戦姫絶唱シンフォギアwith欲望の王   作:アニアス

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第四話 ノイズと奏者と錬金術

オーズがライドベンダーを走らせて数十分。

煙が上っている場所へ向かっていると、火事が起こっている建物が見えてきた。

 

「これは酷い…!」

 

アニメで見たことあるシーンだが、間近で見ると関係のない人たちまで巻き込むなんて許せないと思ってしまう。

前世でも虐められているクラスメイトたちを助ける程の正義感が強い性格だったためこういった行為は見逃せないのである。

 

建物の近くまで来ると、エルフナインとレイアの姿が見えた。

レイアの周りには触れたものを分解させ灰にしてしまう『アルカノイズ』がおり、エルフナインを壁際に追い詰めている。

更にエルフナインの側には白髪で何故か裸になっている少女が倒れている。

 

「雪音クリスが倒れてるってことはシンフォギアが分解されたってことか!」

 

状況を把握したオーズはそこへライドベンダーを走らせる。

するとエンジン音に気がついたのかエルフナインとレイアがこちらを向き、ライドベンダーを2人の間に割り込むように飛び込み停車する。

 

「あ、貴方はさっきの!」

「やぁ、大丈夫…とは言えない状況みたいだね…」

 

エルフナインに話しかけながらライドベンダーを降りてレイアと向かい合う。

 

「随分と派手な登場だな、イレギュラー」

「イレギュラーじゃなくて、仮面ライダーオーズだってば」

 

レイアからイレギュラーと言われたオーズは再度名乗り訂正をする。

するとクリスが顔を上げてオーズへ視線を向ける。

 

「な、何だアイツ…?お前の仲間か…?」

「いえ…ですが先程、ボクを助けてくれたんです」

 

エルフナインもオーズについてまったく知らないためクリスはただその後ろ姿を見ることしかできないのであった。

 

「邪魔をするならば、お前も派手に散らすぞ」

「後ろの2人を見逃してくれるっていうなら、すぐに立ち去るよ」

 

自信に溢れて答えるオーズに少々イラついたレイアは手を前に翳してアルカノイズたちに攻撃命令を下す。

アルカノイズたちは一斉にオーズ目掛けて動き出すと、エルフナインが声を上げる。

 

「逃げてください!アルカノイズに触れたら分解されます!」

 

エルフナインの助言を聞くもオーズはアルカノイズたち目掛けて走り出す。

そしてアルカノイズの一体に拳を突き出すと、それは灰となって消え、オーズのアームは無事だった。

 

「そんな!?」

 

アルカノイズの脅威を知っているエルフナインには理解できなかった。

どんなものでも分解できるアルカノイズを聖遺物なしで倒すなどあり得ないというのに、目の前に現れたオーズという人物は倒してしまった。

 

「貴様、何者だ………!?」

 

これには流石のレイアも動揺してしまいオーズを鋭く睨みつける。

 

(何者って言われてもな…自分でもノイズ倒せたことに結構驚いてるし。多分女神さんがオプションでつけ加えてくれたんだろうけど、何て言おうかな………あ、そうだ!)

 

周りが注目している中、どうやって言い訳しようか悩んでいるとナイスアイデアが閃く。

 

「ソイツらって、錬金術が施されてるんでしょ?僕が使ってるこのメダルも、錬金術が施されてるんだ。つまり、同じ錬金術なら、攻撃が聞くってことじゃないかな?」

 

目には目、歯には歯、錬金術には錬金術と言った具合で誤魔化すことにした。

そう言いながらオーズはセルメダルを取り出して指で弾き後ろのエルフナインへ飛ばすと、エルフナインは見事にキャッチをする。

 

「このメダルに、錬金術が…?」

 

銀色のセルメダルをまじまじと見ながらエルフナインは呟く。

 

「貴様は危険だイレギュラー…!」

 

アルカノイズを倒し錬金術が施されたアイテムを使いこなすオーズをレイアが危険と判断した時だった。

 

