秋津守丸九様とのコラボ回となります!
IFストーリーですが、どうぞお楽しみください!
【番外編】2人目のストーカー【コラボ企画】
“ストーカー”
それは、好意を持つ相手に付き纏う者のことである。愛情や友情を問わず、粘着行為を総称する。また、その粘着行為に応える者は稀である。
クローン戦争が始まって、約半年が経った。
私は今、ソフィア・パウロナに付き纏われている。
「アリスー!どこー!?」
パウロナが通り過ぎた後、私はメンテナンス中の旗艦へと逃げる。
旗艦のブリッジに入ると、ヘクターが眉を寄せた。
「パウロナ将軍に付き纏われるとは、何をやらかしたんです?」
「何もしてない。本当に心当たりがないんだよ……」
プロジェクターに寄り掛かり、頭を抱える。
何も心当たりがない。できれば関わりたくないんだけど、一向に諦めてくれない。私が歳下だからって、拒まないと思ったら大間違いだ。
あれでも一応、先輩ジェダイなんだよ?
「なぜ付き纏われているのですか?」
「なんか、ルード議員がどーのこーのって……」
「………」
「ヘクター、何か知ってるね?」
「………いいえ。」
「今の間は何!?」
しつこく問い詰めたら、ヘクターは白状した。
以前ルード議員に求婚された話が、ジェダイ・オーダーと元老院のみならず、クローンの間でも噂で広がっているらしい。彼は議員で、私はジェダイ。禁断の恋をしていると噂されている。
恋なんてしてないけど、仮にしてたら評議会は私を追放している。
まぁ、アナキンとパドメも隠れて愛を育んでいるけどね。
パウロナも、私が掟を破っていないと分かるはずだ。彼女もこの世界のジェダイだ。私の前世を知らなければ、しつこく聞いてこないだろう。
もしかして、いや、そんなことあるわけない。
「ヘクター、パウロナが来たら私は任務に出たって言って。」
「承知しました。」
ブリッジを出ていこうと、私はドアを開ける。
刹那、思いっきり悲鳴を上げてしまった。
「私が化け物みたいに叫ばないで!?」
「じゃあなんでここにいるの!?」
「それは、聞きたいことがあって……?」
「可愛く言ったって聞かないからね。」
ヘクターに指揮を任せて、ブリッジを足早に出る。
後ろから付いてくる人なんて知らない。
「ねー、アリスー」
「……」
「アリス、っ!?」
背中に飛びつかれそうになり、思わずフォース・プッシュしてしまう。吹っ飛んだパウロナに慌てて駆け寄り、手を貸して立たせる。
「ひどくない?」
「正当防衛だよ!一つだけなら答えるから、これ以上付き纏わないでくれる?」
「一つ!?一つ……うーん………」
パウロナは何か考える素振りをした後、勢いよく顔を上げる。
「アリスって、ルード議員のことをどう思ってるの?」
「それ聞くの?」
「さぁ!答えてアリス!」
「人の話を聞け!………嫌いじゃない。」
「えっ?」
「彼のことは嫌いじゃない。でも生きる世界が違うから、解決しようとは思ってない。噂は噂のままでいい。」
嘘か本当かなんて、どうでもいい。事情を知る人には、真偽の見分けが付くはずだ。下手に取り繕えば、誤解を深めてしまいかねない。
「もしかして、ちょっと好きだったりする?」
その言葉に、私は笑顔でパウロナの肩を叩く。
「マスター・パウロナ、よく聞こえなかったから、もう一度言ってくれる?」
「あっ、えっと、」
「もう一回言って?」
「………ルード議員が好きなの?」
「………」
「あれぇ?顔が赤くなってない?」
これ、仕返ししていいよね?
パウロナに迫り、彼女も何かを感じたのか同じように退がる。パウロナは背中が壁に当たり、私はそのまま距離を詰めた。耳元に顔を近付け、彼女に優しく囁く。
「ジェダイである私が、恋愛感情を持っていると思う?」
「っ……」
「あんたも顔が赤くなったね。」
「だ、誰のせいだと……!………。」
そこで、パウロナの様子が変わった。
「離れろ。」
冷たくなった声に、私は素直に離れる。
先程とは、まるで違う。落ち着きのないパウロナとは違い、今の彼女は冷静になっていた。はっきり言って別人だ。
「二度と近付くな。」
「近付いてきたのはそっちでしょ?」
「ああ、そうだ。だが、あえて乗ったのはお前だ。今目を付けられたら困るんだ、ダース・シディアスの執着対象さん。」
そう言われて、一気に感情が冷めた。
好きで執着されているんじゃない。奴が勝手に粘着しているんだ。できるなら、私だって関心を逸らしてほしい。そうすればアナキンやパドメと、もっと仲良くなれるのに。
少し苛立って、私は喧嘩腰で話す。
「何か都合でも悪いわけ?アンダーワールドに頻繁に行くこと?それとも、暗黒面に傾いていること?」
「っ!?」
「私が気付かないはずないじゃん。あんたも要注意人物の一人だからね。」
ジェダイ(仮)として生きていく上で、私は歴史に関わらないように要注意人物をリストアップしていた。その中には、パウロナもいる。ジオノーシスでの珍事を見て、彼女を避けないという選択はない。
「そういうことなら話は早い。お互い関わらない方がいいということだな。」
「それは同意。けど、私はこのまま黙る気はないよ。ウザい方のあんたには痛い目に遭ってもらう。」
「ウザい方?」
「あんたじゃなくて、さっきのパウロナ。」
もう知らね。
コムリンクのスイッチを入れて、とある人に連絡する。
「………オビ=ワン、パウロナはここにいるよ。」
「なんで!?」
さっきの人格が戻ってきたのか、パウロナが叫ぶ。
なんでって、私がかれこれ3時間無視した評議会の通信だから。
実は旗艦に入る前から聞かれてたんだよね。パウロナを見なかったか?って。知らないの一言を投げ付けたら、オビ=ワンからしつこく通信が来たという……
パウロナ、お呼びだよ。
「アリスの馬鹿あああああっ!!」
「はいはい、頑張ってー」
オビ=ワンに引き摺られていくパウロナを見送り、私は一人旗艦を抜け出す。
さーて、ストーカー兼生贄はいなくなったし、息抜きしてこよーっと。
その後、パウロナはオビ=ワンと任務へ向かい、私はルード議員の会食に駆り出されたのだった。
────────
任務先にて、オビ=ワンとソフィアは……
「パウロナ、アリスに何をしたんだ?」
「ナニモシテナイヨ。」
ソフィアは思いっきり視線を逸らす。
「棒読みになっているぞ。」
「何もしてないって!ただ…ルード議員のことを少しからかっただけ………」
「その名はアリスにとってNGワードだ。お前が悪い。分かっててやったのなら尚悪い。」
「後でアリスに謝ります…」
「よろしい。(あのアリスが頭を抱えるとはな……)」
アリスが溜め息を吐く姿を思い出し、オビ=ワンは苦笑するしかなかった。
continue……
コラボさせていただいた秋津守様に、御礼を申し上げます。
とても楽しかったです!