ダンボール戦機側については温かく見守っていただけると幸いです。
大声援に覆われたスタジアムでは尚も両チームの激しいぶつかり合いが繰り広げられていた。
天馬が、翼が、円堂が、豪炎寺が。22人全員が力をぶつけあっている。
「流石だ。円堂さんたちの動きには無駄がない。」
天馬はレジェンドジャパンのプレーのレベルの高さを肌で感じ取っていた。
だからこそチームとして連携して戦っていくためにフィールド全体を視野広く見わたそうとしていた。
そんな天馬だからこそ激しい試合の中にあっても気付いた。
関係者以外立ち入るはずがないフィールドの脇に一人の女の子がいたことを。
「どうした天馬?」
「翼・・あそこに女の子が」
「女の子?・・・ってあれは」
翼が天馬が指差す方に目を向けようとしたところで異変に気付く。
フィールドを覆う巨大な影の存在に。
フィールドにいる、いやスタジアムにいる全員がスタジアム上空に浮かぶ物体。要塞のようなものに気付いた。
そしてそこから何かがフィールドに降ってきた。
隕石でも落ちたかのような衝撃によって待った砂煙が晴れるとそこに一人の少年が立っていた。
ドレッドヘアーを青いバンダナでまとめた鋭い目つきの少年だった。
「ああっと!突然の乱入者によって試合が中断してしまった!!」
「俺もいれてくれないかな・・・サッカー!」
少年の足元にサッカーボールが現れたかと思った次の瞬間、レジェンドジャパンゴールに凄まじい速度のシュートが蹴りこまれていた。円堂ですら反応できなかったシュートに全員が言葉を失っていた。
「誰だお前は!?」
「消えるお前たちに、答える必要はない。」
敵対心を明確にした乱入者に新生イナズマジャパンのメンバーが立ち向う。
天馬や錦は化身アームドを他のメンバーも飛び掛かる。
「待てっ天馬!!」
「遅い!!」
翼の静止も間に合わない。乱入者はその身に炎のようなオーラを纏い突撃する。
シュートと同様の凄まじいパワーに全員が蹴散らされてしまう。
「ディメンションストーム!!」
「うわああっ!!」
そのまま今度は新生イナズマジャパンのゴールへ必殺シュートが放たれる。
信助はなすすべもなかった。
「なんてことしやがる・・・」
「酷いっす!」
傍若無人ともいえる暴れっぷりにレジェンドジャパンの面々も唖然としていた。
「サッカーなんてもう辞めないか?」
「何?」
「ボール遊びで勝敗を争うなんて、くだらないだろ?」
圧倒的なサッカーの実力を見せつけた上で少年が放った言葉は耳を疑うようなものだった。
サッカーの夢の祭典が行われているこの場に最もふさわしくない、サッカーをボール遊びと軽んじる言葉。誰もがその言葉を許すことは出来なかった。
爆発したのは剣城だった。
「貴様・・・サッカーを、侮辱するな!!」
「待てっ剣城!」
剣城が少年に掴みかからんとするその瞬間会場中からいくつもの轟音が鳴り響く。
スタジアムのそこかしこで爆発が起きていた。突然の爆発にスタジアムはパニックに陥り観客は大急ぎで避難していた。
「爆発!?」
「何が起こったぜよ!?」
混乱していたのは観客だけではない。天馬たちプレイヤーたちも突然の出来事に混乱していたがすぐに次なる異変に気付く。
空を覆う影。よく見れば秘湯一つは小さな影。
尋常ではない数のプラモデルのようなロボットが会場を覆っていた。
それだけではない。そのロボットは一つ一つが光線銃のような武器を携えて、会場を破壊していた。
かつてセカンドステージ・チルドレンが利用していたアンプルガンに比べると威力は控え目でも圧倒的な物量にスタジアムはみるみるうちに破壊されていく。
「こんなことが・・・」「今度こそ宇宙人っす~!」「こいつら・・・」
「サンのやつ、やっと動き出したか。」
観客が逃げ出し無人となったスタンドに一人の少年がいた。