 

 

 

 

『Zeios igalima raizen tron………』

 

 

 

 

 

「これは………?」

 

突然歌が聞こえてきて辺りを見渡すと上から無数の鎌が降り注ぎアルカノイズたちを切り裂いた。

それと同時にオーズの側に緑を基調とした鎧を纏った金髪の小柄な女の子が降り立つ。

 

彼女はイリガマの奏者、暁切歌。

仲間であるクリスを助けるために駆けつけたのである。

切歌は降り立ったと同時に自分を軸にして鎌を振り回しコマのように回転してアルカノイズを蹴散らしていく。

 

「すごいな、僕も負けていられないな」

 

間近でシンフォギアの戦闘を見られたことに少し感動するも気を取り直して切歌に加勢しようと、ライドベンダーに備えられていたオーズが使っていた剣『メダジャリバー』を手に取りアルカノイズへ突っ込んでいく。

 

「はぁ!せいっ!」

 

アルカノイズたちに一撃、二撃とメダジャリバーを振り下ろし次々に倒していく。

アルカノイズを倒すオーズの姿に切歌も戦いながら驚いてしまう。

 

「派手にやってくれるな…」

 

レイアが呟いた時、エルフナインとクリスにアルカノイズが迫る。

オーズも切歌も目の前のアルカノイズたちを相手にしているため間に合わないと思った時、どこからか丸鋸が飛んできてエルフナインたちの周りのアルカノイズを一掃する。

 

そこへ駆けつけたのはピンクと白を基調とした鎧を纏う少女、シュルシャガナの奏者の月読調。

調はフィギュアスケートの如く走り頭部のギアを展開し大量の丸鋸をアルカノイズたち目掛けて発射する。

 

「………誰?」

 

地面へ降り立つと側にいたオーズを見て首を傾げてしまう。

 

「僕は仮面ライダーオーズ。ここは僕に任せてあの2人をお願い」

「けど…!」

 

調が続けて何か言おうとした時、オーズはメダジャリバーを横に振るいアルカノイズを一掃する。

その光景に調も切歌も言葉を失ってしまう。

 

「何か言うことは?」

「………分かりました。ここはお願いします」

 

オーズに言われてこの場を任せることにした調はエルフナインを抱えて道路橋へ上がり立ち去って行き、切歌も持参していた布でクリスの身体を覆い隠して彼女を抱えて調の後を追う。

 

「派手な立ち回りの陽動に陽動を重ねたか…まぁいい。貴様を派手に散らせてやるとしよう」

 

調と切歌を逃がしてしまったレイアはオーズだけは倒そうとアルカノイズを集結させる。

 

「今がチャンスだ!」

 

一塊に集まったアルカノイズたちを倒すべく、オーズはメダジャリバーにセルメダルを三枚投入した。

メダジャリバーのレバーを押すとセルメダルが更に奥へ入りガラス越しにセルメダルが見え、そこへオーズスキャナーをスライドさせる。

 

『トリプル!スキャニングチャージ!!』

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

メダジャリバーから機械音が発せられると青白く光りエネルギーが溜まり始める。

それを逆手に持ち体制を低くし構えると、

 

「セイヤァーーーーー!!」

 

そのまま横に一線するように振り回すと、アルカノイズどころか周りの木や街灯、ベンチも空間を削るように切り裂く。

しかし周囲のものは元に戻りアルカノイズだけは斬り伏せられ灰となり消えていった。

 

「まだやる?」

 

息を切らしながらオーズはメダジャリバーを構えてレイアと対峙する。

 

「………帰還命令が下った。今回は引いてやろう」

 

こちらを睨みながらそう言ったレイアは懐から赤いジェムを取り出し足元に投げると赤い魔方陣のようなものが浮かび上がる。

 

「イレギュラー…仮面ライダーオーズ。次に会った時は派手に覚えていろ!」

 

そう言い残すとレイアは魔方陣に吸い込まれるように消えて行き撤退した。

 

