【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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スカイウォーカー

エクセゴルのラボから押し出されたレイ達は、積み上がった瓦礫を見つめるしかなかった。プレイガスはアリスと離されたことで、男の身体から去っていた。

 

ビリーは戻ろうとするが、レイの父親がそれを止める。

 

 

「戻ってはならない。ここはもうすぐ崩れ落ちる。今はレジスタンスを、援護することを考えるんだ。」

「だが、」

「マスター・レインの尽力を無駄にしてはいけない、ウィリアム・ルード。」

 

 

ビリーは拳を握り締め、レンのTIEに乗り込む。

 

 

「君達も行きなさい。ベン・ソロ、分かっているね?」

「ああ。」

「ベン……?ちょっとっ……離して!私はまだ、」

「マスター・レインの言葉を忘れたか?選べ。スカイウォーカーの名を継ぐか、否か。彼女とアナキン・スカイウォーカーからの贈り物だ。選ぶ権利は、お前にある。」

「スカイウォーカーは貴方よ!」

「ああ。しかし、俺はただのベン・ソロだ。」

 

 

ベンはそう言って、レイを放り込んだレッド5の窓を閉める。フォースでエンジンを立ち上げ、抵抗するレイに目もくれずXウィングを発進させた。遠退くレッド5に、ベンは長い息を吐く。

 

 

「シスは滅んだが、思想は滅びることはない。その為に君達がいる。新しい世代の手本となれ。私とマスター・レインのように。」

 

 

ベン・ソロは頷き、TIEファイターに乗り込む。シス艦隊と戦うレジスタンスを助ける為に、彼は奔走する。彼に従うのは、ビリーの機体と、レッド5。

 

そして、長い夜が明けた。

 

皇帝の息子である男は、瓦礫の山に目を向ける。

 

フォースで瓦礫を退けてラボに引き返すと、そこは風の音しかしなかった。

 

アリスも、そこにいなかった。

 

シス・エターナルは滅び、彼を否定した皇帝もいない。彼はシスが滅んだことを確かめ、自分の努力が実を結んだのだと安堵する。同時に、ヴィジョンで見た未来を変えたのだと、心を震わせた。

 

崩壊が続くラボの中で、彼はあるものを見つける。

 

 

「………」

 

 

アリスの着ていたマントが、そこに落ちていた。

 

ラボから押し出される前まで、アリスが着ていたものだった。それを見つけた彼は、すぐにアリスのものだと気付いた。その捨てられた意味も、彼は気付いていた。

 

彼はマントを手に取り、宙を見つめる。

 

 

「マスター・レイン…。……っ!」

 

 

その時、拾い上げたマントから何かが落ちる。

 

落ちたのは、アリスのライトセーバーだった。アリス・レインと、オビ=ワン・ケノービのクリスタルで為った、正真正銘のアリスのライトセーバーだ。彼はそのライトセーバーに、持ち主の意志を感じた。

 

 

「フォースと共にあれ、マスター・レイン。」

 

 

彼はそのヒルトを回収し、ラボを後にする。

 

戦いは、子供達3人の尽力で終息を迎えた。

 

今度こそファースト・オーダーが降伏して、レジスタンスの勝利となった。レジスタンスはエイジャン・クロスへ帰還し、その喜びを分かち合う。レイアは回復し、息子であるベンとの再会に涙して、レイとビリーの帰還を喜んだ。

 

だが、その場にアリスはいない。

 

子供達はそれを寂しげに想い、レイアはアリスの意志を受け取った。

 

同じくエイジャン・クロスに戻ったダンタム・ルードも、妻のアリスがいないことに目を臥せる。しかし、ダンタムが悲しむことはなかった。彼は今でも、アリスを信じている。

 

そして、ダンタム・ルードは最愛の彼女を探しに小さなシャトルに乗り込むのだった。

 

エイジャン・クロスの朝日が、レジスタンスを温かく照らした。

 

 

その翌日、夜明け前まで忙しくしていたレジスタンスの下へ、レイの父親が姿を現した。

 

皇帝パルパティーンと同じような顔、声、話し方に、レジスタンスは動揺する。だが、中身は違う。彼はジェダイである、アリスの弟子の一人だ。

 

彼の善良さに、レジスタンスは拒むことはなかった。

 

彼はアリスの息子であるウィリアムに、声をかける。

 

 

「ウィリアム・ルード」

「あんたは……」

「彼女に会いたいか?」

「っ!」

 

 

彼の言う“彼女”とは、アリスのことだ。

 

 

「君に渡すものがある。」

「なんだ…?」

 

 

彼は、アリスの息子にあるものを手渡す。布に包まれたそれは重みがあり、乗せられたウィリアムの手が少し下がる。ウィリアムが布を開くと、中のものに目を見張った。

 

 

「母さんの……!」

「マスター・レインのライトセーバーだ。これで彼女を探しに行くんだ。」

「どうやって………」

「フォースの声を聴け。フォースが導くだろう。君の父親も一緒にいるはずだ。」

「っ!!………ありがとうございます。」

 

 

ウィリアムはお礼を言うと、“スカイウォーカー”の下へ走る。

 

ファルコンをメンテナンスしていた“2人”のスカイウォーカーは、ウィリアムの呼び声に振り向く。

 

 

「なんだ?」

「どうしたの?」

「母さんを探しに行く!R7-D4を借りるぞ!」

 

 

2人は唖然とした後、同時に口を開く。

 

 

「何だと!?」「何ですって!?」

 

 

ウィリアムはそれに気付かず、R7-D4とシャトルに乗り込む。誰かが止める間もなく、シャトルは全速力で発進した。レイとベンは、それを呆然と見上げるしかなかった。

 

レイアは、一人その様子を静かに見守っていた。

 

置いていかれた2人のスカイウォーカーを微笑ましく見て、レイアは何も言わずに背を向ける。

 

また夜が明けて、日が昇った。

 

その夜明けは、銀河の夜明けでもあった。

 

新しい時代が始まる。

 

 






あと、2話の予定です。

皆様、お付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m
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