「アスタも張り切ってるみたいだね。さあ、ショーの始まりだよ。」
サンと呼ばれた少年はグラウンドにいるアスタとは対照的に理知的な印象を与える美少年だった。
その手に握られたコントローラーのようなものから投影されたディスプレイにはスタジアム全体の状況が映し出されていた。会場を襲っているロボットを操作しているのがサンであることは明白だった。
「一体どうなってるんだ!」
観客が全員避難し、既にスタジアムにはアスタとサン、そして新生イナズマジャパンとレジェンドジャパンとマネージャーたちのみになっていた。
会場を襲うロボットたちは直接天馬たちに攻撃はしてこないが逃がさないように全員を包囲していた。
「くっ・・どうすれば・・・」
「無駄なことだ。」
この混乱の最中アスタはいたって平静を保っていた。赤と青のロボットもアスタには一切の危害を加えていない。この攻撃はアスタ、もしくはその仲間のものであると天馬たちが理解するには十分だった。
「お前たちは、消される運命なのだ!」
「くそっ、まさかここまでとは。メイア!聞こえるか?」
何か仕掛けてくるだろうとは思っていたがこの規模は想定外だ。
非常時に備えてポケットに入れていたインカム型デバイスでメイアに連絡をとる。
「ええ!大変なことになってるみたいね。もうすぐそちらに着くわ。もう少しだけ堪えてちょうだい!」
メイアたちが来てくれればTMキャラバンで何とか脱出出来るかもしれないがもう少し時間がかかるらしい。
「堪えてって言ったって・・・ん?何だこの音は?」
どこかから飛行機のエンジン音のようなものが聞こえてくる。
みんなにも聞こえたようであたりを見回す。
これ以上の新手は勘弁してほしい。相手の反応を見るためにさっきの男の方を見る。
「っていない!・・・・いつの間に」
しかしドレッドヘアーの男の姿はそこにはなかった。
少し目を離した隙に。やはり相手も何かしらワープのような移動手段があるらしい。
けど新手なら姿を消す必要はないはず。ということは奴らの味方じゃないのか?
「また新しいのが来た!」
さっきの男の行方に気を取られているたが信助の声で我に帰る。
信助が指さす先にはスタジアムを襲っている赤と青の奴らとは明らかに姿かたちが異なるロボットが9体いた。全部同じ見た目の赤と青のやつとは違って9体それぞれが独自の形をしている。
そして新しく来た9体は赤と青のロボットを攻撃し始めた。
まるで俺たちの必殺技のようなもので次々に敵のロボットを蹴散らしていく。
「すごい・・・」
「一体なぜ、ロボット同士が戦ってるんだ?」
「だが、新しくやってきたやつらは俺たちから戦いを遠ざけようとしているように見える。」
「きっと彼らは俺たちと同じ立場なんだ?」
「何か知ってるの?翼。」
「詳しいことは後で話す。この場を切り抜けることが出来たら、な。」
少なくとも新しくきた奴らは今の所敵ではない。どんどん赤と青のロボットを倒してくれてる。
けどあまりにも数が違いすぎる。このままじゃ無理だ。
俺たちも何か手伝えないか。
「みなさん、聞いてください!」
「「うわっ!?」」
新しく来たロボットの内一体が俺たちのほうに飛んできたかと思ったらロボットから声が聞こえた。
俺たちと同い年くらいの男の子の声だ。
「聞こえますか?サッカープレイヤーのみなさん!」
「ロボットが喋ってる!」「気をつけろ!敵かもしれないんだ!」
「違います!僕たちは味方です!」
警戒する白竜に対してロボットは自分たちは味方だと言う。
するともう一体やってきた。
「敵の数が多いんです!みなさんの力を貸してください!」
同じく男の子の声。声から受ける印象はもう一体よりも凛々しく成熟した雰囲気を感じる。
「俺たちの力を?」
