翌日、アミダラ女王はナブーへ戻り、ジェダイ評議会の指示でクワイ=ガンとオビ=ワンもそれに同行した。
私?
私は、マスター・プロからスパルタなトレーニングを受けています。
「アリス、刃を下げるな。」
「っ!私、セーバー戦の才能ないと、思うんです、よ!」
区切りすぎって思うでしょ?
仕方ない。ライトセーバーを防ぎながら、マスターに言い返しているんだから。
「あ」
ライトセーバーが首に添えられ、私は降参する。模擬戦だけど、マスターは容赦ない。これが本気の戦いなら、私は何度死んだことか。
「集中しろ。気が散っているぞ。」
「すみません。」
ライトセーバーを構えて、いつもとは違う動きでマスターに向かっていく。
マスターに教わった型はフォームⅤだが、何せ私はオタクだ。相手より優位に立つ為に、体術も覚えた。ライトセーバーと体術を組み合わせ、ついにマスターが後退する。
隙を取ったと思い右手から振り払うと、フォースで押し飛ばされた。
「ダメか。」
「体術は良かった。だが、少し甘い。」
「何がいけなかったんですか?」
「過信をしていたからだ。己の未熟さを理解していない。」
もう一度お願いして、ライトセーバーを胸の前に立て、構え直す。
駆け出し、ヒルトを手の中で回して逆手に持ち替え、下から振り上げる。難なく防がれ、ヒルトを両手で持ち直すと、マスターが真上から光刃を振るってきた。
ライトセーバーで防御した瞬間、遠い地、ナブーでクワイ=ガンが倒れたのを感じた。
「マスター………」
同じように感じたらしく、マスターはライトセーバーを収める。
クワイ=ガンが死んだ。
遠回しに警告して、クワイ=ガンも気付いていたはずなのに、彼はダース・モールに敗れた。そのダース・モールも、オビ=ワンに胴体を真っ二つにされ、敗れた。
歴史を変えるのは、難しい。
「評議会で話し合う必要がありそうだ。トレーニングは一旦中断だ。」
「はい、マスター。」
マスターが道場を出ていき、私は正座をする。瞑想してフォースと繋がり、ひたすら無になる。
最近、瞑想すると誰かの視線を感じる。
アナキンやオビ=ワン、マスターでもない。評議会の誰かなのかと思ったけど、評議会でもない。こちらから視えないとなれば、心当たりは一つしかない。
頭では分かっているけど、分かりたくないから知らないふりをしている。
「いい加減うざいよ。」
そう呟くと、視線は消えた。視線の主は、私の反応を楽しんでいる。本当に胸糞悪い。
あ、仮にもジェダイが汚い言葉を使っちゃダメか。
「アリス」
目を開くと、マスター・ヨーダが道場に訪れていた。
「どうされたんですか?」
「どうした、か。それはわしの台詞じゃ。」
「はて?」
思い当たる節がなくて、聞き返す。
「ナブーから戻って以来、お前の心は曇っておる。何を疑問に思っておるのじゃ?」
心の奥底で、ずっと燻っていた疑問があった。映画を見た時から今まで、なぜなのか分からなかった。
クワイ=ガンが連れ帰ったアナキンは、評議会に“選ばれし者”“フォースの集中”などと呼ばれていたのに、訓練を拒否した。結局アナキンはジェダイになるけど、評議会は一度拒否している。
フォースの強いアナキンが訓練すれば、最高のジェダイになる。なのに、なんで拒否したのか疑問だった。
マスター・ヨーダは、私が疑念を抱いたことに気付いたんだ。
「なぜアナキンの訓練を拒んだんですか?」
「お前もよく知っておるじゃろう。アナキン・スカイウォーカーが学ぶには遅すぎる。」
「出会いが遅かっただけじゃないですか。」
前の世界の感覚だけど、あながち間違いじゃないと思う。
「アリスは、実にユニークな考えを持っておる。しかし、現実はそうもいかん。」
「私はきっと、捻くれたジェダイになりますよ。」
「それも個性じゃ。」
「では、アナキンが母親を知るのも個性ではないでしょうか?」
私の言い返しに、マスター・ヨーダは考え込む。
母親の愛情を知っていても、ジェダイの教えを受ければ自己制御できる。たったそれだけの話だ。私だって、ある意味ではアナキンと同じなのに。
マスター達は、未来を見過ぎだ。