ドロイドにも好き嫌いはある
本格的に始まりました。
あの、クローンウォーズが!
ところで皆さん、覚えていますでしょうか?私がジャバ・ザ・ハットと取引して、対等な関係になったことを。そのジャバから、連絡がありました。
なんと、あのジャバに子供がいるらしい!
ロッタを探し出せと言われた。
ジャバがロッタを、“プクプクちゃん”と呼んでいたのは笑いそうになった。笑わなかった私を褒めてくれ。
それより、どうしよう。映画のクローンウォーズ観てないや。ストーリーがさっぱり分からない。
TVシリーズは全部観たのに、映画だけ観てないってまずいよね。
「というわけなんですけど、議長、引き受けますか?」
私は一人で手に負えないと判断して、ジェダイ評議会と元老院のパルパティーンに話した。
暗黒卿である議長に言うのはどうかと思ったけど、ジェダイ評議会に言えば、どの道知れることになるし、諦めた。
ジャバの友人として一人で探すこともできるけど、どうも嫌な予感がして報告することに決めた。案の定、暗黒面が影響しているのか、瞑想しても何も見えなかった。いくら暗黒面が心地良くても、これは不便だ。
「それよりも、なぜお前がジャバ・ザ・ハットと繋がっている?」
議長のオフィスに呼び出されたマスター・ウィンドゥとマスター・ヨーダは、私を疑わしい表情で見る。
そんな視線を向けるのも仕方ない。ジェダイが犯罪王と友好関係を持っているのだから。
「10年前、ジャバと取引したんです。」
「取引じゃと?」
「えっと、ですね、賭けをしたんですよ。」
苦笑いしながら言えば、マスター達は溜め息を吐く。
二人とは反対に、パルパティーン議長はその行動に喝采する。
「今の状況を考えれば、共和国にとって好都合だ。よくやった、アリス。」
褒めてきたのは議長だけ。
ジェダイからは良い評価は受けない。当時パダワンの私が、独断で勝手にやった行動だ。10年前とは言っても、良い顔はしなくて当然だろう。
「勝手な行動をしたのは申し訳ありません。でも、私はジャバを味方に付けたかっただけです。」
「分かった。お前の判断を信じよう。」
チョロいぜ、ジェダイ評議会。
本来なら追放モノだけど、状況が状況だ。マスター・ヨーダがOKしてくれなかったら、マジでやばかった。実はヒヤヒヤしたのはここだけの話にしておく。
「では、ジャバに連絡を繋げます。」
専用の回線で、ジャバに通信を繋げる。
ジャバは通訳ドロイドと一緒に映り、応答した。私の姿を見ると、どこか嬉しそうな反応をする。
本題に入り、手を尽くすことを約束して、こちらのお願いを言ってみた。
「ロッタの捜索は、元老院を通してジェダイ・オーダーが引き受けることになる。派遣するのは、私より優秀なジェダイ。そこで約束を果たした暁には、共和国の船が貴方の領域を通る許可が欲しい。」
私の言葉を聞いて、ジャバは少し考え込む。
いくら対等な関係だとしても、私一人の頼みじゃない。共和国からのお願いだ。頷いてくれるかどうか………
そして、ジャバは何かを話し、通訳ドロイドがそれを翻訳する。
『偉大なるジャバ様は、御子息の無事を確認できたら許可すると仰っています。』
「本当に!?ありがとう!!」
『貴女に免じて、だそうです。』
「ドロイド、なんで不機嫌そうなの?」
『気にしないでください。』
あの通訳ドロイド、絶対私のこと嫌いだろ。
派遣するジェダイは、現在クリストフシスにいるアナキンと、これから彼の弟子になるパダワン・タノになった。
肝心の私は、別任務が与えられた。
「アリス、お前はナル・ハッタへ行き、ハット評議会にこの件の説明を。」
「ジャバ、それでいいかな?」
『ジャバ様は、言伝を任せると仰っています。』
うぇぇ……あのハット評議会と対面するのか!
