二度目の人生とフェーダの姫   作:プライムハーツ

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どうも。
今回はみんな大好きあの回です。


時空最強の小市民

ハーフタイムに入り姿を現したザナークはグラウンドに降りてきていた。

 

「久しぶりだな。懐かしいぜ。」

「え?」

「何言ってるんですか?」

「ちゅーか、昨日会ったばっかりじゃん。」

 

昨日の試合が終わりすぐに姿を消し、今日また現れたにも関わらず久しぶりだというザナークの言葉にその場の全員が頭にハテナを浮かべる。

 

「そういうと思ったぜ。お前たちにとっては昨日でも、俺様にとっては何か月も前の話だ。」

「意味が分かりません。」

「何を隠そう、俺は長い長い特訓を終えてきた。」

「特訓?」「どういうことだ、ザナーク。」

 

説明になっていない説明をされ一向に一同の疑問は晴れない。

この場に茜がいれば理解できたのかもしれないが今はいない。

 

「ザナークだと?くくく。いいか、俺様の新しい名は・・・いや、後にしよう。切り札は後に取っておくものだ。石のじじい、お前との約束守ってやったぜ。」

 

そしてザナークは語りだす。昨日の試合後に姿を消してから今に至るまでのことを。

 

 

 

一方ラグナロクスタジアム内医務室

 

前半はこちらは終始押されっぱなしだったな。

それにフェイがあんなプレーをするなんて。

一緒にサッカーをしてた時からは考えられない。

 

「なぁメイ・・」

 

隣にいるメイアに声をかけようとしたところで肩に重みがかかったのを感じる。

 

「ちょ、メイア!?」

 

そちらを見やるとメイアが俺の肩に体を預ける形で寄りかかっていた。

いきなりのことに混乱する。

 

「別にそんなに慌てなくていいじゃない。私たち、その、両想いなんだし///」

「うぐっ///そうだけど・・・」

 

さっきまでと試合前のシリアスな感じはどこへ。

この部屋には俺たち二人きりとは言えいきなりこんな。

 

「い、一応ラグナロクの試合中だし、俺たちもまだ」

「ハーフタイムに入ったし、今だけいいでしょ?それに昨日、胸がいっぱいであまり眠れなかったの。だからお願い。」

「うぅ///分かったよ。正直俺も同じだし・・・」

 

身長差の関係で若干の上目遣いで見られてはもう何も言えない。

別に嫌ってわけじゃないし。

胸がいっぱいで眠れなかったのは俺も同じなので負担にならない程度にメイアのほうに体を預けてお互いが寄り添いあう形になった。

 

「それで?何を聞こうとしたの?」

「あ。そ、そうだった。あのさ、フェーダにいた時のフェイってどんな感じだったんだ?さっきみたいな感じだった・・・?」

 

フェイはセカンドステージ・チルドレンだった。

これまで俺たちが見てきたフェイとさっきのフェイは全く別人みたいだった。

どっちが本当のフェイなんだ。

俺にはこれまでの旅で見てきたフェイの笑顔が嘘だとは思えない。

天馬やみんなも同じだろう。

 

「・・・そうね。フェイは私たちフェーダの中でも特に孤独を抱えていたわ。唯一の肉親だった父親に捨てられて、SARUと出会ってフェーダに入るまではずっとひとりぼっちだった。」

「ひとりぼっち・・・」

「私も親に捨てられてみんなに迫害されてきた。けど私には幼馴染のギリスがいた。」

「ごめん・・・嫌なこと思い出させちゃって。」

「気にしないで。けど、フェイは違った。フェイはずっと一人で、唯一の心の拠り所はサッカーだったみたい。」

「サッカーが心の拠り所・・・」

 

フェイにとってのサッカーは俺とも天馬とも違うものなのか。

けど今はそのサッカーでみんなを傷つけてる。

 

「フェイはサッカーが好きだったんじゃないのかな・・・」

「・・・分からない。けど私が知ってるフェイは、フェーダのみんなとサッカーをしてる時は笑顔だった。記憶を封じて翼たちと旅してた時ほどじゃないけど。」

「それじゃやっぱりフェイはサッカーのことが・・・」

 

サッカーが大好き。そのことは変わらないはず。

前半戦のフェイは勝ってるのにどこか辛そうだった。

 

「けどフェイは今、私たちフェーダの一員として戦ってる。勝つのは私たちよ。」

「たしかに、俺たちは2点リードされてる。けど」

 

