッカーを知れば必ず大きな戦力になるはずじゃ!」
一応大介さんからもお墨付きも出たことで皆納得したようで明日からトーブにサッカーを教えることになった。
「そんじゃあ早く帰っぞ!あんましここに居るとあいつが来るかも知れねえ。」
「あいつってさっきのデスホーンってやつのこと?」
「いや、あいつよりももっと暴れん坊なやつだ。」
「うげっ・・・あんなのよりもっと質悪いのかよ・・・」
恐竜時代、落ち着ける瞬間がない。
みんなその暴れん坊とやらに出会いたくないがため、帰りはそそくさとトーブの家まで帰ったのでした。
ビッグを連れてトーブの家に着いた頃にはすっかり夜になり今は晩飯をみんなで囲っていた。
「クエエエエ!」
「おう、分かってっぞトーチャン!ビッグはオラが守っぞ!あ、それと明日からサッカーってやつやっぞ!」
トーブとトーチャンが2人?で親子の語らいをしてるのを見ていたなか、天馬が切り出した。
「ねえトーブ。」
「んあ?どうした?」
「昼間のあれってさ、何?」
天馬の口から出たのはここにいる全員がずっと抱いていた疑問だった。
昼間のトーブのあの姿。あれはどう見ても
「あれって?」
「ほら、ロックスターを落ちつかせるときに髪の色とかが変わったあれ。」
「ああ、あれか~。あれすっと何か体から力が湧いてくんだ!まるでトーチャンみてえに!」
「あれって何時から出来るの?ていうかどうやって出来るようになったの?」
「ん~オラにもよく分かんねぇぞ。けどトーチャンとの勝負に初めて勝った日にいつもみてえに一緒に寝て起きたらできるようになってたぞ。」
トーブから帰ってきた答えは何ともめちゃくちゃなものだったが
「これってやっぱり・・・」
「ミキシマックスじゃな!」
「「「うわぁ!!」」」
「アルノ博士!」
いきなり現れたアルノ博士に驚くみんな。一方初めて見るトーブはあっけにとられていた。
この人本当にわざとだろ。絶対にビックリするタイミング狙って現れてるって。
「外見的特徴の変化と能力の向上、そして他の生物の力が混じることからミキシマックスとみて間違いないじゃろう!」
「けどどうやって?ミキシマックスガンも無しに・・・」
「おそらくじゃが小さいころからずっとトーチャンに育てられて来た二人の間にはオーラを受け渡すパスのようなものが既に備わっていたのじゃ。そしてトーチャンがトーブを一人前と認めたことでトーチャンの力がトーブに流れ込んだのだろう。」
アルノ博士の説明で何となくだが合点がいく。
ずっと一緒に過ごしてきた二人ならありえなくもないかもしれない。太陽と孔明さんみたいにミキシマックスガンを使わずにミキシマックスしたこともあるし。
「そのミキシ何とかってなんだ?」
さっきから置いてけぼりの当のトーブが言う。
「ざっくり言うとあの状態のトーブはトーチャンと一緒に戦ってるってこと。けどあんまり長く使うと疲れるから気を付けないといけないぞ。」
「ほ~ん。なんかいいなそれ!ウホウホくっぞ!」
「それでアルノ博士、頼んでた件は・・・っていないし・・・・」
「あの人は本当に・・・明日は朝から特訓だし、今日のところはもう寝るか。」
「そうだね。トーブに教えることもあるし、今日はいろいろあったしね。」
肝心なことを聞こうとたらその時にはいないアルノ博士である。
今日一日の疲労と明日からのことを考え今日は早めに就寝となった。
「それじゃあトーブ!まずはパスとトラップからやってみよう!」
翌朝、俺たちはトーブにまず大体のサッカーのルールを教えいざ実践。
俺、天馬、フェイ、黄名子でやってみせつつトーブを交える。
「相手に向かってこうやってボールを蹴るのがパス。」
「こうやって胸や足でパスを受け止めるやんね!いくよ~」
「おう!・・っと、こうか!」
「そうそう!いい感じ!今度は翼にパスを出してみて。」
「いくぞ~とうっ!」
「ナイスパス!」
「ウッホ~おもしれーぞ、サッカー!」
