揺らぐ平和
エクセゴルの戦いから2年後……
ジェダイとシスが滅びて、銀河には再び平和が戻った。
しかし、いつの時代も残党というものは存在するもので、ファースト・オーダーの残党が外縁部に居座っていた。レジスタンス艦隊が応戦して、ベン・ソロとレイ・スカイウォーカー、ウィリアム・ルードはレジスタンスと共に戦っていた。
『ビリー!旋回しろ!』
「分かってる!」
ベンの怒声に、ウィリアムも声を張り上げる。
ベンのTIEインターセプターと、レイのレッド5がポー・ダメロン率いるブラック中隊と並んで、ファースト・オーダーと戦う。ウィリアムも、母のアリスが使っていたイータ級インターセプターに搭乗して戦っていた。ウィリアムをサポートするのは、R7-D4だ。
R7は、ウィリアムにシールドが剥がれたことを告げる。
「知ってるよ!早く配線を直してくれ!」
R7-D4が配線を繋げ直す間、ウィリアムはスピンしてTIE編隊の中に突っ込む。撃ち込みながら通過して、ファースト・オーダーの三小隊程のTIEファイターを墜とした。
戦いは、レジスタンスが優勢だ。
ファースト・オーダーは降伏しようとせず、尚も抵抗していた。
『各機に告ぐ。全員、旗艦に戻れ。』
「カルリジアン将軍!まだ敵が、」
『手遅れになる前に戻るんだ!』
カルリジアンが言った直後、ファースト・オーダー艦隊の奥から、強力なスーパーレーザーが発射される。その一撃で、レジスタンス艦隊は編成を崩す。ウィリアムは慌てて戻り、旗艦はすぐに撤退した。
レジスタンスの主要メンバーは、旗艦の作戦会議室で緊急のブリーフィングに入る。
「まるで姿が見えない。クローキングではないのに、センサーも反応しない。」
アクバー元帥の息子のジュニアが、そう吐き捨てる。
「オーガナ将軍」
「情報提供者によれば、あれはデス・スターの兵器を積んだスター・デストロイヤーよ。真正面からではダメ。計画を練りましょう。」
「あの、質問が…」
「言って、フィン。」
「情報提供者とは誰です?」
その問いは、レジスタンスの面々が思っていたことだった。窮地に追い詰められたファースト・オーダーに、スパイはいない。
それなら、情報提供者とは誰か?
フィンやレイ、ベンやビリーにはすぐに答えが分かった。
「ファースト・オーダーからの離脱者よ。それともう一つ、懸念材料があるわ。」
「まだあるんですか!?」
レイの裏返った声に、レイアは目を伏せる。
「ファースト・オーダーの“残骸”を操っているのは、シスの信奉者よ。」
「シスが……」
「違えてはいけないのは、彼らはシスじゃないということ。」
大きな問題だった。レイアとて、全てが見えるわけではない。シスのカルト集団は、とても厄介だ。
「彼らの狙いは、アリスよ。」
「母さんは死んだ。一体何の為ですか?」
「アリスはジェダイの秘密だけでなく、シスの秘密も持っている。彼らはアリスを呼び寄せたいの。」
「そんな……」
「だが、マスター・レインは現れない。」
ベンの言う通りだった。
エクセゴルの戦いから、ビリーやレイ達が何度も宇宙のフォースに呼びかけているが、アリスは一度も姿を現していない。ごく稀にルークは現れるが、アリスとアナキン、この2人だけは姿を現さなかった。
シスの信奉者達はそんなことなど露知らず、アリスが現れるのを待っている。
「そうね。けど、ファースト・オーダーは戦うことでアリスを呼び寄せようとしているの。」
「クソっ!!」
「待ちなさい、ビリー。どこへ行くつもり?」
レイアの呼び止めに、ウィリアムは拳を握り締める。
「………少し休ませてください。」
「許可します。」
許しが下りると、ウィリアムは作戦会議室を出ていく。
残された面々は、そんな彼の背中を静かに見送る。
「将軍……」
「ビリーは心中穏やかじゃないと思うわ。母親が利用されようとしているのだから。」
レイアは、悲しげに話す。寂しいのは、ウィリアムだけではない。レイアも、アリスと会えず寂しく思っていた。
「レイ」
「はい、将軍」
「ビリーから目を離さないで。貴女とベンは、シスの信奉者を。スーパーレーザーは私達で解決するわ。」
「大丈夫だ、任せろ。」
「ポー、お願いね。」
「俺もいる。心配するな。」
「ありがとう、フィン。」
2人が出ていき、レイア達はスター・デストロイヤーの対抗策を講じる。
一方その頃、ウィリアムはベッドの上でうつ伏せに項垂れていた。
母が利用されようとしていたと知り、怒りを覚えていた。だがウィリアムは教えを守り、必死に怒りを抑える。自分がやるべきことは分かっているが、彼はどうしようもなくベッドを殴っていた。
「ビリー」
レイがウィリアムの下へ来て、優しく声をかける。
「なんだ?」
「アリスのことだけど……」
「母さんのこと?」
「ええ。もしかしたら………アリスはこうなることを予期していたのかも。私達フォース感応者の在り方を変えるって、こういうことだったのかもしれない。」
母の願いを思い出して、ウィリアムは口端を噛む。
アリスの願いは、ジェダイもシスも途絶えさせることだった。選ばれし者として、ジェダイとシスの両方の系譜を断ち切ったのだ。今後、フォース感応者同士が争わなくても良いように。
そしてレイやベン、ウィリアムが利用されないように。
その結果がアリスの誘い出しだが、今回の件を除けば、彼女の願いはほぼ叶っているようなものだった。
しかし、シスの信奉者がそれを壊そうとしている。
「レイ、手を貸してくれ。」
「え?」
「母さんの願いを、壊させはしない。」
ウィリアムは、レイにあることを話す。
レイは彼の提案に、賛同した。その提案はアリスの為のもので、ウィリアムの祈りでもあった。レイはウィリアムの心情を知り、手を貸すことを決めた。
今度は
夜中のテンションって最高だよねw