一面に広がる砂漠に、2つの太陽が燦々と輝いている。額に汗が流れて、また砂漠に来たのだと実感する。夏どころか、真夏だ。
それにしても、この気温はヤバイ。
「暑い!!」
「アリス、分かりきったことを言っても仕方ないわ。」
「ねぇレイア、一つ聞いていい?」
「何かしら?」
「なんでルークがいるの?」
私の視線の先には、新しいライトセーバーをメンテナンスするルークがいる。
おかしい、ダゴバに向かわせたはずなのに。
「私が連絡したのよ。」
「なんで!?」
「なんでって、ルークと約束してたの。アリスには内緒でね。」
「ナンダッテ……!」
何も聞いてないわよマイ・スチューデント!
ルークが一足先にR2と3POを向かわせたが、かなり心配だ。メッセージの録画を横で見ていたけど、あれは確実にダメでしょ。贈り物にドロイドとか、誰が喜ぶの。
「一晩経ってR2達が帰ってこなければ、私とチューイが捕虜役をやる。」
「なぜ貴女が行くんですか!?」
「ルーク、ジャバが簡単にソロを返してくれると思う?」
「……いいえ。」
「じゃあ、決定で。」
未だに不満そうな弟子に、私は溜め息を吐く。
「分かった。それなら、タトゥイーンに来たことには何も言わない。」
「いや、けど、」
「ていうか、二度と面見せんなって言われた私がいれば、レイアを信じてくれると思うんだよね。なんだかんだ言って、ジャバは私を利用したいと考えてるだろうから。」
「それはそれで不安だ。」
「私達がダメだった時の為に、あんたがいる。任せたよ。」
ルークを納得させ、一人背を向けて座る。
皇帝より先を行くには、奴の邪魔をしなければ無理だ。以前までは拒むだけだったけど、今回は違う。皇帝の罠を利用してやる。
「レイア、しばらく一人にして。」
「分かったわ。」
瞑想に入り、フォースと深く繋がる。
私の心が見たいなら、皇帝に見せてやろう。絶対に屈しないと、分からせるんだ。私には、フォースが共にある。
思い描いたのは、再興された共和国と、新ジェダイ・オーダーだ。
私が望んだ未来に、“シディアス”の怒りを感じた。凄まじい怒りと、強い渇望だ。私は深い闇の底へ沈んでいく。
深い深い暗闇に落ちて、ふと隣を見れば、前世の親友がいた。
『###、パルパティーンって愛情が分からないんじゃないかな?』
『なんでそう思うの?』
親友の隣には、前世の私がいる。
この会話には、覚えがあった。こちらに来る半月前の会話だ。親友がパルパティーンの外伝を読んだ後に、謎の分析をしてきたんだ。
『だって理解していたら、ダース・ヴェイダーがライトサイドに帰還することはなかったし、誤解してなければカイロ・レンだって、』
『ちょっと待って、エピソード9のネタバレはしないで。』
『早く観に行ってよ!』
丁度エピソード9が公開された直後のことだった。私は結局観ることは叶わず、エピソード8止まりのまま転生した。親友は公開初日に観に行ってきて、私は仕事で多忙だったから行けなかったのだ。
そのエピソード9では、新事実が明かされたらしく、親友は興奮していた。
私も観たかった。
いや、これから生で見ることになるのか。
『カイロ・レンが尊いよ!』
『え、他は?』
『どうでもいい!』
『とても参考になったわありがとう。』
『絶対思ってないよね!?』
親友は天然というか、これが素だった。
その親友の推しは、カイロ・レン。正体は、誰もが知っているだろう。あのルークの甥っ子だ。彼女は、カイロ・レンにゾッコンだ。
ぶっちゃけ、50代の私から見たら反抗期の子供だけどね。
え?私の推し?
あの頃の私の推しは、キャプテン・レックスだ。だって、ジェダイを推しても成就しないじゃん。掟で愛情を持つなって。アイドルかよって思ったわ。
こんなことダンタムに言ったら嫉妬しそう、これは黙っておこう。
『アリス……アリス!!』
遠くから声が聴こえて、私は現実に引き戻された。
顔を上げると、ルークが覗き込んできていた。瞑想に深く入りすぎたみたいで、倒れていたらしい。それ程深く潜っていたんだろう。
まさかの1日過ぎていた。
シディアスが愛情を理解していないのは、よく分かった。あいつが愛情を理解できないなら、私のことも理解できない。もしかしたらシディアスは、愛情に突き動かされる私の選択を予期できないのかもしれない。
この仮定が正しいか分からないけど、これ以上シディアスに踊らされるのは御免だ。
「ありがとう、ルーク。」
「何を見たの?」
「アナキンが、ナル・ハッタで泥に突っ込むところ。」
「どんな状況なんだ!?」
「オビ=ワンと3人での任務で、一人だけ罠に気付けなかったから。」
アナキンが一人だけ沼に落ちて、顔から突っ込んだ武勇伝である。
本当はただの昔話だけど。
レイアとチューバッカと一緒に、私はデューン・シーへと向かった。センサー網手前で手錠をして、ジャバのテリトリーに入る。レイアは賞金稼ぎに化け、宮殿の門を叩く。
「《ウーキーとジェダイを捕まえた。》」
レイアがそう言うと、門が開いた。賞金稼ぎのふりをして、レイアはガモーリアンを押し退けて進む。どこからどう見ても、度胸のある賞金稼ぎだ。
この子の演技力には脱帽だわ。
とりあえず、潜入は成功だ。
シークエル編、書くべき?
-
いらん、完結しろ。
-
伝説のクラッシュ・マスター早よ。
-
作者の自由でOK。