レイと母さんを助けに行く為に、レジスタンス司令部はブリーフィングに入った。
フィンと偵察隊の情報を元に、スターキラー基地のシールド発生装置を破壊し、Xウィングの部隊が攻撃することになった。シールドを破壊するのは、ソロとチューバッカ、フィン、そして俺だ。
そこで、スターキラー基地で熱源を探知したと報告が入る。
ホズニアン星系を破壊したように、ファースト・オーダーはイリーニウム星系も滅ぼすつもりだ。
何としても、基地の破壊をしなければならない。
「ビリー、アリスはまだ感知できないのか?」
ソロの問いに、俺は首を振る。
何度もやったが、時々悲鳴が聴こえるだけだ。俺に探すことはできなかった。母さんは、簡単にできるのに。
「焦りは禁物よ、ビリー。」
「はい、将軍。」
ゆっくり覚えればいい。将軍はそう言う。
「始めよう。」
ダメロン中佐の声に従い、一同は散会する。
ファルコンの積み込みを手伝っていると、父さんが声をかけてきた。俺は休憩室のベンチに座り、父さんも隣に腰を下ろす。
「ビリー、助っ人を連れてきたんだ。」
「助っ人?」
休憩室に1体のドロイドが入ってきて、父さんの脇で止まる。俺は、このドロイドを知っている。製造番号は、R7-D4。
「R7-D4!!」
「そうだ、R7。息子のウィリアムだ。力を貸してくれ。アリスと、息子の為に。」
R7は、もちろんだと言ってくれた。
このドロイドは、母さんのドロイドだ。R7は母さんの頼みで、ずっと父さんを支えていた。母さんの相棒は、母さんと父さんをよく分かっている。
「R7、俺と来てくれ。………ありがとう。」
「ビリー、忘れるな。お前にも、母さんと同じ力がある。アリスと同じように、フォースが助けてくれるだろう。」
母さんも、同じことを言った。俺にも、フォースと繋がる力がある。だから、フォースが助けてくれる、と。
だが、今は俺ではなく母さんを守ってほしい。
母さんを助けてくれないのに、どうやってフォースの声を聞けと言うんだ。
「どうしたらいい?」
「フォースを信じろ。そうすれば、フォースは自然とお前を導く。………アリスの受け売りだがな。フォースと共にあらんことを、ビリー。」
父さんはそう言って、ファルコンから出て行く。
ハッチを降りる父さんの背は、寂しげだった。父さんがどれだけ母さんを愛しているか、息子の俺にも伝わってくる。父さんの代わりに、俺が母さんを助けに行くんだ。
準備はできた。母さんとレイを救う時だ。
出発の支度が終わり、コックピットにソロとチューバッカが座る。ディカーを出て、船はハイパースペースへと入った。
ハイパースペースの航行中、フィンはソロに着陸方法を問う。これは、俺も疑問だった。シールドを解除する前に、シールドを抜けなければならないからだ。
「どうやって着陸するんです?」
「光速のまま突っ込む。」
「はぁ!?」
「光速のままなら、周波の隙間を突ける。」
「冗談だろ!?墜落するぞ!!」
俺の叫びに、ソロは大丈夫だと言う。
無理だ。絶対無理だ。フォースの導きでも、無理だ。
“マスター”、友達は選んでくれ。
────────
一方スターキラー基地内では、ハックスはレイが脱走したとレンから報告を受け、優先指示を出していた。
「アリス・レインのタンクをスプレマシーに送れ!」
指示を受けたトルーパーはそのエリアへ向かい、見張りの兵にタンクを運び出させる。アリスの入れられていたタンクは部屋から出され、厳重な警備下で運ばれる。
アリスは、更に脱出不可能な艦船へと送られる。
「っ!」
「なんだ!?うわぁっ……!!」
タンクを運んでいたトルーパーは、ウィリアムに撃ち倒される。
彼は単独で、母親を探しに来たのだ。
ウィリアムは、タンクを覆う布を剥ぎ取る。だが、中は空だった。中には誰も入っておらず、ウィリアムはタンクを殴る。
「っ……クソッ!!」
空のタンクは囮である。彼女本人は起こされ、既にシャトルへと連れて行かれていた。シャトルの行き先は、スプレマシーだ。ハックスの指示により、それは迅速に行われた。
ウィリアムはすぐにその場を離れ、基地内を探し回る。
「母さん……!」
その声は誰にも届くことはなく、風に掻き消える。
アリスはタンクから連れ出され、トルーパーに引き摺られシャトルに乗せられようとしていた。体力もなく、フォース感応力もない。アリスは、逃げる気力すら失っていた。
「………」
力を失ったジェダイは、虚な瞳でシャトルを見つめる。最早抵抗の兆しすらなかった。トルーパーは、アリスをシャトルの独房に入れ、枷を床に繋ぐ。
彼女は、糸が切れたかのように倒れ込む。
「ダン…タム………」
アリスの心に残っているのは、夫であるダンタムへの愛情だけだった。