【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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2人の選ばれし者

アリスが息絶え、彼女の手からヒルトが転がり落ちる。

 

ルークは、アリスがライトセーバーを強化したのはこの為だったのだと悟る。初めからこうなると予見して、自ら死を選んだのだとルークは気付いた。アリスは、確かにシディアスの先を読んでいた。

 

残されたルークは涙を拭い、父と向き合う。

 

 

「貴方は、親友が死んでもまだ戦うんですか!?」

「………」

「もう良い!!」

 

 

2人の間に、皇帝が割って入る。

 

 

「アリスが死んだのは、余のミスだ。」

「ミス?ミスだって……?アリスを一体何だと思っているんだ!!」

「愚か者め。お前はあの者の価値を知らんのだ。」

 

 

その直後、皇帝のフォース・ライトニングがルークを襲う。

 

 

「マスターの後を追って死ぬがいい!」

 

 

何度もライトニングを食らい、ルークは父親に助けを求める。

 

ヴェイダー、アナキンは既視感を覚えていた。ヴェイダーは皇帝を見て、ライトニングを食らう息子を見る。背後から聴こえる声に、“アナキン”は皇帝を掴み上げた。

 

 

「やめろおおおおおぉぉ!!」

 

 

アナキンの悲痛な叫びに、皇帝は動けなかった。

 

生命維持装置が壊れても、アナキンは気にしなかった。今は背後の声に押されて、息子を守らなければならない。パドメの忘形見を、失うわけにはいかない。

 

皇帝を反応炉に落とし、アナキンは息を切らせて座り込む。

 

アリスの傍に歩み寄り、彼女の手を握る。

 

 

「お父さん………」

「“アリス”は、わしの代わりになったのだ。」

「え……?お父さん!」

 

 

アナキンも力尽き、その場に倒れていく。

 

 

「アリスを救う方法はある。」

「どうすれば……?」

 

 

アナキンは、シスの術をアリスに使う。

 

本当なら、この術をパドメに使うはずだった。しかし、学んだのはパドメが死んでから、大分月日が経ってからだった。だが、アリスはまだ間に合う。

 

アリスの傷口に手を当て、アナキンは息を吐く。

 

親友は命を懸けた。

 

アナキンはそれに応える為に、自身も命を懸ける。

 

────────

 

アーカイブの扉を背に座り込んでいると、開かないはずの扉は静かに開いた。

 

光が差し込み、ジェダイ・アーカイブを抜け出す。

 

アーカイブを抜けた途端、私は激しく咳き込む。息が苦しくて胸を押さえ、腹部の痛みが戻ってくる。腹の傷が消えていることに気付いて身を捩るが、残っている痛みに起き上がれなかった。

 

 

「アリス!!」

「何…これ……えほぉっ…」

 

 

間抜けな声で、ルークに返す。私は死んだはずだ。なぜ生きているのか分からない。

 

 

「父さんが……」

 

 

ルークの言葉に、私は横を見る。隣には死にそうなアナキンが、マスクを外して横たわっている。代わりになった意味がないと分かって、私はありったけの声を張り上げた。

 

 

「なんで……!」

「アリス、」

「私がっ……っ、代わりになったのに!!どうしてっ……!」

 

 

結末を変えたはずだった。

 

私は死んで、もう一人の選ばれし者としての役割を果たした。それなのに、アナキンが死にかけている。私に命を差し出したんだ。

 

こんな結末、認めたくない。

 

 

「アリス………」

 

 

鮮明なアナキンの声に、振り向く。

 

 

「………すまなかった。」

「あんたが死んだんじゃ意味がないんだよ!」

「ルーク…アリスを頼む………」

「お父さん…!」

「アナキン!!」

 

 

アナキンは、静かに息を引き取った。

 

彼はもっと生きるべきだった。私なんかより、生きる理由がある。全ては、シディアスのせいだ。あいつのせいで、アナキンの人生が狂った。

 

もっと後悔させてやればよかった。

 

 

「マスター・レイン」

 

 

アナキンの横で蹲る私に、ルークが呼び掛ける。

 

感覚が麻痺した手で、私は弟子の胸倉を掴み上げた。ルークはただ成すがまま、拒まない。霞む視界の中、悲しみをルークにぶつけてしまった。

 

 

「なんで父親を止めなかったの!?」

「………何度も止めたよ。」

「ごめん………」

「いいんだ。」

 

 

手を離した私は、ルークに抱き締められる。

 

年甲斐もなく、声に出して泣いてしまった。

 

マスター・クワイ=ガンが死んだ時より、喪失感は大きかった。その喪失感に、アナキンを心から親友だと思っていたと、私は再認識する。誰がなんて言おうと、アナキンは親友だ。

 

 

「アリス、帰ろう。」

「アナキンを置いていけない。」

「一緒に帰るんだ。連れて帰ろう。」

 

 

シールドが解除されたのか、反乱艦隊の攻撃が始まり、デス・スターは揺れる。このままなら、私達は死ぬ。すぐに脱出しないと、アナキンの想いも無駄になってしまう。

 

身体の感覚がようやく戻り、私はルークと2人でアナキンを抱えた。

 

ファルコンがリアクターを破壊する前に、脱出しなければならない。

 

ハンガーのシャトルに辿り着き、アナキンの亡骸をベンチに寝かせる。ルークが帝国シャトルのエンジンを立ち上げ、操縦した。

 

シャトルがハンガーを離れた直後、デス・スターは撃墜された。

 

 

「ルーク、ありがとう。」

「え……?」

「私とアナキンは友情を取り戻せたの。ありがとう。」

 

 

全てルークのお陰なんだ。アナキンが戻ってこられたのも、私がアナキンと分かり合えたのも、彼のお陰だ。もう、ルークに私は必要ない。

 

戦いは終わった。ようやく、終わったんだ。

 

ジェダイ・アーカイブで見たものなんて、シディアスが死んだ今はどうでも良かった。

 

さぁ、夫の下へ帰ろう。

 

 






第二デス・スターから脱出完了したので、次のエピソードを更新する時にアンケートを締め切ります。

シークエル編、書くべき?

  • いらん、完結しろ。
  • 伝説のクラッシュ・マスター早よ。
  • 作者の自由でOK。
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