ハンガーに着くと、ダメロン大尉が提督を説得しようとしていた。自分が助けに行き、トラッカーを切る、と。だけど、それは無謀だ。
「たった4人で何ができると言うのですか?あの船に乗る兵は数えきれません。そんな危険な賭けに、レジスタンスの存亡を託すことはできない。」
ホルド提督の言う通りだ。
私は提督の隣に立ち、無茶な作戦をやめさせるように言う。
「分かった。では、実力行使させてもらう。」
大尉がそう言うと、コニックス中尉を含めた何人かが、私達にブラスターを向ける。私が動こうとすると、大尉は足元に撃ってくる。そのレーザー弾の痕を見て、ホルド提督は冷静に問う。
「大尉、これは乗っ取りですよ。何をしているか分かっているのですか?」
「ああ、分かってるさ。あんた達の指揮権を剥奪させてもらう。見張ってろ。」
コニックス中尉達にそう指示して、ダメロン大尉は私と提督の間を通る。ダンタムは彼を呼び止め、諭そうとする。でも頭に血が昇った彼は、聞く耳を持たない。
「大尉、少しは考えろ。」
「考えている。これが結果だ。」
大尉は振り返らず、ブリッジへ向かう。
何とかして彼と中尉達を止めなければ。
ダーシー中佐が、不安げに私を見る。私を含めた司令部の面々が懸念するのは、計画のことだ。レイアが眠っている今、打開策も限られる。
それに、大尉を説得できる人は一人もいない。
完全に詰んだとしか言い様がない。
「アリス……」
ダンタムが声をかけてきて、私は彼を見る。
「君を信じている。やりたいようにやるんだ。」
「ダンタム………」
提督を見ると、目で肯いてくれた。
ダンタムも巻き込むことになるけど、やるしかない。やらなければ、計画は消えてしまう。レイやビリーの為に、私は未来を守らなければならないんだ。
「手荒なことには、強行手段を取らないとね。」
「え?」
コニックス中尉の疑問符に、私は笑顔を見せる。
それから床に両手を叩きつけ、フォースの衝撃波を起こす。フォース・ブラストで中尉達が倒れて、私はブリッジへ走る。手遅れになる前に、彼を輸送船に放り込む。強引だけど、優秀なパイロットは失うわけにはいかない。
そこでコムリンクに通信が入り、ダンタムからレイアが起きたと知らせてくれた。
『なるべく早く戻るんだ。』
「分かってる。ありがとう、ダンタム。」
通信を切り、ブリッジに辿り着く。
ところが、入る前にブラスト・ドアを閉められてしまった。一刻を争うこの状況で、待ってはいられない。ドアを壊すことになりそうだ。
ライトセーバーでドアに突き刺し、丸く弧を描く。
「おい、嘘だろ!?」
「嘘じゃないよ。」
中から聴こえた声に、小さく返す。
描いた円を蹴り上げ、中に侵入する。私の強行手段に、大尉は固まっていた。そんな彼に、私は気絶か降伏か、選択を迫る。
「好きな方を、」
ライトセーバーを向けていると、後ろからスタン・ビームが撃たれる。大尉は吹っ飛び、パネルの向こう側で倒れた。振り向くと、立っていたのはブラスターを構えたレイアだった。
思わず唖然となってしまった。
ちょっと待って、起きてそのまま来たってこと?
「過激なお姫様だね……」
「貴女が手を焼いているからよ。」
「ありがとう、レイア。」
倒れた大尉を担ぎ、レイアと格納庫に戻る。
ダメロン大尉を担架に乗せ、輸送船に運び入れてもらった。
「アリス、心配をかけてごめんなさい。」
「いいよ。無事だって分かってるから。私も……ルークを説得できなくてごめん。」
いくらルークを叱責したところで、最後に決めるのは本人だ。私にはどうしようもない。レイアもそれを分かっているから、私を責めない。
ほぼ全員が乗り込み、後は私とレイア、提督だけになる。
「提督、早く。」
「後から追います。行ってください。」
嘘だと分かっているけど、ここで無理矢理乗せても未来は変わらない。提督の意志を尊重しよう。
「提督、フォースと共にあらんことを。」
「フォースと共に、マスター・レイン。」
中に乗り込み、ダーシー中佐に声をかける。
「中佐、全機にクローキングの作動を。」
「了解です。」
システムを立ち上げ、船のエンジンを吹かす。
ダンタムが隣に来て、レイアの搭乗を2人で見届けた。レイアとアミリンには親友関係がある。一番辛いのは、レイアだ。
「レイア」
「分かってるわ。レイとルークを信じましょう。貴女も、ビリーを信じてあげて。」
「もちろん。信じるよ。」
ビリーは必ず戻ってくる。私の息子だから、戻らないことはない。突破口を見つけるはずだ。
息子を信じて待とう。
「アリス、若造が起きたぞ。」
「うん。」
レイアとコックピットを出て、ダメロン大尉の元へ向かった。
彼は、窓越しにクルーザーを見上げて固まる。
「そんな……!」
「ポー」
落ち込む大尉を、レイアが呼ぶ。
レイアはクルーザーを捨てた意味、輸送船を使う意味、全てを話した。そして、私が発案した計画も。未来の為に戦いを避けることを、大尉に明かした。
「提督が望んだのは、希望を絶やさぬこと。私達が生き延びることを願っているのです。」
レイアはそう言って、惑星クレイトを見つめる。
クレイトには、かつての反乱軍基地がある。設備は古いけど、使えることは私の記憶で分かっている。あとはルークが戻ってきて、計画通りに進めば良い。
ただ、そう簡単に済むとは思っていない。予定が遅れているから、上手く進む保証はない。ラダスも本当なら使いたかったけど、計画の為に放棄するしかなかった。
フォースの意志は、歴史の改変を許してくれるだろうか。
賛否両論のあるエピソード8なので、変えまくりますwww