結果を言おう。
ポッドレースは、アナキンの優勝で終わった。
私はジャバの隣で観戦し、アナキンの優勝も自分の目で見届けた。もしジェダイ以外の人生なら、ハマってしまいそうだった。
途中、クワイ=ガンの視線を感じたが、気のせいだと思いたい。
ポッドレースが終わった後、ジャバに私の勝ちだと告げた。
「偉大なるジャバ様は、望みを聞いております。」
「私と対等な立場としてコネになってほしい。」
「どういうことでしょうか?」
「対等な友人になりたいだけ。悪い話じゃないでしょう?」
私の望みに、ジャバは残念そうな顔をする。
「ジャバ様は、もっと大層な願いかと……」
「えー、何だと思ったの?」
「てっきり、ハット・クランの参加権利だと思っておりました。」
「ハット・クラン!?冗談きついって!」
ナメクジ種族に囲まれるなんて、勘弁してください。
「それで、私の望みは了承してくれるの?」
ジャバは通訳ドロイドに何かを言う。
主人の発言に、通訳ドロイドは慌てて何かを反論していた。何を言っているか分からないが、ハット語で言い合っている。
そして答えが出たのか、通訳ドロイドが喋り出す。
「ジャバ様は、却下するそうで、きゃあああああ」
翻訳を偽ったようで、ドロイドはジャバに叩き落とされる。ジャバはハット語しか話さないとはいえ、ベーシックを理解できるんだ。
こんな簡単なことが分からないとは、このドロイドの回線はイカれてる。
いや、こき使われすぎてオーバーヒートしているのかも。
「ジャバ様!?」
ジャバがドロイドを睨むと、それを大人しく翻訳する。
「偉大なるジャバ様は、受け入れるそうです。」
「ありがとう、ジャバ。」
「貴女の名は何と言うのかと、聞いておられます。」
「やっと聞いてくれるんだね。アリス・レイン。何かあっても、賞金首にしないでね。」
ジャバは了承してくれた。
ここまで上手くいくとは思わなかった。手下達も、ジャバの決定には逆らわないだろう。問題は、このことを知ったシディアスがどう思うかだ。
変に興味を持たれませんように。
「ジャバ!信頼の証に、どうしても手が必要な時は、あんたの手になる。汚い仕事じゃなく、正当な頼みなら、力になる。その時こそ、対等な立場としてあんたの手になるよ。」
今回のコネの狙いは、その時の為だ。私の為でもあるけど、ハット一族に恩を作る意味も含んでいる。
謁見の間を後にして、私は宮殿から出る。ジャバの手下の一人に、無理を言ってスピーダーで船近くまで送ってもらった。
何かを忘れている気がするけど、今は気にしないことにしよう。
「ただいまー」
クワイ=ガンが帰ってくる前に、戻ってこれたようだ。良かった。
呑気にしていると、オビ=ワンが呆れたように溜め息を吐く。
「マスター達、まだでしょ?」
「ああ。何をやっていたんだ?」
「あー、観光?」
その時、ブロンドの男の子が駆け込んできた。
噂の少年、アナキン・スカイウォーカーだ。
「大変だ!マスター・クワイ=ガンが戦ってるよ!」
窓から覗くと、クワイ=ガンはダース・モールとライトセーバーでやり合っていた。
私はコックピットに走り、すぐに飛ばすように指示を出す。
「しかし、マスター・ジェダイは、」
「いいから!」
指示通り船を飛ばしてもらい、ハッチだけ降ろして低空飛行する。クワイ=ガンが跳んできたところで、ハッチを閉め全速力でエンジンをふかした。
クワイ=ガンの下へ走ると、息も切れ切れだった。
「アリス、良い判断だ。」
「ありがとうございます。」
そりゃ少しは働かないと!
船を抜け出したことはバレたくないからね。もちろん、ダース・モールと戦うのも御免だ。場数が少ない私に、勝ち目ないでしょ。
「アナキン、彼女がアリスだ。」
「よろしく。」
アナキンに手を差し出され、握手する。
私!あのアナキンと握手してる!!
パドメのことを天使って言ってたけど、アナキンも天使だからね。天使という言葉は、アナキンとパドメの為にある!