【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

1 / 173
『ジェダイです。マフィアになります。(作:秋津守丸九様)』×『ジェダイ(仮)になりました。(作:夭嘉)』

秋津守丸九様とのコラボ回となります!
IFストーリーですが、どうぞお楽しみください!




番外編
【番外編】2人目のストーカー【コラボ企画】


“ストーカー”

 

それは、好意を持つ相手に付き纏う者のことである。愛情や友情を問わず、粘着行為を総称する。また、その粘着行為に応える者は稀である。

 

クローン戦争が始まって、約半年が経った。

 

私は今、ソフィア・パウロナに付き纏われている。

 

 

「アリスー!どこー!?」

 

 

パウロナが通り過ぎた後、私はメンテナンス中の旗艦へと逃げる。

 

旗艦のブリッジに入ると、ヘクターが眉を寄せた。

 

 

「パウロナ将軍に付き纏われるとは、何をやらかしたんです?」

「何もしてない。本当に心当たりがないんだよ……」

 

 

プロジェクターに寄り掛かり、頭を抱える。

 

何も心当たりがない。できれば関わりたくないんだけど、一向に諦めてくれない。私が歳下だからって、拒まないと思ったら大間違いだ。

 

あれでも一応、先輩ジェダイなんだよ?

 

 

「なぜ付き纏われているのですか?」

「なんか、ルード議員がどーのこーのって……」

「………」

「ヘクター、何か知ってるね?」

「………いいえ。」

「今の間は何!?」

 

 

しつこく問い詰めたら、ヘクターは白状した。

 

以前ルード議員に求婚された話が、ジェダイ・オーダーと元老院のみならず、クローンの間でも噂で広がっているらしい。彼は議員で、私はジェダイ。禁断の恋をしていると噂されている。

 

恋なんてしてないけど、仮にしてたら評議会は私を追放している。

 

まぁ、アナキンとパドメも隠れて愛を育んでいるけどね。

 

パウロナも、私が掟を破っていないと分かるはずだ。彼女もこの世界のジェダイだ。私の前世を知らなければ、しつこく聞いてこないだろう。

 

もしかして、いや、そんなことあるわけない。

 

 

「ヘクター、パウロナが来たら私は任務に出たって言って。」

「承知しました。」

 

 

ブリッジを出ていこうと、私はドアを開ける。

 

刹那、思いっきり悲鳴を上げてしまった。

 

 

「私が化け物みたいに叫ばないで!?」

「じゃあなんでここにいるの!?」

「それは、聞きたいことがあって……?」

「可愛く言ったって聞かないからね。」

 

 

ヘクターに指揮を任せて、ブリッジを足早に出る。

 

後ろから付いてくる人なんて知らない。

 

 

「ねー、アリスー」

「……」

「アリス、っ!?」

 

 

背中に飛びつかれそうになり、思わずフォース・プッシュしてしまう。吹っ飛んだパウロナに慌てて駆け寄り、手を貸して立たせる。

 

 

「ひどくない?」

「正当防衛だよ!一つだけなら答えるから、これ以上付き纏わないでくれる?」

「一つ!?一つ……うーん………」

 

 

パウロナは何か考える素振りをした後、勢いよく顔を上げる。

 

 

「アリスって、ルード議員のことをどう思ってるの?」

「それ聞くの?」

「さぁ!答えてアリス!」

「人の話を聞け!………嫌いじゃない。」

「えっ?」

「彼のことは嫌いじゃない。でも生きる世界が違うから、解決しようとは思ってない。噂は噂のままでいい。」

 

 

嘘か本当かなんて、どうでもいい。事情を知る人には、真偽の見分けが付くはずだ。下手に取り繕えば、誤解を深めてしまいかねない。

 

 

「もしかして、ちょっと好きだったりする?」

 

 

その言葉に、私は笑顔でパウロナの肩を叩く。

 

 

「マスター・パウロナ、よく聞こえなかったから、もう一度言ってくれる?」

「あっ、えっと、」

「もう一回言って?」

「………ルード議員が好きなの?」

「………」

「あれぇ?顔が赤くなってない?」

 

 

これ、仕返ししていいよね?

