どうでもいいことではありますが、「音無先生」を何度か打っていると「オチ無し先生」という最悪の誤変換をしてしまうことが割とあります。
はい。
翌朝
残ったメンバーはサッカー棟に集合していた。
しかし、部室への立ち入りが禁止されていた。
「サッカー禁止令のせいだよね…」
「ああ、俺たちが歴史を戻せなかったから…」
そこに音無先生がやってきた。
「音無先生」
「こんなことになってしまって、円堂監督が生きていたら何て言うでしょうね…」
「え」
円堂監督が生きていたら?何を言っているんだ。
「そんな!?円堂監督が亡くなった!?」
「どういうことですか?」
「どういうことって、みんなでお葬式にも行ったじゃない。」
そういって音無先生は一つのネットニュースをビジョンに映し出した。
そこには円堂監督があのサッカー親善試合の日に交通事故でなくなったと書かれていた。
「こんなの嘘です!円堂監督は生きています!」
天馬は言い切って見せる。
「円堂監督が…生きてる…」
信じられないといった表情の音無先生だったが俺たちの確信を持った顔を見ると
「…分かったわ。天馬くんが言うなら信じる!」
どうやら信じてくれたようだ。
「音無先生、僕のことは分かりますか?」
「ええ。フェイくんにワンダバよね、未来からやってきた。」
どうやらフェイたちの記憶は残っているようだ。つまり
「円堂監督に関する歴史だけが書き換えられてるようだね。」
そう結論づけたるフェイ。
ワンダバ曰く、どうやら円堂監督が封印されたことで円堂監督がこの世に存在しないかつ、ほかに影響が出ないよう歴史がつじつま合わせをしているらしい。
俺や、水鳥先輩、錦先輩のお馬鹿組にはなんのことやらといった感じだ。
しかし、うかうかもしていられないらしく、早く何とかしないと歴史が定着してしまうらしい。そのためには早く奴らを倒すしかない。
「倒しましょう。プロトコル・オメガを倒してみんなを取り戻しましょう!」
「そのためには、やはり化身アームドを身につけねばなるまい。それと翼の化身の制御もだ。」
ワンダバが力強く言う。
「僕たちにも化身アームドできるのかな?」
「分からない。それでも君たちの内の一人でも多く化身アームドを身につけられれば、可能性は大きく上がるはずさ。」
「とにかくやるしかない。」
「その通りです。サッカーを取り戻せるのは、この歴史が間違ってると知ってる俺たちだけなんです!そのためにも力をつけるために特訓だ!」
「うん!」
しかし、問題があった。
サッカーの練習が出来る場所がどこにもないのだ。
部室も閉鎖。学校のグラウンドも、河川敷も、町内のグラウンドすらもサッカー禁止の立札がされていた。
「予想はしていたけど…」
「サッカーできる場所がないよ。」
「強くならにゃならんのに!」
「これでは特訓どころではない。サッカー禁止令の影響がこんなにも大きいなんて…」
「サッカーを取り戻すには強くならなきゃいけない。けど強くなるために特訓するにはサッカーを取り戻さないといけない。堂々巡りだな。」
みんなして途方にくれていると音無先生の携帯が鳴った。
「メール…豪炎寺さんから?」
メールで豪炎寺さんに鉄塔に呼び出された。
「久しぶりだな。」
豪炎寺さん。元イナズマジャパンのメンバーにして円堂監督の親友。フィフスセクターの聖帝として潜り込み人生を賭けてサッカーを守ろうとした人。
豪炎寺さんがフェイたちに目を向ける。そうか、豪炎寺さんはフェイたちを知らないんだ。
フェイが慌ててワンダバを隠し音無先生とヒソヒソ話をしている。どうやら豪炎寺さんに事情を話して協力してもらうかどうかの話をしているらしい。だがフェイは自分たちと違う時間に生きている豪炎寺さんには難しいと言っている。
すると、豪炎寺さんが口を開き
「ここに来てもらったのは他でもない。……円堂を、円堂を助ける手助けをしたい。」
俺たちが思いもよらなかったことを言い放った。
「「「え!?」」」
「これ以上、エルドラドによる、歴史介入を許すわけには行かない!」
「エルドラドを知っているんですか!?」
思わずフェイが問うと豪炎寺さんは頷いた。
「どうしてあなたには歴史への介入の影響が出ていないんですか?」
「おそらくこれのせいだろう。」
「それは、タイムブレスレット!?」
「タイムブレスレットって優一さんも持っていたものと同じだ。」
