迫るライトセーバーに目を瞑るが、なぜか何も起きない。
目を開くと、レイが青いライトセーバーでレンの刃を防いでいた。レイは目一杯赤い刃を薙ぎ払い、レンを押していく。次第に強くなる彼女のフォースに、私はただ見ているだけだった。
「レイ……」
ルークから去ったレンは、まだ未熟だ。剣術こそレンの方が上だけど、レイの方がフォースとの絆は強い。ベンは己を過信して、レイを押し返せない。
「レイ、その感覚を忘れないで。」
レイは私の言葉を聞き、レンを更に押し始めた。
2人が離れていき、脇腹の痛みに耐えながら必死に目を開く。少しでも気を抜いたら倒れそうだ。意識が飛びそうな今、私は蹲ることしかできない。
「母さん……!」
ビリーの声にハッとして、腕を抑える息子に歩み寄る。その視線の下にはフィンが倒れていて、記憶の中のフィンと同じように気絶していた。違うといえば、レンに切られずに済んだということだけ。
状況は良い方へ進んでいると信じたい。
「母さん、レイが危ない。」
「あの子は大丈夫。ファルコンは?」
ビリーは、コムリンクでチューバッカに連絡を取る。
「チューバッカ、今……母さん!」
気力が保たず、私はそこで意識を手放した。
レイは大丈夫。心配なのは、レイの心だ。自分の力に戸惑ってなければいいけど………
────────
レイとカイロ・レンの戦いは、地割れが起きたことで強制的に終わった。
俺とレイはフィンと母さんを抱えて、チューバッカの操縦するファルコンに乗り込む。
ファルコンとXウィング部隊が離れた後、イラムは崩壊して新星になった。
イラムが穢れたと表現した母さんは、どう思っているんだろう。ジェダイの聖地だったイラムは、もう存在しない。母さんが心配だ。
「ビリー、お母さんは大丈夫よ。」
「ああ。」
ディカーに帰還し、母さんは医療カプセルへ運ばれる。フィンも目を覚まさず、俺とレイは2人を静かに見送る。母さんを運ぶチューバッカの隣には、父さんがいた。
「父さん」
俺に振り向く父さんは、胸が締め付けられるような悲しい表情をしていた。
母さんがこんな姿で戻ってきて、素直に喜べないだろう。俺だって辛いんだ。父さんはそれ以上に辛いはずだ。
「ビリー、すまない。」
「なんで父さんが謝るんだよ。謝るのはファースト・オーダーと、スノークだ。」
「だが……お前を一人で行かせた。」
「俺が行きたくて行ったんだ。父さんが謝ることじゃない。」
そこへ、医療ドロイドが俺と父さんを呼びに来る。
「失礼します。マスター・レインが少しだけ目を覚ましました。お二人を呼ばれています。」
「分かった。父さん、行こう。」
「ああ。」
医療カプセルに入っている母さんは、父さんを見て手を伸ばす。父さんはその手を取り、傍に屈み込む。母さんは、父さんに謝っていた。
「気にするな。私こそ、君を置いていくべきじゃなかった。許してくれ。」
「貴方のせいじゃない……私の自業自得だから。ダンタム、隣にいれなくてごめんなさい……」
そう言って、母さんは涙を零す。
「ウィリアム」
自分の名前を呼ばれ、父さんの隣で片膝を折る。
「来てくれてありがとう。」
「いいんだ。母さんと父さんの為だ。」
「ビリー…ダンタムを、お願い………」
安心感からか、母さんはまた眠ってしまった。医療ドロイドは、限界だったんだろうと言う。命の心配はないとも言われ、俺と父さんは安堵する。
「眠っているだけです。今は休ませましょう。」
「ドロイド、アリスを頼む。」
「もちろんです。」
俺と父さんは医療カプセルから離れ、オーガナ将軍の下へ向かう。
勝利の声の中、将軍は悲しげだった。ソロ将軍は死んでしまった。息子の手によって。
俺もベンと同じ立ち位置だが、なぜあんなことができてしまうのか分からない。ソロ将軍もオーガナ将軍も、息子を愛しているはずだ。俺の両親と同じように、愛されて育ったのに。
俺は、未だにカイロ・レンが理解できない。
「オーガナ将軍、お悔やみを…」
「………ええ。」
「将軍、俺もレジスタンスに加えてください。」
「アリスは何て言ったの?」
「母さんは……もう反対しないと思う。」
そんな気がする。
俺は、母さんの為にレジスタンスに入る。その為に、ジャクーまで行った。両親の為に、ファースト・オーダーと戦うんだ。
「分かりました。歓迎するわ、ビリー。」
「ありがとうございます。」
こうして、俺はレジスタンスに正式加入した。父さんも、反対はしなかった。これが俺にできる、唯一の親孝行だ。
「ビリー、無茶はするな。いいな?」
「俺が無茶をするとでも?」
「お前はアリスに似てきている。しないとは言えんだろう。」
「絶対しない。約束する。」
「もし破ったら、母さんを説得しないからな。」
「やめてくれ。」
説得とは、訓練のことだ。
タコダナからディカーへの道中、俺は父さんから母さんを説得するように頼み込んでいた。
両親の為に、ジェダイになるんだ。俺のマスターは、母さん以外にいない。母さんの呪いを解く為にも、俺が戦うんだ。
母さんを説得してくれないと困る。
「母さんを悲しませるなよ。」
「ああ、分かってる。」
俺の手には、母さんのライトセーバーがあった。守りたいものの為に、ライトセーバーを握る。それがジェダイだと、母さんは言った。
俺の母も、ジェダイだ。
遅くなりましてすみません!
大人の遊びをしてたらこんな時間になってしまったwww
エピソード7編、次がラストです!