初めてボールに触れるトーブはぎこちないながらも筋はよく、みるみるサッカーの動きを身に着けていく。
天馬からドリブルを教わったりフェイからシュート、黄名子や俺がスライディングやタックルなどを教えていく。
「あ、悪い。」
トーブにパスを出そうとして足元が狂い高く上がってしまう。
「とりゃ!・・・へへっ、とったぞ!」
完全に頭上を越すと思ったボールをトーブがジャンプ一番でとって見せた。
「すげージャンプ力・・・」
「すごいよトーブ!」
「へへへっ、トーチャンといつも勝負してたかんな。」
日ごろから空飛ぶトーチャンと勝負してたトーブの身体能力はやはり並外れてる。
俺も結構自信はあったがアレを見ると少し嫉妬してしまうな。
それからトーブを交えた練習は昼食を挟んだ後も続いた。途中からビッグも参加し和気あいあいとしたものだった。
「ビッグ、行くよ!」
「フェイとビッグだいぶ打ち解けたみたいだね。」
「うん。昨日も気にかけてたみたいだし二人でいるのを見たよ。」
ロックスターのことがあってからフェイも少し沈んでるように見えたしこれで二人とも良くなるといいんだけど。
現代人と未来人と古代人?と恐竜と人生二回目男が入り混じったとんでもない状況が繰り広げられているがいたって和やかな風景であった。
が
「うわあっ!?」
「何だ!?」
突如として何かが飛来し岩に直撃した。そちらを見ると青い見慣れた球体があった。
これがあるということは
「目標を補足。」
丘のほうから声がし全員がそちらを見やると坊主頭がいた。
「データ一致。雷門イレブンおよびロックスターの子。状況からロックスター排除の成功を確認。」
「お前たちがロックスターを・・・」
「やはりエルドラドか。」
「問への返答が任務に及ぼす影響は0に等しいと判断。回答。イエス、私はエルドラド所属パーフェクト・カスケイド、レイ・ルク。」
男の口から出たチーム名は予想はしていても聞きたくない名前だった。
「パーフェクト・カスケイド・・・やはり投入してきたか・・・」
「これより任務を開始する。」
レイ・ルクが宣言するとスフィアデバイスが起動し光を放った。
「んあっ!?オラたちいつの間にこんなとこ来たんだ?」
目がくらむ光が明けるとそこはどこかの洞窟にワープしておりそこにはサッカーコートがすでに設置されていた。
「いきなりってわけか。」
「こいつらを倒せばサッカーを取り戻せるっちゅうことじゃろ!」
相手はもう準備万端らしい。11人そろってレイ・ルク以外の全員がポジションについていた。
ベンチには色の濃いグラサンをかけたおっさんがいた。
「あいつらを倒せば今度こそサッカーを取り戻せるんだ絶対に勝とう!」
天馬が全員を鼓舞するように言う。
いよいよ最強チームが出てきたんだ。こいつらを倒せばエルドラドとの戦いも終わりだ。
「天馬、翼!オラもやるぞ!」
「ええ!?でもいきなりは・・・」
「ロックスターの、友達の仇はとるんだ!」
「でも・・・・」
サッカーを覚えたてのトーブの申し出にさすがに答えあぐねる天馬。
「いいんじゃないか?さっき見たようにトーブのセンスは申し分ない。」
「ああ。それに、トーブの気持ちをないがしろにはしたくない。」
「神童先輩、翼・・・分かった。じゃあ一緒に戦おう、トーブ!」
「おう!!」
天馬も納得したようで狩屋に代わってトーブがDFに入ることになった。
「よし、始めろレイ・ルク。」
「君たちの勝率は限りなく0に等しい。」
男の指示を受け淡々と告げてくるレイ・ルク。
それにしてもこいつら不気味というか、違和感というか、まるでロボットみたいに表情も感情も見て取れない。
「絶対に負けない!勝ってサッカーを取り戻すんだ!」
いかがでしたでしょうか?
前回にちらっと見えたトーブの姿の謎はこういうことだったわけです。
なぜこの展開になったかはまぁ追々・・・
次回も早めに更新できるよう頑張ります。