豪炎寺さんの腕には優一さんが持っていたものと同じブレスレットがあった。
「確かに、タイムブレスレットのようじゃな。」
いつの間にかアルノ博士がいた。
「アルノ博士ですね。」
どうやらアルノ博士のことも知っているようだ。
「タイムブレスレットには時間を越える力があるから、タイムパラドックスの影響を防御できるんじゃ。」
「どうしてそれを?」
「支援者Xが直接送りつけてきた。メッセージとともに。」
「支援者X?」
みんな聞きなれない名前に一様に首をかしげる。
「俺がフィフスセクターの聖帝だったころ、千宮路大悟は支援者Xに莫大な支援を受けていた。新世代の子供たち、セカンドステージチルドレンの発掘のために。天馬や翼もその候補の一人だった。」
「俺たちも?」
セカンドステージチルドレン?なんだそれは。
豪炎寺さん曰く、支援者Xは謎に包まれた存在らしい。だが、豪炎寺さんに俺たちとプロトコル・オメガとの戦いを送りつけ、タイムブレスレットも用意してきた。豪炎寺さんは円堂監督を救うために支援者Xを信じることにしたらしい。
「なるほどの。タイムブレスレットは我々の時代でも限られたものしか手に入れられない物。その支援者Xとやらはわしらと同じ時代の人間と見て間違いないじゃろう。」
アルノ博士が断言する。確かにそう考えるのが妥当か。
「とにかく今はプロトコル・オメガを倒し、円堂を救う。そしてサッカーを取り戻すんだ。」
「そうなんですけど…」
天馬が所在なさげに言う。そう、サッカーができるところがないんじゃ。
「大丈夫だ。世界で唯一サッカーができるところがある!」
そんな俺たちに豪炎寺さんは驚きの言葉をかけてきた。
「嘘!?どこですか!?」
「ゴッドエデンを使うといい。」
「ゴッドエデン!?」
思いもよらない場所の名前が出てきた。
「どういうところなんだ?」
今度はワンダバたちにとって知らない言葉が出てきたことでワンダバが質問する。
「フィフスセクターが優れた才能を持つ子供たちを集め鍛えていた施設だ。セカンドステージチルドレンを生み出すために。」
どうやら俺たちとゼロとの戦いのあと、ゴッドエデンを閉鎖したらしい。
外部に一切知られておらず、外界とは隔絶したあの島ならサッカーができるという。
サッカーができる。そんな希望が出てきたことで俺たちの顔がほころぶ。
「何かあればいつでも連絡してきてくれ。力になれるかも知れない。」
「ありがとうございます。豪炎寺さん。」
「それでは出発するぞ!」
「「「「おう!!」」」」
こうして俺たちはゴッドエデンに向かった。
懐かしいな…
「頼んだぞ、みんな。」
天馬たちを見送った豪炎寺は音無と別れ、帰路に着いていた。
(これからも何があるかわからない。できる限りの準備をしてかなければ…)
今後のことについて思案しながら歩いていると
「豪炎寺修也ね。聞きたいことがあるのだけど。」
突如、背後から声をかけられ慌てて振り向く。
そこには一人の少女が立っていた。
「誰だ?」(気配を感じなかった。一体…)
「そんなに警戒しないでもいいわよ。…そうね、セカンドステージチルドレンといえば分かるかしら?」
「何?」
ゴッドエデン
「ついたぞ!」
「ここがゴッドエデンスタジアム…」
「うわぁ、懐かしい~」
「変わってないな!」
あの時と全く変わっていないゴッドエデンスタジアムの空気に思わず気分が高ぶる。
「天馬~ボールあったよ~!」
そして特訓が始まった。
どうすれば化身アームドできるのか。アルノ博士に聞いてみたが
「ワシにも分からん!ワシは時空の理論には強いがサッカーのことはてんで分からんのじゃ。」
とだけ言い残しまた姿を消してしまった。
ワンダバ曰く、化身アームドは化身を身にまとうことで化身の力をより効率よく使うことが出来るらしい。理屈は分かるがどうすれば出来るようになるかの答えは持ち合わせていないようだ。
するとフェイがやってきた。
「化身の声を聞くんだ。」
「「化身の声?」」
「魔神ペガサスアーク!!」
「集中して、心の耳を澄ませ。」
そういわれ天馬は目を閉じ集中する。
「そして一気に力を解放する!」
「アームド!!」
フェイの合図で天馬がアームドを試みる。しかし、やはり上手くいかない。
「やっぱり難しいな…」
「もう少し分かりやすく説明するぜよ。」