「そりゃ力になれるらなりたいけど。」
「一体どうしろと?」
必殺技を打とうにもこれだけの数相手じゃ。
「あのスコアボードを見てください。中には相当の電源回路が集中しているはずです。」
「僕たちが敵を引き付けます。そこで皆さんはあれに必殺シュートを叩きこんでください!」
「あれを壊そうんですね?」
壊すんですねって簡単に言いますね、天馬くん。
「はい。回路を破壊し大電流でショートさせて敵のLBXを倒します。」
LBXっていうのは多分あのロボットのことだろう。
「では、お願いします。」
「行っちゃった・・・」
「どうする?」
こっちの返答を待たずに2体のLBXは飛び去って行った。
みんな信じていいのか迷っている。
「やりましょう!俺、思うんです。彼らは必死に戦ってくれてる。だから信じてみようって。」
「俺も賛成だ、天馬。」
このスタジアムに来てからの彼らの戦いを見ていればこちらに敵意がないのはなんとなくわかる。
それにこのまま何もしなければやられるだけだ。
「分かった。天馬、みんなに指示を。」
「はい!」
「俺も化身でやりますよ!」
円堂監督からも許可が降りた。
修繕費は最悪エルドラドが出してくれるだろう。
手元にあるボールは3つ。
威力に期待ができるメンバーにそれぞれ渡される。
俺のデスロスも必殺技が向いてるしボールも必要ないから参加する。
俺たちが位置に着いたのと同時に9体がスコアボードの前に集結した。
当然赤と青のやつらはスコアボード前に集中しだす。
「よし、今だ!」
そうしてギリギリまで引き付けて彼らのLBXに必殺技のようなものが放たれたのを確認して天馬が合図を出す。
「「ファイアトルネードDD!!」」
「こっちもいくぞ!」
「「おう!」」
「「「イナズマブレイク!!」」」
「俺らも一発決めるか!」
「「「ラストデスゾーン!!」」」
「全力でやるぞ、デスロス!破壊弾幕!!!」
試合で使う時以上に全力全開、相手を怪我させたり周りの迷惑も全部無視の破壊弾幕。
正直めちゃくちゃすっきり。ギルの実験に付き合ったことがここで活きてくるとはな。
3つの必殺シュートと俺の破壊弾幕、そしてLBXの必殺技が打ち込まれたスコアボードは想像以上の超大爆発を起こした。彼らが言った通りにとてつもない電流で9割くらいの敵LBXが破壊された。
すると残ったやつらもどこかへ飛んで行った。恐らく撤退したんだろう。
そして協力してくれた9体のLBXも去っていった。
「敵を見くびっていたね。」
「サン。お前、手を抜いたよな。まさか、戦いを長引かせて楽しもうなんてしてないよな?」
「違うよアスタ。少し予定外だっただけさ。僕が姉さんの悲しむことをするわけないだろ。・・・心配はいらないさ。後は姉さんがやってくれるさ。最後の仕上げを。」
「恐怖は人から心の力を奪う。」
「何とか凌いだか。」
なんとか窮地を凌いで一息つく。
本当に死ぬかと思った。
「翼、さっきのは一体なんだったの?何か知ってるんだよね?」
「ああ。それについてだが「な、何だあれは!?」」
天馬に今回のことを説明しようとしたところで鬼道さんが何かに気付いた。
スタジアムの屋根の上に何かがいる。
遠くてよく見えないが何か禍々しいオーラのようなものを放っている。
それを見てこれから起こることを理解した。
「しまった!みんな逃げろ!」
「え?」
次の瞬間、紫色の光のようなものが放たれた。
そして
「うわわわ!!??」
「これは一体何ぜよ!?」
光に触れた客席やゴールといったものが消滅していく。
そしてその光はどんどん俺たちの方に迫ってくる。
「天馬、翼!早く逃げろ!」
「円堂監督!?」
迫りくる光に円堂監督が立ちはだかる。
「魔神グレイト!!」
「グレイト・ザ・ハンド!!!」
円堂監督が化身の力であの光を正面から受け止める。
