【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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愛された子供達

3人はライトセーバーでトルーパーを倒しながら、真っ直ぐ“玉座の間”を目指す。

 

最高指導者、ユース・グレンは玉座の間にいる。そして、グレンはウィリアム達を待っている。ウィリアムやベン、レイは戦うことになると分かっていて、グレンの下へ向かっていた。

 

ウィリアム達はようやく玉座の間に辿り着き、ベンがドアを力で強引に開ける。

 

 

「ついに来たか、アリス・レインの弟子共。」

「お前の野望もここまでだ。」

「それはどうかな、元最高指導者?」

「一々ムカつく奴だな、お前。」

「ビリー、挑発よ。」

 

 

玉座に座るグレンは、3人を見下ろす。

 

グレンが手を上げると、玉座の間に多くのストーム・トルーパーが現れる。だが、訓練を受けたウィリアム達の敵ではない。問題は、グレンだけだった。

 

ウィリアムは、真っ先にライトセーバーを起動する。

 

 

「まぁ待て。提案がある。」

「なんだ?」

「お前達なら、アリス・レインを呼び出せるんだろう?」

「母さんに何の用だ?」

 

 

ウィリアムが聞かずとも、3人は答えを知っている。

 

シスの秘術狙いだと知っているが、あえて目的を聞き出そうとした。シスの秘術で何をしようとしているのか、ウィリアムはそれを探った。敵の目的を知らなければ、阻止はできない。

 

母ならどうするか、またウィリアムはそう考えていた。

 

 

「わざわざ話すつもりはない。レインを呼び出せば、楽に死なせてやる。さっさと呼び出せ。」

「………無理だ。」

「何……?」

「呼び出せない。」

 

 

その答えは、レイとベンも同じだった。

 

3人がどれだけ宇宙のフォースに語りかけても、アリスは姿を現さなかった。エクセゴルの戦いから2年間、誰の声も聞かず、反応もない。アリスの息子であるウィリアムは、諦めかけていた。

 

 

「俺達だって、何度も呼びかけた。だが、母さんは一度も現れなかった。誰よりもっ………この俺が会いたいと思っているのに!!」

 

 

悲痛な声に、レイはウィリアムの悲しみを感じた。

 

一緒にアリスの訓練を受けたから、レイは彼の想いを知っていた。訓練中、ウィリアムは度々その想いをレイに話している。母を守りたくて訓練を受けたのに、先立たれてしまった。

 

ウィリアムは、喪失感を抱えていた。

 

 

「なるほど。お前は思っていたより子供だな。」

「なんだと!?」

「なぜあの女が現れないのか、私には分かる。いつまでも母親の死を引き摺るような奴に、会いたいと思うか?」

「………」

 

 

グレンの言葉は的を得ている。ウィリアムは、アリスの死を引き摺っている。レイやベンと違い、肉親の死を乗り越えられていなかった。

 

グレンは、その未熟さを見抜いていた。

 

 

「あんたに何が分かるの!?」

「私が親なら、嘆き続ける息子には会いたくないからだ。」

「しかし、お前は親でもない。ただのクズだ。」

「ほぅ?ベン・ソロ、父親を殺めた男が家族愛を語るか。」

「お前とは違う。俺にも母がいる。母の為に、俺は罪を受け入れて生きていく。」

 

 

そう言うベンの目は鋭かった。

 

ベンの表情は正しくスカイウォーカー家のもので、アナキンやルークの面影を見せた。

 

 

「つまり、お前達では呼び出せないようだ。」

「そうよ、諦めて。」

 

 

レイの言葉で、グレンは突然笑い出す。壊れたように笑い続け、手の平で顔を覆う。一頻り笑った後、グレンは大きく溜め息を吐く。

 

 

「ここまで来て、諦めてなるものか。」

 

 

酷く冷たい声だった。

 

グレンの凍るような声に、3人は暗黒面の力を感じた。

 

 

「役立たず共が。方法を変えよう。息子のお前が死にかければ、あの女も現れるだろう。」

 

 

不気味な笑みを浮かべるグレンは、懐から何かを取り出す。それを見たレイとベンはただ驚くだけだったが、ウィリアムは顔を青くさせた。ウィリアムの表情に、グレンは愉快そうに顔を歪めさせる。2人のの反応を見たレイとベンは、ウィリアムに詰問する。

 

 

「どうした?」

「ビリー?」

「真っ青にもなるだろうな。“誰”から盗ったと思う?」

「お前……!」

「あれはアリスのライトセーバーでしょう?どういうこと?」

 

 

グレンが取り出したのは、アリスのライトセーバーだった。

 

ところが、入手先が問題だった。

 

アリスのライトセーバーは、ウィリアムがダンタム・ルードに渡したものだった。唯一の遺品として、彼は父に預けたのだ。そして、今も父の元にあるはずだった。

 

それが、グレンの手にある。

 

 

「そのライトセーバーは、お前が持っているはずがない!父さんに何をした!?」

「え!?」

「………」

 

 

レイとベンは、ようやく状況を理解する。

 

そう、ライトセーバーは奪われたものだ。ダンタムが持っているはずのものがグレンの手にあるのが、その証拠だ。ウィリアムは真っ先に気付き、殺気をグレンに向ける。

 

 

「何もしてない、まだな。」

「まだ……?」

「これからするかもしれない。おい、連れてこい。」

 

 

グレンに指示され、トルーパーは誰かを引き摺ってくる。

 

手錠をされ、膝をつかされた男は、ウィリアムを見上げる。老けて衰えているものの、彼の目は凛としていた。それも、ウィリアム達に引けを取らない程に。

 

男、ダンタム・ルードは、グレンを睨み付ける。

 

亡き妻であるアリスを守る為、ダンタムは何一つ語らなかった。

 

彼は、今でもアリスを愛している。

 

 





寝たいのは山々なんですよ?
花粉症が辛くて眠れない( ;∀;)
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