「こればっかりは感覚の問題だからね…けど、僕が言えることは化身を感じ、声を聞き、気持ちを一つにすること。」
「化身の声…分かったやってみるよ!」
そして各々特訓を始めた。
気を高める剣城。精神を研ぎ澄ます神童さん。化身に飛び込む信助。直接語りかける錦先輩。みんなそれぞれ自分なりのアプローチで化身と向き合っていく。
そんなみんなと少し離れたところで俺は化身の制御と向きあう。
「破壊神デスロス!」
暴走しないよう、化身の力を押さえ込み操る感覚をイメージする。
「あ。クソッ、ダメか…」
しかし発現し、暴走した前回とは逆に化身の発現に失敗する。
「このままじゃダメだ。暴走するか出せないかじゃ。ちゃんとコントロールできるようにならないと…」
この二つのちょうど間の感覚が必要なのだろうか。化身使いの仲間に聞いても初めて発現して以降はずっとコントロールできていたらしくアドバイスらしいアドバイスはもらえなかった。
「けっ!天才どもめ!」
思わず毒づく。
「苦戦しているみたいだね、翼。」
「フェイか。ああ、俺も早く制御できるようになってみんなの力になりたいぜ。」
「翼の化身は通常の状態でもすごいパワーだよね。それこそ普通の化身とは比べ物にもならないくらい。完全にコントロールすれば化身アームドにも対抗できるくらいさ!」
フェイは明るく元気づけてくれる。
「ああ。けど、俺の力が化身に追いついていないのかもしれない…。」
「けど、初めて化身を出せたときは制御できたんでしょ?」
「うん。あの時はなぜか出来たんだ。けど、その時は夢中だったし試合後もいろいろあってあまり感覚を覚えてないんだ。」
ホーリーロード決勝のドラゴンリンク戦で俺は初めて化身を出すことに成功した。
あの時は化身を思い通りに操ることができた。まぁ、初めてだったこともありすぐにガス欠になってしまったが。
「僕もあそこまでのパワーの化身はあまり見たことがないからなぁ。けど、君なら自分にハマる感覚を掴めれば必ず出来るさ!」
「フェイ…ああ!ありがとう!」
フェイは天馬とは違った暖かさがある。正直、正体は未だによく分かっていないが本当に良いやつだってことは分かる。だからこそ、一緒に闘っていける。
そんなことを思いながら特訓に打ち込んでいた。
特訓も一段落付き休憩していると上空からUFOのようなものが飛来した。
そこから出てきたのは
「プロトコル・オメガ2,0!?」
「ではない。」
プロトコル・オメガのメンバー5人が現れた。
「エイナム」「レイザ」「クォース」「ザノウ」「ガウラ」
「我らアルファに従う、チームA5。」
「チームA5?」
「精鋭5人というわけか。」
「この島で化身アームドを身に付けようとしているらしいが…笑わせる。その前に仲間と同じようにしてやる。」
仲間と同じように。洗脳するということか。
「サッカーバトルということか」
「俺たちが勝ったらみんなを元に戻してもらうぞ」
「いいだろう。」
そう言いはしたが果たしてどうだろうか。奴らからは誠実さを感じない。
そしてサッカーバトルが始まった。
バトル前、フェイが化身アームドを身につけるためには実践が一番だと提案したことで俺とフェイがメンバーから外れた。
「行くぞ!」
「ふん、この島での戦いはパラレルワールドによる共鳴現象は起きない。よって化身アームドが起きることもない。シュートコマンド06!」
「護星神タイタニアス!!」
エイナムの必殺シュートが放たれ信助が化身で受け止めるが、
「うわあああ」
ゴールに突き刺さる。
「クソ、まだ今のままでは厳しいか…」
「お前たちとの戦いでリーダーのアルファは去った。その怒りを知るがいい。」
そこからもA5の猛攻が続く。
エイナムとレイザが軸に攻め込む。
先に2点取ったほうが勝ちのこのバトル。
なんとか持ちこたえるがこちらも相手のキーパーのザノウを突破できない。
「シュートコマンド06」
そしてまたもエイナムのシュートが放たれこれまでかと思った瞬間
フィールドに巨大な斧を携えた黒い人型の化身がそのシュートを止めた。
「「「何だあの化身は!?」」」
「ダークエクソダス!?」
「ということは」
そして突如現れた化身が放った凄まじい衝撃波で俺たちの意識は途切れた。
「ん~…ハッ!?」
どうやらみんな気を失っていたようだ。
「信助!これ!」
「このお地蔵さん!」