あの光を受け止めるなんて信じられない。けれど分かってしまう。
そう長くは保たないことを。
「円堂!」
「豪炎寺、鬼道!」
レジェンドジャパンのみんなが円堂監督を支える。
けれどそれでも光を抑え込むことは敵わない。
「みんな!こっちだ!」「早く!」
どうしようもなくみんなが立ち尽くしかけたところでTMキャラバンが遂に駆け付けてくれた。
扉が開くとフェイ、そしてメイアがいた。
みんながTMキャラバンに乗り込んでいく。
これなら円堂監督たちもそう思い振り返る。
けれどダメだった。
光は勢いを増した。
「円堂監督!!」
「みんな!!サッカーは、負けない!!」
そう言い笑って見せ、次の瞬間。
円堂監督たちは光に呑まれて消えた。
「うああああああああ!!!」
このスタジアムで初めてベータと戦った時のことを思いだす。
スフィアデバイスによる封印からフェイをかばった時、俺たちは何も出来なかった。
今度もそうだ。また俺たちは円堂監督に守られてしまった。
「天馬!翼!早く!」
思わず膝をつきそうになったところでフェイの声で我に帰る。
そうだ。ここで俺たちまで消されてしまったら円堂監督たちの犠牲は無駄になってしまう。
「天馬!」
「うん!」
迫りくる光を背に走る。
「くっっダメだ!!限界だ!!」
天馬が乗り込んだところでTMキャラバンが浮上する。
俺のすぐ後ろまで光は迫っていた。
光が俺を飲み込むその瞬間。
「翼!!」
「メイア!!」
伸ばされた手を取った!
「あ、危なかった~~~~~」
本当に本当に紙一重のところで助かった。
メイアに手を引かれる勢いのまま車内に身を投げ出した。
一瞬でも遅かったら俺は消されてただろう。
「助かったよメイア・・・って」
呼吸を整え目をあけるとそこには顔を赤くしたメイアがいた。
性格には四つん這いの俺の下に。
それはまるで俺が押し倒したような体勢で。
「ご、ごめん///そんなつもりじゃ///」
「わ、分かったから早くどいて///みんな見てるから///」
「おっほん!」
誰かがわざとらしく咳払いをする。
「あっ///」
周りを見るとみんなが俺たちのほうを十人十色の表情で見ていた。
「こんな時にいちゃついてんじゃねぇ!」
「大胆。」
「木枯らし荘ではいつもあんななの?」
「翼くんは積極的だね。」
「そんな目で見るな~~!!」
視線に耐えられず慌てて立ち上がろうとすると俺にしか聞こえない小さな声で
「また二人きりの時にね♪」
囁くメイアだった。
一旦仕切り直したところで下を見るとそこには信じられない光景が広がっていた。
「スタジアムだけじゃない。地面がつぎはぎだらけだ。」
まるで異なる絵柄のパズルを無理矢理はめ込んだような景色が広がっていた。
それはまさに異なる世界を繋ぎ合わせたように。
「あれ、スタジアムの上を飛んでたやつじゃない?」
窓の外には小型の戦闘機のようなものが飛んでいた。恐らく一緒に戦ってくれた彼らの機体だろう。
「追いかけよう。」
「ええ。きっと彼らも私たちと同じように、彼らと戦う存在よ。」
「俺たちが知ってることも彼らと合流した後に話すよ。」
光に消えゆく町を後に俺たちの新しい戦いが始まった。
「逃げられてしまったな・・・」
「何か今までとは違うね。どうしようか。」
「・・・あの人たちには必ず消えてもらう。人の未来のために・・・」
いかがだったでしょうか?
ダン戦サイドは自分なりに書いてみました。
何度見てもフランの力は別次元すぎると思います。
あとデスロスは正直主人公が使う化身とは思えないくらい凶悪すぎるのでは?
隙あらばいちゃつく主人公とヒロインですがこの作品では違う主人公とヒロインも描いていきたいなと思ってます。
コメント、感想あればよろしくお願いします。大変励みになります。