ジャバ様、そこは断ってくれていいんですよ?
「ナイト・レイン、言伝はお前に任せる。」
「はい、マスター。」
議長のオフィスを出て、エレベーターに乗り込み、頭を抱える。
ジャバと賭けをした時、この事態は想定してなかった。そもそも、息子がいること知らなかったし。膝から崩れ落ちそう。
「AP-7、R7-D4はどこ?」
エレベーターを降りた後、通りかかったドロイドにマスターのドロイドの居場所を聞く。
こんな時こそ、あいつが必要なんだ!
「R7-D4はマスター・プロと任務へ参りました。」
「アハハ、サイコウ!」
もういい、知らん!
一人で行くしかない。心細いなんて思ってない。欠片も思ってないからね?
「ナイト・レイン!お待ちを!」
「何!?」
「私が付いていってはダメでしょうか?」
「は?」
「お役に立てるはずです。お供致します!」
AP-7の意外な申し出に、仕事はいいのか聞き返してしまった。
「あんた、仕事があるでしょう?」
「問題ありません!」
任務は終わったから、志願したと言う。
この世界のドロイドは、自分の意見を主張する。元の世界を知る私からすれば変だけど、それがドロイドの個性だと思ってる。
一人で頷いて、AP-7の同行を許可した。
「いいよ。一緒に来て。」
「ありがとうございます。」
シャトルに乗り込み、AP-7にナル・ハッタの座標を入れてもらう。軌道まで飛んで、ハイパースペースに入ると、人間である私は寛ぎモードに移行する。
マスター達もいないし、思いっきり寛いでやる!
「AP-7、私のことはアリスでいいから。」
「左様ですか。では、アリスと。アリス、ジャバ・ザ・ハットと友好関係を築いたと聞きました。本気ですか?」
「え?本気だよ?」
「なんと恐ろしい……」
「あはは!やだなぁ!丸め込んじゃえばこっちのもんだって!」
「そんなことを言えるのは、貴女だけですよ。」
現に、私はこうしてジャバと友好関係を持てた。友達ではないが、悪くない仲だ。今後も対等な関係でいたい。
「ねぇ、AP-7って分析ドロイドだよね?」
「ええ。それが何か?」
「私はどう見える?」
試しに分析してもらおう。
少し計算した後、AP-7は答えを告げる。
「アリス・レイン、25歳。」
「歳は言わんでいい!」
「それは失礼しました。ジェダイの騎士、ライトセーバーの扱いには申し分ない。」
「へぇ、ありがとう。」
「ただし、勝手な行動が多い。」
「なんでよ!」
椅子から落ちそうになった。
心当たりはある!
寧ろありすぎる。心当たりがありすぎて、どれのことか分からない。ダメだ、終わった。
「主にジェダイ評議会の承認なく、独断が多い為です。」
「5段階で評価するなら、どれ?」
「4です。」
「だからなんで!?」
「ジェダイ評議会の承認、」
「分かった!もういい!」
AP-7がどう思っているのか、よーく分かったよ。
「じゃあさ、R7-D4が私をどう思っているか、聞いたことある?」
「直接聞いては?」
「言ってくれると思う?」
「思わないですね。そうですね………R7-D4は、貴女をとても信頼しています。」
それは嬉しい。
勝手に連れ出してるけど、なんだかんだ慕ってくれてたのか。
「それで?」
「その、何と言えばいいのやら……」
「え?何?悪いこと?」
「R7-D4に悪気はないと思うのですが、貴女は一緒にいて面白く楽しい、と。」
その意見には同感!!!
ドロイドは好きだ。だが、ジャバの通訳ドロイド、お前はダメだ。通訳ドロイドはさて置き、R7-D4は特別に好きになりそう!
テンション上がってきたところで、ナル・ハッタに着いてしまった。ハット族の故郷だ。同時に、犯罪シンジケートのハット・クランの拠点でもある。
早く帰りたい!!!