前半戦最後の天馬のあの感じ。

ずっと悩み迷いながら、フェイと戦いたくないと言っていた。

その気持ちが先行しすぎて終始本調子じゃなかったけど最後に見せたあの熱さ。

 

「天馬たちなら必ずここから巻き返してくれるって俺は信じてる。」

 

迷いを振り切れれば天馬なら必ずなんとかしてくる。

そこに疑いの余地はない。

 

「それに何かザナークも出てきたし・・・」

「ザナーク・・・ふん。」

 

俺は気絶しててザナークがどうなってたかは知らないけど何やら凄い特訓をしてきたらしい。

メイアはというと昨日の試合の事を思い出してふくれっ面だ。

 

「それにしてもザナークがミキシマックスしたっていうクララジェーンって、そんな偉人いたか?」

「さあ?私は聞いたことないわ。」

 

ザナークは大介さんに自分を試合に出すよう言っている。

どうやら豪炎寺さんが認めて輝と交代で出るみたいだ。

 

「さ、そろそろ後半戦が始まるわ。」

 

両チームがグラウンドに出てきた。当然かのようにザナークは雷門のユニフォームを来ている。似合わないな。

ハーフタイムが終わってちゃんと元の姿勢に戻ったメイア。少し名残惜しい。

いや俺も切り替えないと。

 

「ああ。この後半戦で全てが決まる。世界の運命も、俺たちの運命も。」

 

 

「エルドラドチーム03は影山に変わってザナークを投入して来たぞ~~!ここから2点差を巻き返せるのか~?ガルのキックオフで後半戦開始ぃ!」

 

後半戦開始早々、FWのユウチの強引な突破で太陽が弾き飛ばされる。

ボールはユウチからフェイへ渡る。

フェイは交代で出てきたザナークの出方を伺いながらドリブルで切り込んでいくが。

 

「な!?」

 

ザナークは自分の隣を抜き去っていくフェイを棒立ち状態で見送った。

まさかの対応にフェイも少なからず驚いていた。

 

「ザナーク!」

「焦るな焦るな。俺様の出番はまだ先だ。」

 

「フェイ、ここは通さない!」

「無駄だよ天馬!」

「うわあっ!」

 

止めに入った天馬も前半同様強引に突破するフェイ。

浜野と速水も激しいタックルに傷ついていく。

 

「フェイ・・・君の心は本当に俺たちから離れてしまったの?」

 

 

「行かせねぇぞ!たりゃああ!」

「くっ!トーブか。」

 

強引なプレーを繰り返すフェイにトーブがぶつかっていく。

前半戦で足を痛めてもなお力強いプレーでフェイのドリブルを止めてみせた。

 

「オラ、今のオメーに負けるわけにはいかねぇんだぞ。」

「・・・くっ。ユウチ!」

 

トーブの気迫に一瞬気圧されたフェイだったが空いた逆サイドのユウチにパスを出した。

トーブがフェイに突っ込んだ分、トーブの守備エリアががら空きになっていた。

誰もカバーに入れずユウチがフリーになっていた。

エルドラドチーム全員がピンチを悟った瞬間。

 

「はっ!ヒーローは忘れたころにやってくるってな!」

 

先程までセンターサークルにいたザナークがいつのまにかゴール前まで下がってきておりフェイからのパスをカットした。

知ってか知らずか試合開始直後のフェイのプレーを返したような形になる。

 

「いいぞザナーク!」

「どうだ?俺様のこの動き。だが、修行の成果はこんなものじゃないぜ!」

「くそっ!」

「そらっ!」

 

フェイがザナークからボールを奪おうと突っ込んだところでザナークは一気に前線へロングパスを出した。

 

「任せろ・・・うわああっっ!」

「レイザ!」

 

ロングパスを受け取ろうとしたレイザだったが空中でヨッカに当たられボールを奪われる。

しかしヨッカがボールを奪い着地した時にはまたザナークが駆け込んできておりボールを奪い返して見せた。

デイフェンスとオフェンス両面でガルを圧倒していた。

 

「みんな知りたいか?知りたいよな?クララジェーンの正体。」

「調子に乗るな!」

「おっと。邪魔しないでくれよ。俺様は今気持ちよく話しているところだ。」

 

ヨッカがボールを奪い変えそうとするも軽くザナークにいなされる。

本人の言うように気持ちよさそうに話を続ける。

 

「クララジェーンは破壊と災厄を運んでくる。」

 

