【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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変わり始めた未来

病み上がりでやるんじゃなかったと、少し後悔している。

 

私はいつの間にかベッドに倒れ込んでいて、目を覚ましたらダンタムに膝枕をされていた。彼の顔を見上げると、微笑んでるのに目が笑っていなかった。絶対怒ってる。

 

 

「お、おはよう?」

「アリス、静かだと思えば……本調子じゃないんだ。計画の為とはいえ、程々にしてくれ。」

「ごめんなさい……」

 

 

起き上がろうとすると、肩を引かれてまた膝枕に戻された。

 

 

「ちょっと、ダンタム……?」

「司令部は大丈夫だ。」

「いや、そうじゃなくて、貴方の持ち場は?」

「心配ない。ダーシー中佐が気を遣ってくれた。」

 

 

ごめんねダーシー中佐!!

 

最近、ダンタムが過保護だ。特に、計画が始まった辺りから。膝枕されているのがその証拠だ。

 

というか、誰か来たら恥ずかしいからやめてほしい。

 

 

「レイン将……失礼しました。」

「待ってぇー」

 

 

それ見たことか!!ホルド提督がふふってしてUターンしたぞ!ダンタムも満更でもない顔してるから、そういう反応されるんだよ!

 

 

「計画は順調ですか?」

 

 

今度こそ起き上がって、ホルド提督の話を聞く。

 

 

「ルークは戻らないかもしれない。だけど、叱責したからレイの訓練はしてくれるはず。」

「もし訓練しなかった場合は?」

「未熟な弟子のケツを叩く。」

「アリス、品性がないからやめるんだ。」

「えー、今更?」

「………」

「そこは何か言ってよ。」

 

 

ルークの件に関しては、とりあえず保留だ。

 

次に、直面する問題についてだ。

 

アノダインが燃料切れで、ファースト・オーダーに撃墜された。残りはニンカとラダスのみ。ラダスから輸送船への燃料移動は、まだ時間がかかる。どうにかして、時間を稼がなければならない。

 

 

「提督、少し早いけど次に移るよ。」

「分かりました。では、ニンカの“指揮権”を貴女に譲渡します。」

「ありがとう。」

 

 

直接乗り込む気はない。仕掛けを使い、時間を稼ぐ。これも計画だ。

 

ダンタムと提督と共にブリッジへ向かい、私は一人で操作パネルの一角に就く。

 

遠隔操作でニンカを離脱させ、船をスプレマシーに捕らえさせた。仕掛けを作動させ、いくつかのスイッチを入れて、スプレマシーに通信を試る。直接乗り込まないのは、ファースト・オーダーに通信する為だ。

 

モニターに映ったのは、ハックスだった。

 

ハックスは連絡してきた私を見て、少し驚いていた。

 

 

『アリス・レイン、生きていたか。』

「ハックス将軍、最高指導者に取り次いでくれる?」

『私の目を誤魔化せると思うな。その小さな艦船に乗っていないだろう。馬鹿にしているのか?』

「何言ってんの?この通信の為だけにクルーザーを墜としたんだよ。馬鹿にしてるつもりはない。」

 

 

そう言って、スノークを出せとハックスに言う。

 

 

「ジェダイのアリス・レインがわざわざ連絡したのに、無視するの?」

『良いだろう。お前が船と運命を共にする前に、叶えてやろうじゃないか。』

 

 

私の要望を受け入れたハックスに、司令部は騒然となる。

 

やがて、モニターにスノークが映り、画面越しに私を見据える。奴の表情が歪み、私の名を呼ぶ。近くで私を見守るダンタムが、スノークに嫌悪感を抱いたのを感じた。

 

思惑通り、攻撃は一時的に止んだ。

 

 

『レイン、面白い仕掛けを使ったようだな。』

「画期的でしょう?」

『どこまでも油断ならない奴よ。』

 

 

私が作った仕掛けとは、ニンカの遠隔操作以外に、センサーを誤作動させてニンカにいるように見せるものだ。ラダスからニンカにホログラム通信して、ニンカからスプレマシーにホログラム通信をしている。つまり、2段階通信のようなものだった。

 

 

『降伏ではないらしい。何が目的だ?』

「言っておきたいことがある。」

『なんだ?』

「ジェダイは滅びない。人々が希望を絶やさない限りね。」

 

 

刹那、スノークは私をチョークしようとするが、私は満面の笑みで首を傾げてやった。

 

チョークできないことが納得できないのか、奴は声を荒げる。

 

 

『貴様……!』

「拘束されてなければ、これくらいできる。」

 

 

何も起きない様子に、スノークは私を睨む。

 

 

『本気で敵対するつもりか。』

「殺す気で来なきゃ、私は潰せないよ。スノーク、あんたはカイロ・レンの葛藤を甘く見ている。彼に期待しすぎだよ。」

『期待しているのはお前だ、レイン。お前は私の本質を見抜いておらぬ。スカイウォーカーも同じよ。ジェダイは滅び去る。希望などないのだ。』

 

 

小さく鳴ったレーダーの音に別モニターを見ると、ニンカの燃料が切れていると表示が出ていた。

 

 

「希望はある。いつの時代、どこの場所でもね。」

『戯言を……』

 

 

そして、ニンカの信号が消失して、通信が切れた。

 

これで、本来の歴史より時間が稼げたはず。何より、あのダメロン大尉が大人しくしてくれている。計画が何事もなく進んでほしい。

 

 

「スノークは黙っていないぞ。」

「平気だよ。本気で来るなら、私を狙ってくるから。」

「それもそれで問題だ。」

 

 

ダンタムが怪訝な表情で言う。

 

私だって、何も考えずに煽ったわけじゃない。スノークがほんの少しでも、レジスタンスから目を逸らせばいい。私に構えば構った分だけ、時間は稼げる。

 

 

「提督、ラダスの燃料はあと7時間分です。」

 

 

コニックス中尉の言葉に、私とダンタム、ホルド提督が顔を見合わせる。

 

劇中では6時間と言っていたけど、時間稼ぎのお陰で1時間余裕ができた。その間に輸送船に乗り込んで、惑星クレイトでファースト・オーダーをやり過ごせば、戦力は減ることはない。レジスタンスは再起できる。

 

あとはルークが戻れば、私の計画は成功する。

 

窓から見えたニンカが、スプレマシーに攻撃されているのが見えた。

 

私は歴史を少しだけ変えた。それが良い方向に向かうのか悪い方に向かうのか、定かじゃない。最悪の事態になった場合のプランは使いたくない。

 

未来を変えた反動が来ないことを祈ろう。

 

 

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