【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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コンディションは整えましょう

ビリーが枷を外してくれて、首輪も壊してくれた。

 

私は息子に背負われてシャトルを降り、基地のハンガーを脱出する。

 

フォース感応力はすぐには戻らない。体力も少ない。今は、ファルコンに向かうことだけを考えるしかない。

 

 

「どうやって私を見つけたの?」

 

 

これは疑問だった。

 

未熟なビリーでは、私を見つけることはできない。私を感知できても、居場所までは分からないだろう。ジェダイの技を教えてこなかったのだから。

 

 

「R7が探してくれたんだ。タンクにいないから、全ての記録を調べさせたら、移送されると知って来たんだ。」

「そう……ありがとう、ウィリアム。」

 

 

ビリーの話によれば、ハンとチューバッカ、フィンも来ているという。

 

 

「ソロ将軍と合流しよう。チューバッカと将軍は今、爆弾を仕掛けてる。」

「爆弾?」

「この基地は破壊する。イリーニウム星系が狙われているんだ。」

 

 

そういえば、この基地はどこにあるんだろう。雪の惑星は多い。雪だけでは、どの惑星か判断ができない。

 

 

「ビリー、ここはどこなの?」

「………イラムだ。」

「え……」

 

 

惑星イラムは、ジェダイの聖地だ。イニシエイトが、ギャザリングで来たこともある。私も、一度来ている。聖なる地がファースト・オーダーに利用され、ジェダイである私は自らの聖地に捕われていたんだ。

 

皮肉としか言い様がない。

 

 

「母さん、今は……」

「………分かってる。ハン達と合流しよう。」

 

 

ビリーに背負われたまま、オシレーターがある施設へと向かう。

 

フォース感応力が戻ってきて、ようやくここがイラムなんだと認識した。星は穢され、聖地の面影がない。更に、レイという子の強いフォースを感じた。

 

あの子の存在を感じて、眠っていた記憶が甦ってくる。

 

 

「まずい……」

「母さん?」

「早くハンの下へ。」

 

 

施設に着き、中に入るとフィンとレイが振り向く。

 

2人共初めましてのはずなのに、レイは私を知っているみたいだった。

 

 

「貴女がアリス・レイン……?」

「うん。なぜ私を?」

「貴女を夢で見たの。無事で良かったわ。」

「おい、あれを!」

 

 

フィンの言葉に下を見ると、よく知る姿を見つけた。

 

シャフトの天板にハンと、彼の息子だったカイロ・レンが向き合っていた。ハンの息子は暗黒面に堕ちて、カイロ・レンとなっている。今のベンは、ハンにとって危険だ。

 

2人の会話が聴こえず、ハンの下へ行こうと柵に足をかける。

 

それを見て、ビリーとフィンは私を止めてきた。

 

 

「何してんだあんた!?」

「母さん!ダメだ!」

「あの2人を近付けないで!」

 

 

止める間もなく、ベンはハンをライトセーバーで貫いていた。

 

 

「ダメ!!!」

 

 

レイの叫びに、私は座り込む。

 

チューバッカやフィン、レイはトルーパーを撃ち倒していく。私は動けず、ハンの身体がシャフトに落ちていくのを見ることしかできなかった。

 

 

「ハンっ……」

 

 

レンがこちらに気付き、私達は慌てて施設を後にする。

 

思うように動けず、またビリーに背負われファルコンへと向かう。

 

空はレジスタンスのXウィングがTIEファイターと戦っていた。その内の何機かは基地を攻撃していて、イラムの核は不安定になっていた。この星は、崩壊する。

 

ファルコンまでもう少しというところで、レイ達は立ち止まる。

 

私達の先にいたのは、カイロ・レンだった。

 

 

「ケリを付けよう。」

「この……バケモノ!」

 

 

どこかで聞いたような台詞を、レイが吐き捨てる。

 

 

「ハン・ソロはもういない。」

 

 

彼の手には、赤いクロスガードライトセーバーが握られている。

 

戦いは避けられない。

 

ウィリアム達の為に無理矢理身体を動かして、息子の腰にあるライトセーバーを取り、私は自分のライトセーバーを起動させる。3人の前に出て、フォームⅤで構えた。私の戦意に、レンは邪魔だと怒鳴る。

 

 

「朽ちたジェダイが……!邪魔をするな!!!」

「カイロ・レン、あんたはルークから何一つ学んでいない。」

「学ぶ必要はない!ジェダイは滅びる!スカイウォーカーも、お前も!!」

 

 

レンが向かってきて、私ではなく、レイがブラスターを撃つ。

 

 

「レイ!ブラスターはダメ!!」

 

 

レンはレーザー弾をセーバーで偏向させ、フォース・プッシュでレイを押し飛ばす。レイは悲鳴を上げて倒れ、フィンが彼女に駆け寄る。レイに呼びかけるフィンの声を背に、私は地を蹴ってレンに切りかかった。

 

 

「母さん!無茶だ!」

 

 

私の一閃を防ぎ、彼は刃を離して下から振り上げる。

 

剣術だけは、しっかり受け継いでいるようだ。

 

 

「私に攻撃の型は通用しないよ。」

「暗黒面の力を嘗めるな。」

 

 

受け止めたはずのライトセーバーを押し上げられ、私はバランスを崩す。その隙を狙おうとしたレンは、上からライトセーバーを叩き込んでくる。そこで、彼の後ろにフィンの姿を捉え、レンの足を払った。

 

重心が傾いたレンを、フィンは青いライトセーバーで上から切りかかる。

 

 

「この……裏切り者が!!」

 

 

レンはフィンの攻撃を軽くあしらい、ライトセーバーを回す。フィンはライトセーバーを弾かれ、ヒルトは数歩先に落ちてしまった。切られそうになったフィンを庇い、私は2人の間に割って入る。

 

 

「この……退け!!」

「っ……」

 

 

途中でジェダイの訓練をやめたとは言っても、スカイウォーカーの血縁者と戦うのはきつい。私に経験がなかったら、もう殺されている。だけど、まともに戦えるのは、私を含めて誰一人いない。

 

私はレンの力に押し負けて、左肩を切られる。

 

 

「やめろっ!!」

 

 

私が取り落としたヒルトを手に、ビリーはレンに向かっていく。

 

 

「ウィリアム!下がりなさい!」

「嫌だ!!」

 

 

訓練を受けていないビリーに、レンの相手は早すぎる。ビリーはフィンと同じように受け流され、倒れたところで右腕をライトセーバーで貫かれた。レンはそれを一瞥して、私に視線を向ける。

 

痛みに呻く息子を見て、私は再び自分のヒルトを握る。

 

レンの標的は、私とレイだ。

 

 

「“ベン”、あんたは重要なことを見落としている。」

「重要だと!?一体何だと言うんだ!!」

「私も選ばれし者“だった”。」

 

 

ヒルトを逆手に持ち直し、右手から刃を叩き込む。

 

一瞬の出来事だった。怒りに身を任せたレンは私の太刀筋を受け流し、クロスガードセーバーの鍔が右脇腹を切った。条件最悪な私は体力気力共に底を尽き、雪の上に倒れ込む。

 

 

「よせ!!」

 

 

私に駆け寄るフィンをフォース・プッシュで払い退け、レンはライトセーバーを振り上げた。

 

まだダンタムに会えていないのに、殺されるんだ。

 

私は右腕を伸ばし、その痛みを待った。

 

今度こそ、本当に死ぬかもしれない。

 

 






みんな大好きなセーバー戦ですw
アリス達のコンディション最悪すぎるwww
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