【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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孤独は人を狂わせる

スターキラー基地にて、スノークの前から下がったハックスは、ある部屋に入る。

 

2体の医療ドロイドの向こう側に、一つの水牢タンクがある。医療ドロイドが管理し、トルーパーは完全な交代制だった。部屋に入ったハックスは、そのタンクを見上げる。

 

タンクの中には、手足を拘束されたアリスが入れられていた。

 

枷はタンクの底に繋がれて、目覚めても脱出はできないようになっている。酸素量は減らされて、薬を打たれ続け、強制的に眠らされていた。更に、特殊な首輪も付けられ、フォース感応力も奪われていた。

 

厳重な管理の下、アリスは水の中で眠り続けている。

 

ハックスは、医療ドロイドに異常はないか問う。

 

 

「ドロイド、異常はないか?」

「ありません。些細な問題を除けば、ですが。」

「なんだ?」

「彼女は今、夢を見ています。」

「夢だと……?」

 

 

ハックスは、ジェダイを理解していなかった。ジェダイの夢は、ただの夢ではない。フォースによって見せられるものだ。

 

それを理解しないハックスは、ドロイドの懸念を一蹴する。

 

 

「そんなもの問題ではない。この女を生かしたまま拘束することが、お前達の仕事だ。」

「承知しております、ハックス将軍。」

 

 

ハックスが出ていき、医療ドロイド達はアリスのカルテを見直す。

 

 

「やはり、報告すべきか?」

「しばらく様子を見よう。」

 

 

ドロイド達が見るカルテには、脳波の検針結果が映っていた。通常とは違い、アリスはレム睡眠の幅が多く、数値も少し高い。フォース感応力が奪われていても、夢までは奪えない。

 

アリスは、長い夢を見続けている。

 

────────

 

外の様子が分からず、どれくらい時間が経ったか分からない。私の弟子を自称するビリーも、どうしているのか見ることもできない。ゲームも飽きて、私とプレイガスは無言になる。

 

最初に沈黙を破ったのは、プレイガスだった。

 

 

『レイン、現実の自分の様子を知っているか?』

『知ってるよ。』

 

 

眠らされるまでが、苦しかった。

 

拘束された時のことを思い出す。

 

無理矢理タンクに入れられて、底に繋がれた枷のせいで肺の苦しさにもがけない。ドロイドに呼吸マスクを着けられた後、強制的に眠りに落とされた。その後は、外の様子が分からない。

 

この状況は一種の瞑想状態なんだろうけど、フォース感応力を奪われているから何もできない。

 

 

『肉体は眠ってる。フォース感応力もないし、助けも呼べない。私はここで時を待つしかない。』

 

 

あの時の、自分の悲鳴が聴こえるようだ。

 

タンクに入れられる前、必死に抵抗したけど無駄な足掻きに終わった。

 

 

『やはり、お前は愚かだ。』

『は?』

『ジェダイのお前は、希望を信じるだけだ。暗黒面に手を伸ばせば、脱出できる可能性は上がる。その可能性を、自ずと捨てているようなものだというのに。』

 

 

そんなことは分かってる。

 

だけど、私は暗黒面に手を出さないと誓っている。愛する人と約束したんだ。目の前のことより、私は来たる希望を信じる。

 

 

『あんた、寝首掻かれてもシス卿だね。』

『お前こそ、どこまでもジェダイだ。』

『最高の褒め言葉だわ。』

『気に食わん奴よ。』

 

 

プレイガスだけでなく、死んだシディアスが悔しがる姿が脳裏に浮かんだ。

 

私は、ジェダイだ。危機に陥った時は、希望を信じるのがジェダイの性だと思っている。ジェダイとして生き抜くことが、シディアスに対する最大の復讐だ。

 

ジェダイは報復しないけど、結果的に奴を悔しがらせることができるなら、復讐と称しても良いだろう。

 

 

『ねぇ、面白いゲームがあるんだけどやる?』

『何度やっても勝つことはできんぞ。』

『いいえ、次は私が勝つ。』

 

 

私が取り出したのは、人○ゲーム。

 

その名の通り、人生を歩むゲームだ。ルーレットを回し、出た数だけ進むことができる。当然借金もあるし、子供もいる。

 

プレイガスにとって、これほど難しいゲームはない。

 

 

『こんなものがあるのか。』

『職業も選べる。』

『職業だと……?』

『そう、道は一つじゃない。』

 

 

止まったマスで、好きな職業を選べたりする。

 

フォース感応者だって、必ずしもジェダイになる必要はない。ビリーの訓練を拒んだのも、それが理由だ。ルークの時とは時代が違うのだから。

 

 

『これはなんだ?』

『仕事を変えられる。』

 

 

プレイガスが指差したのは、転職マスだ。

 

そのマスに止まれば、仕事を変えることが可能だ。ジェダイやシスもそうだ。無理に続ける必要はない。

 

 

『お前のゲームは奇怪なものが多いな。』

『面白いでしょう?』

『確かに、興味深い。』

 

 

その時、プレイガスは何かを感じて止まった。

 

 

『レイン。残念だが、ゲームを続けることは叶わんようだ。』

『え…?』

『邪魔が入った。』

『えぇ……また退屈になるのかよ……』

 

 

プレイガスは消え、私はゲームを片付ける。

 

また一人になってしまった。音もなく、自分の呼吸しか聴こえない。何もない空間が、私は独りだと思い知らさせる。

 

ダンタムに会いたい。

 

数秒後、私は目の前のテーブルを乱暴に倒していた。

 

 

『ここから出してよ………』

 

 

私は無意識に、心の底から助けを求めていた。

 

気が狂いそう。

 

 





某ゲームを再現w
人○ゲーム楽しいですよね(`・∀・´)
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