「………ふぅ」

 

何とか撤退してくれたレイアにオーズは一安心してため息をつく。

 

「何とか撃退したけど、やっぱりまだ身体が馴染んでないな…」

 

戦闘が終わると身体に疲れがのし掛かかる。

やはりオーズを力を使いこなすには身体が慣れなければいけないため特訓が必要と思った。

 

「あの四人は無事に逃げ切れたみたいだし、僕もここから立ち去るか」

 

誰かに見られたら正体がバレてしまいそうなため、オーズは変身を解かずにライドベンダーに乗り走らせて街の中へ消えて行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

数日後、超常災害対策機動部『S.O.N.G』の潜水艦内にて、司令部でブリーフィングが行われていた。

議題は保護をしたエルフナインから錬金術師キャロルの目的についてである。

その議題が終わろうとした時、司令の風鳴弦十朗が次の議題を切り出した。

 

「錬金術師キャロルについては以上だ。次はこれを見てくれ」

 

それと同時にモニターには監視カメラで撮影された調と切歌と共に戦うオーズの姿が映し出されていた。

 

「この人物は仮面ライダーオーズと名乗りアルカノイズと交戦した。そうだよな?」

 

弦十郎の言葉に当時その場にいた調と切歌、エルフナインの3人は揃って頷いた。

 

「何者なの?その仮面ライダーオーズって?」

 

ブリーフィングに参加しているマリアはモニターに映し出されているオーズを見ながら疑問の声を上げる。

突然現れたかと思いきや、アルカノイズたちと交戦して仲間を逃がしてくれた謎の多い存在であるため敵なのか味方なのかすら不明である。

 

「分かりません…ですが、僕が怪物に襲われそうになったところを助けてくれたんです」

「その怪物が、これだな」

 

モニターの映像が切り替わると、オーズがミイラのような怪物たちにカマキリのような怪物たちと闘う映像が映し出される。

 

「何だあの怪物どもはよぉ………!?」

 

ノイズとは違う不気味な容姿をしている怪物たちにクリスは顔をしかめてしまう。

するとモニターのオーズは高く飛び上がり怪物たちにキックを食らわせると怪物たちは爆発して周囲にはメダルが散らばる。

 

「メダル…?あの怪物たちは、メダルでできていたのか?」

 

モニターに映し出される映像を見て翼は自分の推理を口に出す。

 

「恐らく、あの怪物たちはこのメダルで身体を維持しているようです。そしてオーズさんは、メダルを使って戦っていましたから、何か関係があることは間違いありません。更にこのメダルには錬金術が施されていますが、キャロルの錬金術とは違うものです」

 

エルフナインはオーズから貰ったセルメダルを手に取り、それを見ながら分かっていることを説明する。

あの怪物たちのメダルをS.O.N.Gが回収してエルフナインを筆頭に解析を行ったが詳細なところまで解析することができなかった。

 

「錬金術師キャロルもそうだが、オーズや怪物についても謎が多い。次にオーズに接触したら、何としても彼の身柄を拘束するんだ」

「えっ!?ど、どうしてですか師匠!?オーズさんはクリスちゃんたちを助けてくれたんですよ!?」

 

弦十郎の発言に響は反論してしまう。

自分たちの仲間を助けてくれたというのに何故彼を拘束しなければないのかと。

 

「落ち着け立花」

 

そんな響に翼が肩に手を置いて落ち着かせる。

 

「翼さん…!」

「お前の言いたいことも分かるが、私たちはメダルや怪物に関する情報が足りなさすぎる。だからこそ、それを掴んでいるオーズから聞き出すしかないのだ」

「その通りだ。だが、交渉できそうならそのまま同行してもらうさ」

 

そこに弦十郎がつけ加えて手荒なマネは回避するつもりだということを示す。

落ち着きを取り戻した響は再度モニターに映し出されているオーズを見ながらどんな人物なのだろうと思うのだった。

 

 

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