【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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願いは叶う

マスター・クワイ=ガンもこんな感じだったのか、と呑気に考えてしまった。

 

私はオビ=ワンとは違い、フォースの女官から訓練を受けていない。死後に自我は保てない。皇帝の最期を見届けられないのが残念だ。

 

ルークが駆け寄ってきて、私を抱き上げる。

 

 

「アリス…!そんな、嘘だ!なんてことを、」

「いいんだよ……死なせて。皇帝にくれてやるものはない。」

 

 

意識が遠退き始めて、ヴェイダーを見上げる。

 

ヴェイダーは、私の行動に動揺していた。ルークの言う通り、ヴェイダーの中にはアナキンが残っている。良心が残っていると知って、安心した。

 

安心したのも束の間、シディアスが叫ぶ。

 

 

「なぜだ!?アリス!!余と其方で全てが手に入るというのに!なぜ其方が死を選ぶ!?愛した男の死で、全てが解決したのだぞ!」

「お前に愛が分かるものか………ザマァみろ。」

 

 

素でシディアスに罵言を吐き、中指を立てる。

 

腕を降ろし、目を閉じる。次第に腹部の痛みが消え、身体の感覚も消えた。弟子は成長したし、心残りはない。

 

心残りがあるとすれば、ダンタムとの約束を守れなかったことだ。

 

後悔先に立たずって、こういうことか。

 

そして、私の意識は完全に切り離された。

 

 

気が付くと、私は真っ白な空間にいた。

 

この銀河では、普通は自我を保てないはずだ。なのに、死んだ後もこうして意識がある。何がどうなっているのか。

 

それに、霞んでいた前世の記憶が甦っている。

 

本当に、意味不明。

 

 

『アリス』

 

 

聞き覚えのある声に、私は振り向く。

 

 

『マスター………?』

『弟子を鍛えることが、どれだけ大変なのか分かっただろう。』

『返す言葉もございません……』

 

 

私のマスターであるプロ・クーンが、そこにいた。

 

 

『師を苦労させたのは、お前も同じだ。』

『ええ、そうですね。感謝します、マスター。』

 

 

マスターは死んだ時と同じ姿で、自分も当時のジェダイ・ローブを着ていることに気付く。

 

 

『アリス、よくぞ耐えた。』

 

 

その一言に、私は死んだのだと自覚した。

 

愛した人を置いてきてしまった。死んだことを知ったら、ダンタムは悲しむ。それ以前に、嫌われているかもしれない。

 

いろんな感情がごちゃ混ぜになり、私は手の平で顔を覆う。

 

 

『アリス、まだ終わってはいない。』

『………私には何もできません。』

 

 

シディアスはまだ生きている。奴が生きている限り、銀河の平和は脅かされる。私が、ジェダイとしての務めを果たさなければならない。

 

アナキンに呼びかけ、息子を救うように何度も訴えた。選ばれし者は私の声に、皇帝と息子の間で揺れる。だけど、選ぶのは一つだ。

 

皇帝が死んだのを感じて、私は安堵した。

 

ようやく終わったんだ。

 

 

『マスター、素敵な話があるんですけど、聞きます?』

『ほぅ、どんな話だ?』

 

 

私は、マスターに物語を聞かせた。

 

長い長い物語だ。

 

一人の少女が、一人の少年と出会って、ある日亀裂が生じた。その亀裂はやがて銀河を巻き込み、混乱を生み出してしまった。少女と少年は光と闇の狭間に迷い込んで、別の道に進む。

 

少年は闇へ、少女は光へ。

 

少女は希望の光に助けられ、少年を救う。

 

 

『その物語には、続きがあるだろう。』

『え……?』

『少女と少年は互いを許し合い、新たな時代が訪れる。』

『その時代に、私は必要ありません。』

『本当にそう思うか?』

 

 

私は必要ない。

 

立派なジェダイなら、既にいる。ルークこそ、理想のジェダイだ。私はルークを鍛える為に存在しただけ。

 

 

『アリス、ジェダイとはなんだ?』

『銀河に平和を導き、人々を守る存在です。』

『お前もその為の存在だろう。』

 

 

私もジェダイだ。ただし、(仮)にしてほしい。ジェダイなら、掟を破ることはしない。

 

ジェダイの掟に逆らって、愛情を抱いたんだから。

 

 

『お前が結婚したとは、意外だったな。』

『私が元いた世界では遅い結婚ですよ………』

 

 

私30歳で結婚してるんだよ?遅いよ?結婚するなら20代で結婚したかったよ。ダンタムの求婚を蹴ったのは私だけどさ!!

 

 

『だが、喜ばしいことだ。』

『………もう過去のことです。』

『言ったはずだ。物語には続きがある。弟子の下へ戻れ、アリス。』

『え?マスター!?』

 

 

急に後ろへ引かれ、マスターが遠くなっていく。正確には私が離れていっているが、そんなことはどうでも良かった。マスターは遠くなるのに、声だけははっきり聴こえてくる。

 

 

『アリス、お前がここに来るのは早すぎる。』

『待って!マスター!!』

 

 

声は一方通行で、私はいつの間にかジェダイ聖堂にいた。

 

聖堂には誰もいなくて、私一人が彷徨っていた。何も考えずに公文書館へ訪れ、ジェダイ・アーカイブの前に立つ。扉は勝手に開き、私はその中へ足を踏み入れる。

 

自然と手に取ったホロクロンをフォースを使って開き、映されたものに絶句する。

 

 

『あいつ……!』

 

 

慌ててアーカイブから出ようとすると、扉が閉まり、私は閉じ込められる。フォースの意志が、道を塞いでいるみたいだ。でも、ここで大人しくできるはずがない。

 

私はまだ終われない。

 

戦いは、これからだ。

 

 

シークエル編、書くべき?

  • いらん、完結しろ。
  • 伝説のクラッシュ・マスター早よ。
  • 作者の自由でOK。
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