さて、その後が気になるよね?
クローン戦争、始まりました。
パルパティーン議長の非常時大権を以て、クローン・トルーパーによる共和国グランド・アーミーが設立された。クローン兵を乗せたクルーザーは、次々にコルサントを出発する。
私はバクタ・タンクにいたから、残念ながらその光景は見れなかった。
タンクから出た後に聞かされたのが、私もジェダイ将軍になるということ。自分の大隊ができるんだってさ。
これこそ現実逃避したい。
「アリス、聞いてるか?」
「あ、ごめん!聞いてなかった!」
「………」
「すみません、真面目に聞きます。」
オビ=ワンからドゥークー伯爵の話を聞かされていたが、アナキンとパドメの結婚が気になりすぎてそれどころじゃなかった。
いや、極秘で結婚式を行ったのはちょっと前だけど、バイノキュラー越しでいいから見たかった。
「それで、お前はドゥークー伯爵と何があった?」
マスター・ウィンドゥに聞き出すように言われたみたいだ。
ドゥークー伯爵と私のやりとりは、多くの人が見ている。オビ=ワンもその一人。聞かれない方がおかしい。
「何かあったわけじゃないけど、ドゥークー伯爵に嫌われてるみたいなんだよね。」
「ドゥークーが嫌う理由は分からなくもない。」
「え、分かるの?なんで?」
「アリス、お前はジェダイとしての矜持が見られない。それが、ドゥークー伯爵の敵意を受ける理由だ。」
矜持だって?
ジェダイに、なりなくてなったわけじゃない。この銀河に産まれた瞬間から、ジェダイになることが決まっていたからだ。物心ついた頃には、ジェダイ聖堂にいたんだ。捻くれたくもなる。
フォース感応力に、平穏はない。
「つまり、ジェダイの模範になって、私が真面目になれば、嫌われずに済んだってこと?何それ、気持ち悪い。」
「ああ、アリスじゃないな。」
「失礼って分かってる?」
「分かっているさ。だが普通のジェダイじゃないお前なら、暗黒面の誘惑に乗ることはないだろう。」
実際に、ドゥークー伯爵の罠に落ちなかった。もし私が愚か者でなければ、誘いに乗っていた。何が賢明な判断なのか、決めるのは自分自身だ。
「それから、アミダラ議員がお礼を言いたいそうだ。」
「お礼?何の?」
「ガンシップから落ちた議員を助けたからだ。」
「あー………え?どういうこと?」
本人に聞け、とオビ=ワンに丸投げされた。
ありがとうの一言なら、ジェダイ評議会を通せばいいのに。わざわざ私と直接会うなんて、恐れ多い。私は、ただのジェダイ・ナイトなんだから。
聖堂から出て行き、私は元老院のオフィスビルへと向かう。
オフィスビルに着き、エレベーターに乗ろうとすると、パルパティーン議長と鉢合わせた。最悪だ。
「おやアリス、元老院へようこそ。」
「貴方に会いに来たんじゃありませんから。」
「分かっている。アミダラ議員だろう?アミダラ議員を落下から庇った、と。」
そうですよ、と一言だけ言って、傍を素通りする。
「私からも礼を言おう。」
「貴方からの礼はいらない。」
足早く逃げて、エレベーターに乗る。ドアが閉まっていく中、パルパティーンのほくそ笑む顔を見てしまった。もう敬称なんて付けてやらない。
エレベーターから降りて、パドメのオフィスをノックした。
入室を促されて中に入ると、アナキンもいた。
「なぜここに?」
「それ、私の台詞だから。」
パドメはその会話に笑って、アナキンの背中を押して追い出す。
「ほら、マスター・ジェダイ、また会いましょう!」
「パド………アミダラ議員!」
「私達、ガールズトークがあるから!」
この世界にもガールズトークがあるのよ!
「アリス、ジオノーシスでは貴女に助けられました。ありがとう。」
アナキンが追い出された後、パドメはそう頭を下げる。
待って。私、元老院議員に頭を下げられてる?
「頭を下げるのはやめましょう?私はジェダイとして貴女を助けたんです。」
「アナキンに聞いたわ。貴女がそういう人ではないと。」
「議員、何を聞いたか知りませんが、強ち間違いではないかもしれません。ただ、私がジェダイだということをお忘れなく。アナキンもです。」
私とパドメが仲良くなるには、まだまだ早い。
お辞儀して、アミダラ議員のオフィスを出ていく。
何となくだけど、パドメが訝しんでいることに気付いた。ジェダイだからではなく、あえて彼女と距離を置いている。関わりすぎて、私が暗黒面に堕ちたら元も子もない。
暗黒面って、すごく心地良いんだけどね。
お腹空いたな。