優しい嘘
ホスの戦いから半年後、反乱軍の指導者が集められた。なぜか私も呼ばれて、ダンタムと共にホーム・ワンに訪れた。私達が会議室に入ると、モスマ議員が静粛を呼びかける。
「今回集まっていただいたのは、帝国が新たな兵器を建造していると判明したからです。」
「新たな兵器……?」
「第二デス・スターが、建造されています。まだ正確な位置は分かりませんが……完成する前に叩かなくては。」
あのデス・スターがまた建造されているなんて……
嫌な思い出が甦る。
「現在、ボサンのスパイが情報を探っています。皆さん、力を貸していただけますか?」
答えは全員一致でYESだった。
デス・スターは、一度破壊している。それがあるから、みんな信じられるんだ。二度目も、破壊できるはずだと。
今は、スパイの情報を待つしかない。
「アリス、スカイウォーカー中佐と貴女の力も必要です。」
私が呼ばれたのはこの為だった。共和国時代のように、ジェダイは民の希望になる。ジェダイである私とルークが、反乱軍に必要とされている。
「もちろんです、議員。私とルークも、最善を尽くします。」
「ありがとうございます。」
私とルークの役目は、シスの相手だ。シスの陰謀は、ジェダイが止めなくてはならない。懸念材料は多いが、それが私達ジェダイにできる唯一の協力だ。
「では、解散とします。」
作戦会議室を出て、私とダンタムは空いている部屋を借りる。
そこで、彼にこれからのことを話した。
第二デス・スターの破壊の前に、タトゥイーンへソロを助けに行くことと、ルークを再びダゴバへ向かわせることを説明した。そして、私もタトゥイーンへ行くと伝える。ソロへの借りを返す為に。
「借り?」
「3年前、デス・スターでヴェイダーに切りかかってしまって……止めてくれたから。」
「それは聞いてなかったな。」
「ごめんなさい。」
「言っていないことが多すぎるぞ。」
もう隠し事はしない。ダンタムには、数え切れない程助けられた。夫の気持ちを無下にしたくない。
「私、もう一人の選ばれし者なんだって。」
「誰が言った?」
「皇帝。」
「信じるのか?」
「そうじゃないと納得できない。この銀河にあり得ない概念と価値観、この銀河の未来を知っている。一端のジェダイが、ここまで鮮明な記憶を持つはずがない。違う銀河から呼ばれたんだよ、私。」
フォースの意志は、なぜ私をこの世界に呼んだのか。未だに分からない。粛清を逃れ、ダンタムと生きることを決めたけど、永遠じゃない。
「もし事実なら、感謝しなくては。」
「感謝?なんで?」
「フォースの意志が呼ばなければ、私はアリスと出会えなかった。私はとても運が良かったんだ。感謝すべきだろう。」
「そうだね。それだけは感謝しなきゃ。」
それから、言わなくてはいけないことがもう一つある。
「ルークには言ってないけど、マスター・ヨーダのフォースが弱まってる。」
「グランド・マスターか?」
「うん。たぶん……もう長くない。」
ベスピンからの脱出後から、月日が経つ毎にマスター・ヨーダが弱っていくのを感じた。マスターは900年も生きている。いつ寿命が来てもおかしくはない。
ただ、それが今だなんて、予期していなかった。
「だから、スカイウォーカーを向かわせるのか。」
「ルークはマスター・ヨーダに戻ると約束した。その約束を守らせなきゃ。」
私が言わなくても、ルークはダゴバへ戻るだろうけど。マスターが事切れる前に会わせたい。何かに戸惑っているルークが答えを見つけられたらと、そう思って行くように言ったんだ。
「アリス……帝国が倒れたら、田舎で隠遁しよう。」
「田舎かぁ……いいね。静かに過ごすのも悪くないかも。あ、でも生き残れたらの話だけど。」
「いや、約束してくれ。第二デス・スターを破壊する戦いで、必ず生き残ると。」
「………約束する。」
嘘を吐いた。
本当は、生き残ると約束できない。ヴェイダーと皇帝が、私とルークを待っている。生き残れる保証はない。私は良くて相討ち、最悪殺されるだろう。皇帝に従う気はないのだから。
これだけは、ダンタムにも言えない。
「隠遁するならどこがいい?」
「そうだな……外縁部のザンバーはどうだ?誰も目を向けないだろう。」
「いいよ、そこにしよう。」
「だが、良いのか?」
「何が?」
「皇帝を倒したら、スカイウォーカーはジェダイ・オーダーを再興するはずだ。君に助力を求めるんじゃないのか?」
確かに、ルークによってオーダーは再興される。だからと言って、私が必要なわけじゃない。私がいなくても、ルークだけで充分だ。
「私はいなくて大丈夫。」
「手本になるんじゃなかったのか、マスター・アリス?」
「それやめてって。ルークにも先生って言われるし、そんな柄じゃないから。先生を見てきた先生がいるんだから、大丈夫でしょ。」
「スカイウォーカーはアリスから卒業するんだな。」
そう言って、ダンタムはキスをしてくる。噛むようなキスを止めて、訝しげに彼を見る。何を考えてしてきたのか、察してしまった。
「やけに強引だね。」
「どうしても嫌な予感がしたんだ。」
「いやいや、約束したじゃん。」
「………」
「本当に帰ってくるから。」
最後には信じてくれた。信じてくれないと困るけど、分かってくれて良かった。ダンタムに嘘を吐くのは、これを最後にする。
「そろそろ行くよ。レイア達が待ってるから。」
「アリス」
「ん?」
「約束したからな。」
「………うん。」
部屋を出て、ハンガーのファルコンへと乗り込む。久しぶりにマントを着て、心を落ち着かせた。向かうは、タトゥイーンにあるジャバの宮殿だ。
コックピットに入ると、カルリジアンは不在で、チューバッカとレイアしかいなかった。
「アリス、出発するわ。」
「うん、行こう。ちょ、待って、チューイ、会えて嬉しいのは私もだから、苦しいって。」
ファルコンはホーム・ワンを離れ、ハイパースペースへと入る。
以前ジャバに、二度と面見せんなって言われたけど、致し方ない。ソロを返してもらう為だ。もう友人を放置したりしない。
さて、ソロ救出作戦はどうなるやら。
シークエル編、書くべき?
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いらん、完結しろ。
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伝説のクラッシュ・マスター早よ。
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作者の自由でOK。