「このお地蔵さんって?」
「この島の神様だよ!前来たとき見つけたんだ!」
気がついたみんなが思い思いに口を開く。
するとフェイが気配を感じたらしく、その方向を向くと黒い服を着た黒髪の褐色の少年が心地よさそうに風を受け佇んでいた。
「やあ」
「シュウ!やっぱりシュウだったんだね!久しぶり、さっきはありがとう!」
「間に合ってよかったよ。またサッカーが大変なことになってるね。だからじっとしてられなくてさ。」
シュウ。以前ゴッドエデンに来たときに本気の思いをぶつけ合った不思議な少年。
「その言い方、君はサッカー禁止令の影響が出ていないのか?」
「もちろんだよ!」
当然とばかりに答えるシュウ。
「天馬の知り合いなの?」
シュウとは初対面のフェイがシュウのことを聞いてくる。
「うん、前に来た時に会ったサッカー仲間のシュウだよ。」
「なるほど、よろしく、フェイ・ルーンだ!」
「うん、よろしく。」
気のいい二人はすぐに打ち解けたようだ。
シュウとの久しぶりの再会にあの時のことを思い出し、思い出話に花を咲かせる。
「あの試合は本当に熱くて最高だった。あの試合を通して俺はまた一つ強くなれた気がする。シュウはあれからどうしてたの?」
そんな天馬の問いかけにシュウは笑みを浮かべるだけだった。
「それより天馬、僕は君たちに伝えたいことがあって来たんだ。」
少しの沈黙を打ち破るようにシュウが言う。
「伝えたいこと?」
「化身アームドのことだよ。」
なんとシュウは化身アームドのことを知っていた。
「もちろんさ。今回の敵と戦うには化身アームドが絶対に必要だ。幸い君たちは全員化身使いだ。約一名、まだ困っている人がいるけどね。この島で化身アームドを掴んで欲しい。この島のサッカーの神様が力を貸してくれるはずだよ。」
「すごい!シュウは何でも知ってるんだね!シュウがサッカーの神様みたいだよ!」
信助が感嘆の声をあげ、シュウはそれに謙遜の言葉を返す。
「ふん、悪かったな。困りもんで。」
少しチクッとする言葉をかけられた俺は少しむくれる。
「あはは。その分パワーも凄いじゃないか。この島でなら何か掴めるはずだよ。」
シュウは本当に掴みどころがないと思う。けど、シュウの言葉は信じてみようとさせる何かがある。
「よーし!みんなやりましょう!」
「燃えてきたぜよ!」
「ここでまた合宿ということだな。」
「それじゃ早速「ちょっと待った!」
早速特訓に入ろうとする天馬を葵が止める。
さっきのバトルで受けたダメージを心配し、今日はゆっくり休めとのマネージャー陣からのお達しが出たのだった。
その夜
「翼、ちょっといいかい?」
俺はシュウに呼ばれ、寝床の外に出た。
「どうしたんだ?」
「明日のことなんだけど君だけ別行動にしようと思うんだけどいいかな?」
「別行動?」
シュウからの提案に思わず質問で返してしまう。
「うん。あの5人には化身アームドのための特訓をしてもらおうと思ってるんだけど、君はまだ化身を制御できていないだろ?」
「まぁ、そうだな。」
「だから異なる特訓を同じ場所でするより、場所を分けてひとつのことに集中したほうがいいと思うんだ。」
「なるほどな、確かにそうだ。それに俺が一緒にいると巻き込んでしまうかもしれないしな。」
「僕たちは明日、島の北の滝あたりで修行しようと思うんだ。翼の特訓にはだれもいない場所がいいと思うからこの島の東の森を使うといいよ。」
「分かった。ありがとうシュウ。それじゃあ先に終わったほうがもう片方に合流しに行くってことでいいか?」
「うん、そうしよう。それじゃあ健闘を祈ってるよ。君ならできるさ。」
「ああ、シュウこそみんなを頼んだ!」
明日についての話を終え、俺とシュウは寝床に戻った。
途中、上を見上げるとフェイとワンダバが星空に目を輝かせているのが見えた。
「ここがゴッドエデン。セカンドステージチルドレンを生み出そうとしていた施設ね。」
前回、やっと翼とメイアが絡むと言ったな?あれは嘘だ。 いやほんとすいません。ゴッドエデン編が思ったより長くなってしまったので分けるところを変えた結果あ次回になりました。
「暗黒神ダークエクソダス」名前もデザインもあまりにもかっこよくて好きです。
ということで次回こそやっと二人が絡みます。
感想、ご指摘あれば是非お願いします。今後の参考及び励みになります。