戦姫絶唱シンフォギアwith欲望の王   作:アニアス

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第五話 家とショッピングモールとガタキリバ

「んん………」

 

窓から差し込む朝日が顔に辺りアキラは瞼を開く。

身体を起こし思い切り伸びをしてベッドから立ち上がり顔を洗うために寝室から洗面所へ向かう。

 

アキラが今いるこの家は女神が用意してくれたものである。

レイアと交戦した日、リュックに入っていた地図の目印がある場所へ向かうと一軒家が建っており、ポストに女神からの手紙で『この世界でのアキラさんの家です。戸籍も用意してありますのでご安心ください。P.S 口座には毎月100万円が自動的に振り込まれるようにしてありますのでご自由にお使い下さい』と書かれており、あれからアキラはこの家に住んでいる。

 

洗面所で顔を洗い終えたアキラは朝食の準備をしてリビングのテーブルに座り朝食を食べる。

 

「あれから3日くらい経つけど、ヤミーたちは現れるだけで原因は分かんないだよな…」

 

この街にはノイズの他にヤミーが出現し人々を襲っておりそれを退治するが、ヤミーが現れる原因は未だに掴めていない。

女神曰く誰かが意図的にこの世界でヤミーを生み出しているため、その黒幕を見つけなければと思っているがまったく進展しておらず頭を悩ませてしまう。

 

「くよくよ考えても仕方ないや、今日は気分転換に出かけることにしよっと」

 

朝食を食べ終えたアキラはリフレッシュのために今日は出かけることにして、身支度を整えオーズドライバーを忘れずに家を後にした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

リフレッシュのためにアキラが向かったのは大きなショッピングモール。

前世に言ったことのあるショッピングモールよりも広く品揃えがいいため服や食料品などをよくここで買ったりしている。

今日も家族や学生、カップルなどたくさんの人々で溢れかえっている。

 

「こうして見ると、ノイズやヤミーが現れてるってのに平和だな~」

 

そういう自分も緊張感がない発言をするがノイズやヤミーの脅威を薄く認識している人たちを見てアキラは前世にいた頃を思い出す。

前世では友人たちと遊んだり仮面ライダーをリアルタイムで見たりと平和な生活を送っていたため懐かしく思う。

 

「………みんな元気にしてるかな?」

 

前世の思い出に浸っていたその時だった。

 

「キャーーー!!」

「!?」

 

突然叫び声が響き渡り咄嗟に振り向くと、大量の屑ヤミーたちがショッピングモールに来ていた人たちを襲っていた。

 

「うぅ………」

「あぁ~………」

 

「何だよコイツら!?」

「助けてぇ!」

 

呻き声をあげながら襲ってくる屑ヤミーたちから人々は必死になって逃げている。

 

「こんなところにも出るなんて!」

 

取り敢えずアキラは人目を避けるために非常階段の踊り場に身を隠しオーズドライバーを装着する。

そしてコアメダルを入れてオーズスキャナーをドライバーにスライドさせる。

 

「変身!!」

 

『タカ!トラ!バッタ!

タ・ト・バ!タトバ!タ・ト・バ!!』

 

いつものようにオーズへ変身して非常階段を飛び出す。

駆けつけると屑ヤミーの1体が逃げ遅れて座り込んでいる女の子へ襲いかかろうとしていた。

 

「はぁ!」

 

そこへオーズは駆けつけて屑ヤミーを蹴り飛ばす。

 

「大丈夫!?」

「う、うん…!」

 

女の子を逃がすために屑ヤミーたちを倒しにかかる。

 

「はぁ!せぃ!」

 

屑ヤミーたちの攻撃を捌いたりトラクローで斬りつけたりバッタレッグで蹴り飛ばしていくも一向に減らず、寧ろ増える一方である。

 

「キリがない!」

 

一向に減らないことにオーズが苛立っていると、いつの間にか凄い数のヤミーたちに囲まれてしまった。

 

「マズイな…!」

 

どうしたものかとオーズが焦っていると側にいた女の子が脚にギュッとしがみつく。

 

「怖いよぉ…!」

「………」

 

怯えている女の子を見てオーズは膝をついて視線を合わせる。

 

「大丈夫、僕が守るから」

 

仮面で顔は見えないがオーズの落ち着いた声を聞いて女の子は安心したのかコクリと頷く。

それを見たオーズは頭を撫でて立ち上がりオーズドライバーのタカとトラのコアメダルを抜いて左腰のメダルケースから2枚のメダルを取り出す。

 

「数には数!ガッタガタのガタキリバだ!!」

 

緑のメダルをオーズドライバーの空いている箇所へ嵌め込みオーズスキャナーでスライドさせる。

 

『クワガタ!カマキリ!バッタ!

