機械の相手は諦め、R2に叫ぶ。
「R2ぅぅぅぅぅっ!!」
C-3POの四肢の接合を中断して、R2は来てくれた。ハイパードライブを直すようにお願いすると、すぐに配線を見てくれる。とても優秀なドロイドだ。
「ありがとうR2!!」
ジェダイのくせにハイパードライブの一つも直せないのかと、倒してきた尋問官達に言われた気がした。
私の専門は壊すことであって、直すことは専門外だ。亡き尋問官達よ、黙ってくれ。ジェダイが機械系統に詳しいなんて偏見だ。
え?私が違うだけ?すみませんでした。
「マスター・レイン!R2にハイパードライブの修理は無理です!」
「3PO、少し黙って。」
R2がハイパードライブの配線を直して、船の推進力が上がる。やっとハイパースペースに入れた。その勢いで、R2は悲鳴をあげて床下に滑り落ちる。
優秀なドロイドは、後で磨いてあげよう。
「R2本当にありがとう!!」
コックピットへ行き、レイアに声をかけると、クラウド・シティにいた私に疑問の声をあげる。
「なぜクラウド・シティにいたの?」
「あー、えっと、旧友に会いに来たんだ。」
「彼?」
レイアはそう言って、カルリジアンを指差す。だけど、それは本人が否定した。彼の主張通り、私とカルリジアンは友人じゃなかった。
「カルリジアンは顔見知りだけど、ただの取引相手だから。」
「取引?アリス、貴女って人は、」
「いや違うって。ガセ情報を流してもらっただけだよ。」
「半分脅迫してきたようなものだがな。」
「アリス……?」
「脅してはいないでしょ!」
脅迫してはいない。いや、したけど、最初の一度目だけだ。本当に一度だけ。
その話は置いて、旧友は旧友だと濁した。
「レイア、お願いがあるんだけど……」
「聞かないわよ。」
「下手なお願いじゃないよ。ルークの看病、頼んでいい?カルリジアンと話があるから。」
「………分かったわ。」
レイアが出ていき、コックピットにはチューバッカとカルリジアンが残る。
私は、カルリジアンにあることを持ちかけた。
「これであんたも反乱者だし、反乱同盟軍に入らない?」
「俺がか?」
「うん。評議会には私から話しておくから。」
前世で見た映画でも、カルリジアンは反乱軍の将軍だった。先手を打って私から提案しても、問題はないだろう。
「だが、ソロを助けに行かないと……」
「それが終わったらでいい。どの道、探しに行く予定でしょう?見つけたら教えて。私も救出隊に入れてほしい。」
「あんたの連れは許すのか?」
「連れ?」
「仲の良い男がいただろう。」
ダンタムのことだ。彼には、私とダンタムが夫婦だと教えていなかった。そろそろ教えてあげよう。
「ダンタムは私の夫だから。」
「なるほどな、そういうことか。」
「何?」
「危険を冒してまでなぜ密会するのか、疑問だったんだ。夫婦なら、納得できる。あんた、大事にされているな。」
取引の際、カルリジアンは私とダンタムのやりとりを見ている。擬装の為とはいえ、私達は他人の前で親しみある会話は避けていた。それだけでは、他人であるカルリジアンの疑念は晴れなかったようだ。
だけど、明かさなくて正解だとも言える。
どこで誰が見ているか分からないのだから。
「ジャバの宮殿に潜入したら、すぐに連絡しよう。」
「待ってるよ。ちょ、ねぇ、チューバッカ、苦しい。」
私が協力すると知って嬉しかったのか、ウーキーのハグを受ける。ソロ、よく平気だよねこれ。とんでもない力だぞ。
あの、本当に苦しいです。
「分かった、分かったから。」
ファルコンは反乱艦隊と合流して、リデンプションにドッキングする。ルークはそのまま医務室へ向かわせ、私はダンタムに会いに行った。彼の隣には、モスマ議員もいる。
ダンタムに抱き締められ、無事な姿に安堵される。
「ジャバはどうだったんだ?」
「その面二度と見せるなって言われた。」
「アリス、端折りすぎだ。」
「つまり、ジャバの頼みを断ったの。そうしたら、もう関わるなって言われた。」
「よく分かった。しかし、なぜファルコンに同乗している?」
嫌な汗が流れる。
ルークを助ける為に、わざわざヴェイダーと戦ったなんて言えない。でもどうせバレるし、ルークから伝わるだろう。隠す意味はない。
「えっとですね、弟子を守る為にヴェイダーとちょっとだけ戦って………」
「………」
「Aウィングを墜しました、すみません。」
「アリス、本題に入ってもいいでしょうか?」
「どうぞ、モスマ議員。」
話は変わり、モスマ議員は深刻そうに話し出す。
「帝国の動きに違和感があります。何か分かりますか?」
モスマ議員の言う通り、エグゼクター以外の帝国宇宙軍は不穏な動きを見せていた。何かを隠しているかのような、そんな感じがする。フォースを通じても、何も見えなかった。
「申し訳ありません、議員。私には何も見えません。」
「そうですか…では、スパイの情報を待つしかありませんね。」
「………ええ。」
「アリス、何か懸念でもあるのか?」
ダンタムの問いに、すぐ答えられなかった。
皇帝がルークの力に気付いたこともあるが、何よりも、もっと大きな計画を企てている気がしてならなかった。
「何でもない。先が見えなかったから不安なだけ。」
「希望を信じましょう。」
「ああ。」
アナウンスが入り、ファルコンのドッキングが解除されたと聞いた。窓からファルコンが離れるのが見えて、カルリジアンとチューバッカがソロを探しに行ったのだと分かった。見つけたら、ルークかレイアに知らせが入るだろう。
カルリジアンの連絡を待つしかない。
さて、ルークと話し合わなければ。
エピソード5編、次が最後です!
あっという間だわw