天馬とレイ・ルクがボールを運んでいく。

この二人はガル相手にも渡り合えていた。

 

「ボールをよこしな!」

 

レイ・ルクからのパスを受けゴール前に切り込んでいくザナーク。

 

「あいつは流石の俺もビビりそうになってしまったぜ。すさまじい雨と風。人類史上最大の被害をもたらした巨大台風。それがクララジェーンの正体だ!」

 

ザナークはミキシマックスの時を思い返していた。全てを飲み込み破壊しながら進む巨大台風。

自分の内側からあふれ出てくる力とクララジェーンから降り注いだ雷。

その力を完全に取り込み制御した瞬間、時空最強の小市民は誕生した。

 

 

「巨大台風とミキシマックス~!?」

「マジで!?」

「どうしてそんなことが・・・」

雷門の面々が驚きの言葉を口にする。

時空最強イレブンを目指し色んな時代をめぐってきた雷門イレブンからしても信じられないようなことだった。

 

「分からねぇ!だが一つだけわかってることがある。クロノ・ストーンを手にしたとき、俺の中に熱い何かが入り込んできたってことだ。それからだ。俺の中で何かが暴れだすようになったのは。俺を突き動かす力。そいつは頭の中で何度も蘇ってきやがった。」

 

「もう一つのクロノ・ストーン・・・それって」

「守だ。サッカーを愛する守の思いとザナークの邪悪な力との戦いが奴を暴走させ心の奥深くに眠っていた真の力を目覚めさせた。そして最後の11人目として完成したのだ!」

 

クロノ・ストーンになってなお雷門を時空最強イレブンに導いてきた円堂大介。

それと同様に円堂守も時空最強イレブンの力を目覚めさせていたのだった。

そして大介がザナークを11人目として認めた。

 

「おっと。少しばかり喋りすぎたか。」

 

死角からのピノのスライディングも抜け目なく躱すザナーク。

ザナークが喋ってる間にガルは4人がかりでザナークを包囲していた。

しかしザナークはなおも不敵に笑う。

お決まりのセリフと共に。

 

「弱いやつほどよく吠える。だが知ってるよな?」

 

「俺は強いがよく吠える!」

 

「究極に強くなった俺は、吠えて吠えて吠えまくるぜぇっ!!!!」

 

 

「ミキシトランス、スーパーザナーク!!!」

 

 

オーラを解放しミキシトランスを遂げたザナーク。

その姿は特徴的だった瓢箪のような髪から稲妻を思わせるような形に変化し少しばかり筋肉質になっていた。

 

「これが巨大台風クララジェーンとミキシマックスした俺の新しい姿だ!!」

「ちゅーか、本当に巨大台風とミキシマックスしちゃったの!?」

「無茶苦茶です~!?」

 

「ザナーク改めスーパーザナーク。これからは俺様をそう呼べ!」

 

 

「いくぞぉ!!!」

「通すな!」

 

ザナークが唐突にプレーを再開する。

咄嗟にフェイが指示を出すがミキシマックスしたザナークの力はすさまじかった。

スピードもパワーも比べものにならなかった。

それでいて冷静だった。

天馬に一旦ボールを預け自分はマークについた4人を一瞬で振り切ってみせた。

 

「オラオラこっちだぜ!」

「任せた!」

 

目にも止まらぬスピードでゴール前まで切り込みキーパーのチェットと完全に1vs1。

 

「くらえ!これが俺の新必殺技だ!!」

 

 

「今ここに再誕する、グレートマックスなオレ!!!」

 

「スーーーパァーーーー!!!!」

 

 

「白尾神タマズサ!シキガミラインズ!!」

 

巨大台風の力を受け凄まじい熱風と雷鳴をまとったシュートに生み出した式紙で応戦しようとするタマズサだったが全く歯が立たず泣いてしまった。そして

 

「ゴーール!エルドラドチーム03、ついに1点を返した~~!」

 

 

「見たか、石のジジイ!今の俺は何だ?言ってみろ!」

 

「ああ。お前こそ時空最強イレブン11の力!灼熱の熱風と激震する雷鳴の力で全てを貫くオールラウンドプレイヤーだ!!!」

 

「そういうと思ったぜ。」

 

誰も疑う余地はなかった。

力に目覚める前、ザナーク・ドメインの頃から今に至るまで見せ続けていた圧倒的な実力。

オフェンスからディフェンスまで縦横無尽にこなし、自分の中の暴れ馬を完全に乗りこなしてみせた。ザナーク・アバロニクこそ11の力にふさわしいと。

 