ガ~タガタガタキリッバ!ガタキリバ!!』

 

ドライバーから発せられる機会音と共にオーズの周りをメダルが飛び交うと全身が緑色に変化した。

脚はそのままだが頭部の目は赤くクワガタの歯が角のようになっており、腕は前回倒したカマキリヤミーのように鎌が備えつけられ、胸のエンブレムはクワガタ、カマキリ、バッタとなっている。

 

これがオーズのフォームチェンジした姿『ガタキリバコンボ』である。

 

「がたがた、がたきりば………?」

「できれば歌はあんまり気にしないで…すぐに終わらせるから待ってて!」

 

繰り返して変身音を口にして首を傾げる女の子にそう言うと、なんと信じられないことにオーズが何十人にも増えたのだった。

ガタキリバの能力は自分の身体を何十にも分裂させることができるのである。

分裂したオーズたちはそのまま屑ヤミーたちへ駆け出していった。

 

「はぁ!」

「とぅ!」

「おりゃ!」

 

1人は腕の鎌で斬りつけ、1人は頭の角から電撃を当てて、1人はバッタの跳躍力で蹴り飛ばしたりと屑ヤミーたちを蹂躙していく。

そして屑ヤミーたちの数も減り一塊に集まった。

 

『これで終わらせる!』

 

『スキャニングチャージ!!』

 

『せいやぁーーーーー!!』

 

そしてそれを取り囲んだオーズたちはオーズスキャナーでドライバーにスライドさせて飛び上がり四方八方からキックを当てて屑ヤミーを一掃する。

それと同時にオーズも1人に戻った。

 

「ふぅ、やっぱり多い敵にはガタキリバに限るね」

「お兄ちゃん!」

「ん?」

 

戦闘を終えて一息つくと先程の女の子がこちらへ駆け寄ってきた。

 

「助けてくれてありがとう!カッコよかったよ!」

「………」

 

無邪気に笑いながらお礼を言う女の子に新鮮な気持ちになった。

今までヤミーを倒しては姿がバレる前にその場から去って行ったためお礼を言われることなどなく、いざお礼を言われるととても心地がいい気分となってしまう。

 

「どういたしまして。さぁ、早くお母さんのところに行ってあげて。きっと心配してるよ」

「うん!あ、そうだ!お兄ちゃんにお願いがあるんだけど」

「お願い?」

 

一体何をお願いするのだろうと取り敢えず女の子の話を聞くことにした。

 

「うん…さっきね、お人形みたいな人が男の人をチューをしてるのを見つけたんだけど、その男の人が倒れちゃったの…それで怖くなって逃げたの…」

 

その話を聞いてオーズはキャロルのオーストスコアラーのガリィだとすぐに理解したと同時に近くにガリィがいると推測する。

恐らくガリィが行っているのは思い出の採取で、オーストスコアラーを動かす動力源となるため一般人から思い出を吸いとっているのである。

 

「だからお願い!あの人形を倒して!」

「その人形はどこにいたの?」

「えっと、ここから公園の道の方に行ったのを見たんだけど」

「…分かった。その人形は僕がやっつけてくるよ」

「本当!?」

「うん!」

 

ガリィの行いを放っておく訳にもいかないオーズは懐から小型のライドベンダーを取り出しセルメダルを入れてボタンを押すとバイクへと変形した。

 

「じゃあ行ってくるから、君は早くお家に帰るんだよ」

「分かった!気をつけてね!」

 

そしてライドベンダーに乗ったオーズはエンジンを吹かしてガリィの目撃情報があった場所へ向かうのだった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

一方、オーズがライドベンダーで走り去る光景を2階から見ている者がいた。

その人はスマホを取り出して何処かへ電話をかけた。

 

「………あ、もしもし?あのさ、ショッピングモールにオーズ出たんだけど」

 

声から察するに若い女性で電話に出た相手と気軽に会話をしている。

しかもこの女性はオーズについて知っているような口振りをしているため、この世界の住人が知っている訳がない情報を握っている。

 

「そんで屑ヤミー倒した後にどっか行っちゃったみたいだけど…えっ?倒しちゃっていいの!?」

 

すると電話の相手から何かを聞いた女性は口がつり上がり嬉しそうな声を出した。

 

「やったぁ!さっすがリーダー!分かってんじゃん!そんじゃ遠慮なくやっちゃうからね~!」

 

そして電話をこちらから切りスマホを仕舞うと身体がプルプルと震えている。

 

「よっしゃあ!ようやく激しい運動ができるよ!あ~楽しみだな~!ん…?」

 

喜びのあまり両腕を上げてガッツポーズをとっていると何かの気配を感じて振り向くとそこには肥満体の体型をした猫のようなヤミーのネコヤミーとバッタを連想させるようなヤミーのバッタヤミーが現れた。

普通なら逃げ出すのだが、女性は逃げ出さずにニヤリと笑う。

 

「成る程、こうなることを予測した上で手を回してたって訳ね。あの人未来でも見てるのかっていうくらい予測が当たるから怖いんだけどね~…まぁいいや、早く行くよ」

 

そして女性が呼び掛けて歩き出したと共にネコヤミーとバッタヤミーの2体はその後をついて行くのであった。

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