 

パウロナに迫り、彼女も何かを感じたのか同じように退がる。パウロナは背中が壁に当たり、私はそのまま距離を詰めた。耳元に顔を近付け、彼女に優しく囁く。

 

 

「ジェダイである私が、恋愛感情を持っていると思う?」

「っ……」

「あんたも顔が赤くなったね。」

「だ、誰のせいだと……!………。」

 

 

そこで、パウロナの様子が変わった。

 

 

「離れろ。」

 

 

冷たくなった声に、私は素直に離れる。

 

先程とは、まるで違う。落ち着きのないパウロナとは違い、今の彼女は冷静になっていた。はっきり言って別人だ。

 

 

「二度と近付くな。」

「近付いてきたのはそっちでしょ?」

「ああ、そうだ。だが、あえて乗ったのはお前だ。今目を付けられたら困るんだ、ダース・シディアスの執着対象さん。」

 

 

そう言われて、一気に感情が冷めた。

 

好きで執着されているんじゃない。奴が勝手に粘着しているんだ。できるなら、私だって関心を逸らしてほしい。そうすればアナキンやパドメと、もっと仲良くなれるのに。

 

少し苛立って、私は喧嘩腰で話す。

 

 

「何か都合でも悪いわけ?アンダーワールドに頻繁に行くこと?それとも、暗黒面に傾いていること?」

「っ!?」

「私が気付かないはずないじゃん。あんたも要注意人物の一人だからね。」

 

 

ジェダイ(仮)として生きていく上で、私は歴史に関わらないように要注意人物をリストアップしていた。その中には、パウロナもいる。ジオノーシスでの珍事を見て、彼女を避けないという選択はない。

 

 

「そういうことなら話は早い。お互い関わらない方がいいということだな。」

「それは同意。けど、私はこのまま黙る気はないよ。ウザい方のあんたには痛い目に遭ってもらう。」

「ウザい方?」

「あんたじゃなくて、さっきのパウロナ。」

 

 

もう知らね。

 

コムリンクのスイッチを入れて、とある人に連絡する。

 

 

「………オビ=ワン、パウロナはここにいるよ。」

「なんで!?」

 

 

さっきの人格が戻ってきたのか、パウロナが叫ぶ。

 

なんでって、私がかれこれ3時間無視した評議会の通信だから。

 

実は旗艦に入る前から聞かれてたんだよね。パウロナを見なかったか?って。知らないの一言を投げ付けたら、オビ=ワンからしつこく通信が来たという……

 

パウロナ、お呼びだよ。

 

 

「アリスの馬鹿あああああっ!!」

「はいはい、頑張ってー」

 

 

オビ=ワンに引き摺られていくパウロナを見送り、私は一人旗艦を抜け出す。

 

さーて、ストーカー兼生贄はいなくなったし、息抜きしてこよーっと。

 

その後、パウロナはオビ=ワンと任務へ向かい、私はルード議員の会食に駆り出されたのだった。

 

────────

 

任務先にて、オビ=ワンとソフィアは……

 

 

「パウロナ、アリスに何をしたんだ?」

「ナニモシテナイヨ。」

 

 

ソフィアは思いっきり視線を逸らす。

 

 

「棒読みになっているぞ。」

「何もしてないって!ただ…ルード議員のことを少しからかっただけ………」

「その名はアリスにとってNGワードだ。お前が悪い。分かっててやったのなら尚悪い。」

「後でアリスに謝ります…」

「よろしい。(あのアリスが頭を抱えるとはな……)」

 

 

アリスが溜め息を吐く姿を思い出し、オビ=ワンは苦笑するしかなかった。

 

 

continue……

 

 





コラボさせていただいた秋津守様に、御礼を申し上げます。
とても楽しかったです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。