「ザナーク、ありがとう!おかげで1点返せた!」

「くくく、ははははは!」

 

自分の力を大介に認めさせた満足感以上のものがザナークの胸に渡来していた。

天馬たちと出会ってから見せた中で一番晴れやかな高笑いだった。

 

 

「あれがザナークのミキシマックス・・・」

「凄いパワーだな。」

 

さっきまではフェイたちガルが完全に押してこのまま私たちフェーダの勝利でこのラグナロクは終わると思っていたのに。

ザナークが出てきてから明らかに流れが変わった。

ガルのみんながザナーク一人に翻弄されて、松風天馬たちもその勢いにのってついに1点を返してきた。

本当にあの男は破天荒すぎて計算のしようが無いわ。

SARUが良い力を持ってると言ってただけはある。

けど

 

「あのネーミングセンスはなんとかならないのかしら・・・」

「え、そう?かっこよくないか?スーパーザナーク。」

「えぇ・・・・・」

 

なんでちょっと通じ合ってるのよ。

大人びたところあるのにこういうところは子どもっぽいのね。

それとも男の子ってみんなこんな感じなの?

 

別にそういうわけではない。この男、センスは1度目の中学生のころから変わってないのであった。

 

 

「あと2点、あと2点だ。」

「ザナークが変えてくれた流れを呼びこもう!」

「ああ!」

 

試合開始からこれまで完全にガルに押されっぱなしだったエルドラドチーム03。

しかしザナークの得点で息を吹き返したか。

チーム全体が前を向き始めた。

 

 

「フェイ、俺は必ずこの試合に勝つ。勝って君に分かってもらう。」

 

「無駄だって言ってるだろ天馬。君たち古い人間は僕たちセカンドステージ・チルドレンに淘汰される存在なんだ。・・・徹底的にいくよ。」

 

「フェイ・・・」

 

 

試合再開

またしてもフェイがドリブルで上がっていく。

すかさず天馬が詰め寄るが躱される。

 

「やるなフェイ!」

「当然さ!」

「けど、これならどうだ!」

 

しかし先程までと違いすぐに食らいつく。

ザナークがもたらした勢い。最も影響を受けていたのは他ならぬ天馬だった。

1vs1でボールを奪い合う最中も天馬はフェイに語りかける。

 

「フェイ。これでも君は俺たちと分かり合うことは出来ないって言うの?」

「僕たちセカンドステージ・チルドレンと君たちは分かり合うことなんて出来ない!」

「そんなことはない!昨日の試合で翼が証明してくれた!俺たちは分かり合える、お互いを高めあえるんだ!」

 

天馬は昨日の翼とメイアの戦いがを思い出していた。

お互いに全力でぶつかりあって、敵同士なのにお互い高め合っていた。

翼から聞いたこれまでの話。確かに二人の間には絆が芽生えていた。

そしてそれは自分とフェイの間にもあるものだと信じていた。

 

「くっ・・ユウチ!・・・僕の気持ちは変わらない、変えようがないんだ!」

 

ユウチへパスを通すフェイ。しかしこのパスは明らかに逃げのパスだった。

パスを受けたユウチはシュート体勢に入る。

 

 

「豪雪のサイア!アイシクルロード!!」

 

「化身か!」

「俺に任せろ!」

 

「戦旗士ブリュンヒルデ!アームド!!」

 

ユウチの化身シュートを霧野が化身アームドで防いだ。

 

「霧野先輩が化身アームドを!」

「ウホ~オラも負けてらんねぇぞ」

 

霧野が弾いたこぼれ球を速水が抑えるもローコに奪われる。

ボールはフェイに渡る。

 

「行かせねぇぞ。」

「くっ・・ミキシ・・・」

 

フェイが咄嗟にミキシトランスを発動させようとしたが踏みとどまった。

 

「光速闘士ロビン!満月ラッシュ!!」

 

「オラだって化身だ。太古の戦士ジャガウォック!アームド!!」

 

「トーブも化身アームド!?」

 

「おりゃああああ!」

 

「ナイス、トーブ!」

 

「ウホ~~!っ痛ち~!!」

 

化身を発動したフェイのシュートを今度はトーブが化身アームドでブロックした。

ラグナロク第一戦で放ったときより格段にパワーを増していたが弾いて見せた。

 

「フェイ、オメー何でミキシマックスしなかったんだ?」

 

