【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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時は経ても本質は同じ

ルークの前に立ち、ヴェイダーと睨み合う。そんな私に、奴はまた嘲笑する。ルークは絶望している、と。

 

 

「我が息子は、お前にも絶望しているぞ。お前は嘘を吐いていた。父親は死んだとな。」

「本当のことでしょう?オビ=ワンも私も、嘘は言ってない。あんたがアナキンを殺した。良心をね。」

 

 

ライトセーバーを交えて分かった。アナキン・スカイウォーカーは存在しない。在るのは、ダース・ヴェイダーだけ。

 

 

「良心だと?ではお前は、ルークの為に死ぬ良心があるのか?」

「あるよ。可愛い弟子の為だもの。」

「弟子の為に、命を懸けるつもりか?」

「教え子の為に身体を張るのが、師としての義務じゃない?」

 

 

ここで死ぬ気はないが、ルークの為にしてあげられることはある。

 

 

「ならば、今その義務を果たすがいい。」

 

 

赤いライトセーバーが投擲されカーブを描き、ルークを目掛けて飛んでいく。それをライトセーバーで弾き、私達はお互いの手の平を向け合う。フォースの押し合いだ。

 

 

「なんてフォースだ……」

 

 

ルークの呟きが聞こえた。

 

どちらも引く気はない。私もヴェイダーも、全力だ。一呼吸置いて、更にフォースに集中させる。

 

押し返されたのは、ヴェイダーだった。

 

 

「どうやら本気のようだな。皇帝陛下は、今のお前をお望みだ。お前が共に来れば、我が息子は見逃そう。」

「断る。私は暗黒面に手は出さない。何があったとしてもね。」

「賢明な判断とは思えんな。」

「それはあんたの基準。私がどんなジェダイだったのか、忘れたわけではないでしょう?」

 

 

元親友に、そう問う。

 

ヴェイダーは、憶えているはずだ。故に、私がどのような選択をするか分かるだろう。道は、一つじゃない。

 

 

「お前こそ忘れているようだな、レイン。この申し出は“マスター”がお前にしたものと同じだ。断れば、ルークを見逃すことはできんぞ。」

 

 

“シディアスの誘い”

 

クローン戦争が終わる直前、私は同じことを問われた。私がシスに降れば、アナキンは諦める、と。その時は拒否して、守るはずだったアナキンと敵対することになった。

 

でも、今は違う。

 

アナキンの息子は、私やアナキン以上に強い。私が拒んでも、ルークは自分で道を見つける。シディアスに従ったりしない。

 

 

「あの時とは状況が違う。私は拒むし、可愛い弟子も渡さない。」

「だが、結果は同じだ。お前は弟子を失い、我が息子は暗黒面の使い手となる。レイン、後戻りはできないのだ。」

 

 

ヴェイダーに背を向けて、ルークに問い掛ける。

 

 

「ルーク、覚悟はできてる?」

「何の、」

「直感的に答えて。YESかNOで。」

「………できています、先生。」

「よろしい。」

「っ!?アリス!!!」

 

 

ルークの肩を抱き、間髪入れずにシャフトに飛び降りる。ヴェイダーが手を伸ばそうとしてきたが、既に手遅れだ。フォースを使い、私はルークを抱えたまま通気口に滑り込む。

 

ルークを上にして中を滑り、途中で突起に掴まって止まった。

 

人一人を支えるのは、結構きつい。

 

 

「アリス……」

「ごめん、また落ちるよ。」

「え…」

 

 

手を離して再び滑り、ようやく止まる。

 

息を吐く間もなくポータルが開いて、私とルークは落ちる。ギリギリのところで風向計に引っ掛かり、私はルークの脚を必死に掴む。このプランを選んだのは、失敗だったかもしれない。

 

 

「アリス」

「んー、何ー?後にしない?」

「父を救うことはできるのか?」

「意味合いにもよる。ちょっと待って、本当にやばい。」

 

 

私の焦りに、ルークは目を閉じる。その理由を察して、辺りをフォースを通して探ると、逃げたはずのファルコンが戻ってくるのが見えた。ルークは、確実に成長している。

 

 

「レイア……助けてくれ。」

 

 

ルークはレイアに念を送っている。悲鳴に似た念に、私は口を噤む。その悲鳴が、心苦しい。

 

 

「………来た。」

 

 

ファルコンが戻ってきて、私達の真下にゆっくり静止する。船の脱出ハッチが開き、カルリジアンが姿を現した。まずルークを降ろし、私もファルコンに跳び乗る。

 

 

「行動してくれて良かったよ、カルリジアン。」

「勘弁してくれ。」

 

 

ハッチが閉まり、ルークを寝台に寝かせる。

 

レイアが駆け付けてきて、ルークの額に手を触れた。

 

 

「酷い顔色だわ……」

「すぐに良くなるよ。敵が来る。早く逃げよう。」

 

 

レイアは頷き、コックピットへと向かう。私も後を追おうとすると、腕を掴まれて立ち止まってしまった。掴んだのは、ルークだった。

 

 

「アリス……」

「ルーク、休んでて。」

「どうして隠していたんだ……」

 

 

オビ=ワンへの疑念と同時に、ルークは私にもその感情を向ける。

 

 

「貴女は訓練の最中、父を救えなかったと言った。」

「間違いじゃない。」

「間違いだ。父は生きている。」

「でも、アナキンの心はない。」

「いいや、ある。僕には分かる。アリス、貴女は簡単に諦めるのか?」

 

 

絶望していたのは、私も同じだ。アナキンの心が見えなくて、諦めかけていた。しかし、ルークは希望を信じている。

 

 

「アリスは、皇帝を倒すことしか考えていなくて、父が見えていない。」

「………」

「違いますか、先生?」

「………違わない。」

 

 

弟子に考えを改めさせられるなんて、私はまだ未熟だ。

 

 

「ルーク、帰ったら全部話すよ。」

「アリス……?」

「追手をどうにかしなきゃ。」

 

 

ルークから離れ、コックピットへ向かう。

 

ファルコンを捕らえようとするエグゼクターから、ヴェイダーの意識を感じた。奴は、息子を求めている。そして、私にも意識を向けてきた。私はヴェイダーを拒み、コックピットに入る。

 

何度も船が揺れて、なぜハイパースペースに入らないのか分からなかった。

 

 

「ハイパードライブは!?」

「ハイパードライブは使えない!帝国にやられたんだ!」

 

 

コックピットを飛び出して、チューバッカを手伝いに向かう。ハイパースペースに入れなければ、トラクター・ビームに捕まってしまう。シールドもいつまで保つか分からない。

 

私にできることは、基盤を直すことだけだった。

 

やはり機械の相手は苦手だ。

 

 

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