エンドアの戦いから1年と4日が経った。
モスマ議長との約束通り、ジャクーにいる艦隊と合流する為に戻ってきた。
ところが、私とサビーヌが戻ってきたら、新共和国防衛軍は帝国軍の残党と戦闘中だった。何も聞いていない私達は、必死に流れ弾を避ける。私が操縦して、サビーヌがTIEファイターを撃ち落としていく。
「サビーヌ、地上に降りるから操縦お願い。」
「一人で行く気!?」
「R7がいるから平気だよ。」
サビーヌが操縦席に座り、シャトルは地上へ降下する。戦闘状態のままハッチを開けさせて、私は間髪置かずに飛び降りた。砂丘の上に転がり落ち、受け身を取って踏ん張る。
シャトルを見上げていると、通信機が点滅する。
『アリス!』
応答すると、サビーヌの声が通信機から響く。
『気を付けて。』
「うん、ありがとう。行ってくる。」
ジャクーに来る前に調べ上げた情報を元に、R7-D4を連れて帝国の観測所へ向かう。
観測所は、皇帝が銀河各地に設置したものだった。他の観測所がどういうものか分からないが、ジャクーの観測所はシスの遺物が関わるものなのは、調べて分かった。ラックスが潜伏しているのは、ジャクーの観測所だ。
「R7、ドアを開けて。」
R7-D4に接続させ、観測所のドアを開けさせる。
ドアが開き、私達は中に踏み込む。
ジャクーの観測所は、半分シス寺院を利用したようなものらしい。R7にライトを点けてもらって、更に奥へと進む。その光景は、ダントゥインで見た夢と同じだった。
「え?………誰かいる?そりゃあいるでしょう。」
相棒の言葉に、辺りの気配を探るが何も感じられない。寺院の力が邪魔して、気配が分散している。これは、私一人で来て正解だ。
「R7、熱源を探して。」
調査通りなら、ジャクーのコアを破壊する為の、シスの遺物があるはずだ。ラックスは、ジャクーのコアを破壊して、帝国も新共和国も殲滅しようとしている。シスの遺物は、それほどの威力がある。
R7-D4にスキャンさせると、観測所の奥で熱源を感知した。
先へ進もうとすると、背中にブラスター・ピストルを突き付けられた。
「手を上げろ。」
低い声に、私は大人しく手を上げる。振り向くように言われて、ゆっくりと向きを変える。ブラスターを突き付けてきたのは、ラックスだった。
「やはりお前か、アリス・レイン。」
「会えて嬉しいよ、ラックス。」
「そうだな、お前を道連れにするのも良いだろう。」
ブラスターを撃とうとするラックスに、私は奴を押し飛ばす。全力のフォース・プッシュで、ラックスは吹っ飛んで床に倒れる。しかし、奴は床に倒れながらもブラスターを撃ってきて、私はシス卿の銅像の影に隠れる。
「レイン!“反乱軍”に勝機はないぞ!」
少しでも顔を出すとレーザー弾が撃たれて、身を引くしかなかった。
奴の言葉に、私は声を張り上げる。
「投降した方が帝国軍の為だよ!」
「降伏するのはお前達だ!センチネルは役割を果たした!お前もその礎となれ!」
「あのさー!私はメッセージ見てないんだよ!」
「何だと!?」
ゆっくり出て行くが、ラックスは撃ってこなかった。それよりも、私がメッセージを見てないのが問題らしい。ラックスは、私がメッセージを見たものだと思っていたようだ。
「私、嫌いな奴の手紙は読む前に破り捨てるタイプなの。」
「失念だった…まさか見ていないとは………」
私がセンチネルを破壊したことで、ラックスの計画は崩れ去ったみたいだ。
一つは既に解決してたってことじゃん。
「だが、まだ終わりではない!」
ブラスターが放たれ、私は身を翻す。弾道を予知しながら、レーザー弾を避けた。ライトセーバーはR7-D4に隠し持たせていて、私は丸腰同然で、避けるのみだった。
銃を突き付けられた時にライトセーバーを持っていたら、ラックスに取られていた。
「相棒!!」
私の声に、R7はライトセーバーを射出する。宙に飛んだヒルトを掴んで、ラックスのブラスターを切り壊す。その後、フォースで拳を強化せずに奴を殴り倒した。
「っ……!」
ここまでは予期通り。
ジャクー上空の戦いは、どうなるか想定できない。両軍とも全力なんだ。どちらが勝っても不思議じゃない。
今は、目の前のラックスをどうするかだ。
「軍を撤退させて。そうすれば、被害は最小限で収まる。」
「お断りだ。お前は何も分かっていない。センチネルのメッセージを見ずに破壊したのが、その証拠だ。」
「見る必要はない。」
「センチネルのメッセージは、どの個体も同じ内容だ。だが、お前に送られたセンチネルは少し違う。中身を見なかったお前の自業自得だ。」
センチネルを送ったのはラックスだ。中身を知っていてもおかしくはない。だけど、中身を聞く気もない。
「メッセージなんてどうでもいい。重要なのは、上の戦いを終わらせること。あんたを拘束する。」
拘束する為に手を伸ばそうとすると、銃声が響いた。
撃ったのは、私でもラックスでもない。
「ス、スロー、ネ……」
女性将校が、ラックスを撃っていた。
ラックスは、糸が切れたように倒れる。しかし、今死なれたら困る。近付こうとすれば、彼女が牽制してきた。スローネと呼ばれた将校の後ろの男女も、私にブラスターを向ける。
「動くな。」
まだラックスに息はある。彼女が始末するかと思えば、スローネはラックスの脇に屈み込む。私は手を上げたまま、それを見ていた。
ラックスは彼女に何かを耳打ちして、息絶えた。
「何だって?」
「帝国は必ず再建される。その為に、お前を殺さなければならない。」
「私が誰か分かってる?」
「アリス・レイン。皇帝陛下に呪われたジェダイだ。」
「その呪いはもう解けたよ。」
3人は、一斉に私を撃とうとする。
詰んだ。
そう思ったら、ルークとレイア、アソーカが駆け込んできて、スローネ達を撃つ。3人は撤退して、レイアが私の無事を確かめる。安堵するレイアに、私は平気だと言い張る。
「上は?」
「帝国軍は降伏したわ。新共和国の勝利よ。」
レイアがそう答え、戦いは終わったのだと分かった。
ルーク達の視線はラックスに注がれ、アソーカは奴の脈を診る。
「死んでるわ。」
「それよりも、脱出しよう。」
「ていうか2人共、アソーカといつ知り合ったの?」
「さっきよ。」
「え、アソーカ、さっき戻ったの?」
「アリス、お喋りは後にしましょう。」
アソーカに頷き、3人と一緒に観測所を脱出する。
外は地獄絵図だった。
帝国軍、新共和国軍、両方のクルーザーが墜落していて、クローン戦争時代を思い出させた。
ジャクーの戦いは新共和国軍の圧勝で、帝国軍は呆気なく降伏したという。アミダ大宰相が銀河協定に署名して、ようやく戦いが終わった。スローネ大提督やあの男女は、共和国が手を尽くしたけど、見つかることはなかった。
アソーカとサビーヌはエズラを探しに、ゼブとカラスはリラ・サンへ。
そして、私はダントゥインへ。
やっと、平穏が戻ったのだった。
次がラストです!
その次からシークエル編に突入します!
皆様、お付き合いありがとうございますm(_ _)m