「・・ミキシマックスの力なんて必要ない。僕にはこのセカンドステージ・チルドレンの力があるんだ!」

 

「ビッグとの約束も忘れちまったのか!」

 

「っ!?」

 

フェイの脳裏に恐竜時代でのビッグとの思い出が蘇る。

同じ孤独を共有し絆を育んだ友達。

力を借りて戦い抜くと誓った約束。

 

「オメー、仲間のもとに戻ったのに前より寂しそうだぞ。」

 

「そんなことはない!」

 

「オラたちといた時より強くなっても、今のオメーにオラは負けるわけにはいかねぇ!」

 

トーブにとっても大切な友達であるビッグ。

そのビッグと深い絆で結ばれて得た力をも否定しセカンドステージ・チルドレンの力で戦おうとするフェイにトーブは負ける訳にはいかなかった。

 

 

「よし、良いぞトーブ!」

フェイのシュートが止められた。

隣にいる翼も試合に入り込むように声を上げている。

 

「彼ら、さっきまでと士気が全然違う・・・ザナークのシュートで勢いがついたのね。」

この試合通じてずっとガルが押していてエルドラドチームは前半だけでかなり疲弊してたのに。

今は完全に互角に渡りあってる。けど1点返しただけでどうしてここまで。

「ああ。けどそれだけじゃない。」

「どういうこと?」

「天馬だよ。」

「松風天馬が?」

 

翼はその理由が松風天馬にあると言う。

 

「天馬がみんなを支えて、力を与えてるんだ。前半戦終了直前の天馬のあのプレーから流れは変わり始めてた。そこにザナークが加わって完全に勢いづいてるんだ。」

 

前半終了直前に見せた松風天馬のプレー。

たしかに彼の動きはあそこから大きく変わった。その後のトーブって子のシュートブロックもそう。

 

「前半はフェイのことで動揺してたみたいだけど今は違う。覚悟を決めて前を向いた天馬は周りも巻き込んで力を与える。そんな不思議な力があるんだ。ああなったら早々止められないぜ。」

 

グラウンドでは今も松風天馬を中心とした攻撃が続いている。

ガルのみんなも前半のような余裕は全く無くなっていた。

これが松風天馬の力。アーサー王の世界で目の当たりにしてはいたけどここまでとは。

 

 

ボールは浜野からレイザへ、レイザから天馬へ渡った。

 

「天馬ーー!!」

「フェイ!」

 

トーブの言葉を振り切るようにボールを追いかけ戻ったフェイが天馬に肉薄する。

 

「これが君と僕の、最後のサッカーだ!!」

 

「俺たちに最後なんてない!この試合が終わってもいつだってサッカーは出来るよ!」

 

天馬とフェイ。お互い全く譲らない。ボールも心も。

フェイが力ずくでボールを奪おうとしても天馬からボールは奪えない。

 

「フェイ!」

「・・・これが僕のサッカーさ。」

 

吐き捨てるように漏らすフェイ。しかしその声は震え、天馬から目を逸らしてしまっていた。

 

「違う!こんなのフェイのサッカーじゃない!」

 

精神的に押され始めたフェイでは今の天馬は止められなかった。

得意のドリブルで今度こそフェイを抜き去る。

 

「レイザ!」

「ザナーク!」

 

「何度言わせるつもりだぁ?俺は名もなき小市民!スーパーザナークだ!」

 

そしてついにザナークにボールが繋がった。

凄まじいスピードでゴール前に駆け上がっていくザナークをガルのDF陣が止めにかかる。

 

「超巨大台風の脅威、身に染みて味わってもらうぜ!!」

 

「「うあああっ!?」」

 

しかし今のザナークをは止まらない。

まさに台風のごとき力でDF3人をまとめて吹き飛ばしてしまった。

 

 

「今ここに再誕する!グレートマックスなオレ!!!」

 

「スーーーーーパァーーーーーー!!!」

 

 

 

「ゴーーール!ザナーク、いやスーパーザナーク!同点の2点目を決めた~~~!」

 

 

 

「フェイ。たとえ敵と味方に分かれても俺、嬉しいよ。フェイとサッカーが出来て。」

 

「天馬・・・」

 

 

 

「そうはさせない。」




いかがだったでしょうか?
リアルタイムのゲームでこのシーンを見た時本当に大声で爆笑しました。
ザナークが出てくるとそ全部持っていってしまいます。助けてください。

先生、仲間がめちゃくちゃ大切な試合してるのにほぼ自室サッカー観戦デートしてる二人がいます。

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