【完結】ジェダイ(仮)になりました。   作:夭嘉

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25歳は女の子じゃない

ロッタ誘拐事件の後、マスター・ヨーダに呼び出された。

 

なんだかんだ言って、未だに軍を率いてない。戦場に行かなくて済むのはいいけど、今度はフォースの意志に歴史から遠ざけられてる気がする。小細工したせいかな。

 

あ、あの後お叱りを受けましたよ。何にって、また独断で行動したことを、だ。

 

出頭すると、新しい任務を出された。

 

任務内容は、要人の護衛。護衛する対象は、ダンタム・ルード議員。ルード議員の星とコルサントの往復の護衛だった。任務期間が長くなりそう。

 

 

「アリス、この任務には気を付けよ。」

「何がですか?」

「………」

 

 

特に危ないこともなさそうなのに。

 

 

「何かあるんですか?」

「何もない。わしの思い過ごしじゃろう。」

「?」

 

 

指令書を受け取り、聖堂を出てオフィス・ビルへ向かう。

 

エレベーターに乗って、ルード議員のオフィスに着き、ノックする。

 

 

「入ってくれ。」

「失礼します。」

 

 

オフィスに入ると、もう出発の準備ができていた。

 

 

「今回護衛に付く、アリス・レインです。」

「私はダンタム・ルード。お会いできて光栄だ、レイン将軍。」

 

 

将軍って、普通に呼ばれると違和感しかないな。

 

オフィスの中を見回すが、他には誰もいない。席を外している様子もない。荷物も、ルード議員のものだけ。

 

旅にしては、荷物が少なくないか?

 

 

「他の使用人はどうされたんですか?」

「そのことだが、今回の護衛は君一人だ。」

「え?冗談ですか?」

「冗談ではない。今回は、お忍びで帰郷するんだ。帰郷先では、友人と会食もある。」

 

 

へぇ、友人と食事する為ねぇ?

 

それだけの為に、お忍びで帰郷するのか。相手が誰であれ、議員自ら馳せ参じる程とは、友人の正体が気になる。マスター・ヨーダが訝しむわけだ。

 

 

「では会食中、私は別室で待機します。」

「ああ。頼む。」

 

 

ルード議員に伴い、オフィスを後にする。

 

ごく一般的なシャトルを使い、私と議員の二人で乗り込んだ。

 

今回はドロイドもなし、私以外のお供もなし、他の護衛もなしだ。本当に2人きり。今になって不安になってきた。

 

 

「レイン将軍、私でも操縦はできる。」

 

 

一人で静かにしていたかったのに、議員がコックピットへ入ってくる。

 

ルード議員は、違うことなき要人だよ?

 

 

「議員、貴方は操縦しなくていいんですよ。」

「私がここにいたいんだ。気にしないでくれ。」

 

 

エンジンを立ち上げて、私は舵を握る。

 

横から視線がウザいんだけど、一体何なんだ。特殊な操作もしてない。何を見てるのか、全然分からない。

 

 

「何ですか?」

「いや、ジェダイは何でもできて、素晴らしいと思ってな。」

「ジェダイはフォース感応力に加えて、できることが多いだけです。特別なことはありません。」

 

 

エンジンを蒸して軌道へと出てから、議員の惑星に座標を設定する。計算が終わり、ハイパースペースに入った後、操縦席から離れる。インナー・リムの惑星まで、少しだけ時間がある。

 

 

「将軍、どこへ行く?」

「どこにも行きませんよ。瞑想するだけです。」

「少し話をしないか?」

 

 

おかしいな、話が噛み合わない。

 

喋りたくないから、瞑想しようと思ったのに!

 

 

「話すことなんてあります?」

「ジェダイのことを知りたいんだ。ジェダイは節制が多いと聞くが、本当なのか?」

「まぁ、そうですね。多いです。」

「何を節制する?」

「欲と執着です。それらは暗黒面に繋がるので、禁止されているんです。」

 

 

案外知られていないらしい。

 

ジェダイはフォースを使い、ライトセーバーを振り回すだけだと思われがちだけど、それだけがジェダイじゃない。平和の為にフォースの声を聴くのも、ジェダイの役目だ。さらに言えば、平和を維持するのがジェダイの使命。

 

他人事のように言ってるけど、私も一応守っている。

 

反していることと言えば、ジェダイとしての自覚を持たないことだ。

 

ジェダイには責任を求められる。大抵のジェダイは責任感を自覚して、銀河の為に動く。でも私は、責任感など欠片もなく、銀河のことはほとんど考慮していない。

 

これが、ジェダイ評議会が私を憂う理由だ。

 

 

「欲は人間の基本だと思うが、何がいけない?」

「欲は執着、執着は欲です。我欲が強くなれば、他者を虐げることになります。執着は、失うことで悲しみ、奪われることで憎しみを抱きます。それらの負の感情は、暗黒面に繋がるんです。」

「では、愛情はどうなる?」

 

 

愛情、それこそ危険な感情だ。

 

愛情は麻薬だ。薬になれば、毒にもなる。悪いものではないけど、執着の元になるんだ。だから、掟で禁じられている。

 

 

「愛情も、掟で禁じられています。」

「ジェダイというのは、冷たいものだな。」

「ジェダイは銀河の為に存在する。そういう概念です。誰かが欲を出せば、バランスが崩れてしまいます。」

 

 

それがこの世界の摂理で、原理。実際、シスが現れて銀河に混乱を招いた。ジェダイは対処できず、クローン戦争が始まってしまった。

 

 

「そろそろ着きます。」

「そのようだ。」

 

 

アラートが鳴って、シャトルはハイパースペースを出る。

 

宙域を出たシャトルは軌道へ入り、着陸態勢に入った。議員に座席へ座ってもらい、シャトルを惑星のドッキング・ベイに着陸させる。

 

 

「行きましょう。」

「少し待ってくれ。」

「はい?」

 

 

ハッチを開けようとする私を、議員が呼び止める。

 

 

「友人は、護衛がいるとは知らないんだ。着替えて同席してもらえないか?」

「着替え?何にです?」

 

 

ルード議員の言葉の意味が分からず、首を傾げる。

 

 

「ドレスに着替えてくれ。」

「ドレスにですか………はぁっ!?」

 

 

また素が出てしまった!!!

 

ドレスってあのドレスだよね?スカートがヒラヒラするあれ!股がスースーするあれ!

 

あれ、女の子が着るものだよ!私女の子じゃないし!四捨五入したアラサーって女の子じゃないから!大事なことだからもう一度!女の子じゃないです!

 

 

「いや、あの、これこそ冗談ですよね?」

「本気だ。ライトセーバーは隠し持っていていい。頼む。」

 

 

断り続けたけど、結局私が折れてドレスを着ることになった。

 

化粧?んなもんしない!ヘアメイク?そんなもの知らない!ドレスを着るだけだ!!

 

ヒールで戦う人達を、改めてすごいと思った。不安定じゃん、ヒールの靴って。危なくない?

 

私には無理!!!

 

 

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